伝説のポルノ映画”ディープ・スロート”の主演女優リンダ・ラヴレースの苦難の日々を描く、主演アマンダ・セイフライド、ピーター・サースガード、シャロン・ストーン、ロバート・パトリック他共演の実録ドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督
ロブ・エプスタイン
ジェフリー・フリードマン
製作
ハイディ・ジョー・マーケル
ローラ・リスター
ジェイソン・ワインバーグ
ジム・ヤング
製作総指揮
アヴィ・ラーナー
ダニー・ディムボート
トレヴァー・ショート
ボアズ・デヴィッドソン
ジョン・トンプソン
マーク・ギル
メリット・ジョンソン
脚本:アンディ・ベリン
撮影:エリック・エドワーズ
編集
ロバート・ダルヴァ
マシュー・ランドン
音楽:スティーヴン・トラスク
出演
リンダ・ラヴレース:アマンダ・セイフライド
チャック・トレイナー:ピーター・サースガード
ドロシー・ボアマン:シャロン・ストーン
ジョン・ボアマン:ロバート・パトリック
パッツィ:ジュノー・テンプル
ハリー・リームス:アダム・ブロディ
トーマス:ウェス・ベントリー
ナット・ローレンディ:エリック・ロバーツ
ヒュー・ヘフナー:ジェームズ・フランコ
アンソニー・ロマーノ:クリス・ノース
ブッチー・ペライーノ:ボビー・カナヴェイル
ジェラルド・ダミアーノ:ハンク・アザリア
ドリー・シャープ:デビ・メイザー
レベッカ:クロエ・セヴィニー
アメリカ 映画
配給
Millennium Films
ワインスタイン・カンパニー
2013年製作 93分
公開
北米:2013年8月9日
日本:2014年3月1日
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $356,60
世界 $1,585,600
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1970年、フロリダ州、デイヴィー。
20歳のリンダ・ボアマン(アマンダ・セイフライド)は、親友のパッツィ(ジュノー・テンプル)と日光浴をしていた。
敬虔なカトリックである母ドロシー(シャロン・ストーン)が帰って来たことに気づき焦るリンダは、水着姿だったことを注意される。
その夜、パッツィとローラースケート場で楽しんだリンダは、チャック・トレイナー(ピーター・サースガード)に声をかけられる。
パッツィはチャックが勧めるマリファナを吸うが、リンダはそれを遠慮する。
数日後、パッツィ達と浜辺に向かおうとしたリンダは、ドロシーと父ジョン(ロバート・パトリック)に門限までには帰ることを約束して出かける。 楽しい時間を過ごしたリンダはチャックに送ってもらい、妊娠して子供を産んだためにこの土地に来たことを話す。 子供がどうなったのかは分からないと言うリンダは、両親に会せることをチャックに約束する。 食事に招待されたチャックは、軍歴やバーを経営していることなどを話し、第二次大戦に従軍したニューヨークで警官をしていたジョンが、今は空港の警備員をしていることを知る。 食事の後チャックはリンダに迫り、二人は門限を守ることを約束して出かける。 チャックと愛し合ったリンダは帰宅し、門限を破ったためにドロシーに殴られる。 家を出る決心をしたリンダはチャックと暮らすことになり、彼からセックスの手ほどきを受け、そして二人は結婚する。 半年後。 普通過ぎると言ってリンダを諦めようとした二人だったが、チャックから彼女の”秘技”を撮影したフィルムを見せられて納得する。 ニュージャージー。 共演者であるドリー・シャープ(デビ・メイザー)にメイクをしてもらったリンダは、男優のハリー・リームス(アダム・ブロディ)に声をかけられる。 ”リンダ・ラヴレース”という芸名のリンダは順調に撮影を行うが、ロマーノがチャックの存在を気にする。 チャックを追い払おうとしたブッチーは、フィルムを取りに行かせるためにフロリダに向かわせる。 撮影は進み、ブッチーやジェラルドそしてロマーノは、リンダの”技”を絶賛する。 カメラマンのトーマス(ウェス・ベントリー)にポスター用の写真を撮影してもらったリンダは、その美しさに感激する。 ”ディープ・スロート”は完成し、”ラヴレース”というリンダの芸名が気に入らないチャックだったが、ブッチーに製作スタッフの一員だとおだてられて納得する。 作品は記録的な大ヒットとなり社会現象とまで言われるが、その報道を見たドロシーの心は沈む。 特別上映会の会場に現れたリンダは、チャックからヒュー・ヘフナー(ジェームズ・フランコ)を紹介される。 ヘフナーにエスコートされたリンダは、彼から本物のスターになれると言われる。 上映が終り、リンダはヘフナーに紹介されてステージに立ち喝采を受ける。 6年後。 同棲直後から暴力的になったチャックは、金が必要だったためにリンダに売春を強要する。 実家に向かったリンダは、暫く戻りたいことをドロシーに伝えるものの、それを拒まれる。 女にとって夫がどれだけ大切な存在かを語ったドロシーは、チャックの元に戻り従うようリンダに伝える。 それでも居させてほしいと言うリンダの考えを受け入れようとしないドロシーは、チャックからの電話を受ける。 家に戻ったリンダは、耐えられないことをチャックに伝えるが、彼は映画に出ることを強要して脅す。 撮影は始り、その間もチャックから暴力を受けるリンダだったが、彼の指示に従うしかなかった。 ニューヨーク。 スタッフとの食事の際、自分の取り分をロマーノに聞くチャックは、続編でリンダのギャラを2500ドルにすると言われただけだった。 マリブに移った後も金銭管理は全てチャックが行い、リンダは無一文の状態だった。 借金しているロマーノから返済を迫られたチャックは、アダルトグッズのビジネスで成功して見せると豪語する。 特別上映会を終えたリンダは、チャックの姿が見えないために家に戻り、実家に電話をする。 電話に出たジョンは、テレビにリンダの名前が出るとドロシーがチャンネルを変えてしまうことを伝える。 映画を観てショックを受けたことを伝えるジョンは、自分達の何がいけなかったのかをリンダに問うが、彼女はチャックが帰ってきたために電話を切る。 華やかにステージに上がったため映画の契約が取れなかったと言うチャックは、ポルノ映画に出演することを拒むリンダをパーティーに連れて行く。 チャックはその場にいた男から金を受け取り、嫌がるリンダを残して部屋を出る。 男達に弄ばれたリンダは、チャックと共に帰宅するものの、その場から逃げようとする。 リンダは道路で転んで怪我をしてしまい、そこにパトカーが現れ、倒れているのが妻だと言うチャックの言葉が正しいかを警官は彼女に確認する。 警官はリンダに気づき、家で手当てするようチャックに指示し、彼女にサインをもらって引き上げる。 翌朝リンダは、チャックが寝ている間に家を出て、ロマーノに連絡して彼の元に向かう。 借金返済のために映画出演を勧められたリンダは、サングラスを外して傷ついた顔を見せる。 コカインを吸いながらホテルに電話をしてリンダを捜したチャックは、彼女を見つけられずに苛立つ。 ホテルのリンダの部屋に向かったチャックは、待ち構えていたロマーノに痛めつけられる。 6年後。 真実を伝えたいと言うリンダの著書は出版され、反響を呼ぶ。 ”フィル・ドナヒュー・ショー”に出演したリンダは、若かった自分がチャックと出会い、幸せが不幸に変わっていった状況を赤裸々に語る。 ジョンと共に番組を見ていたドロシーは、夫に従うように育てられたと語るリンダの言葉を聞いて心を痛める。 恐怖から抜け出せない人々の力になれれば嬉しいとリンダは語る。 ポルノ業界で働いたのは僅か17日であり、それで生涯イメージを決められるとは思わないリンダは、本当の自分を見てもらいたいと話す。 自分は”リンダ・ラヴレース”ではなくリンダ・マルシアーノであり、母そして妻であることに喜びを感じていると語り、彼女は話を締めくくる。 その後、夫と息子と共に実家に向かったリンダは、ジョンとドロシーに迎えられ、愛を確かめ合う。 ”ディープ・スロート”の興行収入は6億ドル以上だったが、リンダの出演料は1250ドルだった。 リンダの自叙伝は3版まで出版された。 リンダは、ポルノと家庭内暴力に対して20年間、反対活動を行った。 チャックはポルノ女優マリリン・チェンバースと再婚した。 2002年、リンダは交通事故で死亡した。(53歳) その3か月後に、チャックは心臓発作で死亡した。
