1970年に発表されたエリック・シーガルの小説”Love Story”を、彼自身の脚本で映画化された作品。 富豪の御曹司と苦学生の女性の愛の物語、監督アーサー・ヒラー、主演アリ・マッグロー、ライアン・オニール、ジョン・マーレー、レイ・ミランド、トミー・リー・ジョーンズ他共演のラブ・ロマンス。 |
・トミー・リー・ジョーンズ / Tommy Lee Jones / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:アーサー・ヒラー
製作:ハワード・G・ミンスキー
原作/脚本:エリック・シーガル”Love Story”
撮影:リチャード・C・クラティナ
編集:ロバート・C・ジョーンズ
音楽:フランシス・レイ
出演
ジェニファー・キャヴァレッリ:アリ・マッグロー
オリヴァー・バレット4世:ライアン・オニール
フィル・キャヴァレッリ:ジョン・マーレー
オリヴァー・バレット3世:レイ・ミランド
ハンク・シンプソン:トミー・リー・ジョーンズ
ディーン・トンプソン:ラッセル・ナイプ
レイ・ストラットン:ウォーカー・ダニエルズ
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1970年製作 99分
公開
北米:1970年12月16日
日本:1971年3月6日
製作費 $2,200,000
北米興行収入 $106,400,000
■ アカデミー賞 ■
第43回アカデミー賞
・受賞
作曲賞
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ライアン・オニール)
主演女優(アリ・マッグロー)
助演男優(ジョン・マーレー)
脚本賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク、セントラルパーク。
オリヴァー・バレット4世(ライアン・オニール)は、25歳で亡くなった自分を愛してくれた女性のことを想い、独りたたずむ。
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ラドクリフ・カレッジの学生ジェニファー・キャヴァレッリ(アリ・マッグロー)と、ハーバード大学の学生オリヴァーは図書館で言い合いになるが、結局、二人はカフェでひと時を過ごすことになる。
大富豪の御曹司のオリヴァーと、イタリア移民の娘で苦学生のジェニーは、尚も皮肉の言い合いをするが、お互い惹かれていることを認め、たちまち恋に落ちる。
ホッケーに没頭するオリヴァーは、父オリヴァー・バレット3世(レイ・ミランド)の前で、ラフ・プレイによりペナルティを受けてしまう。 それを見て嘆くバレットは、試合後に、オリヴァーからハーバード・ロー・スクール進学についての考えを聞く。 自分の人生を操ろうとする父に反発するオリヴァーは、明確な答えを返さず、その後、”バレット”の名前を重荷に思うことをジェニーに伝える。 そんなオリヴァーをジェニーは受け入れ、二人は愛し合う。 しかし、ジェニーは、今後もオリヴァーとの関係が続くとは考えにくく、奨学金でパリに留学する考えを彼に伝える。 オリヴァーはそれに意見し、ジェニーを説得して引き止め、結婚を申し込み、彼女はそれを受け入れる。 ジェニーを両親に紹介しようとしたオリヴァーだったが、屋敷の、その広大な敷地に驚き、さすがの彼女も圧倒され、尻込みをしてしまう。 客間で両親に挨拶した二人だったが、オリヴァーは父親の態度が気に触り、帰り道に愚痴をこぼす。 その後、改めて父に会ったオリヴァーは、バレット家に相応しいとは思えないジェニーとの結婚を急ぐ場合は、援助を打ち切ると言われ、憤慨して席を立ってしまう。 ”ロー・スクール”進学を決めたオリヴァーだったが、学費が払えないため、学部長ディーン・トンプソン(ラッセル・ナイプ)に奨学金を申請するものの、父親の財力を理由に断られてしまう。 クッキー店を営むジェニーの父に会ったオリヴァーは、父子関係を心配されるものの、二人の結婚を祝福して式に立ち会う。 結婚式を終えた二人は、家賃82ドル50セントのアパートに住み、ジェニーは私立学校の教師となるが、生活は苦しかった。 そんな時、父親の60回目の誕生を祝う食事会に招かれたオリヴァーは、和解を勧めるジェニーの意見を退け、それを断ってしまう。 ジェニーが直接バレットに電話を入れるが、彼と話そうとしないオリヴァーが、愛していると告げてしまう。 それを聞いたオリヴァーは憤慨し、ジェニーに対して怒りを露にし、彼女はその場を立ち去ってしまう。 姿を消したジェニーを捜したオリヴァーは、家の入り口で鍵を忘れ、寒さに震える彼女を見つけて謝罪する。 ジェニーは、オリヴァーの言葉を遮り涙ながらに、”愛とは、決して後悔しないこと”と告げる。 