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ラヴ・ハッピー Love Happy (1949)

ロマノフ王朝のダイヤモンドを奪おうとする者たちと劇団員が巻き起こす騒動を描く、監督デヴィッド・ミラー、主演ハーポ・マルクスチコ・マルクスグルーチョ・マルクスヴェラ=エレンイロナ・マッセイ他共演のミュージカル・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ

マリリン・モンロー / Marilyn Monro / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:デヴィッド・ミラー

製作
メアリー・ピックフォード
レスター・コーワン
原作:ハーポ・マルクス
脚本
フランク・タシュリン
マック・ヘノフ
ベン・ヘクト(クレジットなし)
編集:ベイジル・ランゲル
撮影:ウィリアム・C・メラー
音楽:アン・ロネル

出演
ハーポ:ハーポ・マルクス
ファウスティーノ・ザ・グレート:チコ・マルクス
サム・グルニオン:グルーチョ・マルクス
マギー・フィリップス:ヴェラ=エレン
マダム・エグリチ:イロナ・マッセイ
マイク・ジョンソン:ポール・ヴァレンタイン
バニー・ドラン:マリオン・ハットン
ライオンズ:レオン・ベラスコ
レフティ・スロックモートン:メルヴィル・クーパー
アルフォンス・ゾト:レイモンド・バー
ハンニバル・ゾト:ブルース・ゴードン
マッキノー:エリック・ブロア
グルニオンのクライアント:マリリン・モンロー
アイヴァン:オットー・ワルディス

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1949年製作 85分
公開
北米:1949年10月12日
日本:未公開


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
私立探偵のサム・グルニオン(グルーチョ・マルクス)は、11年もの間、ロマノフ王朝の高価なダイヤモンドを探していた。

グルニオンは、団長マイク・ジョンソン(ポール・ヴァレンタイン)の売れない芸人一座に目をつける。

ニューヨーク
マイクの一座は、”ラヴ・ハッピー”というミュージカルを上演しようとしていた。

マイクの恋人マギー・フィリップス(ヴェラ=エレン)はダンサーで、彼女の親友バニー・ドラン(マリオン・ハットン)は、ショーに全財産の300ドルを投資していた。

その一員で無口なハーポ(ハーポ・マルクス)は、資金難の一座のために、食品店”ハーバート&ハーバート”で、客の手伝いを装い食料を盗んでいた。
...全てを見る(結末あり)

店長のレフティ・スロックモートン(メルヴィル・クーパー)は、到着したマダム・エグリチ(イロナ・マッセイ)に、”イワシ”が届いたことを伝える。

警官に気づいたハーポは、地下の倉庫に運び込まれる、イワシの缶詰が入った木箱の陰に隠れる。

倉庫の中の食品を見て喜んだハーポは、イワシの箱を下ろすのを手伝い、現れたレフティに作業員と間違われる。

箱を開けたレフティは、ロマノフ王朝のダイヤが隠された”マルタ十字”の印がついた缶を見つける。

それを見ていたハーポは、レフティに気づかれないようにして缶をすり替える。

ダイヤを手に入れたことをレフティから知らされたエグリチは、そのために3ヶ月で8人と結婚したことを話す。

100万ドルはするダイヤが入った缶を受け取ったエグリチは、マルタ十字の印がないことに気づき、焦るレフティは開けてみる。

それにはイワシしか入っていなかったために、エグリチは、部下のアルフォンス(レイモンド・バー)とハンニバル・ゾト兄弟(ブルース・ゴードン)に、レフティを痛めつけるよう指示する。

倉庫に浮浪者のような男がいたことを知ったエグリチは、警察に万引き犯がいると通報して、1000ドルの賞金を出し、その男を捕らえさせようとする。

トレンチコートのポケットに大量の食品を隠したハーポは、その場から出て劇場に戻る。

芸人であるピアニストのファウスティーノ・ザ・グレート(チコ・マルクス)は、マイクに自分を売り込み、読心術ができることを伝る。

ファウスティーノを雇う余裕がないことを伝えたマイクは、現れた後援者のライオンズ(レオン・ベラスコ)から、1100ドルを支払わなければ劇場から出て行ってもらうと言われる。

