政治家、ジャーナリスト、大学教授の視点を通し対テロ政策やアメリカ社会の問題を見つめ直し無気力な若者に行動を起こさせるきっかけを与えていく姿を描く、製作、監督、出演ロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ、マイケル・ペーニャ、アンドリュー・ガーフィールド、トム・クルーズ他共演の社会派ドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・レッドフォード
製作総指揮:ダニエル・ルピ
製作
ロバート・レッドフォード
トレイシー・ファルコ
マシュー・マイケル・カーナハン
アンドリュー・ハウプトマン
脚本:マシュー・マイケル・カーナハン
撮影:フィリップ・ルースロ
編集:ジョー・ハッシング
音楽:マーク・アイシャム
出演
スティーブン・マレー:ロバート・レッドフォード
ジャニーン・ロス:メリル・ストリープ
ジャスパー・アーヴィング上院議員:トム・クルーズ
アーネスト・ロドリゲス:マイケル・ペーニャ
アーリアン・フィンチ:デレク・ルーク
トッド・ヘイズ:アンドリュー・ガーフィールド
ファルコ中佐:ピーター・バーグ
編集長:ケヴィン・ダン
アメリカ 映画
配給 MGM/ユナイテッド・アーティスツ
2007年製作 92分
公開
北米:2007年11月9日
日本:2008年4月18日
制作費 $35,000,000
北米興行収入 $15,002,850
世界 $63,215,870
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
●ワシントンD.C.、東部標準時 10:00AM。
ジャーナリストのジャニーン・ロス(メリル・ストリープ)は、ジャスパー・アーヴィング上院議員(トム・クルーズ)のオフィスに呼ばれる。
ジャニーンは、かつて共和党の若きホープとして彼の独占記事を書いたことがあった。
ウエストポイント出身で、軍事通でもあるアーヴィングは、アフガニスタン対テロ作戦での新たな行動を、ジャニーンにリークし、それを正当化する報道を促すのが目的だった。
●アフガニスタン、現地時間 6:30PM.
バグラム空軍基地。
その作戦とは、ファルコ中佐(ピーター・バーグ)指揮下の少数の特殊部隊を、アフガニスタン山中高地に送り込んで拠点を築き、対テロ戦を勝利に導くというものだった。
●カリフォルニア大学、太平洋標準時 7:00AM。
スティーブン・マレー教授(ロバート・ レッドフォード)は、最近は講義の出席も少ない、成績優秀だった学生のトッド・ヘイズ(アンドリュー・ガーフィールド)との面接を始める。 その頃、アフガニスタンのバグラム空軍基地では、志願兵のアーネスト・ロドリゲス(マイケル・ペーニャ)とアーリアン・フィンチ(デレク・ルーク)が所属する小隊が、アーヴィングが提唱する作戦行動に参加してヘリコプターで飛び立つ。 対テロ強行の姿勢こそが、国を正しい道に導けると言うアーヴィングの発言に、ジャニーンは、独占記事をものに出来るチャンスを得ながら疑問を抱き始め、作戦は既に開始されたことも知らされる。 激しい敵の攻撃を受けたアーネストとアーリアンは、ヘリから転落して山中に取り残されてしまうのだが、二人は本国で、マレー教授の教え子だったのだ。 マレー教授に対しトッドは、報われない行動は無益と言わんばかりに、実体験を伴わない空論を重ねる。 ファルコ中佐は、アーネストとアーリアンの救出の指示を出そうとするが、悪天候と敵の動向が気になり、実行に移せず、目的地が安全地帯だと言った者を非難する。 テロリストに対する、早急な攻撃行動を進めようとする政府とアーヴィングの考えと、冷静に状況を分析して考える必要性を主張するジャニーンの意見は食い違う。 迫り来る敵を警戒しながら、負傷したアーネストとアーリアンは互いに励まし合い救援を待つものの、遂に周囲を敵に包囲されてしまう。 マレーは、かつて理想に燃え、論文を書き続けたが評価されず、自分の才能が、学生の素質を見抜き、援助することだとトッドに話す。 また、アーネストとアーリアンが、ゴミタメのような生活環境から努力を積み重ね、自分達が国を変えるというほどの強い意思で、志願までして兵士になった行動を尊重したことも語る。 