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魅惑の巴里 Les Girls (1957)

MGMミュージカルを支えたジーン・ケリージョージ・キューカーと組み、ミッツィ・ゲイナーケイ・ケンドールタイナ・エルグら艶やかな3女優と共に描く華やかなミュージカル。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ミュージカル)

ジーン・ケリー / Gene Kelly / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジョージ・キューカー

製作:ソル・C・シーゲル
脚本:ジョン・パトリック
撮影:ロバート・サーティース
編集:フェリス・ウェブスター
衣装:オリー=ケリー
美術・装置
ウィリアム・A・ホーニング

ジーン・アレン
エドウィン・B・ウィリス
リチャード・ペフェール
音楽:コール・ポーター

出演
バリー・ニコルズ:ジーン・ケリー

ジョイ・ヘンダーソン:ミッツィ・ゲイナー
シビル・レン:ケイ・ケンドール
アンジェル・デュクロ:タイナ・エルグ
ピエール・デュクロ:ジャック・ベルジュラク
ジェラルド・レン卿:レスリー・フィリップス
判事:ヘンリー・ダニエル

アメリカ 映画
配給 MGM

1957年製作 114分
公開
北米:1957年10月3日
日本:1958年4月15日


アカデミー賞 ■
第30回アカデミー賞

・受賞
衣装デザイン賞
・ノミネート
美術・録音賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
アンジェル・デュクロ(タイナ・エルグ)は、かつて、同じ一座のダンサーだったシビル・レン(ケイ・ケンドール)を、名誉毀損で訴える裁判を起こす。

夫ジェラルド(レスリー・フィリップス)を伴い裁判所に現れ、証言台に立ったシビルは、自叙伝”レ・ガールズ”の中で、自殺未遂をしたアンジェルの、その原因となった男性が、夫のピエール(ジャック・ベルジュラク)ではないという記述を認める。

そしてシビルは、その時のことを語り始める。
__________

パリ
バリー・ニコルズ(ジーン・ケリー)率いる舞踏一座は、”バリー・ニコルズ・ガールズ”を上映していた。

シビルは、ルームメイトのジョイ・ヘンダーソン(ミッツィ・ゲイナー)と共に、バリーのオーディションを見学する。
...全てを見る(結末あり)

バリーは、アンジェルを気にいり、夏のヨーロッパ巡業のダンサーに採用する。

アンジェルは、ジョイとシビルの部屋に住むことになるのだが、婚約者のピエールがいることを、バリーには内緒にしてもらう。

巡業は始り、三人は”レ・ガールズ”として売り出し、人気は急上昇する。

そんな中、バリーは巡業の成功を懸けてアンジェルに個人指導を始め、二人は親交を深める。

やがて、二人の仲は噂になり、アンジェルは、シビルの忠告も聞き入れず、バリーとは会っていないと言い張る。

しかし、ジョイとシビルは、隠れて密会する二人のことを承知で、私生活と仕事を混同しないというモットーを語っていたバリーに呆れてしまう。

アンジェルが出掛けた後、彼女を訪ねて来たピエールに気づいたジョイとシビルは、彼を部屋に招く。

バリーとのデートを楽しんだアンジェルは、アパートの前で彼とキスしているところをシビルに見られてしまう。

ピエールが来ていることを知ったアンジェルは驚いてしまい、自分が看護師をしていることになっていたため、彼の両親が来ていると言われ焦る。

更に、ピエールが、”レ・ガールズ”のショーを見に両親と劇場に来ていることを知ったアンジェルは、ステージ上で動揺してしまう。

ショーを台無しにしたことで、バリーはアンジェルを責め、彼女はアパートに引き上げてしまう。

ステージを終えたシビルがアパートに戻ると、アンジェルがガス自殺を図っていた。
__________

そのステージを、ピエールは見ていないと証言していることについて、ジョイに言われただけで、目の悪い自分は、彼を見たとは言っていないと、シビルは動ずることなく発言する。

ピエールは気分を害し、アンジェルを信用できなくなり、彼女を見限る。

翌日、証言台に立ったアンジェルは、シビルの証言が真実ではないと言い切り語り始める。
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始末に負えないアルコール依存症寸前ののシビルを、ジョイとアンジェルは何とか救おうとする。

