ひょんなことで知り合い殺人の濡れ衣を着せられて終身刑となった2人の65年間の刑務所生活を描く、監督テッド・デミ、製作、主演エディ・マーフィ、マーティン・ローレンス、オッバ・ババタンデ、ニック・カサヴェテス他共演のコメディ・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:テッド・デミ
製作
ブライアン・グレイザー
エディ・マーフィ
製作総指揮
ジェームズ・D・ブルベイカー
カレン・ケーラ
脚本
ロバート・ラムゼイ
マシュー・ストーン
撮影:ジェフリー・シンプソン
編集:ジェフリー・ウルフ
音楽:ワイクリフ・ジョン
出演
レイフォード“レイ”ギブソン:エディ・マーフィ
クロード・バンクス:マーティン・ローレンス
ウィリー・ロング:オッバ・ババタンデ
ディラード看守:ニック・カサヴェテス
クッキー:アンソニー・アンダーソン
ポーカーフェイス:バリー・シャバカ・ヘンリー
ホッピン・ボブ:ブレント・ジェニングス
ジャングル・レッグ:バーニー・マック
ビスケット:ミゲル・A・ヌネスJr.
ゴールドマウス:マイケル・タリフェロ
ラジオ:ガイ・トーリー
キャント・ゲット・ライト:ボキーム・ウッドバイン
デクスター・ウィルキンス所長:ネッド・ビーティ
シルヴィア:リサ・ニコル・カールソン
アバナシー所長:オニール・コンプトン
スタン・ブロッカー:ノア・エメリッヒ
スパンキー・ジョンソン:リック・ジェームス
ウィンストン・ハンコック:クラレンス・ウィリアムズ3世
ジェイク:ヘヴィ・D
レオン:ボンズ・マローン
パイク保安官(若年期):ネッド・ヴォーン
パイク保安官(老年期):R・リー・アーメイ
デイジー:サナ・レイサン
メイ・ローズ・アバナシー(幼年期):アリソン・コール
メイ・ローズ・アバナシー(若年期):ポピー・モンゴメリー
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1999年製作 109分
公開
北米:1999年4月16日
日本:未公開
製作費 $80,000,000
北米興行収入 $63,844,970
世界 $73,521,590
■ アカデミー賞 ■
第72回アカデミー賞
・ノミネート
メイクアップ賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ミシシッピ州刑務所。
二人の囚人の簡単な葬儀が行われ、埋葬されることになる。
年老いた受刑者ウィリー・ロング(オッバ・ババタンデ)は、埋葬を手伝うジェイク(ヘヴィ・D)とレオン(ボンズ・マローン)に、火事で焼死した二人のことを話し始める。
1932年、ニューヨーク、ハーレム。
ナイトクラブ”スパンキー”に現れた詐欺師のレイフォード“レイ”ギブソン(エディ・マーフィ)は、テーブルのクロード・バンクス(マーティン・ローレンス)に目を付ける。
恋人のデイジー(サナ・レイサン)から結婚の話をされたクロードは焦り、酒をこぼしてしまいトイレに向かう。
借金取りに有り金を取られたクロードは、現れたレイから同級生と言われる。 抱き合ったクロードは嘘を見抜くものの、レイに財布を盗まれてしまう。 財布が空だと知ったレイは、オーナーのスパンキー・ジョンソン(リック・ジェームス)の元に連れて行かれる。 料金を請求されたクロードはそれが払えず、レイと共に港に連れて行かれる。 クロードはロープで逆さ吊りにされて海に落とされ殺されそうになり、レイは、密造酒が手に入ることをスパンキーに伝える。 仕方なく今回は許したスパンキーは、クロードを運転手に使いたいと言うレイの要求を認める。 銀行の窓口係として真面目に働く気だったクロードは、月曜日までに帰りたいことをレイに伝える。 窓口係は女の仕事だと言われたクロードは、スリは男の仕事かと反論し、来年は融資担当になると話す。 自分にも融資するかと聞いたレイは、担保があるかとクロードに言われ、銀の懐中時計を見せる。 盗んだのかと言われたレイは父親の時計だと答え、父親が盗んだと侮辱するクロードを非難し、本物の銀で形見だと伝える。 その後も二人は、言い争いをしながら南部に向かう。 ミシシッピ州。 その後、酒を仕入れた二人は酒場に向い、レイはポーカーで稼ごうとする。 クロードはシルヴィア(リサ・ニコル・カールソン)に声をかけられ、酒を奢ることになる。 レイは、必ず勝つと思った手でウィンストン・ハンコック(クラレンス・ウィリアムズ3世)に負けてしまい、賭けた銀時計も取られてしまう。 イカサマだと気づいたレイは、ウィンストンを追って店を出るが、彼は見当たらなかった。 ウィンストンは、現れた悪徳保安官パイク(ネッド・ヴォーン)に痛めつけられ、抵抗して彼の頬を傷つけたため、殺されてしまう。 シルヴィアに金を使ってしまったクロードは、レイがイカサマで所持金と時計まで奪われたことを知る。 