オリヴァーはアルバイトを続け、苦労しながら優秀な成績で卒業し、ニューヨークの法律事務所に勤めることになる。 生活は楽にはなるのだが、子供ができないことで医師に相談したオリヴァーは、ジェニーが死期の近い白血病だと知らされて愕然とする。 平常を装うことしか出来ないオリヴァーは、苦しみながらの毎日を送る。 やがて、ジェニーは病気のことを知ってしまうが、気落ちするオリヴァーを逆に励ます。 オリヴァーは、出来るだけ陽気に振舞うことを心がけ、そして、ジェニーが病院に入院する日が訪れる。 医師には出来る限りの治療をと伝え、その多額な医療費を用意するため、オリヴァーは父バレットの元に向かう。 オリヴァーは、女性関係だと伝えて、父から5000ドルの小切手を受け取り、一言、例を言ってその場を立ち去る。 ジェニーが、クリスマスまでもたないと、自分で決めているのを知ったオリヴァーは、辛い思いに堪える。 オリヴァーはジェニーの要求通り、ベッドに横たわり彼女を抱き寄せる。 病室から出たオリヴァーは、ジェニーの父フィルに彼女が亡くなったことを知らせる。 病院を出ようとしたオリヴァーは、現れた父バレットに呼び止められる。 バレットはオリヴァーに、なぜジェニーのことを黙っていたのかを問い、援助を申し出る。 オリヴァーは、ジェニーが亡くなったことを父に伝え、それを気の毒に思う彼の言葉を遮り、”愛とは、決して後悔しないことです”と伝える。 バレットは言葉を失い、立ち去るオリヴァーを見つめることしか出来なかった。 そして、オリヴァーは、ジェニーとの思い出の場所である、セントラルパークのスケートリンクで、独りたたずむ。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ハーバード大学の学生で、大富豪の御曹司であるオリヴァー・バレット4世は、ラドクリフ・カレッジの苦学生ジェニーと出会う。
二人は、反発し合いながらもたちまち恋に落ち、将来を考える仲になる。
しかし、オリヴァーは、全てをコントロールする父との溝を埋められず、当然、身分違いのジェーンを受け入れてもらうことも出来ない。
引け目を感じるジェニーは、パリに留学を考えるが、オリヴァーは彼女を引き止め結婚を決意する。
しかし、それを認めない父バレットに、援助を打ち切るとまで言われたオリヴァーは、父と絶縁状態になってしまう。
その後、苦労しながらロー・スクールを卒業したオリヴァーは、ニューヨークの法律事務所に勤めることになる。
二人の生活はようやく安定するのだが、そんな時オリヴァーは、ジェニーが、死期の近い重病だということを知らされる・・・。
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フランシス・レイの、美しくも切ないテーマ曲、そして、主人公の二人が口にする言葉、”愛とは、決して後悔しないこと”(Love means never having to say you’re sorry.)、そのそれぞれが映画史上に残る名曲とセリフとして、今尚、語り継がれる恋愛ドラマの傑作。
1978年には、ライアン・オニールとキャンディス・バーゲン主演で、続編も公開された。
原題の通り、どこにでもある若い男女の愛の物語”Love Story”そのものをシンプルに描きながら、人も羨む大富豪の御曹司に生まれた悩みや、束の間の幸せを破壊する悲劇などを、押し付けがましくなく、またドラマチックに描く、アーサー・ヒラーの演出は素晴らしい。
ほとんどの場面の季節を”冬”に限定し、重苦しい雰囲気の全てを包み込むようなエリック・シーガルの脚本と、ドラマを盛り上げるフランシス・レイの音楽など、珠玉の作品に相応しい仕上がりとなっている。
第43回アカデミー賞では作品賞以下7部門にノミネートされ、作曲賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ライアン・オニール)
主演女優(アリ・マッグロー)
助演男優(ジョン・マーレー)
脚本賞
*ジョン・マーレーの出演場面は非常に短いが、味わい深い演技と、娘を亡くした父親の表情が印象に残る。
驚くべきは220万ドルで製作された作品が、北米のみで1億ドルを超す驚異的な大ヒットとなった。
自身ウェルズリー大学出身ということもあり、その知性と健康的なイメージで悲劇のヒロインを演ずる、当時既に30歳を過ぎていたアリ・マッグローの洗練された魅力と、いかにも苦労知らずの青年らしく登場し、苦学生となり貧乏生活も味わう男性を熱演するライアン・オニール、両者の人気がブレイクして、社会現象にまでなった作品でもある。
主人公ジェニー(A・マッグロー)の父ジョン・マーレー、オリヴァー(R・オニール)の父レイ・ミランド、学部長のラッセル・ナイプ、オリヴァーの学友ウォーカー・ダニエルズ、そして、デビュー作でもある注目のトミー・リー・ジョーンズが、学友で端役で登場する。