30年振りに復活したバイオレンス・アクション「マッドマックス」シリーズの第4作。 核戦争後の荒廃した世界を舞台に、武装集団から逃れようとした女戦士に協力する孤独な戦士の壮絶な戦いを描く、製作、監督、脚本ジョージ・ミラー、主演トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト他共演のバイオレンス・アクション。 |
・シャーリーズ・セロン / Charlize Theron 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョージ・ミラー
製作
ジョージ・ミラー
ダグ・ミッチェル
P・J・ヴォーテン
製作総指揮
イアイン・スミス
グレアム・パーク
ブルース・バーマン
脚本
ジョージ・ミラー
ブレンダン・マッカーシー
ニコ・ラサウリス
撮影:ジョン・シール
編集:マーガレット・シクセル
美術・装置
コリン・ギブソン
リサ・トンプソン
衣装デザイン:ジェニー・ビーヴァン
音楽:ジャンキーXL
出演
”マッド”マックス・ロカタンスキー:トム・ハーディ
フュリオサ・ジョ・バサ大隊長 :シャーリーズ・セロン
ニュークス:ニコラス・ホルト
スプレンディド:ロージー・ハンティントン=ホワイトリー
トースト:ゾーイ・クラヴィッツ
ケイパブル:ライリー・キーオ
ダグ:アビー・リー・カーショウ
フラジール:コートニー・イートン
イモータン・ジョー:ヒュー・キース・バーン
リクタス・エレクタス:ネイサン・ジョーンズ
コーパス・コロッサス:クエンティン・ケニハン
スリット :ジョシュ・ヘルマン
エース:ジョン・イルズ
ドーフ・ウォーリアー :iOTA
ミス・ギディ:ジェニファー・ヘイガン
オーガニック・メカニック:アンガス・サンプソン
モロゾフ:クリス・パットン
最高司令官:リチャード・ノートン
ミルキング・マザー:エリザベス・クーニコ
武器将軍:リチャード・カーター
人食い男爵:ジョン・ハワード
バルキリー :ミーガン・ゲイル
種を持つ老婆:メリッサ・ジャファー
リフトの番人:スティーブン・ダンリービー
アメリカ 映画
配給
ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ
ワーナー・ブラザーズ
2015年製作 120分
公開
オーストラリア:2015年5月14日
北米:2015年5月15日
日本:2015年6月20日
製作費 $150,000,000
北米興行収入 $153,636,350
世界 $375,836,350
■ アカデミー賞 ■
第88回アカデミー賞
・受賞
衣装デザイン・美術・メイクアップ&ヘアスタイリング・編集・音響編集・録音賞
・ノミネート
作品・監督・撮影・視覚効果賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
核戦争後、荒廃した石油と水の奪い合いが続く世界。
元警官の”マッド”マックス・ロカタンスキー(トム・ハーディ)は、愛する家族を奪われ、その亡霊と幻覚に悩まされながら、愛車”インターセプター”で荒野をさ迷い本能のままに生きていた。
ある日マックスは、暴走集団に襲われて捕えられる。
山岳地帯に築かれた砦”シタデル”に連れて行かれたマックスは、逃亡しようとするものの失敗する。
独自の教義の下で組織化する集団の首領イモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)は、ウォー・リグでガスタウンに向かい、ガソリンを奪い弾薬も補給することを人々に伝える。
それを指揮するのは、ジョーの右腕でもあるフュリオサ・ジョ・バサ大隊長(シャーリーズ・セロン)だった。 確保している豊富な水を支配することで、ジョーは人々の心を操っていた。 出発したフュリオサは途中で進路を変更し、ジョーは、息子コーパス・コロッサス(クエンティン・ケニハン)からそれを知らされる。 5人の妻の元に向かったジョーは、その一人で臨月を迎えているスプレンディド(ロージー・ハンティントン=ホワイトリー)を捜すが、”ワイブス”がフュリオサと共に逃げたことを知る。 武装戦闘集団”ウォー・ボーイズ”のニュークス(ニコラス・ホルト)も、それを知らされる。 