1995年に最初の小説が発表された、ティム・ラヘイとジェリー・B・ジェンキンズによるベストセラー小説(16部構成)”レフトビハインド”を基に製作された作品。 突然、人が消えるという異変に襲われた人々の恐怖を描く、監督、編集ヴィク・アームストロング、主演ニコラス・ケイジ、チャド・マイケル・マーレイ、キャシー・トムソン、ニッキー・ウィーラン、ジョーダン・スパークス、リー・トンプソン他共演のサスペンス・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ヴィク・アームストロング
製作
ポール・ラロンド
マイケル・ウォーカー
製作総指揮
R・ブライアン・ライト
J・デビッド・ウィリアムズ
原作
”レフトビハインド”
ティム・ラヘイ
ジェリー・B・ジェンキンズ
脚本
ポール・ラロンド
ジョン・パトゥス
撮影:ジャック・N・グリーン
編集:ヴィク・アームストロング
音楽:ジャック・レンズ
出演
レイフォード“レイ”スティール:ニコラス・ケイジ
キャメロン“バック”ウィリアムズ:チャド・マイケル・マーレイ
クローイ・スティール:キャシー・トムソン
ハティー・ダーハム:ニッキー・ウィーラン
シャスタ・カーヴェル:ジョーダン・スパークス
アイリーン・スティール:リー・トンプソン
メルヴィン・ウェア:マーティン・クレバ
ブルース・バーンズ牧師:ランス・E・ニコルズ
クリス・スミス:ウィリアム・ラグズデール
ジム:ジャド・ローマンド
サイモン:クィントン・アーロン
キミー:ステファニー・オノレ
デニス:ゲイリー・グラッブス
ヴェニス・バクスター:ジョージナ・ローリングス
ロリ:ロロ・ジョーンズ
エドウィン:ハン・ソト
レイフォード“レイミー”スティールJr.:メジャー・ドッドソン
ハシド:アレック・レイム
ルイス:ルイス・ダ・シルバJr.
ケイティ:カムリン・ジョンソン
老婦人:ローラ・スウィニー
アメリカ 映画
配給 フリースタイル・リリーシング
2014年製作 110分
公開
北米:2014年10月3日
日本:2015年6月27日
製作費 $16,000,000
北米興行収入 $4,019,920
世界 $19,682,920
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク、ジョン・F・ケネディ国際空港。
アーカンソー中央大学の学生クローイ・スティール(キャシー・トムソン)は、到着したことを母アイリーン(リー・トンプソン)に連絡し、弟のレイフォード“レイミー”(メジャー・ドッドソン)が待っていると言われる。
パイロットである父レイフォード“レイ”(ニコラス・ケイジ)の誕生パーティーのことを訊いたクローイは、急なフライトで父がロンドンに向かうことを知らされる。
ターミナルでレイフォードを待つクローイは、有名なジャーナリストのキャメロン“バック”ウィリアムズ(チャド・マイケル・マーレイ)を見かける。
バックに質問する女性に意見したクローイは、その後、彼に声をかけられる。
フライトアテンダントのハティー・ダーハム(ニッキー・ウィーラン)と駐車場で待ち合わせをして、車の中で指輪を外してターミナルに向かったレイフォードは、クローイに気づき仕事のことを謝罪する。 クローイが有名人のバックと一緒だったために驚くレイフォードは、彼から挨拶される。 バックが去った後、自分とアイリーンの夫婦仲を気にするクローイに大丈夫だと伝えたレイフォードは、一緒に現れたフライトアテンダントのことを訊かれる。 名前も知らないと答えたレイフォードは、悩んで宗教にはまったアイリーンを家族で支えるべきだと話すものの、結婚指輪を外していると言われる。 車の中にあり、勤務中は外していると言うレイフォードは、アイリーンを大切に思っているので大丈夫だと伝える。 フライトがあると言って席を立ったレイフォードは、車のキーをクローイに渡してその場を去る。 隣の席にいたバックはクローイを気遣い、家族で祝いたかったと言う彼女に、レイフォードは仕方なく仕事をするのだろうと伝え、二人は話し込む。 フライトの準備をするハティーは、同僚のキミー(ステファニー・オノレ)に、レイフォードと付き合うつもりだと話す。 ロンドンに向かうバックは、着いたら電話することをクローイに伝える。 空港職員のジム(ジャド・ローマンド)から、レイフォードに渡してくれと”U2”のコンサート・チケットを2枚渡されたクローイは、父が不倫目的でロンドンに行くと考える。 クローイは、チケットを父に渡してほしいと言ってバックにそれを頼む。 搭乗してコックピットに向かったバックは、クローイからだと言ってチケットをレイフォードに渡す。 レイフォードは、副操縦士のクリス・スミス(ウィリアム・ラグズデール)をバックに紹介する。 駐車場のレイフォードの車に向かったクローイは、指輪を確認してポケットに入れる。 巨体のサイモン(クィントン・アーロン)と同席になったバックは、離陸を待つ。 自宅に戻ったクローイは、弟のレイミーと母アイリーンに迎えられる。 