クリスマス・シーズンに出会う老人カップルの出来事を家族の愛と共に描く、マーティン・ランドー、エレン・バースティン、エリザベス・バンクス、アダム・スコット共演による感動のドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ニコラス・ファクラー
製作総指揮
ヴァージル・プライス
ジャック・ターナー
ダニー・ガルシア
イアン・マッグローイン
製作
ジェームズ・ローラー
デイナ・アルトマン
ラース・ヌードセン
ジェイ・ヴァン・ホイ
脚本:ニコラス・ファクラー
編集:ダグラス・クライズ
音楽
ネイト・ウォルコット
マイク・モーギス
出演
ロバート・マローン:マーティン・ランドー
メアリー:エレン・バースティン
アレックス:エリザベス・バンクス
マイク:アダム・スコット
アメリカ 映画
配給 Monterey Media
2008年製作 92分
公開
北米:2010年9月10日
日本:2010年3月27日
製作費 $5,000,000
北米興行収入 $124,720
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
クリスマス・シーズン。
老人ロバート・マローン(マーティン・ランドー)は、スーパーマーケットで働きながら、孤独な毎日を送っていた。
ある日、ロバートが仕事から帰ると、見知らぬ老婦人(エレン・バースティン)が家にいるのに気づく。
突然のことで、ロバートは困惑して婦人を追い出そうとするが、彼女はメアリーと言って、向かいの家に越して来た住人だと分かる。
メアリーは、ロバートの家のドアが開いていたため、心配になり様子を見に来ただけだった。
事情を知ったロバートはメアリーに挨拶し、心遣いに感謝して彼女を見送る。 その直後に戻ってきたメアリーは、ロバートを食事に誘い彼はそれを承諾する。 メアリーに”デート”と言われたロバートは、久し振りに胸のときめきを感じるが戸惑いもあった。 そこでロバートは、スーパーの若い店長マイク(アダム・スコット)に助言を求め、実はもてるわけでもない彼から、女性の攻略法を伝授される。 尚も心配なロバートは、その後も同僚らに助言されて夜のデートに備える。 一方、メアリーは、娘のアレックス(エリザベス・バンクス)に心配されながらも、”必ずうまくいく”と言ってロバートを迎えに行く。 マイクに予約をしてもらったレストランで、食事をした二人は楽しい時を過ごす。 メアリーは、以前からスーパーでロバートを見かけていたことなども話す。 食事を終えた二人は、穏やかなクリスマスの雰囲気を味わいながら、再びデートをする約束をして別れ、ロバートは満ち足りた気分で眠りに着く。 帰宅したメアリーは、何とか役目は果たせたと考えつつ、不安を抱えながらベッドに入る。 翌日、お互いの連絡を心待ちにしていた二人は出かけることにして、ロバートが、子供から買わされたソリで雪遊びを楽しむ。 メアリーに、イヴのパーティーに誘われたロバートは、彼女へのプレゼント選びを、マイクに手伝ってもらう。 家に戻ったロバートは、アレックスに声をかけられ、彼女は、母メアリーが幸せそうだということを伝えて感謝する。 翌日、ロバートは仕事を休み、メアリーとクリスマス・ムードの街で一日を過ごす。 ロバートは、長い間、孤独な生活が続き、ようやく人並みな生活ができたと言ってメアリーに感謝し、そして二人はキスをする。 メアリーは、ある薬を誤って洗面台に流してしまい、慌てて薬局に向かうものの、薬を手に入れられないまま、イヴの朝を迎える。 その夜、メアリーに誘われパーティーに出席したロバートは、人付き合いがほとんどなかったために、楽しむことができない。 ロバートは、メアリーが元夫らしき男性と親しげにしているのに気づき、彼に言い寄り気分を害し、その場を去ろうとする。 それを知ったメアリーはロバートを追い、二人の様子を見たアレックスとマイクは、順調に事が運んでいるのを確認する。 男性がメアリーの夫でないことを知ったロバートは、自分のしたことを後悔し、その後、二人は雪の中を散歩する。 