結婚30年目を迎えた夫婦が新婚旅行の思い出の地パリで深まる溝を修復し絆を深めるまでを描く、監督ロジャー・ミッシェル、主演ジム・ブロードベント、リンゼイ・ダンカン、ジェフ・ゴールドブラム他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロジャー・ミッシェル
製作:ケヴィン・ローダー
製作総指揮
スー・ブルース=スミス
フィリップ・ナッチブル
ルイーサ・デント
脚本:ハニフ・クレイシ
撮影:ナタリー・デュラン
編集:クリスティーナ・ヘザーリントン
音楽:ジェレミー・サムズ
出演
ニック・バロウズ:ジム・ブロードベント
メグ・バロウズ:リンゼイ・ダンカン
モーガン:ジェフ・ゴールドブラム
マイケル:オリー・アレクサンデル
イヴ:ジュディス・デイヴィス
イギリス/フランス 映画
配給
Curzon Film World(イギリス)
ARP Sélection(フランス)
2013年製作 93分
公開
イギリス:2013年10月11日
北米:2014年3月14日
日本:2014年8月20日
北米興行収入 $2,225,100
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
パリ。
結婚30年を祝うために、かつて新婚旅行で訪れた地に到着したバーミンガム在住のイギリス人夫妻のニック・バロウズ(ジム・ブロードベント)とメグ(リンゼイ・ダンカン)は、その時と同じホテルに向かう。
当時の面影が全くないホテルに驚いた二人は、ショックを受ける。
二人はその場を去りタクシーに乗り、メグは運転手にチップを払い市内を走らせる。
車を止めたメグは高級ホテルに泊まろうとするが、満室だったために諦める。
暫くその場で愚痴をこぼしていたメグは、ブレア首相も滞在したロイヤルスイートなら二泊できると言われる。 宿泊を決めた二人は部屋に向い、バルコニーからエッフェル塔が一望できる眺めに満足する。 湯水のごとく金が消えていくことを心配するニックは、メグと共に街に出る。 二人はモンマルトルのサクレ・クール寺院に向かい、息子からの電話に出たニックを残し、メグは建物中に入ってしまう。 その件で喧嘩になった二人は寺院を出て、何んとか友好的に時を過ごそうとするニックは、メグに無理やりキスしようとする。 メグにそれを拒まれたニックは、石畳の上で転び膝を打つ。 それがきっかけで仲直りした二人は、ランチのために何軒も回りある店に入る。 二人は料理を注文して仲良く食事をしていたが、最近、不機嫌そうな顔をしているとメグに指摘されたニックは、1か月前に大学から早期退職を勧告されたと話す。 注意した女学生から抗議の申し立てがあったというニックは、驚かせたかったと言って、冗談のようにその件をメグに話す。 食事を終えた二人は、メグの案内でモンパルナス墓地に向い、ベケットやサルトルの墓を見てホテルに戻る。 暫く休んで夜の街に出た二人は、レストランで食事をするものの、息子の生活を支え同居を考えるニックと、子供が独立した今だからこそ、二人で話し合いたいメグと意見が合わない。 高額の食事代を支払うことになったメグは、先に外に出ているようにとニックに指示し、出口を見つけてその場から逃げる。 路地に出ようとしたメグは、ニックを呼んで建物から脱出して二人は逃走する。 その後、路上でキスする二人は、ニックの旧友モーガン(ジェフ・ゴールドブラム)に声をかけられる。 久し振りの再会を喜ぶニックは、人気作家のモーガンにメグを紹介し、翌日、開かれる彼の出版記念パーティーに招待される。 モーガンと別れたニックは、彼がケンブリッジ大学の一年後輩だという話などをメグにする。 ホテルに戻った二人は、歯ブラシの奪い合いを始め、メグが指輪でニックの首を傷つけてしまう。 一瞬、怒りを露わにしたニックは、胸を見せるようにとメグに指示し、洗面所に向い傷の手当てをする。 ベッドに横たわるメグに愛し合いたいと伝えたニックは、眠いと言われたために、部屋に閉じこもり音楽を楽しむ。 暫くして目覚めたメグはニックがいないことに気づき、バルコニーにいた彼を見つける。 いなくなったと思ったと言うメグに、それが望みではないのかとニックは尋ねる。 抱きしめてほしいと言われたニックは、もう話さないと伝えてメグを抱きしめる。 翌朝、街に出た二人はカフェで朝食をとり、メグは、モーガンが熱心に誘うのは自分が目的だと指摘し、彼を利用したらどうかとニックに提案する。 ホテルに戻りモーガンのパーティーに出席するための支度をしていたニックは、教師だったメグが、パソコン・オタクの教え子と関係していたことを疑い問い詰める。 憤慨したメグは、ホテルを出ながら離婚もあり得ると言ってニックと口論になる。 モーガンのアパートに着き歓迎された二人は、各界の友人に紹介される。 別室でモーガンと話したニックは、豪勢な生活の中での悩みなどを聞かされて劣等感を感じる。 