その話を聞いていたファウスティーノは、ショーの出資者と知り合いであるかのように装い、ライオンズを説得する。

ファウスティーノに感謝したマイクは、給料のことを訊かれる。

マギーとバーニーは、ヒットするまで皆無給だとファウスティーノに伝る。

警官が浮浪者を探し始める中、劇場に戻ったハーポに団員は群がり、彼が手に入れてきた食品を持っていく。

ハーポは、イワシの缶詰だけは自分が持っていることにする。

マギーに惹かれていたハーポは、彼女にイワシの缶詰を渡す。

マギーは、優しいハーポに明日、食べることを伝る。

その後、劇場の前で警官に見つかり捕まったハーポは、エグリチの元に連れて行かれる。

人違いだと言って警官を帰らせたエグリチは、ゾト兄弟にイワシの缶詰を探すよう指示するものの、見つからなかったためにハーポを監禁する。

同じダイヤを探すグルニオンとエグリチは、因縁の中だった。

ショーのリハーサルは始まり、マイクはマギーの演技に満足する。

3日間の拷問にも口を割らなかったハーポは、劇場に電話をする。

それに気づいたエグリチは盗聴し、電話に出たファウスティーノは、読心術で彼が伝えることを知ろうとする。

イワシのせいでハーポが美女に惚れられたことを知ったファウスティーノは、彼女が金持ちらしいということが分かり、イワシならウィンザー劇場にあると言うようにと指示する。

それを知ったエグリチは、ハーポを部屋に閉じ込めて劇場に向かう。

ファウスティーノは、ハーポが金持ちの女性を連れて来ることをライオンズに伝る。

ライオンズをおだてたファウスティーノは、彼がバイオリンを弾けることを知り、自分はピアノを演奏して皆に聴いてもらう。

その後、結局ライオンズはショーの中止を決めて、マイクはそれを団員に伝える。

ハーポからもらったイワシの缶詰を開けて、マイクを励ますマギーだったが、彼はそれをゴミ箱に捨ててしまう。

そこに現れたエグリチは、マイクにショーへの出資を申し出て、喜ぶ彼をオフィスに誘う。

その頃ハーポは、部屋の窓から脱出する。

マギーはマイクとエグリチのことが気になり、彼女を励ますバニーは、ネコが食べようとしたゴミ箱のイワシの缶詰を外で食べさせる。

戻ったマイクは、エグリチから出資を約束してもらったことをマギーに話す。

誕生日だったマギーに食事に行けないと伝えたマイクは、エグリチとの打ち合わせがあると言って出かける。

劇場内にあったイワシの缶詰を調べていたエグリチは、自分に惹かれたファウスティーノにも協力してもらう。

劇場に戻ったハーポは、ネコが食べていたイワシの缶詰の中のダイヤに気づき、別の缶詰を開けて中に向かう。

イワシの缶を捨てに来たレフティは、ネコが食べていたマルタ十字の缶に気づく。

ネコがダイヤも食べたと考えたレフティは、エグリチにそれを伝えてネコを調べに行く。

エグリチは、缶詰を大量に持って戻ったファウスティーノを無視してその場を去る。

ハーポは、ショックを受けて悲しむマギーを慰めるために、暮らしている小屋があるセントラルパークに連れて行く。

マギーを励ますハーポは、住んでいる小屋からハープを出して演奏し、彼女にダイヤのネックレスを渡す。

ラヴ・ハッピーは初日を迎え、部下マッキノー(エリック・ブロア)からの報告で、グルニオンはエグリチがショーに関係していることを知る。

グルニオンは、マッキノーと共に桟敷席のエグリチの元に向かおうとするが、ロマノフ家のエージェントであるアイヴァン(オットー・ワルディス)から、ダイヤを買いとるが嫌なら殺すと言われて監視される。

