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ライフ・オブ・パイ Life of Pi (2012)

2001年に発表された、ヤン・マーテルの小説”パイの物語”を基に製作された作品。
貨物船沈没で家族を失いトラと共に漂流することになった少年の運命を描く、製作、監督アン・リー、出演スラージ・シャルマイルファーン・カーンタッブー他によるアドベンチャー・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト ■
監督:アン・リー

製作総指揮:ディーン・ジョーガリス
製作
アン・リー

ギル・ネッター
デヴィッド・ウォマーク
原作:ヤン・マーテルパイの物語
脚本:デヴィッド・マギー

撮影:クラウディオ・ミランダ
編集:ティム・スクワイアズ
美術・装置
デヴィッド・グロプマン

アンナ・ピノック
音楽:マイケル・ダナ

出演
パイ・パテル(16歳):スラージ・シャルマ

パイ・パテル(成人):イルファーン・カーン
サントッシュ・パテル:アディル・フセイン
ジータ・パテル:タッブー
アナンディ:シュラヴァンティ・サイナット
ヤン・マーテルレイフ・スポール
コック:ジェラール・ドパルデュー
船員:王柏傑
神父:アンドレア・ディ・ステファノ

アメリカ/台湾/イギリス 映画
配給 20世紀FOX

2012年製作 127分
公開
北米:2012年11月21日
台湾:2012年11月21日
イギリス:2012年12月20日
日本:2013年1月24日
製作費 $120,000,000
北米興行収入 $124,987,020
世界 $609,016,570


アカデミー賞 ■
第85回アカデミー賞

・受賞
監督・撮影・視覚効果・作曲賞
・ノミネート
作品・脚色・編集・録音・音響編集・美術・歌曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
パイ・パテル(イルファーン・カーン)の父親は、かつてフランス領だったインドポンディシェリで、動物園を経営していた。

カナダ人の作家ヤン・マーテル(レイフ・スポール)は、パイの亡き父サントッシュ(アディル・フセイン)の友人”ママジ”の紹介で彼を訪ねる。

”ピシン”というフランスのプールの名前を学校でからかわれ、名前を円周率の”パイ”に変えたことを彼はマーテルに話す。

有能な実業家の父サントッシュは、ホテル経営から植物園の敷地を動物園に改装し、植物学者であった母ジータ(タッブー)と共に運営した。

大学を卒業し信仰心の厚い母ジータと身分の低い父サントッシュの愛を受け、兄ラヴィと共に育ったパイは、12歳の時に山でキリストに出会った。
...全てを見る(結末あり)