現実社会を動かすプロジェクトを考えていると言うモーガンから、2000ポンド出資してそれに参加することを勧められたニックは、4000ポンドでもいいと伝えて見栄を張ってしまう。 モーガンの妻イヴ(ジュディス・デイヴィス)に話しかけられたメグは、有名人の夫との生活に浮かれている彼女に対し、自分の浮気を疑うニックを見つめながら、現実を注視するようにと忠告する。 奥の部屋で音楽を聞いていた青年と話したニックは、彼がモーガンの息子マイケル(オリー・アレクサンデル)であることを知る。 ニューヨーク在住で週末だけパリで過ごすマイケルは、趣味が合わない父との時間を楽しむことができず、マリファナや酒で気を紛らせていることをニックに話す。 母親が自殺未遂をしたという話をマイケルから聞いたニックは、驚くと当時に嘆く。 バルコニーで学者ジャン=ピエールに話しかけられたメグは、通りのバーに誘われる。 マリファナを吸ったニックはハイになりながら、愛する妻を裏切れないとマイケルに語る。 それを聞いていたメグは、男性に誘われたことをニックに伝え、イエスと答えたと伝える。 断ってほしいと言うニックだったが、メグは行きたいと答える。 食事が始り、イヴがモーガンの新著を紹介するスピーチを始めて、夫への愛を語る。 それを複雑な思いで聞いていたニックは、続いてスピーチし始めたモーガンに、昨日、メグと途上でキスしていた話をされる。 更にモーガンは、学生時代に先輩のニックを慕い、様々なことを教えられたことで、今の自分があると言って彼に感謝する。 それに応えてスピーチしたニックは、自分の全てをされけだし、心配や不安で気が休まることがないことを語る。 そんな自分を理解してくれる妻メグしか頼るものがないニックは、彼女が男性とこの場から抜け出すらしいと言って、窓から身を投げたい気分であり、もう終わりで疲れ果てたと話して着席する。 ニックの気持ちを理解したマイケルは、感動したことを伝える。 他に何かあるかとニックに言われたメグは、バルコニーでジャン=ピエールと話していた時に思い出したことを話し始める。 ある時、女友達と話していた際、電話がかかってきたメグは、その様子がとても楽しそうだったために、秘密の恋人なのかを聞かれたことを語る。 それが夫だと答えたメグは、ニックを見つめる。 ニックとメグは、気を遣うモーガンに何も語らずにその場を去る。 その後、二人は様々なことを語り合い、翌朝、部屋を損傷させたために入室禁止となる。 二人はホテルから逃れようとするものの、支配人に見つかってしまう。 クレジットカードの限度額をオーバーしていたため、多額の請求額が払えないニックとメグは、その場から逃げ出してしまう。 パスポートをホテルに預けてあったニックは、モーガンに連絡することを考えて、彼をカフェで待つ。 モーガンから、自分のアパートに滞在することを勧められたニックは、その場にあったジュークボックスの音楽をかける。 ニックが楽しそうに踊り始めたため、メグとモーガンもそれに加わる。
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*(簡略ストー リー)
パリ。
バーミンガム在住のイギリス人夫妻ニック・バロウズとメグは、結婚30年を祝うために、かつて新婚旅行で訪れた地に到着する。
思いでのホテルに向かった二人だったが、当時の面影がないことにショックを受けてその場を去る。
ブレア首相も滞在したホテルのロイヤルスイートに宿泊することになった二人は、街に出て観光などを楽しむ。
その後、大学の哲学教授のニックは、早期退職勧告されたことをメグに伝える。
それに加え、息子を支え同居して生きていきたいと言うニックとメグは意見が合わない。
そんな二人は、ニックの旧友である人気作家のモーガンに街角で出くわし、翌日のパーティーに招待されるのだが・・・。
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大学教授の夫と教師の妻、子供も独立した仲睦まじい夫婦に思える二人の、原点を見つめ直そうとする旅を描いた作品。
夫婦間に起きる日常的な諍いなどが、憩のひと時のはずの旅の中で、大きな転機になる要因として自然に描かれている。
紆余曲折の末に、崩れかけた関係が修復するクライマックスも心地よい。
恋人達の街でもあるパリを舞台にしているということで、そのロケーションがドラマを効果的に盛り上げている。
ケンブリッジ大学出身の哲学者である大学教授という設定にしては、早期退職勧告程度のことで生活に困窮するのか疑問ではあるが、妻にも考えを受け入れられない悩み多き老人を好演するジム・ブロードベント、今一、夫を理解していなかったものの、今回の旅行により絆を深める結果となる妻役のリンゼイ・ダンカン、主人公に恩義を感じる旧友である人気作家ジェフ・ゴールドブラム、その妻オリー・アレクサンデル、息子オリー・アレクサンデルなどが共演している。