バリーには隠していた二人だったが、それが彼に知られてしまい、シビルはクビになる。

シビルを何とか助けたいアンジェルは、彼女が酒に溺れた理由はバリーにあると彼に伝える。

それを信じなかったバリーだったが、アンジェルに説得されて考え直し、シビルに優しく接する。

バリーは自ら手本を見せて酒を断ち、シビルを立ち直らせてヨーロッパ巡業に旅立ち、一座は各地で歓迎される。

スペイングラナダ
ジェラルドに付きまとわれていたシビルは、彼がバリーと会いトラブルを起こすことを恐れる。

案の定、夜のクラブで、シビルと共にテーブルを共にした二人は、殴り合いの喧嘩になる。

それをきっかけにバリーとシビルの心は離れ離れになり、彼女は、パリに戻った後のステージで失態を演じる。

バリーから、代役を充てることを告げられた失意のシビルは、ガス自殺を図りアンジェルに発見された。
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その結果、一座は解散し、アンジェルはピエールと結婚したが、幸せな結婚生活をシビルの自叙伝によって壊されたことを語り証言を終わる。

帰宅したシビルは、アンジェルの証言が嘘だと言って弁解するが、ジェラルドは納得せずに彼女を見限る。

翌日、証言台に立ったバリーは、判事(ヘンリー・ダニエル)に、シビルとアンジェルのどちらの証言が正しいかを問われる。

二人がお互いに誤解していて、皆が知らない事実があると、バリーはそれについて語り始める。
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バリーは、恋愛に興味もなく自分にそっけないジョイに恋を語るものの、はぐらかされる。

その後、バリーの元に現れたジェラルドとピエールは、彼がジョイに夢中だと知っていたため、シビルとアンジェルをクビにするべきだと提案する。

その話に乗ったバリーは、病気を装いジョイの同情を買う。

ジョイ、シビル、アンジェルは、バリーを呼んでパーティーを開いて励まし、そして、彼に一座を辞めることを伝えて納得させる。

気落ちするバリーをアパートまで送ったジョイは、彼の誘惑を受け入れない。

バリーは苛立ち、病気は仮病だったことを告白してしまい、ピエールとジェラルドのためにしたことだとジョイに伝える。

ジョイは憤慨して部屋を飛び出し、バリーはそれを追い、彼女への愛を叫び続ける。

三人の部屋に向かったバリーは、ガスが漏れてアンジェルとシビルが倒れていることに気づく。
__________

バリーは、二人を病院に運び、それ以来、彼女らには会っていないことを判事に告げる。

判事は、二人が自殺未遂したのかを問うが、ヒーターのパイプの接続が緩んだ事故だとバリーは語る。

原告のアンジェル側は、名誉回復が果たせたために告訴を取り下げ、裁判は閉廷される。

シビルとアンジェルは、夫達のしたことを責めるが、二人は友情を取り戻し、両夫婦も納得して愛を確かめ合う。

それを見たバリーは安堵して、妻ジョイの待つ車に戻るが、彼女は、夫の話を疑う。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
かつての人気ダンサー、アンジェラは、自叙伝を発表した元同僚のシビルを、名誉棄損で訴える。
シビルは、自殺未遂をしたアンジェルの、その原因となった男性が、夫ピエールではないことを証言して過去を語り始める・・・。
バリー・ニコルズ率いる、舞踏一座のダンサー、シビルとジェイの二人にアンジェルが加わり、”レ・ガールズ”として人気が上がる。
その後バリーは、アンジェルに個人指導をするのだが、やがて二人は恋に落ちる。
しかし、アンジェルには婚約者ピエールがいたため、焦った彼女は舞台で失態を演じてバリーに責められてしまう。
失意のアンジェルは、思い余ってガス自殺を図り、それをシビルが発見する・・・。
翌日、証言台に立ったアンジェルだったが、アル中だったシビルこそが、バリーと親密になった挙句に自殺未遂を図ったと証言し、裁判は泥仕合となる・・・。
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大スターのジーン・ケリーが、サポート役とも言っていい役柄を演じ、三人のダンサーの美しさがとにかく画面に栄える。

ジョージ・キューカーの演出ということもあり、中規模舞踏一座の物語ではあるが、優雅さと共に、セットのセンスの良さや豪華さが非常に印象に残る作品でもある。

第30回アカデミー賞では、衣装デザイン賞を受賞し、美術・録音賞にノミネートされた。

ダンスのナンバーはそれほど多くはないが、コール・ポーターの美しいメロディに合わせた、スターのパフォーマンスは実に楽しい。

上記のように、ジーン・ケリーが三人の女性を立てている物語だけに、目立ち過ぎない演技ではあるが、ダンスや登場シーンでは、さすがに他とは違うオーラを感じる。

妖艶なダンサー達、結局は主人公のハートを射止めるミッツィ・ゲイナー、2年後に33歳の若さで白血病で亡くなったことが惜しまれるレックス・ハリソン夫人ケイ・ケンドール、その夫レスリー・フィリップス、可愛らしさも残るタイナ・エルグ、その夫ジャック・ベルジュラク、判事ヘンリー・ダニエルなどが共演している。


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