茶を栽培する親戚を訪ねていたパイは、教会の聖水を飲んでくるようにとラヴィに命ぜられる。

パイは教会に向かい、神父(アンドレア・ディ・ステファノ)に水をもらい、神がイエスに与えた苦難などについてを尋ねる。

全能の神の行いが理解できないパイは、神父の話を聞くうちにキリストに興味を持ち、ヒンズー教を通してそれを知り、またアラーについても学ぶ。

サントッシュは、三つの宗教を同時に信じることに無理があると言って、全てを信じられなくなるとパイに語る。

ジータは、若いパイの考えを尊重するが、サントッシュは、曖昧な信仰よりも理性で物事を考えるようにと伝える。

しかしパイは、洗礼を受けたいとサントッシュに答える。

パイは動物にも心があると考え”リチャード・パーカー”と名付けられたベンガルトラと接しようとするのだが、サントッシュがそれを制止する。

サントッシュは、トラが友達ではなく猛獣だということを分からせるために、パイの前でヤギが餌になる様子を見せる。

16歳になったパイ(スラージ・シャルマ)は、アナンディ(シュラヴァンティ・サイナット)という少女に出会う。

アナンディとの親交を深めたパイだったが、動物園の敷地が市に没収されることになり、一家は動物達を連れてカナダに移住することになる。

日本の貨物船でインドを離れたパイらだったが、菜食主義者だということでコック(ジェラール・ドパルデュー)と揉めた一家は、まともな食事ができない。

マニラを経由した4日後、悪天候の中を進む貨物船の甲板に出たパイは船が沈没する危険を感じて家族の元に向かう。

既に船は浸水し、家族を見つけられないパイは、救命ボートに乗るよう指示されるが、ロープが外れて海面に落下する。

ボートから落ちずに済んだパイは、海中に投げ出されたトラ”リチャード・パーカー”が飛び乗ってきたために海に飛び込む。

海中で貨物船が沈んでいくのを確認したパイは、仕方なくボートに戻り、海を見つめながら家族に別れを告げて謝罪する。

夜が明け、”リチャード・パーカー”がいないことを確認したパイは、船の水を掻い出すのだが、シマウマと共にハイエナがいたため驚く。

漂流していたオランウータンを救ったパイは、ハイエナがシマウマに襲いかかるのを見ているしかなかった。

補給品を確認したパイは、救命胴衣などで筏を作る。

その後、ハイエナがオランウータンも殺したために憤慨したパイだったが、隠れていた”リチャード・パーカー”が姿を現す。

”リチャード・パーカー”はハイエナを殺し、驚いたパイは海に飛び込む。

筏にしがみついていたパイはボートに戻り食料を確保し、襲いかかってくる”リチャード・パーカー”から何んとか逃れる。

漂流を続けるパイは、神に祈りを捧げて、死後に行きつく場所について尋ねる。

遭難時の手引書に従い、あらゆることを試みたパイは、船酔いで苦しむ”リチャード・パーカー”に水と餌を与えようとする。

餌を与えなければ、泳ぎの特異なトラが、筏の自分を襲うとパイは考える。

”リチャード・パーカー”は空腹に耐えられず、魚を捕えるため海に飛び込み、それを見たパイはボートに戻る。

パイは、”リチャード・パーカー”がボートに這い上がれない間に、筏を補強して食料を確保する。

その後パイは、何んとか魚を獲り”リチャード・パーカー”に与える。

その夜、巨大なクジラがの出現で筏は壊れ、パイは食料を失ってしまう。

備品を取りにボートに戻っていたパイに”リチャード・パーカー”が襲いかかろうとするが、トビウオの大群が通り過ぎたため、大量の魚と大魚を手に入れることができる。

ボートに戻る度に危険にさらされるパイは、共存を考えて”リチャード・パーカー”を飼い慣らそうとする。

それに成功したパイは、その恐怖の緊張感から、魚の捕獲が生甲斐となる。

数日後、パイは大型船を目撃して発煙筒で知らせるのだが、船は水平線に消えていく。

希望を失わないと自分に言い聞かせるパイは、遭難直後からの日記を書き続ける。

嵐になり、神に祈りながら耐えるパイは、筏を失いながらも持ち応える。

”リチャード・パーカー”は衰弱し、パイは、痩せ衰えた彼を抱きかかえながら家族を想い、神に感謝しながら死を覚悟する。

意識の戻ったパイは、マングローブを目の前に、陸地にたどり着いたことに気づき、その場の海藻を食べる。

奥地に向かったパイは、ミーアキャットの大群をかき分けて池に入り、生き返った気持ちになる。

そんなパイは、”リチャード・パーカー”がミーアキャットを餌にしているのを目撃する。

その後、木の上にベッドを作ったパイは、夜になるとミーアキャットも木に昇り、”リチャード・パーカー”がボートに戻ることを不思議に思う。

眼下の水中の魚は溶けて、植物の中に人間の歯があったため、パイはその場が、肉食の島であることに気づく。