マックスは、放射線障害の影響により短命なウォー・ボーイズに、血液を供給するドナーとして捕えられたのだった。 その血液を常に必要とする状態のニュークスだったが、自分も追っ手に加わると言い張り、”輸血袋”としてマックスを車に括り付けて爆走する。 激しい追撃戦がが始り、それをかわしたフュリオサは、前方に迫る砂嵐に突っ込む。 フュリオサを追い殺気立つ英雄願望があるニュークスは、自爆しながら突っ込もうとするが、拘束を逃れていたマックスにそれを阻止され、車は横転する。 砂嵐は収まり、気がついたマックスは、意識を失っているニュークスの鎖を外そうとする。 見つけた銃でニュークスの腕を撃ち抜こうとするマックスだったが、それが不発だったため、彼を担いでフュリオサの元に向かう。 ワイブスが体を洗っている場に現れたマックスは、銃を向けて水を要求し、鎖を切らせようとするものの、フュリオサに襲われる。 銃を奪ったフュリオサだったが、それが不発だったために、反撃してきたマックスと格闘になる。 車に隠されていた拳銃を奪ったマックスは、フュリオサを押さえつけ、意識の戻ったニュークスに鎖を切らせる。 ”緑の地”に向かうと言いながら車に乗ろうとしたスプレンディドに発砲したマックスは、ウォー・リグを奪って走り去る。 ワイブスを連れてウォー・リグを追ったフュリオサは、暫くして停止してしまったマックスに、自分しか動かせないことを知らせる。 車に乗るようにと言われたフュリオサは、ワイブスも乗せることを要求するがが、マックスは追っ手を待つと答える。 ジョーの妻を傷つけたことで、徒ではすまないと言われたマックスは、ウォー・リグのパワーを知らされ、仕方なく全員を乗せる。 マックスは、その場にあった武器を集め、ワイブスは後方の戦力を確認し、人食い男爵(ジョン・ハワード)が追跡に加わっていることを知る。 何か引きずっているとフュリオサに言われたマックスは、後方に向い、ガソリンタンクの牽引器を固定し、はめられていた鉄製のマスクを外す。 車を追い飛び乗っていたニュークスは、フュリオサに襲い掛かるが、ワイブスに押さえつけられる。 戻ったマックスから別の追っ手が来たことを知らされたフュリオサは、それが武器将軍(リチャード・カーター)と弾薬畑の軍であることを確認する。 ジョーを神と称えるニュークスの言葉を否定したワイブスは、彼を突き落とす。 ワイブスとマックスに隠れるよう指示したフュリオサは、約束の場所の渓谷に到着する。 イワオニ族の暴走バイク集団”ロック・ライダー”のリーダー、リフトの番人(スティーブン・ダンリービー)に、約束のガソリン1万2000リットルを運んできたことを伝えたフュリオサは、道を塞いでほしいことを伝える。 リフトの番人は、数台だと聞いていた追っ手が大群だと言ってフュリオサにそれを確認する。 追っ手が現れたことに気づいたフュリオサは、動かし方を教えていたマックスが車を走らせると同時に車体の下に潜り込み、床穴から車内に入ろうとする。 ロック・ライダーは崖を爆破して道を塞ぎ、ガソリンを奪おうとする。 ジョーは崩れた岩を越えようとして、ウォー・リグに乗ったと言うニュークスを連れて行く。 ロック・ライダーの攻撃は始り、スプレンディドは産気づく。 フュリオサは、タンクを外して爆発させて追撃をかわそうとするが、ジョーが追いつく。 スプレンディドを確認したジョーは攻撃を躊躇し、運転席に潜りこめると言うニュークスをウォー・リグに向かわせる。 巨漢の息子リクタス・エレクタス(ネイサン・ジョーンズ)に手を貸すよう指示したジョーは、ニュークスが鎖を引っかけてしくじったため、自ら攻撃を仕掛ける。 岩との激突を避けたスプレンディドだったが、車から落下してしまい、それを避けようとしたジョーの車は横転する。 ケイパブル(ライリー・キーオ)はスプレンディドを助けるべきだと言うが、マックスは、彼女が車に轢かれたとフュリオサに伝える。 フュリオサは、そのまま進むようマックスに指示し、ワイブスは悲しむ。 ジョーは、意識を失ったスプレンディドを抱きかかえる。 車がオーバーヒートしそうなため停車し、砦の生活しか知らないフラジール(コートニー・イートン)がジョーの元に戻ろうとするが、ケイパブルとダグ(アビー・リー・カーショウ)に引き留められて説得される。 その後、見張りをしたケイパブルは、ニュークスがいることに気づく。 