2012年に発表された、デニス・ルヘインの小説”Live by Night”を基に製作された作品。 犯罪組織でのし上がっていく男の野望を描く、製作レオナルド・ディカプリオ、製作、監督、脚本、主演ベン・アフレック、エル・ファニング、レモ・ジローネ、ブレンダン・グリーソン、クリス・メッシーナ、シエナ・ミラー、ゾーイ・サルダナ、クリス・クーパー他共演の犯罪ドラマ。 |
・レオナルド・ディカプリオ / Leonardo DiCaprio 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:ベン・アフレック
製作
レオナルド・ディカプリオ
ジェニファー・デイヴィソン
ベン・アフレック
ジェニファー・トッド
製作総指揮
クリス・ブリガム
デニス・ルヘイン
シェイ・カーター
原作:デニス・ルヘイン”Live by Night”
脚本:ベン・アフレック
撮影:ロバート・リチャードソン
編集:ウィリアム・ゴールデンバーグ
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演
ジョー・コフリン:ベン・アフレック
ロレッタ・フィギス:エル・ファニング
アーヴィング・フィギス:クリス・クーパー
マソ・ペスカトーレ:レモ・ジローネ
トーマス・コフリン:ブレンダン・グリーソン
アルバート・ホワイト:ロバート・グレニスター
RD・プルイット:マシュー・マー
ディオン・バルトロ:クリス・メッシーナ
エマ・グールド:シエナ・ミラー
グラシエラ・スアレス:ゾーイ・サルダナ
エステバン・スアレス:ミゲル・J・ピメンテル
アドモ・バロッコ:ザック・リー・グアナッチャ
ディガー・ペスカトーレ:マックス・カセラ
リッツの投資家:クリスチャン・クレメンソン
ヴァージル・ボーリガード:J・D・エヴァーモア
カルヴィン・ボンデュラント:クラーク・グレッグ
ブレンダン・ルーミス:クリス・サリヴァン
ゲイリー・L・スミス:アンソニー・マイケル・ホール
ドニー・ギシュラー:デレク・ミアーズ
アンソニー・セルヴィドーネ:マッシ・フルラン
カーマイン・パローネ:ジャンフランコ・テリン
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2016年製作 129分
公開
北米:2016年12月25日
日本:2017年5月20日
製作費 $108,000,000
北米興行収入 $10,378,560
世界 $22,678,560
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1926年、ボストン。
第一次世界大戦の退役軍人でアイルランド系のジョー・コフリン(ベン・アフレック)は、善人が多く死ぬ姿を見て、世の中のルールに従わないことを誓った。
ジョーは、父トーマス(ブレンダン・グリーソン)がボストン市警の警部でありながら悪党となった。
ある事件で痛めつけられたジョーは、病院のベッドでそのことを思い出す。
__________
ジョーと仲間は、アイルランド系マフィアのボス、アルバート・ホワイト(ロバート・グレニスター)を強盗のターゲットにしていた。
ホワイトの愛人エマ・グールド(シエナ・ミラー)が、内通者としてジョーらに協力した。
賭博場で襲われたブレンダン・ルーミス(クリス・サリヴァン)と共にジョーに会ったホワイトは、彼を手下にしようとする。
ホワイトに対抗するイタリア系マフィアのボス、マソ・ペスカトーレ(レモ・ジローネ)との抗争は激化していた。
エマを愛したジョーは、彼女との交際をトーマスに反対され、いつかは必ず報いを受けると忠告される。 トーマスに侮辱されてジョーに不満を訴えるエマは、彼の愛を確認して抱きしめられる。 ペスカトーレに呼ばれたジョーは、ホワイトとの抗争にケリをつけたいと言う彼に、組織とは組まないことを伝える。 エマのことをペスカトーレに知られているジョーは、既に今回の件に関わっていると言われ、ホワイトを殺すよう指示される。 考えを変えるつもりがないことを伝えたジョーは、その場を去る。 ジョーは、脚本家志望ではあるものの、今はスタントマンの兄ダニエルがいるカリフォルニアに、エマと共に向かうことにする。 その前に旅費を稼ぐため、ジョーは仲間のディオン・バルトロ(クリス・メッシーナ)と共に銀行を襲う計画を実行する。 