店を出て車に戻ろうとした二人は、ウィンストンが殺されていることに気づき、レイは時計を捜すものの見つからない。 そこに町の男達が現れ、レイとクロードは逮捕されて留置場に入れられる。 現れたパイクは、レイとクロードが倒れていたウィンストンの近くにいたことと、密売目的の酒も持っていたことを知らされる。 ウィンストンを殺したパイクは、二人を殺人犯に仕立て上げ、大物スパンキーの名前を出されても無視する。 レイとクロードは、裁判の結果、終身刑となり、州刑務所に移送される。 看守長のディラード(ニック・カサヴェテス)から脱獄不可能だと言われたレイとクロードらは、逃げれば容赦なく射殺すると脅される。 ディラードの右腕である囚人ホッピン・ボブ(ブレント・ジェニングス)の指示で、レイとクロードは他の囚人達の元に連れて行かれる。 ウィリーら囚人達が人殺しの凶悪犯だと知ったレイとクロードは、自分達も殺人を犯したと言って周囲を威嚇する。 巨体のゴールドマウス(マイケル・タリフェロ)に逆らったレイは、痛めつけられてしまう。 面会に来たデイジーから、いとこの弁護士が出所できるよう動いていると言われたクロードは、レイのことも頼むかと聞かれ、自分だけが出られればいいと伝える。 囚人達に計画中のナイトクラブの話をしたレイは、皆に喜ばれるが、ホッピンに邪魔される。 その後、いとこの弁護士の上訴が棄却され、おまけにデイジーまで奪われたと言うクロードは、レイに脱獄の相談をする。 自分のことを弁護士に頼まなかった都合の良いことを言うクロードを非難し、レイは彼と言い争いになり騒ぎを起こす。 その夜、脱獄した二人は捕えられてしまい、懲罰房に入れられる。 12年後、1944年。 アバナシー所長(オニール・コンプトン)の娘メイ・ローズ(ポピー・モンゴメリー)がハネムーンから戻って来るが、キャント・ゲット・ライトが彼女に惹かれてしまう。 強打者の噂を聞いた野球のスカウトのスタン・ブロッカー(ノア・エメリッヒ)が現れ、キャント・ゲット・ライトの打撃をチェックする。 キャント・ゲット・ライトの才能を確認したスタンは満足し、レイとクロードから自分達が育てたと言われてその場を去る。 その後、メイ・ローズが出産するが、黒人の子供だったためにアバナシー所長は激怒し、囚人が父親だと考えて相手を探す。 レイとクロードら囚人達は、キャント・ゲット・ライトを庇うために自分が父親だと名乗り出る。 囚人達にバカにされて憤慨するアバナシー所長は、メイ・ローズを連れて刑務所を去る。 刑務所内ではパーティーが開かれ、レイが酒を造り、クロードがシルヴィアら女達を呼ぶ。 釈放されるビスケット(ミゲル・A・ヌネスJr.)は、ゲイであるために、世間や家族に受け入れられるかが不安であることをレイに話す。 レイに励まされたビスケットだったが、悩んだ末に逃げようとして走り出し、看守に射殺されてしまう。 野球による恩赦が認められたキャント・ゲット・ライトは釈放されることになり、レイとクロードは迎えに来たスタンに、自分達も出られないのかと言って不満をぶつける。 それが認められない二人は諦め、キャント・ゲット・ライトの健闘を祈り彼を送り出す。 農薬散布用の軽飛行機で逃げると言うレイと口論になったクロードは絶交することを伝え、その後、二人は口をきくこともなくなり刑務所は暗い雰囲気になった。 第二次大戦は終わり、ジャッキー・ロビンソンがメジャーリーグで、ボクシング界ではモハメド・アリが活躍し、公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キングJr.、マルコムX、ジョン・F・ケネディの暗殺など、世の中は激変する。 その間、囚人仲間のポーカーフェイス(バリー・シャバカ・ヘンリー)やクッキー(アンソニー・アンダーソン)は死亡し、飛行機で逃亡を試みたレイは墜落して捕えられる。 ゴールドマウス、ジャングル・レッグ(バーニー・マック)、ラジオ(ガイ・トーリー)も亡くなり、アポロ11の月面着陸が成功し、リチャード・ニクソンが大統領に就任し、そしてホッピンも亡くなる。 28年後、1972年。 そんなある日、パイを盗んだクロードが罰を与えられ、ディラードに見張りをするようにと言われたレイはそれを拒む。 一緒に罰を受けることになったレイは、話しかけて来たクロードを迷惑に思うものの、ようやく話し合えたことを互いに喜ぶ。 そんな二人は、デクスター・ウィルキンス所長(ネッド・ビーティ)の家で働くことになる。 庭師と雑用をさせられたレイは、執事役でウィルキンスに気に入られているクロードが気に入らない。 ウィルキンスに運転手を頼まれて、新しい所長を迎えに行ったクロードは、世の中の変化に驚き40年の歳月を実感する。 そこに現れた、頬に傷のある新しい所長の顔を見たクロードは驚き、彼が自分達を刑務所に送ったパイク(R・リー・アーメイ)だと気づく。 それをクロードから知らされたレイは、パイクが父親の銀時計を持っていることに驚き、40年前にウィンストンを殺したのは彼だと確信する。 