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ロード・ジム Lord Jim (1965)

1900年に発表された、ジョセフ・コンラッドの小説”Lord Jim”を基に製作された作品。
海と冒険を愛する青年が過去の罪を背負いながら迫害を受ける人々のために戦う姿を描く、製作、監督、脚本リチャード・ブルックス、主演ピーター・オトゥールジェームズ・メイソンクルト・ユルゲンスイーライ・ウォラックジャック・ホーキンスポール・ルーカスダリア・ラヴィエイキム・タミロフ他共演のアドベンチャー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト
監督:リチャード・ブルックス

製作:リチャード・ブルックス
原作:ジョセフ・コンラッドLord Jim
脚本:リチャード・ブルックス
撮影:フレディ・ヤング
編集:アラン・オズビストン
音楽:ブロニスラウ・ケイパー

出演
ロード・ジム:ピーター・オトゥール
ダンカン・ブラウン:ジェームズ・メイソン
コーネリアス:クルト・ユルゲンス
将軍:イーライ・ウォラック
マーロウ船長:ジャック・ホーキンス
スタイン:ポール・ルーカス
女性:ダリア・ラヴィ
ショームバーグ:エイキム・タミロフ
ワリス:伊丹十三
デュ・ラミン:斎藤達雄
ブライアリー船長:アンドリュー・キール
ロビンソン:ジャック・マッゴーラン
マレー:リック・ヤング
チェスター船長:ノエル・パーセル
パトナの船長:ウォルター・ゴテル
長老:マーン・メイトランド
治安判事:A・J・ブラウン
フランス人将校:クリスチャン・マルカン

アメリカ/イギリス 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1965年製作 154分
公開
イギリス:1965年2月16日
北米:1965年2月25日
日本:1965年10月1日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
イギリス人青年のジム(ピーター・オトゥール)は、養成所を卒業して船乗りとなる。

ジムに目をつけたマーロウ船長(ジャック・ホーキンス)は、一等航海士として彼を育てる。

そんなジムは、冒険と神秘への欲求から、イカダで漂流する美少女を救う幻想にふけることもあった。

ジムは、暴動が起きた船内で船長を救い、ヒーローになることなども想像した。

ある日ジムは、階段で足を踏み外して怪我をしたため治療が必要となり、ジャワ島でマーロウに別れを告げて下船する。

病院にいる他の船員は陸上の生活を楽しんだが、ジムは海に出ることを望んだ。
...全てを見る(結末あり)

杖なしで歩けるようになったジムは、老朽化した汽船パトナと乗船契約を結び、機関士のロビンソン(ジャック・マッゴーラン)らと共に、メッカに向かうイスラム教徒を乗せて紅海へと旅立つことになる。