現金を奪ったジョーらは車で逃走し、途中で2台に別れ、警官に追われる。 事故を起こしたジョーは無事だったものの、3人の警官が死亡する。 ジョーは、ディオンらが警官を殺したと考える。 エマに会いに行ったジョーは、彼女に裏切られ、ホワイトの手下に痛めつけられる。 そこにホワイトが現れ、裏切ったエマを連れて行くよう手下に指示し、誘き出せば命は助ける約束だったが、彼女も殺すとジョーに伝える。 そこにトーマスらが現れ、ホワイトはジョーを見逃してその場を去る。 トーマスは警官が死んだことでジョーを非難し、礼がしたいと言う同僚に後を任せる。 刑務所の病院で治療を受けるジョーは、現れたトーマスにエマのことを尋ねる。 トーマスは、エマはホワイトの部下ドニー・ギシュラー(デレク・ミアーズ)の車に乗せられたが、警察に追跡されて海に突っ込んだとジョーに伝える。 仲間のパウロはカナダ国境付近で殺され、ディオンは逃げたようだと伝えたトーマスは、運に恵まれた命を、死んだエマのために無駄にするなと助言する。 死刑を免れるためにジョーに罪を認めさせようとしたトーマスは、主任警部のカルヴィン・ボンデュラント(クラーク・グレッグ)に会う。 懲役3年、20年の保護観察で検討してほしいと言われたボンデュラントは、納得しなかったものの、トーマスから、同性愛の性癖の証拠写真を見せられる。 ボンデュラントから努力すると言われたトーマスは、努力には興味ないと伝える。 強盗幇助の罪を認めたジョーは3年4か月服役し、その間にトーマスは他界する。 ペスカトーレの元に向かったジョーは、ギャングは嫌いだがホワイトを殺したいことを伝える。 ホワイトをボストンから追い出したものの、フロリダのタンパでラム酒の縄張りを荒らされていることを知ったジョーは、ペスカトーレにその後始末を任され、ディオンを相棒にすることを許される。 イーボー・シティ。 ディオンに迎えられたジョーは街の様子を聞き、消されたオルミノの後を継ぐことを、密輸業者のゲイリー・L・スミス(アンソニー・マイケル・ホール)に伝える。 スミスから、ラム酒を供給するキューバのスアレス・ファミリーの話を聞いたジョーは、ホワイトと関係していると思われる彼を脅して、街から追い出す。 ディオンと共にキューバ人のエステバン・スアレス(ミゲル・J・ピメンテル)のクラブに向かったジョーは、彼の姉が駅で見かけたグラシエラであることを知る。 スミスが街を出たことを伝えたジョーは、警察や判事を巻き込めることを話し、エステバンに直接取り引きの提案をして、潰したいホワイトから手を引けと伝える。 地元警察に呼び出されたジョーとディオンは、連邦保安官のアーヴィング・フィギス(クリス・クーパー)と話し、行動する地域を指定されて納得する。 そこにフィギスの娘ロレッタ(エル・ファニング)が現れ、ジョーとディオンは、紹介された彼女が、ハリウッドのスターになるためにカリフォルニアに旅立つことを知る。 兄がスタントマンだとロレッタに伝えたジョーは、ディオンと共にその場を去る。 グラシエラに出くわしたジョーは、自分と手を組むことを検討中だと言う彼女に惹かれる。 エステバンのパーティーに招待されたジョーは、グラシエラと共に過ごし、そして2人は愛し合う。 その後、スアレス・ファミリーと手を組んだジョーは、ペスカトーレに大きな利益をもたらす。 ホワイトはマイアミで逃亡生活を続け、中部の市場はジョーが独占した。 しかし、有色人種と組むジョーは”KKK”の妨害に遭い、フィギスの義弟RD・プルイット(マシュー・マー)はジョーの酒場を襲う。 それを知ったジョーは、フィギスの仲裁でRDに会い、手を組む話をする。 ジョーは、繁盛店の上がりをRDに渡すことで話をつける。 その後ジョーは、ペスカトーレから賭博や麻薬ビジネスも広げるよう指示され、投資家(クリスチャン・クレメンソン)と共にカジノ”リッツ・ホテル”を建設することになる。 ジョーは、ペスカトーレの息子ディガー(マックス・カセラ)と共に建設中のホテルを視察し、独占して儲けられるビジネスについて話をする。 その後もRDの襲撃は続き、ジョーは、地元のKKKの幹部ヴァージル・ボーリガード(J・D・エヴァーモア)と話をつけようとする。 ジョーはボーリガードよりも大物がいることを知り、用なしの彼をディオンが射殺する。 