...全てを見る(結末あり)
資金難に悩むチャックは、リンダをポルノ女優にしようと考え、ポルノ映画のプロデューサーのブッチー・ペライーノ(ボビー・カナヴェイル)と監督ジェラルド・ダミアーノ(ハンク・アザリア)に会い演技を見てもらう。
ブッチーは、出資者のアンソニー・ロマーノ(クリス・ノース)を伴って撮影現場に現れ、リンダを激励する。
チャックと離婚していたリンダは、彼との結婚生活についてを執筆するため、出版社に依頼されたナット・ローレンディ(エリック・ロバーツ)のポリグラフのチャックを受ける。
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パッツィに再会したリンダは、助けたいと言う彼女からチャックのことを聞かれるが、理想の夫だと答えるしかなかった。
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ニューヨーク、ロングアイランド。
マルシアーノと結婚して子供もいたリンダは、ポリグラフをパスしたため自叙伝を出版する準備が整ったことを夫に知らせる。
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*(簡略ストー リー)
1970年、フロリダ州、デイヴィー。
20歳のリンダ・ボアマンは、敬虔なカトリックである両親に育てられていた。
バーの経営者チャック・トレイナーと出会ったリンダは、彼に誘われて恋に落ち、やがて結婚してセックスの手ほどきを受ける。
しかし、当初は優しかったチャックだったが、次第に暴力的になり、資金難に陥った彼はリンダに売春を強要する。
その後チャックは、リンダをポルノ映画に出演させようとして、業界のブッチーとジェラルドに彼女の”秘技”を見せて納得させる。
そして、”リンダ・ラヴレース”の芸名で撮影は始り、無事完成したポルノ映画”ディープ・スロート”は、大ヒットして社会現象にまでなるのだが・・・
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ポルノ映画の枠を超えて、アメリカの一般劇場で公開され記録的な大ヒットとなった伝説の映画”ディープ・スロート”を題材にした作品は、主演したリンダ・ラヴレースの苦悩をヒューマンドラマとして描いている。
ポルノ業界の内幕を描いているためやや構えてしまうのだが、性描写などは控えめで、フィルム映像などは画面には映さないなど、あくまで主人公の苦難の日々を切実に描く内容となっている。
当初、主人公リンダ・ラヴレースの役はケイト・ハドソンだったのだが、妊娠と出産により彼女は降板し、チャック・トレイナー役はジェームズ・フランコを配役すると発表された。
*ジェームズ・フランコはヒュー・ヘフナー役で出演。
主人公と夫の関係を中心に描く展開から、終盤は親子の関係が重点となり、あくまで娘を守る立場でいる父親と、最終的には受け入れるものの、微妙な立場でいる母親との関係が深く描かれていることに注目したい。
1970年代のポップカルチャーに大きな影響を与えた”ディープ・スロート”なのだが、その時代を理解し意識して観ないと、今一、雰囲気が伝わってこないような内容で、豪華スター競演にも拘らず興行的には全く振るわなかった作品。
体を張った演技でリンダ・ラヴレースを熱演するアマンダ・セイフライド、その夫チャック・トレイナーのピーター・サースガード、彼女と言わなければ分からないほど別人のようにも見える、主人公の母親を好演するシャロン・ストーン、その夫ロバート・パトリック、主人公の親友ジュノー・テンプル、ポルノ男優ハリー・リームスのアダム・ブロディ、写真家のウェス・ベントリー、主人公のポリグラフ・チェックを行うエリック・ロバーツ、ヒュー・ヘフナーのジェームズ・フランコ、映画の出資者クリス・ノース、プロデューサーのボビー・カナヴェイル、監督のジェラルド・ダミアーノのハンク・アザリア、ポルノ女優のデビ・メイザー、フェミニストの記者クロエ・セヴィニーなどが共演している。