ジムは、粗暴な船長(ウォルター・ゴテル)に乗船許可されて出発する。

スコールが近づくことを知ったジムは警戒し、船が傾いたために浸水したと考える。

それを確認したジムは、逃げるべきだと言うロビンソンにエンジンを止めさせる。

雨が降り始め、800人の乗員に救命ボートが2隻しかないため、イスラム教徒は騒ぎ始める。

ボートを下ろして逃げようとする船長が、イスラム教徒を見捨てるつもりだと知ったジムは納得できず、嵐の中、船の舵を取る。

しかし、ジムは船とイスラム教徒を見捨てて救命ボートに乗ってしまう。

翌日、後悔しながら漂流するジムは、船は間違いなく沈んだと言うロビンソンの言葉を聞き流す。

その後、港に着いたジムらは、無事だったパトナが停泊していることに気づき驚く。

その結果、船長やジムを含めた船員は、船を捨てた罪を問われる立場となる。

ジムが姿を隠していれば聴聞会は開かれなかったが、彼は告白し、パトナの件は世間の人々に非難される。

マーロウも法廷に現れ、治安判事(A・J・ブラウン)やブライアリー船長(アンドリュー・キール)は、パトナを救ったフランス船の船長(クリスチャン・マルカン)を呼ぶ。

ブライアリーは、ジムら船員の行動は、卑怯な行為とは言えないという船長の意見を聞く。

ジムの船員資格を剥奪したブライアリーは、自分たち皆が責められる立場にあると考え、身を隠さず恥をさらしたジムの行動が理解できなかった。

その後、港を渡り歩く日々を送ったジムは、あらゆる仕事をしながら身を隠し、落伍者になることを望んだ。

その後ジムは、パトナの件で責任を感じたブライアリーが自殺したことを知る。

スタイン(ポール・ルーカス)の貿易商会の仕事をしたジムは、現地の青年マレー(リック・ヤング)が、火薬を運ぶ船に火をつけた妨害工作を阻止する。

スタインに感謝されたジムは、ロビンソンを見かけたためにその場を去ろうとする。

ロビンソンから声をかけられるものの、ジムは彼を無視する。

スタインの元に向かったジムは、心臓の持病があり、蝶の標本の収集家である彼と話す。

何か悩みを抱えているものの、気位が高いジムに一目置くスタインは、彼に銃を渡して旅に同行させる。

列車で移動するスタインは、連発ライフルをジムに見せながら、奥地のパトゥーザンに向かい、山賊と戦う旧友である部族長デュ・ラミン(斎藤達雄)に武器や火薬などを届ける話をする。