フィギスとRDの件を話したジョーは、ハリウッドに向かえなかったロレッタが、ロサンゼルスでヘロイン中毒の売春婦になったことを伝えて、証拠の写真を見せる。 ショックを受けたフィギスは、ロレッタを助けるために医者に預けてあると言うジョーの要求を聞き入れ、RDともう一度会わせる約束をする。 自分で殺せと言われたジョーは、生きて帰ったらロレッタの居場所は教えるとフィギスに伝える。 その夜、RDと建設中のホテルで会ったジョーは、、ホワイトと組んでいた彼から、店のすべてを奪うと言われ、グラシエラのことを侮辱されたために彼を射殺する。 隠れていたディオンらは、RDの仲間を殺すが、ジョーは流れ弾を腹部に受ける。 KKKは入院したジョーの命を狙うが、ディオンらが彼らを襲い無力化する。 退院したジョーは、グラシエラに迎えられる。 故郷に戻ったロレッタは、フィギスに鞭打たれて厳しい懲罰を受け、敬虔なキリスト教徒となる。 グラシエラは結婚を望み、ジョーもそれに同意する。 ジョーは、グラシエラが女性と子供たちのための施設を作る考えがあることを知る。 数か月後。 ペスカトーレからの連絡を受けたジョーは、ロレッタにビジネスの邪魔をさせないよう、手段を選ばず問題は消し去れと指示される。 ロレッタの集会には多くの人々が集まり、彼女はギャンブルの危険性を説き、リッツ・ホテルの建設を非難する。 ディオンからロレッタを消すことを提案されたジョーは、話し合いで解決しようとする。 ロレッタと話をしたジョーは、説教でカジノの件を語らないでほしいと伝えて、代わりに雇用を生みだすことを約束する。 貧困が解消されれば罪人も減ると言われたロレッタは、神がギャンブルを認めるのなら、反対するのをやめるとジョーに伝る。 ロレッタを殺す気になれないジョーは、彼女に手出しすることを許さない。 ディオンから後悔すると言われたジョーは、そうなるだろうと伝える。 その後、ジョーとディオンは、投資家からホテルの話を撤回したいと言われて戸惑い、世間の反発が大きいことを知らされる。 人を利用して金を巻き上げる者にはなりたくないと投資家に伝えたジョーは、彼を罵倒してその場を去る。 次期大統領のルーズベルトが、就任次第、禁酒法を廃止すると宣言し、窮地に立たされたジョーは、ペスカトーレからの電話に出ることができない。 そんなある日ジョーは、カフェでロレッタに出くわし、フィギスが自分を嫌う理由を訊かれる。 自分の淫らな写真をジョーが父に見せたことを知ったロレッタは、今いるここが天国であり、神はいないと言って、罪は許されないと涙しながら彼に話す。 ジョーは、法律にもKKKにもできなかった、自分とカジノを止めたロレッタに、次は何をするか尋ねる。 それを誇りに思うロレッタは父のことを訊かれ、椅子に座り、娘を汚されたこと対して怒り、”悔い改めよ”という言葉を繰り返しているとジョーに伝える。 ジョーは、時が解決してくれるとロレッタに伝える。 その後、ロレッタが自殺したことをディオンから知らされたジョーは、ショックを受ける。 エステバンと話したジョーは、彼が1か月前に撮った写真に、死んだはずのエマが写っていることに気づき驚く。 そのことをグラシエラに話し、ディオンにも知らせたジョーは、ペスカトーレが来ることもあり、グラシエラをマイアミに向かわせる。 ペスカトーレに会ったジョーは、ロレッタを殺さなかった理由を訊かれ、自分が殺し屋ではないことを見抜いている彼に、大きく稼いで貢献していると伝える。 酒だけの儲けで満足しないペスカトーレは、ジョーが女と麻薬には手を出さなかったことが不満だった。 ディガーに後を任せようとするペスカトーレは、ジョーに息子の世話役になることを強要する。 ペスカトーレがホワイトと和解したことを知ったジョーは、彼がマシンガンを手にして現れたために驚く。 ホワイトに脅されたジョーは、エマの写真を見せて動揺させる。 ペスカトーレは裏切ると考えていたジョーは、以前ホテルにラム酒を持ち込むために使った地下トンネルを使い、ディオンと仲間にその場を襲撃させる。 ホテル内で銃撃戦が始まり、ジョーはホワイトに襲いかかり、ペスカトーレとディガーは手下と共にその場から逃れる。 部屋に戻ったペスカトーレはホワイトの死体を確認し、その場で待っていたジョーからディガーが殺されたことを知らされ、彼に射殺される。 ジョーは、すべてを終えたディオンと共に、ペスカトーレの手下にボストンに戻るか自分に従うかを選ばせる。 