ジャズ・ピアニストのジョー・オーバニーの苦難の日々を描く、監督ジェフ・プライス、主演ジョン・ホークス、エル・ファニング、グレン・クローズ、ピーター・ディンクレイジ、レナ・ヘディ、フリー他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェフ・プライス
製作:ロン・イェルザ
製作総指揮
アンソニー・キーディス
フリー
脚本
トッパー・リリエン
エイミー=ジョー・オーバニー
撮影:クリストファー・ブロヴェルト
編集:マイカエル・サイア
音楽:チャド・タルマー
出演
ジョー・オーバニー:ジョン・ホークス
エイミー=ジョー・オーバニー:エル・ファニング
祖母:グレン・クローズ
アラン:ピーター・ディンクレイジ
シーラ・オーバニー:レナ・ヘディ
ホッブス:フリー
コリーン:タリン・マニング
ルー:ビリー・ドラゴ
ダルトン:ティム・デイリー
ウィゲンハーム:バーン・ゴーマン
コール:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
アメリカ 映画
配給 Oscilloscope
2014年製作 120分
公開
北米:2014年10月24日
日本:未公開
北米興行収入 $54,050
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1974年、ハリウッド。
ジャズ・ピアニストのジョー・オーバニー(ジョン・ホークス)は、娘のエイミー=ジョー(エル・ファニング)と賃貸ホテルで暮らしていた。
友人であるホーン奏者のホブス(フリー)の部屋でピアノを演奏したジョーは、エイミー=ジョーと共にホテルに戻る。
ドラッグ依存症であり仮釈放中のジョーは、部屋で待っていた保護観察官のウィゲンハーム(バーン・ゴーマン)から、連絡のないことを問い詰められ、ドラッグを使用していないか腕をチェックされる。
エイミー=ジョーと買い物をして戻ったジョーは、テレビを見て楽しんでいたが、そこにジャンキーのルー(ビリー・ドラゴ)が現れ、外に警官がいるためトイレを貸してくれと頼まれる。 ルーを部屋に入れたジョーが、ドラッグを打つことが分かったエイミー=ジョーは悲しむ。 翌日、現れた母シーラと食事をしたエイミー=ジョーは、ジョーから、昔のように二人で組んで仕事をすると言われる。 その夜、シーラのスーツケースの中を見たエイミー=ジョーは、酒の小瓶が大量に入っていることを確認する。 シーラと出かけたエイミー=ジョーは、飲み続けて酔った母を支えながらアパートのに戻る。 意識を失い夜になって目覚めたシーラは、現金を置きエイミー=ジョーにキスして出て行く。 翌朝、買い物から戻ったジョーが外で逮捕されるのを窓から目撃したエイミー=ジョーは、祖母(グレン・クローズ)に電話をする。 エイミー=ジョーを家に呼んだ祖母は、喘息の孫娘を気遣う。 祖母と共に施設に入れられたジョーに面会に行ったエイミー=ジョーは、短い時間だったが父との時間を楽しむ。 施設を出たジョーは、エイミー=ジョーと母と共にホテルの部屋に戻る。 エイミー=ジョーのためにまともな住まいを確保するのが釈放の条件だと母から言われたジョーは、出かけようとして母と口論になる。 祖母に手を出したジョーを罵ったエイミー=ジョーは、祖母に注意されたために部屋を飛び出す。 母コリーン(タリン・マニング)が客の相手をするため、部屋から出された少年ラプレズとロビーにいたエイミー=ジョーは、現れた小人のアラン(ピーター・ディンクレイジ)とダルトン(ティム・デイリー)を興味深く見つめる。 客が帰ったため、コリーンはラプレズを迎えに来るが、その場で眠ってしまう。 翌日、学校から帰ったエイミー=ジョーは、非常階段で階下にいたアランと話す。 下の階に向かったエイミー=ジョーは、アランやダルトンらと共に過ごすジョーの演奏を聴く。 数日後、ジョーから映画を観に行くようにと言われて外出したエイミー=ジョーはホテルに戻り、その場にいたアランに話しかける。 ここに住んでいると言うアランは、部屋ではない場所ではあるが、暮らしている空間をエイミー=ジョーに見せてあげる。 アランはレコードを聴かせてくれるが、その場にドラッグがあることに気づいたエイミー=ジョーは、帰ると言って出口まで送ってもらい、彼にキスてその場を去る。 