ニュークスは、ジョーに失態を見られたことを悔やみ、すぐ死ぬ運命の自分の人世を嘆き毅然とするが、ケイパブルが彼を慰める。 トースト(ゾーイ・クラヴィッツ)は、弾薬が残り少ないことを確認する。 その後、ウォー・リグはぬかるみにはまってしまい、マックスらはタイヤを換えて、地面に爆弾を仕掛ける。 追っ手の車は爆弾で大破し、ジョーらも沼地で立ち往生する。 スプレンディドが助からないことを知らされたジョーは、子供を取り出すようオーガニック・メカニック(アンガス・サンプソン)に指示し、男の子だった子供が死んでいること確認する。 再び走行不能になり、車を降りたフュリオサは、現れたニュークスから、木を利用して車を動かすとい追われる。 血に飢えた武器将軍が近づき、フュリオサが将軍の車のサーチライトを撃ち抜く。 ニュークスは、ウィンチを木に繫いで車を動かし、マックスは、フュリオサに先で待っているようにと指示し、攻撃を仕掛けて来た武器将軍の元に単身で向かう。 暫くして、フュリオサは大爆発を確認し、マックスは弾薬や銃を持って戻る。 翌朝、助手席で目覚めたマックスは、フュリオサが、生まれ故郷の緑の地に向い、過去を清算する考えであることを知る。 その後、見覚えのある地に着いたフュリオサは、鉄塔の上にいた女(ミーガン・ゲイル)に近づき、自分がメアリー・ジョ・バサの娘だと伝える。 おとりだった女バルキリーは、バイクの仲間達に合図を送り鉄塔を下り、フュリオサがメアリー・ジョ・バサの娘であることを確認する。 種を持つ老婆(メリッサ・ジャファー)らはワイブスを歓迎し、緑の地は通って来たはずだとフュリオサに伝える。 それが、カラスのいた気味の悪い場所だと気づいたフュリオサは、その地が汚染により毒されたことを知らされる。 ショックを受けたフュリオサは跪き、叫び声をあげる。 お腹の子が悪魔の子だと老婆に話すダグは、バッグの中の植物の種を見せられ、昔は自給自足で人を殺す必要はなかったと言われる。 フュリオサから、バイクに荷物を積み目の前の塩の湖を渡ることを知らされたマックスは、ついてくるなら歓迎すると言われる。 一人で行動すると言うマックスは、希望は持たないことだとフュリオサに伝える。 心が壊れた時には”マッド/狂気”しか残らないと、マックスは付け加える。 翌日、旅立ったフュリオサを追ったマックスは、砦が戻る場所だと言って、緑があると伝える。 来た道をウォー・リグで戻り、谷でタンクを外して塞ぎ砦に向かうと言うマックスの意見に、ワイブスは賛成する。 戻れたとしても皆が従うかが疑問なフュリオサだったが、ニュークスが自分達を連れ戻したことにすればいいとケイパブルが提案する。 フュリオサは、希望はあるとニュークスから言われる。 渡っても塩しかないが、砦ならやり直せる可能性はあるとマックスから言われたフュリオサは納得する。 ウォー・リグが砦に戻ろうとしていることに気づいたジョーは、それを追撃して攻撃を仕掛ける。 エンジンが一基死にもう一基も危ない状態をフュリオサから知らされたマックスは、ニュークスにそれを直させようとする。 攻撃を受けたバルキリーは戦い続けるが、人食い男爵の車に轢かれてしまう。 ウォー・リグは囲まれて老婆は傷つき、トーストが連れ去られる。 マックスやフュリオサも傷つくが、ニュークスがエンジンを直す。 人食い男爵の車に乗り移ったマックスは、フュリオサが刺されたことを知らされて、谷に着いたウォー・リグに戻る。 フラジールは、近づくリクタスに助けを求め、彼は他のワイブスも連れ戻そうとする。 マックスはリクタスと格闘になり、背中の呼吸装置を壊されたリクタスは動けなくなる。 運転をニュークスに任せたフュリオサがジョーを倒し、落ちそうになったところをマックスに助けられる。 フラジールはジョーが死んだことをワイブスに知らせ、ダグは老婆が息を引き取ったことを確認して、彼女の種のバッグを持って前の車に乗り移る。 ケイパブルにも乗り移るようにと伝えたニュークスだったが、回復したリクタスがエンジンをもぎ取って持ち上げる。 ニュークスは、岩の門に向かうケイパブルを見つめながら車を横転させるて道を塞ぐ。 瀕死のフュリオサを助けようとするマックスは、失血死しそうな彼女に輸血をする。 マックスは、決して語らなかった自分の名前をフュリオサに伝えて、彼女を見守る。 砦に着いたマックスは、ジョーの死体を見せて、回復したフュリオサが戻ったことを皆に知らせる。 人々は、救世主だと言ってフュリオサを称え、大量の水を与えられる。 役目を終えたマックスは、フュリオサと目を合わせてその場を去る。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「マッドマックス」(1979)