時計について尋ねたレイは、それを妻から貰ったというパイクに40年前のことかを確認し、顔の傷についても聞く。 憤慨したパイクは銃を手にし、礼儀を教えると言い出す。 ウィルキスがそれを制止しようとするが、レイは銃を奪ってパイクに向ける。 時計は父親のものでパイクが真犯人だとレイが言うため、ウィルキスはそれを確かめようとする。 その件を否定せずに、安い労働力が州のためになったと言うパイクは、隠し持っていた銃を取り出す。 ウィルキスはパイクを射殺し、レイは父親の時計を取り戻す。 保安官に事故だったことを話したウィルキスは、レイとクロードの失った40年に同情して、釈放の手続きをとることを約束する。 それで出所できたのなら墓穴を掘っている訳がないと言うジェイクとレオンに、ウィリーは真実を話す。 事件の夜にウィルキンスは急死してしまい、結局、レイとクロードは釈放されなかった。 更に年老いたレイとクロードは、90歳にも拘らずある計画を実行する。 その夜、出火した療養所に取り残されたクロードを助けるため、レイは火の中に向かう。 レイとクロードは焼死して、葬儀が行われ埋葬されることになった。 二人の話を聞いたジェイクは涙し、ウィリーが彼らの計画を語る。 遺体安置所から2体の死体を盗んだレイとクロードは、療養所に火を放ち、騒動の最中に消防車に隠れて逃亡したのだった。 成功したかどうかも分からないと言うウィリーは、墓の中の遺体はレイとクロードではないのかとジェイクとレオンに聞かれ、何も答えずに笑いながらその場を去る。 ヤンキー・スタジアム。 レイフォード“レイ”ギブソンとクロード・バンクスは、現在もハーレムで暮らしている。
...全てを見る(結末あり)
ダイナーに寄った二人は、黒人お断りの店だったために追い払われる。
囚人の野球チームのコーチをしていたクロードは、頭が弱い口もきけないキャント・ゲット・ライト(ボキーム・ウッドバイン)の打撃センスに驚く。
年老いたレイとクロードは、未だにいがみ合い口をきかなかった。
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観客席のレイとクロードは、ゲームを楽しむ。
*(簡略ストー リー)
1932年、ニューヨーク、ハーレム。
詐欺師のレイフォード“レイ”ギブソンは、クラブで銀行員のクロードに目を付けて財布を盗むが、二人はオーナーのスパンキーに殺されそうになる。
密造酒が手に入ることをスパンキーに伝えたレイは命を救われ、クロードと共にミシシッピ州に向かう。
密造酒を手に入れた二人は酒場に向かうものの、レイがイカサマでウィンストンに所持金を巻き上げられてしまう。
ウィンストンは悪徳保安官パイクに殺害されてしまい、その濡れ衣を着せられたレイとクロードは逮捕され終身刑となり、州刑務所行きとなる・・・。
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エディ・マーフィとマーティン・ローレンスという人気コメディアンの共演が話題になった作品。
二人の個性を生かした、テッド・デミの軽快な演出も見所の爆笑コメディではあるが、主人公二人の確執や友情、囚人達との交流も描く、人情ドラマ的な内容でもある。
刑務所や収容所を舞台にした作品へのオマージュ的なシーンもあり、ファンを楽しませてくれる。
主人公二人の65年間の刑務所生活の移り変わりを描いているため、彼らが老いるメイクは見事であり、第72回アカデミー賞では、リック・ベイカーがメイクアップ賞にノミネートされた。
製作費に8000万ドルかけた大作であり、北米興行収入は約6400万ドル、全世界では約7400万ドルで、製作費を回収することができなかった、エディ・マーフィ作品にしては寂しい結果に終わった。
詐欺師で密造酒の運び屋でもある主人公を熱演するエディ・マーフィ、ひょんなことから主人公と共に終身刑になってしまう運の悪い男マーティン・ローレンス、囚人仲間であり、彼らの人生と”最終計画”を語るオッバ・ババタンデ、看守長のニック・カサヴェテス、彼に従う囚人ブレント・ジェニングス、一癖ある愉快な囚人達アンソニー・アンダーソン、バリー・シャバカ・ヘンリー、バーニー・マック、ミゲル・A・ヌネスJr.、マイケル・タリフェロ、ガイ・トーリー、野球の才能を発揮する囚人ボキーム・ウッドバイン、主人公に好意的に接する所長ネッド・ビーティ、酒場の女リサ・ニコル・カールソン、所長オニール・コンプトン、その娘ポピー・モンゴメリー、野球のスカウト、ノア・エメリッヒ、ナイトクラブのオーナー、リック・ジェームス、ポーカーで主人公から金を巻き上げるクラレンス・ウィリアムズ3世、主人公達の墓だと言われてそれを掘る囚人ヘヴィ・Dとボンズ・マローン、悪徳保安官の若年期ネッド・ヴォーン、老年期R・リー・アーメイ、主人公の恋人サナ・レイサンなどが共演している。