部屋に戻ったエイミー=ジョーは、ホッブスがいたためにバスタブで眠り、夜中に目覚める。 階下に向かい、アランがいかがわしい行為をしていることを知ったエイミー=ジョーは、ショックを受ける。 翌日、エイミー=ジョーを学校に迎えに行きホテルに戻ったジョーは、保護観察官のウィゲンハームが来ていることをフロント係から知らされ、彼女を部屋に入れない方がいいと言われる。 散歩に行くと言ってエイミー=ジョーを誘ったジョーは公園に向かい、夜になってから部屋に戻る。 暫くの間この場を離れ、ヨーロッパで演奏して稼ぐことをエイミー=ジョーに伝えたジョーは、悲しむ彼女を気遣いながら、祖母と暮らせると言って説得する。 そこにラプレズが現れ、母を助けてほしいと言われたジョーは、コリーンの様子を見に行く。 中の様子を確認したジョーは、ラプレズを連れてロビーにいるようエイミー=ジョーに指示する。 コリーンは、コカインの過剰摂取で息を引き取ていた。 暫くしてコリーンの遺体は運び出され、ラプレズは児童福祉センターの職員に連れて行かれる。 何もしてあげることができないジョーとエイミー=ジョーは、辛い思いをする。 2年後。 その日の午後、到着したジョーはエイミー=ジョーとの再会を喜び、母に歓迎される。 仮釈放中に出国したことで、刑務所に戻されることを心配知る母に、ジョーは、パリのレコーディング契約の前払い金を渡す。 受け取れないという母だったが、持っていてほしいと言われたため、保管しておくとジョーに伝える。 エイミー=ジョーのボーイフレンドのコール(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)を招き食事をしたジョーは、彼がドラマーだと言うことを知る。 一度バンド演奏を聴きに来てほしいと言われたジョーは、それを約束する。 そこにホッブスが現れ、ジョーはコールを紹介する。 コールが抗痙攣薬”クロナゼパム”を飲んでいることをエイミー=ジョーから知らされたジョーは、義父が自分の頭を壁にぶつけてからだと言われる。 エイミー=ジョーは、祖母が自然療法の”気功”を勧めていると話し、ジョーから見せてほしいと言われたコールは、皆の前でそれを実演する。 その後、ホッブスと二人で話したジョーは、マリファナを所持していたために国外追放になり、3年は戻れないことを話す。 それを知った母から、これ以上、面倒は御免だと言われたジョーは、翌日、公選弁護人の元に向かい問題を解決するよう指示される。 エイミー=ジョーと共にコールのバンドの演奏を聴いたジョーは、コールが痙攣を起こして意識を失ったため、エイミー=ジョーと共に彼を介抱する。 コールが意識を取り戻したため、ジョーちエイミー=ジョーは安心する。 中華料理店で食事をしたジョーは、コールのことで動揺するエイミー=ジョーに、言い難いことでも気にせず、何でも話してくれていいと伝える。 翌日、エイミー=ジョーと裁判所に向かったジョーは、帰りにホッブスのアパートに寄り、裁判官がジャズ・ファンだったので問題ないと伝える。 ピアノやホーンを売り何とか生活する惨めなホッブスは嘆き、励まそうとしたジョーは、そこにルーが現れたためにその場を去る。 帰宅したジョーは、方々に電話をして仕事を見つけようとするものの、うまくいかなかった。 コールと共に森に散歩に行ったエイミー=ジョーは、薬は捨てたと言う彼が気分が悪くなったために心配する。 クラブの仕事を得たジョーは、演奏を終えた後でトイレでコカインを打ってしまう。 雨が降ってきたためコインランドリーに入ったエイミー=ジョーだったが、発作を起こしたコールは不審者と間違われ、駆け付けた警官に連行されてしまう。 取り乱すエイミー=ジョーからコールのことを知らされた祖母は、警察に電話をして彼のことを確かめ、精神科の診察を受けていると言われる。 帰宅したジョーに、コールとエイミー=ジョーの話をした母は、彼がドラッグでハイになっていることに気づき、憤慨して殴る。 翌日、落ち着いたエイミー=ジョーは、母シーラのアパートを訪ね、留守中の部屋に入り、本に挟まっていた自分の幼い頃の写真を見つける。 管理人にメモを残そうとしたエイミー=ジョーは、近くのバーを確認したかと言われる。 