夜になると死の島になるその場に留まる訳にいかず、パイは出発の準備をj始める。

水や食料を確保したパイは、”リチャード・パーカー”と共に旅つ。

歯を発見しなければ結局は死ぬ運命だったと考えたパイは、自分を見守り、死にかけた時に島で休息させて旅を続けるようにと導いてくれた神に感謝する。

数週間後、パイはメキシコに漂着するが衰弱し切っていた。

パイは浜辺に倒れ込み動けずにいたが、”リチャード・パーカー”はジャングルに向かい振り向きもしない。

生きる勇気を与えてくれた”リチャード・パーカー”だったが、それが最後の姿だった。

数時間後、地元の男達に救出されたパイは、去って行った”リチャード・パーカー”のことを想い号泣する。
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パイは、振り向かなかった”リチャード・パーカー”は、父が言っていたように友ではなかったと語るものの、トラは、自分以上のものを見ていたはずだと付け加
える。

家族や祖国、恋人、多くのものを失ったパイは、別れを言えないことが最も辛いことであり、”リチャード・パーカー”に感謝と愛を伝えたいと、マーテルに涙ながらに語る。

信じ難い部分もある話に言葉もないというマーテルに、パイは、収容された病院に現れた日本の保険調査員の話をする。
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調査員の二人は、パイの体験した動物との漂流や、存在の知られていない肉食の浮島など、現実離れした話を信じることができない。

真実を語ってほしいと調査員に言われたパイは、母やコックと船員が、沈没を逃れ共に漂流したという作り話をする。
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パイは、調査員は一応納得して回復を祈り立ち去ったことをマーテルに伝える。

マーテルは、シマウマやハイエナ、オランウータンが、コックや船員に代わった話だと気づく。

両方、家族を亡くし悲しんだことは同じだというパイに、マーテルは、どちらの話がいいかを尋ねられる。

トラの登場する話が良いと答えるマーテルに、パイは感謝して神についての話でもあると言って微笑む。

マーテルは、これを題材に小説を書く許可をパイから得て、トラの登場する物語を思い浮べる。

そして、パイの妻と子供が戻りマーテルは彼女らに挨拶する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
インドポンディシェリ
動物園を経営するパテル一家は、カナダに移住することになる。
一家は動物と共に貨物船で旅立つのだが、嵐で船は沈没し、次男パイだけが生き残る。
何んとか救命ボートに乗れたパイは、シマウマとハイエナ、オランウータンと共に漂流を始める。
ハイエナは、シマウマとオランウータンに襲いかかるが、隠れていた”リチャード・パーカー”と名付けられたベンガルトラ”が姿を現す。
”リチャード・パーカー”はハイエナを食い殺して、筏を作っていたパイはボートから離れる。
ボートには食料や備品があり、パイは恐怖を感じながらも、生きるために”リチャード・パーカー”と共存していくしか方法はなかった・・・。
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世界的に権威のあるイギリスブッカー賞を受賞した原作を、名匠アン・リーが製作、監督した話題作。

3D・CGアニメーションによる驚異の映像と、成長過程にある少年の心理を描くアン・リーの繊細な演出は、ヒューマン・ドラマタッチでも展開し、またファンタジックでもあり、各方面で絶賛された。

第85回アカデミー賞では作品賞をはじめ11部門にノミネートされ、アン・リーが2度目の監督賞を、また撮影、視覚効果、作曲賞を受賞した。
・ノミネート
作品・脚色・編集・録音・音響編集・美術・歌曲賞

1億2000万ドルをかけた超大作でもあり、生身の人間の命を懸けた闘いをスリリングに描いたドラマは、機械的なアクション大作を圧倒するほどの映像美で迫る。

北米興行収入は約1億2500万ドル、全世界ではなんと6億ドルを超す大ヒットとなった。

トラとの闘いと共存、過酷な体験をする少年を熱演するスラージ・シャルマ、成人した主人公を演ずるイルファーン・カーン、主人公の父親アディル・フセイン、母親タッブー、親交を深める少女のシュラヴァンティ・サイナット、ヤン・マーテルレイフ・スポール、貨物船のコックで脇役出演のジェラール・ドパルデュー、船員王柏傑、神父アンドレア・ディ・ステファノなどが共演している。


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