・「マッドマックス2」(1981)
・「マッドマックス/サンダードーム」(1985)
・「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015)
・「マッドマックス ザ・ウエイストランド」
*(簡略ストー リー)
核戦争後、荒廃した石油と水の奪い合いが続く世界。
元警官の”マッド”マックス・ロカタンスキーは、愛する家族を奪われ、その亡霊と幻覚に悩まされながら本能のままに生きていた。
暴走集団に襲われ、山岳地帯の砦”シタデル”に連れて行かれたマックスは、放射線障害の影響による者達のための血液ドナーとして拘束される。
確保してある豊富な水で集団と人々を支配する首領ジョーは、ガソリン強奪を右腕のフュリオサに命ずる。
ところが、フュリオサは、幽閉されているジョーの妻5人”ワイブス”と共に逃亡を図り”緑の地”を目指す。
それを知ったジョーは、武装戦闘集団”ウォー・ボーイズ”らを引き連れてフュリオサとワイブスを追跡しようとする。
マックスは、衰弱しているウォー・ボーイズ、ニュークスの”輸血袋”として、車に括り付けられて追跡に加わることになる・・・。
__________
ファン待望の、人気シリーズの30年振りの続編である第4作。
30年の歳月が経ったにも拘らず、シリーズの生みの親であるジョージ・ミラーが、製作、監督、脚本を兼ねた意欲作であることがとにかく嬉しい。
前3作は、当初はB級的だった作品がレベルアップしていき、本作では時代の流れもあり最先端技術を駆使し、本物のアクションと合わせたその迫力は度肝を抜く凄まじさだ。
荒廃した原野で繰り広げられるアクションが売り物であり、バイオレンスを前面に出す独特な世界観が見所の作品なのだが、どこか情緒的な雰囲気を感じさせる、ジョージ・ミラーのメリハリのある見事な演出にも注目したい。
気になっていたのは、この手の作品がアカデミー作品賞にノミネートされたこで、個人的な意見としては、手抜きのない娯楽映画としての出来はいいが、やはり作品賞にノミネートされるような内容ではないと思う。
その第88回アカデミー賞では、作品賞以下10部門にノミネートされ、衣装デザイン、美術、メイクアップ&ヘアスタイリング、編集、音響編集、録音賞を授賞した。
*ノミネート
作品、監督、撮影、視覚効果賞
1億5000万ドルかけた超大作であり、北米興行収入は約1億5400万ドル、全世界では約3億7600万ドルの大ヒットとはなったが、期待が大きかったためにやや物足りない気がする。
また、既に続編「マッドマックス ザ・ウエイストランド」の製作が決まっている。
メル・ギブソンの後を継ぐに相応しい、野性味のある逞しさで主人公を熱演するトム・ハーディ、人間味を感じさせる女戦士を深い演技で演ずるシャーリーズ・セロン、二人を追う立場から協力者となるウォー・ボーイのニコラス・ホルト、武装集団の首領ヒュー・キース・バーンの健康体の妻として幽閉されているロージー・ハンティントン=ホワイトリー、ゾーイ・クラヴィッツ、ニュークス(ニコラス・ホルト)と親交を深めるライリー・キーオ、アビー・リー・カーショウ、コートニー・イートン、首領の息子の二人、巨漢のネイサン・ジョーンズと小人のクエンティン・ケニハン、ウォー・ボーイのジョシュ・ヘルマン、ジョン・イルズ、火炎放射器付きのエレキギターを演奏しながら追跡に加わるiOTA、言い伝えを語る老女ジェニファー・ヘイガン、生体整備士のアンガス・サンプソン、ウォー・ボーイズのクリス・パットン、首領の側近リチャード・ノートン、乳母エリザベス・クーニコ、武器将軍のリチャード・カーター、人食い男爵のジョン・ハワード、フュリオサ(シャーリーズ・セロン)の母と本人を知るミーガン・ゲイル、彼女の仲間である、バイカーチームの植物の種を持つ老女メリッサ・ジャファー、渓谷の武装バイカー集団のリーダー、スティーブン・ダンリービーなどが共演している。