同じ列車に乗るマレーは、2人を監視する。

敵である山賊のリーダー(イーライ・ウォラック)は無国籍の将軍で、戦略家で残忍で凶悪な男だと、スタインはジムに話す。

将軍は村民から税や貢ぎ物を取り立て、強制労働も課していると言うスタインは、3日後に村民に反乱を起こさせるのが目的だと付け加える。

バトゥ・クリング。
到着したスタインは、用意させていた船がないためにショームバーグ(エイキム・タミロフ)の元に向かう。

マレーに買収されていたショームバーグが船を売ろうとしないため、焦るスタインは心臓発作を起こす。

ショーンバーグを怪しむジムは、帆船を貸りる交渉をするものの、スタインは蒸気船でなければ間に合わないと考える。

スタインの体を心配するジムは1人で運ぶことを考え、交易所の責任者コーネリアス(クルト・ユルゲンス)の元に向買うために出発する。

手伝いとして船に乗ったマレーが、同乗者を殺したために警戒するジムは、連発できるライフルを発砲して彼を脅す。

パトゥーザンに到着し、マレーが逃げたために船を岸につけたジムは、火薬を降ろす。

マレーは、コーネリアスと話していた将軍の元に向かい、スタインの武器と火薬が運ばれたことを伝える。

火薬の爆破に失敗したと言うマレーは、連発ライフルもあり、運び人は1人だと伝える。

マレーに兵士をつけた将軍は、スタインに雇われているコーネリアスに、反乱計画のことを話し、裏切り者は殺すと言って彼を脅す。

村の少年に出会ったジムは、彼の協力で火薬や武器を隠す。

船に残した火薬の樽に火を点けたジムは、それを爆破させる。

将軍はそれを確認し、ジムは捕らえられる。

少年からジムのことを訊いた女性(ダリア・ラヴィ)は、連行される彼を見守る。

デュ・ラミンと、息子のワリス(伊丹十三)もそれに気づく。

拘束されたジムは、将軍からここに来た理由を訊かれ、スタインに頼まれたビジネスだと答える。

武器弾薬は買い取ると言われたジムは、爆発で吹き飛んだと伝える。

それを信じない将軍は、ジムに協力させようとする。

ジムが既に口を割った可能性があるとワリスに伝えた女性は、ジムに接触しようとする。

ジムと話したコーネリアスは、武器弾薬の隠し場所を聞き出そうとするものの無駄だった。

焼けたナイフで将軍に拷問されたジムは、何も話さなかった。

将軍に介抱するようにと言われた女性は、ジムの傷の手当てをする。

1時間後にもう一度聞くとジムに伝えた将軍は、彼を脅す。

女性は、逃げている間に自分たちが武器を手に入れるとジムに伝えてその場を去る。

ジムは、見張りのマレーの隙を見て殴り倒し、それに気づいたコーネリアスが騒ぎを起こした間に逃亡する。

マレーを射殺した将軍は、ジムの捜索を始めさせる。

ジムは、村人の協力で火葬される遺体として運ばれる。

その頃、武器と火薬は村に運び込まれ、それに気づいた将軍は、武装蜂起するつもりだと考える。

村に連れて行かれたジムはワリスと話し、武器を手にして戦えると言う彼に、戦いにより女子供が犠牲になると伝える。

敵の戦力が上回ると考えるジムは、スタインから大砲があると言われていたため、そのことをワリスに確認する。

何年も使っていない大砲が古寺に隠してあることを知ったジムは、村に設置すれば敵の陣地が射程に入るとワリスに伝えて、戦う方法を考える。

長老(マーン・メイトランド)はそれに反対するが、デュ・ラミンは戦う意志をジムに伝える。

その後、大砲を整備したジムは、砲弾の代わりに鉄クズや釘、ガラスの破片を利用しようとする。

戦いの準備を整えて大砲を運んだジムは、凧を上げて合図にしようと考える。

自分たちの戦いに命を懸けるジムに感謝したデュ・ラミンは、彼を”トゥアン”と呼ぶ。

女性から、それが勇気ある尊敬に値する人”ロード”を意味することを知されたジムは、彼女から”ロード・ジム”と呼ばれる。

母の墓に花を手向けた女性は、死者は火葬を待ち、それにより魂は肉体から解かれ、いつか戻ってくるとジムに話す。

ジムは、女性と共に竹槍に火薬を入れて導火線で発火させる武器を作る。

将軍は、捕らえてある村人を人間の盾にしようと考える。

夜明けが近づき、大砲の準備が整い、凧が上げられる。

砲撃が始まり、激しい戦いとなる。

老朽化していた大砲は痛んでしまい、修理される。

合図の凧に気づいた将軍は、それを上げていた男を殺すよう指示する。

大砲が壊れたことをワリスから知らされたジムは、人間の盾となって砦から出てきた人々に攻撃することができず、後退する。

それでも村人は勇敢に戦い、将軍らを砦に追い戻す。

将軍は、宝石を運んで地下から逃げるつもりだった。

竹槍の導火線に点火し、攻撃を開始したジムは砦に押し入り、火薬の樽を使い、その場を爆破して将軍を倒す。

地下に向かったコーネリアスは、通り抜けて脱出する。

勝利の祝宴が開かれ、村人たちは歓喜する。

女性の家で話をしたジムは、スタインの仕事をしていた母親について語る彼女から、父を敬い死ぬまで愛したことを知らされる。

父と同じく皆この地から去ると言う女性は、ジムもやがて帰るだろうと考えるが、彼はそれを否定する。

それでも去るだろうと言う女性に、ジムはいてほしいか尋ねる。

母のように泣きながら死にたいとは思わないと、涙しながら話す女性は、自分は去らないと言うジムとの愛を確かめる。

バトゥ・クリング。
ショーンバーグの元に向かったコーネリアスは、金貨や宝石が詰まった木箱が、村には10箱はあることを伝え。

蒸気船を用意することにしたショーンバーグは、見かけは紳士の悪党ダンカン・ブラウン(ジェームズ・メイソン)を呼び、コーネリアスは、1人(ジム)を殺せば金と宝石が手に入ることを彼に話す。

その頃スタインは、ジムがパトナの事件の当事者だったことを知り、パトゥーザンに向かい歓迎される。

ブラウンらも、ショーンバーグの蒸気船で現地に向かう。

ジムは、スタインに運河の開発計画を話す。

スタインから、その前に過去の亡霊を消し去るべきだと言われたジムは、彼がパトナの件に気づいていることを知る。

村人に話すべきだというスタインは、デュ・ラミンの協力が得られれば自分も力になるとジムに伝える。

疑惑は消し去れないと言うジムは、スタインの考えに従う気になれない。

村人から感謝の気持ちを伝えられ信頼を得ていることを実感したジムだったが、考えを変えることはできず、皆を幻滅させるわけにはいかないとスタインに伝える。

この場に居たいというジムは、スタインのために用意した蝶の標本を渡す。

その後、村では祭が開かれ、到着したブラウンらは金と宝石を奪おうとする。

撃ち合いになり、少年が銃弾を受けて命を落としてしまう。

村人が蒸気船を奪い、ブラウンらはボートで対岸に逃げる。

ジムに話しかけるブラウンは休戦を求め、ジムと相談したいことを伝える。

渡し筏で1人で向かったジムはブラウンと話し、彼の銃を奪って川に投げ込む。

ブラウンと交渉したジムは、船を返す可能性を伝えて戻る。

コーネリアスらと話したブラウンは、手ぶらでは帰れないと伝える。

ジムは船を渡して帰すつもりだったが、長老は戦うべきだと考える。

自分には皆に対しての責任があるとスタインに話すジムは、ブラウンは関係ない男だと言われるものの、自分の問題であり約束だと伝える。

約束はあてにならないと言われたジムは、1人でも村人が死んだ場合は、命で報いるとデュ・ラミンと長老に伝え、ワリスは彼の言葉を信じる。

霧の中、ブラウンらは去ろうとするように見せかけながら蒸気船に向かう。

忌まわしい思い出の時と同じ霧に運命を感じたジムは、この地の名”パトゥーザン/Patusan”の”UとS”で”我々”になり、残りの文字で”パトナ”と読めると女性に伝える。