自分は引退すると言うジョーは、ディオンがボスだと皆に伝える。 その後ディオンは、8年間、組織を仕切った。 ジョーはグラシエラの元に向かい、彼女を抱きしめる。 数日後ジョーは、売春宿にいたエマと再会し、逃げ延びた経緯を知る。 愛には応えられないと言うエマは、自由を選んだとジョーに伝える。 自分は自由を必要としないとエマに伝えたジョーは、彼女に別れを告げる。 その後、グラシエラが望んだ女性と子供たちのための施設が完成する。 ジョーは、生まれた息子に父トーマスの名をつけた。 ロレッタの死で正気を失ったフィギスは、”悔い改めよ”と叫びながらジョーの家に向かい発砲する。 ジョーはフィギスを射殺するものの、グラシエラが銃弾を受けて死亡する。 キューバ、アルセナス。 その後ジョーは、慈善活動を続けながらトーマスの成長を見守る。 土曜は必ずトーマスと映画を観に行くジョーは、兄ダニエルが脚本を担当した西部劇”Riders of the eastern ridge”を鑑賞する。 ジョーは、それを観て保安官になりたいと言うトーマスに、クレジットされたダニエルの名を指差しながら、兄だと伝える。 トーマスと浜辺を散歩するジョーは、天国はどこにあるかと訊かれ、”ここが天国、今いる場所が・・・”と言ったロレッタの言葉を伝える。
...全てを見る(結末あり)
駅に着いたジョーは、同じ汽車に乗っていたグラシエラ・スアレス(ゾーイ・サルダナ)が気になる。
神に身を捧げたロレッタは、麻薬、酒、ギャンブルは神の言葉に反すると人々に説き始める。
ジョーは、グラシエラを故郷に埋葬する。
*(簡略ストー リー)
1926年、ボストン。
第一次世界大戦の退役軍人でアイルランド系のジョー・コフリンは、父トーマスが警官であるにも拘わらず悪党になる。
アイルランド系ギャングのボス、ホワイトの縄張りを荒らしていたジョーは、彼の情婦エマと手を組んでいた。
エマと愛し合うジョーだったが、彼女に裏切られ、ホワイトに殺されそうになる。
トーマスに救われたジョーは、エマが殺されたことを知り、銀行を襲い警官殺した罪で服役する。
出所したジョーは、ホワイトと敵対するイタリア系マフィアのボス、ペスカトーレの部下となる。
ジョーは、フロリダに逃げたホワイトがラム酒の縄張りを荒らしていることを知り、ペスカトーレの指示で彼の抹殺を指示されて現地に向かうのだが・・・。
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”ミスティック・リバー”などで知られる人気作家デニス・ルヘインの小説”Live by Night”を基に製作された作品。
レオナルド・ディカプリオが製作に参加し、ベン・アフレックが、製作、監督、脚本、主演を兼ねた意欲作。
デニス・ルヘインの原作、豪華スター競演など話題になった作品ではあるが、犯罪組織の中で成り上がっていく男の野望を描く内容に新鮮味はなく、批評家の評価も低かった。
製作費に約1億ドルをかけただけあり、1920年代末から1930年代初頭を再現したセットや衣装などは素晴らしいのだが、北米で約1000万ドル、全世界でも約2300万ドルに終り、興行的には大失敗作となった。
主演のベン・アフレックは、悪党ではあるものの、道義をわきまえて生きる一面も見せる主人公を熱演している。
女優になれずに堕落し、敬虔なキリスト教徒なり神の教えを説くエル・ファニング、その父親で主人公の活動を認める連邦保安官のクリス・クーパー、主人公に指示を与えるイタリア系マフィアのボス、レモ・ジローネ、主人公の父親である警部ブレンダン・グリーソン、イタリア系と対立するアイルランド系マフィアのボス、ロバート・グレニスター、KKKのメンバーで主人公のビジネスを妨害するマシュー・マー、主人公の友人である右腕のクリス・メッシーナ、主人公と愛し合うギャングの情婦シエナ・ミラー、主人公と結婚するキューバ人のゾーイ・サルダナ、その弟でラム酒の密輸を仕切るミゲル・J・ピメンテル、ペスカトーレ(レモ・ジローネ)の息子マックス・カセラ、カジノホテルの投資家クリスチャン・クレメンソン、KKKの幹部J・D・エヴァーモア、ボストン警察の主任警部クラーク・グレッグ、アイルランド系のギャング、クリス・サリヴァン、デレク・ミアーズ、密輸業者のアンソニー・マイケル・ホール、イタリア系のギャング、マッシ・フルラン、ジャンフランコ・テリンなどが共演している。