バーにいたシーラと話したエイミー=ジョーは、会いたかったと伝え、ジョーのことを訊かれる。 希望も何もないこの国に強制送還されたジョーを気の毒に思うシーラは、それを知らなかったエイミー=ジョーに、彼が国外追放されたことを話す。 コールのことも知っているというシーラは、そのことも不運だと言って、ジョーが交際のを気にかけていることを話す。 一番心配しているのは教育を受けていないことで、自分には、単なる尻軽女にも見えると、シーラはエイミー=ジョーに伝える。 心無いシーラの言葉に憤慨したエイミー=ジョーは、母を罵倒してその場を去る。 ドラッグ更生者の会に参加したジョーは、30年ものドラッグ歴があり、刑務所と医療施設を行き来している人生だが、娘のエイミー=ジョーの面倒は見たいと語る。 通りで男に声をかけられたエイミー=ジョーは、胸を見せれば100ドル払うと言われる。 100ドルを受け取ったエイミー=ジョーはホッブスの部屋に向かい、その場にいたルーに、父のために必要なものがあると言ってドラッグを受け取ろうとする。 それを試さないかと、ルーはエイミー=ジョーに伝える。 帰宅したジョーは、母が眠っていることを確認して、隠してあったドラッグを打つ。 それに気づいた母は、息子を哀れむことしかできなかった。 家に戻ったエイミー=ジョーは、ジョーがドラッグを打ったことを知り、ルーから受け取ったドラッグを容器に入れて舐めてみる。 ソファーに座る母にもたれるジョーに呼ばれたエイミー=ジョーは、救世主は優しく微笑み、救いの手を差し伸べると言われる。 ジョー・オーバニーは、1988年に亡くなるまでツアーとレコーディング続けて、高い評価を得た。 エイミー=ジョー・オーバニーは作家になり、ロサンゼルスで、音楽とモンスター映画が趣味の夫と子供達と共に暮らしている。
...全てを見る(結末あり)
帰国することになったジョーは、母に電話をしてそれを伝える。
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*(簡略ストー リー)
1974年、ハリウッド。
ジャズ・ピアニストのジョー・オーバニーは、娘のエイミー=ジョーと賃貸ホテルで暮らしていた。
麻薬依存症のジョーは、才能を生かしきれずに貧しい生活を続けながらも、愛する娘エイミー=ジョーの幸せを願っていた。
エイミー=ジョーも父ジョーの全てを愛し、理解しながらも、自分達を捨てたアルコール依存症の母シーラとも暮らせない生活に耐えていた。
行き詰ったジョーは、仮釈放中にも拘らず、エイミー=ジョーを母に預けてヨーロッパでの演奏生活を考えるのだが・・・。
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有名なジャズ・ピアニストであるジョー・オーバニーの苦難の日々を描くドラマは、娘のエイミー=ジョーの視点で描かれ、彼女自身が本作の脚本を担当している。
不遇の日々を送る麻薬依存症の父や、同じような境遇の周囲の人々に囲まれながら、健気に生きる少女の切ない思いが切実に描かれた作品。
厚い信仰と宗教観で接する母親の愛を感じながらも、誘惑に負けてしまう主人公が、娘の面倒だけは見たいと考えながら必死にもがき苦しむ姿は哀れでならない。
しかし、1988年に63歳で亡くなるジョー・オーバニーが、晩年の活動が高く評価されたことが明記されるラストで救われる気持ちになる。
実際のジョー・オーバニーの雰囲気になり切り苦悩する主人公を演ずる、ジョン・ホークスの好演は光る。
父の全てを愛するという冒頭の言葉通り、様々な苦しみに耐えながらも父を支える、撮影当時15歳のエル・ファニング、確固たる宗教心から、息子や孫娘に厳しく接する主人公の母親グレン・クローズ、アルコール依存症である主人公の妻レナ・ヘディ、主人公の友人であるミュージシャンで、製作も兼ねるフリー、エイミー=ジョー(エル・ファニング)が興味を持つホテルの住人、その友人ティム・デイリー、主人公と同じフロアに住む住人で、麻薬の過剰摂取で死亡する女性タリン・マニング、ジャンキーのビリー・ドラゴ、保護観察官のバーン・ゴーマン、エイミー=ジョーのボーイフレンドのケイレブ・ランドリー・ジョーンズなどが共演している。