しばらくすると、グルニオンは魅力的なクライアント(マリリン・モンロー)から仕事を依頼されるものの、アイヴァンは部屋を出ようとする彼に銃を向ける。

ネコのレントゲンを撮ったレフティは、ダイヤを食べていなかったことをエグリチに知らせる。

その後レフティは、ゾト兄弟と共に、マギーがダイヤのネックレスを身につけていることを知る。

ステージに向かおうとしたマギーは、マイクから先日のことを謝罪される。

ハーポからもらったと言うダイヤは偽物だとマギーに伝えたマイクは、結婚指輪を買いに行くことを約束する。

ダイヤを外したマギーは感激し、それをピアノの上に置く。

楽屋に戻ったマギーは、レフティとゾト兄弟に襲われ、ハーポがそれに気づく。

マイクも襲わて殴り倒され、レフティらはダイヤを探す。

ファウスティーノの元に向かったハーポは、エグリチらにマギーが襲われていることを苦労しながら教える。

楽屋の中でダイヤの話が聴こえたファウスティーノは、ダンサーがつけていた宝石の飾りをダイヤだと偽り、レフティらに見せてマギーとその場にいたバニーを助ける。

ファウスティーノは出番があるために、偽物をハーポに渡す。

ハーポを屋上に追ったレフティらは、彼に追いつけずに逃げられてしまう。

ステージに上がったファウスティーノは、見事なピアノ演奏を始める。

ファウスティーノが力強く鍵盤を叩くとダイヤのネックレスが宙に舞い、桟敷席にいたエグリチはそれに気づく。

ファウスティーノもそれに気づき、ダイヤを手にして演奏を終えハーポを助けに行く。

ハーポは、レフティらに見つかり追い詰められる。

そこに現れたファウスティーノは、転んでダイヤを落としてしまい、ハーポが本物を拾い逃げる。

エグリチと出くわしたグルニオンは、今度こそダイヤは手に入れる、邪魔はさせないと言われ、銃を向けられたためにその場を去る。

エグリチにダイヤを奪われたファウスティーノは銃を向けられ、それは偽物で、本物はハーポが持っていることを伝える。

ハーポは、追ってきたレフティら3人をポールに縛りあげる。

エグリチは、ハーポと現れたグルニオンにダイヤを探すよう指示する。

ハーポがグルニオンのポケットにダイヤいれたため、態度を変えたエグリチはグルニオンに迫る。

グルニオンはその気になるが、ハーポは、マジックハンドで彼のポケットからダイヤを奪う。

ダイヤは、その価値を知らないハーポと共に消えてしまう。

その後グルニオンは、ファウスティーノを助手にする。

電話を受けたグルニオンは、妻となったエグリチに、今晩は早く帰ることを伝える。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
ニューヨーク

経営難の劇団の一員ハーポは、仲間たちのために食料品店で食べ物を盗んでいた。
ロマノフ王朝の高価なダイヤモンドを探す謎の女性エグリチは、店に到着するものの、ダイヤを隠してあるイワシの缶詰を紛失してしまう。
倉庫に浮浪者のような男(ハーポ)がいたことを知ったエグリチは、彼を捜しダイヤを手に入れようとするのだが・・・。
__________

様々なジャンルの作品を手掛けていたデヴィッド・ミラーが監督した本作は、マルクス兄弟にとって最後の主演作として知られている。

ロマノフ王朝のダイヤモンドを奪おうとする者たちと劇団員が巻き起こす騒動を描くミュージカル・コメディ。

無口で優しい劇団員を演ずるハーポ・マルクスが主人公の作品であり、チコは劇団員に雇われる口が達者な音楽家で、グルーチョはドラマの進行役である私立探偵で、終盤から物語に絡んでくる。

決して話をしないハーポは、その個性を活かして大活躍し、いつものように、彼とチコのハープとピアノ演奏の他、劇団員のヴェラ=エレンのダンスやマリオン・ハットンベティ・ハットンの姉)の歌なども堪能できるミュージカルとしても、十分に楽しめる内容に仕上がっている。

また、フランク・タシュリンベン・ヘクト(クレジットなし)が組んだ脚本によるギャグの連発や、特撮と視覚効果を多用した映像、アン・ロネルの愉快な音楽も印象的だ。

ダイヤを手に入れようとする謎の女を妖艶に演ずるイロナ・マッセイ、劇団の団長ポール・ヴァレンタイン、劇団の後援者レオン・ベラスコ、エグリチの部下である食品店の店長メルヴィル・クーパー、同じく殺し屋の兄弟レイモンド・バーブルース・ゴードン、グルニオン(グルーチョ・マルクス)の部下エリック・ブロア、グルニオンのクライアントで端役で出演するマリリン・モンローロマノフ家のエージェント役オットー・ワルディスなどが共演している。


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