今回は成功するという確信があるのか、国民は、そこに不信感を抱いていると説くジャニーンに対し、勝利こそが民意を統合する手段であるとアーヴィングは反論する。 さらにアーヴィングは、勝ちたくはないのかとジャニーンに声を荒げる。 そこに、アフガニスタンでの作戦難航と、孤立兵士の情報がアーヴィングに入る。 アーヴィングは、アメリカの強大な力を持って制圧すべき、敵への行動こそが意義あるものと確信し、他の法案採決のため取材を終了する。 ジャニーンは、あくまで”手段を選ばない”という強気の姿勢を崩さない、アーヴィングの発言を気にしながら、彼のオフィスを後にする。 救援ヘリはアーネストとアーリアン救出に向かうが、敵の攻撃が始まり兵士が迫ってくる。 帰社したジャニーンは、今回の取材は、アーヴィングが仕組んだホワイトハウス入りするためのプロパガンダでないかと、記事にすることをためらい、編集長(ケヴィン・ダン)と意見が対立する。 トッドは、今、下す決断に生涯責任を取らねばならないとマレー教授に言われる。 一時間余りの短い面接だったが、トッドはマレー教授の言葉に、次第に心を動かされていく。 足を負傷して動けず、死を覚悟したアーネストはアーリアンを逃がそうとするが、二人は立ち上がり敵に立ち向かい命を落とす。 ジャニーンはタクシーで移動中、戦没者の眠るアーリントン墓地を見て涙する。 トッドは、学生寮のテレビ・ニュースで、アフガニスタンで電撃作戦を展開し、アメリカ軍が高地を掌握したことを知る。
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...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ワシントンD.C.。
ウエストポイント出身で軍事通のジャスパー・アーヴィング上院議員は、ジャーナリストのジャニーン・ロスを呼び寄せ、アフガニスタンの、対テロ作戦での新たな行動をリークして、それを正当化する報道をさせようとする。
アフガニスタン、バグラム空軍基地。
その作戦とは、ファルコ中佐指揮下の少数の特殊部隊員を、山中高地に送り込んで拠点を築き、対テロ戦を勝利に導くというものだった。
カリフォルニア大学。
スティーブン・マレー教授は、学生トッドとの面接を始め、彼は、報われない行動は無益だと主張する。
その頃、アフガニスタンでは、マレー教授の教え子だった志願兵のアーネストとアーリアンが、作戦行動に参加してヘリコプターで飛び立つ。
対テロの強行姿勢こそが、国を正しい道に導けると言うアーヴィングの発言に、ジャニーンは疑問を抱き始めるが、既に作戦は開始されたことも知らされる・・・。
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「バガー・ヴァンスの伝説」以来7年ぶりの監督作品となるロバート・レッドフォード(製作、出演)と、前年から映画製作に携わることになったトム・クルーズ(出演)の組んだ野心作。
野心のある若手政治家が、対テロ政策の正当化のため、著名なジャーナリストを利用する話も月並みな感じがするが、一教育者の立場から、何とか無気力な若者の心を動かそうとする、ロバート・レッドフォード演ずる教授の姿は、人生経験の深さを感じさせる、説得力のある話になっている。
映画としての娯楽的な要素は乏しく、これだけの豪華キャストにも拘らず、アメリカ国内では、商業的に不発に終わった作品でもあるり、批評家、特に観客の評価はかなり低かった。
つまり、製作側が意図したと思われる一つの観点、若者を奮起させることもできなかったということだろうか・・・。
主役の三人は、それぞれが深みのある演技を見せているが、顔のシワは増えたものの、70歳過ぎにはとても見えない、ロバート・レッドフォードの渋みを増した演技が際立つ。
生い立ちに恵まれずに勉学に励み、努力と一歩踏み出す勇気で、世の中に立ち向かっていこうとする二人の兵士役、マイケル・ペーニャとデレク・ルーク、 不自由ない学生生活を過ごし、世渡りのうまさで社会に出ようとする学生アンドリュー・ガーフィールド、電撃作戦を指揮する中佐ピーター・バーグ、編集長のケヴィン・ダンなどが共演している。