翌朝、ベッドを共にしていた二人はクリスマスを祝い、お互いのプレゼントを交換する。 メアリーはスケッチが好きなロバートに絵の具を、ロバートは、いくつもの贈り物と共に、お気に入りのスノードームをメアリーに贈る。 しかしメアリーは、ロバートが自分自身に贈った自殺用の拳銃を見つけてしまう。 孤独に疲れ果てたというロバートは、既にメアリーなしでは生きられないことを彼女に伝え、二人は愛を確かめ合い固く抱き合う。 その後、二人は一緒に暮らすようになり、アレックスやマイクもそれを喜ぶ。 メアリーと出会って、1週間しかたっていないロバートだったが、彼女とは以前から一緒にいるような気がする。 そんなロバートは、メアリーにプロポーズすることを決意するものの、彼女の姿が見えなくなったことに気づき、取り乱してしまう。 ロバートがベッドに横たわっている間に、メアリーは洗面所の彼の薬を確認して、持参したものと交換する。 家に戻ったように見せかけたメアリーは、自分が出かけたことを覚えていないロバートに、パーティーの時の男性は彼の弟だと教える。 混乱するロバートは、メアリーの家から出てきたアレックスとマイクに”父”と呼ばれ、彼女の家で、自分達が夫婦で、そして家族だったことを知る。 記憶を失っていたロバートは、それをようやく理解した瞬間に意識を失い病院に運ばれる。 そしてメアリーは、ロバートから贈られたスノードームを持参して病室に入り、”永遠にあなたの妻よ”と伝え、彼の最期を看取る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
スーパーマーケットで働く孤独な老人ロバート・マローンは、ある日、見知らぬ老婦人が家にいるのに気づき驚いてしまう。
一旦は憤慨するものの、向かいに住むという女性メアリーの気遣いを知ったロバートは、彼女に感謝して食事の約束をする。
久し振りに胸ときめいたロバートは、職場の店長マイクに、女性の攻略法を伝授されるものの落ち着かない。
そして、食事をしたロバートとメアリーは、楽しい時を過ごし、再びデートの約束をする。
その後ロバートは、メアリーにイヴのパーティーにも誘われ、彼女へのプレゼントも用意し、ようやく訪れた人並みな生活に喜びを感じる。
メアリーの娘アレックスは、そんな二人の様子を不安気に見守っていた。
イヴのパーティーでは、人付き合いのほとんどないロバートはあまり楽しめず、彼はメアリーと親しくしていた男性に嫉妬してしまったりもする。
それでも、確かな愛を感じた二人は夜を共にし、クリスマスの朝を迎え、プレゼントの交換をする。
メアリーは、ロバートが、自分自身に自殺用の拳銃を贈ったことに気づき、彼が孤独に疲れ果てていたことを知る。
そして、ロバートを固く抱きしめたメアリーは、彼と一緒に暮らすことを決意するのだが・・・。
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ひょんなことで出会った老いた男女の恋愛ドラマは、名優の共演ということもあり、興味深く見始めることができる。
これは、珍しいパターンのロマンティック・コメディだと思いきや、随所で挿入される意味あり気な描写が続き、そして、夫婦愛と家族の絆が描かれていく展開に、様々な思いを巡らせながら引き込まれる。
クリスマス・シーズンが舞台ということもあり、穏やかで心和むシーンの多い作品ではあるが、記憶を失った家族を持つ苦労なども考えさせられ、弱冠24歳の監督ニコラス・ファクラーは、深みのあるドラマに仕上げている。
一歳違いである、主人公の二人マーティン・ランドーとエレン・バースティンは、共にアカデミー賞受賞者だけあり、80歳を手前にして、正に演技者の見本のような自然な演技で見る者の心を打つ。
特に、常に死が頭から離れないまま、幸せも感じる日々を送る主人公を演ずるマーティン・ランドーの、喜怒哀楽を完璧に表現する、ユーモアを含めた迫真の演技には敬服する。
序盤、何かを企んでいるのかとも思わせる老人エレン・バースティンが、実は最も辛い立場だと分かるクライマックスも涙を誘う。
二人を見守る娘エリザベス・バンクス、スーパーの店長であり息子のアダム・スコットが共演している。