ブラウンに指示されたコーネリアスは偵察に向かい、ワリスは放たれたナイフを腹部に受ける。

ブラウンらの行動を不審に思ったジムは、ワリスが傷を負ったことを知り、金が狙っていたと考える。

金を大砲に詰めたジムとワリスは、現われたブラウンらに向かって発砲する。

蒸気船は爆破され、ブラウンらの企みは失敗に終わる。

息を引き取ったワリスを抱くジムは、デュ・ラミンに後を任せてその場を去る。

ワリスを抱きながら、ジムの手は汚れていると言うデュ・ラミンは、女を連れて今夜中に去るよう彼に伝えることをスタインに指示する。

夜が明けてもジムがいる場合は、約束したように命をもらうとデュ・ラミンはスタインに伝える。

村を去るつもりがないジムは、スタインに何を言われても考えを変えない。

逃げろと言われたジムは、同じことを話したブライアリー船長を思い出し、パトナ以上の重荷を背負い身を隠せない、悪夢は断ち切れないと伝える。

戦って真実を見ろと言われたジムは、自分は卑怯者であり英雄だったと話しながら、女性を見つめて、これほど生を願い死を恐れたことはないと話す。

スタインを父と慕うジムは、救うのをやめて手を貸してほしいと伝えて、覚悟を決める。

翌朝、ワリスの火葬の準備が始まり、少年の遺体に帽子を捧げたジムは、デュ・ラミンの元に向かいライフルを置く。

暫くして銃声が聴こえ、射殺されたジムはワリスと共に火葬される。

女性は笑顔でジムに別れを告げ、蒸気船に乗ったスタインはその場を去る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
船員養成所を出て一等航海士となったジムは、マーロウ船長に気に入られて海の旅を始める。
怪我をして下船したジムは、回復後に老朽船パトナに乗船する。
浸水した船が嵐の中で沈没する危機となり、ジムは、船長らと共に船と乗員を見捨てて逃げてししまう。
パトナが無事だったことを知ったジムは、身を隠さずに罪を告白したため、船員資格を剥奪されてしまう。
各地を渡り歩き、貿易商のスタインに雇われたジムは、奥地で山賊の迫害を受ける村人に武装蜂起させるために、武器と火薬を届けることになるのだが・・・。
__________

ジョセフ・コンラッドの小説”Lord Jim”を基に、リチャード・ブルックスが製作と脚本を兼ねて監督したアドベンチャー大作。

海と冒険を愛する青年が、過去の罪を背負いながら奥地の人々のために戦う姿を描くドラマ。

物語の中で貿易商が語る、”悩みを抱えているものの気位が高い”というセリフが、主人公を表現するのに相応しい言葉として印象に残る。

主人公が、消し去れない罪を背負いながら信念を貫こうとする苦しむ姿が切実に描かれた内容は考えさせられ、リチャード・ブルックスの骨太の演出と脚本により、まずまず見応えがある作品に仕上がっている。

期待の若手スターとして、世界的な知名度を得ていた主人公を好演するピーター・オトゥールを始め、脇を固める国際色豊かな実力派スター豪華競演も見どころの作品。

終盤でしか登場しないのが残念な、村の財宝を狙う悪党のジェームズ・メイソン、彼と手を組む交易所を任されるクルト・ユルゲンス、同じく山賊のリーダーを印象的に演ずるイーライ・ウォラック、主人公を気に入り船乗りとして育てる船長のジャック・ホーキンス、主人公を雇い奥地に武器と火薬を運ぶ貿易商のポール・ルーカス、主人公と親交を深める村の女性ダリア・ラヴィ、途中の町で主人公に船を貸すエイキム・タミロフ、村の青年、伊丹十三、その父親である部族長の斎藤達雄、罪を告白した主人公の考えを理解できない船長のアンドリュー・キール、主人公と共に乗船する機関士ジャック・マッゴーラン、山賊に協力する現地の青年リック・ヤング、船長のノエル・パーセル、主人公と共に逃げるパトナの船長ウォルター・ゴテル、村の長老マーン・メイトランド、治安判事のA・J・ブラウン、パトナを救ったフランス人将校のクリスチャン・マルカンなどが共演している。


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