レイフォードのことを訊かれても余計なことを話さなかったクローイは、空港でキャメロン“バック”ウィリアムズに会ったことをアイリーンに話す。 バックが好青年だったことを伝えたクローイは、神が自分をこの場に戻してくれたと言うアイリーンが宗教観を話し始めたために、神の行いを否定し、気分を害して席を立つ。 離陸した機内では、小人のメルヴィン・ウェア(マーティン・クレバ)が、手を貸そうとしてくれたハシド(アレック・レイム)を迷惑に思い、隣の席の少女ケイティ(カムリン・ジョンソン)に嫌味を言う。 気分転換に買い物に出かけようとしたクローイは、一緒に行きたいと言うレイミーを連れて行く。 クリスから、誕生日に仕事で気の毒だと言われたレイフォードは、仕事なので仕方ないと答え、客室の様子を見てくると伝えてコックピットを離れる。 モールに向かったクローイとレイミーは、楽しい時間を過ごす。 ハティーと話したレイフォードは、チケットが手に入ったことを伝える。 両親のことを気にするレイミーに心配ないと伝えたクローイは、彼が洋服とバッグを残して、周囲の子供達と共に姿を消したために驚く。 機内でも、ケイティやサイモンらが姿を消して機体が揺れて混乱し、レイフォードは、コックピットに誰もいないことに気づく。 クローイは、各地が混乱していることをテレビのニュースで知る。 機内の乗客はパニックを起こし、コックピットに押し入ろうとするものの、バックやハティーが制止する。 乗客を落ち着かせたレイフォードは、気圧が低下させて酸素マスクを着けるよう指示する。 機体を安定させたレイフォードだったが、無線が不通だった。 コックピットを出たレイフォードは、乗客を席に着かせるために減圧したことをハティーに伝え、話をしてくると言って彼女にコックピットを任せる。 乗客に、最大の危機となる機内のパニックを避けなければならないと話すレイフォードは、消えた者を捜すことを伝える。 モールから出てレイミーを捜そうとしたクローイだったが、駐車場に墜落したセスナが車に衝突してしまう。 キミーも消えてしまったことに気づいたハティーはコックピットに向かい、それをレイフォードに伝えて動揺する。 緊急訓練を思い出すようにと言ってハティーを落ち着かせたレイフォードは、乗客名簿を確認して消えた人数と名前を把握するよう指示する。 混乱する機内を撮影するバックは、その様子をリポートしようとする。 モールの駐車場から走って離れたクローイは、バイクの男達にレイミーのバッグを奪われてしまう。 動揺するヴェニス・バクスター(ジョージナ・ローリングス)に話しかけたバックは、全てを知っていると言う彼女がトイレに入ったために不審に思う。 前にもあったと呟くヴェニスは、落ち着くために隠していたコカインを打とうとする。 橋から落下したスクールバスの中を確認したクローイだったが、誰も乗っていなかった。 トイレから出て来たヴェニスを席に着かせたバックは、彼女を落ち着かせ、手には”現実ではない”と書かれていた。 客室で起きたことをメルヴィンに尋ねたバックは、情報を得られなかった。 家に電話をしたクローイは、帰っているかもしれないレイミーに留守電のメッセージを残す。 するべきことは祈ることだと乗客に話しかけるハシドに、メルヴィンは言いがかりをつける。 ニューヨークに戻ることを乗客に伝えたレイフォードは、コックピットが無人の旅客機が接近することに気づく。 何とか衝突は避けるものの接触した機体を立て直したレイフォードは、墜落機の救助を要請する。 バッグを探るメルヴィンに気づいたハシドは、自分をテロリストだと思う者達を批判する。 翼が破損していることに気づいたハティーは、それをバックに撮影してもらいレイフォードに見せようとする。 街中が混乱して病院に入れず、裏口のガラスを割って侵入したクローイは、レイミーを捜す。 バックから映像を見せられたレイフォードは、あと15センチずれていたら翼を失っていたと伝える。 着陸時の減速が難しいと言うレイフォードだったが、”J・F・K”は滑走路が長いので問題ないと伝える。 乳児室の子供も消えたことを確認したクローイは、その場にいた女性から、世界中で同じことが起きていると医師が話していたと言われる。 翼から燃料が漏れていないか確かめてほしいとバックに伝えたレイフォードは、操縦桿の不調に気づく。 窓から翼を確認したバックは、漏れた燃料に引火して火を噴き始めたことに気づき、動揺する乗客を落ち着かせる。 翼の炎のことをバックから知らされたレイフォードは、そのうち消えると言ってそれを待つことを伝える。 炎が消えたことを知らされたレイフォードは、計器の残量は減っていないが燃料切れかは分からないと伝え、昇降舵を失ったので高度を上げられないと話す。 家に着いたクローイは、バットを持って内部を調べる。 バックは、消えた者達は見えないだけで、存在しているかもしれないとハシドから言われる。 レイフォードから、キミーと親しかったかと訊かれたハティーは、数度、同じフライトだったと答え、彼女の所持品を持ってくるよう指示される。 シャワーの音がするその場を調べたクローイは、アイリーンの指輪とネックレスだけを見つける。 クリスの制服などを調べたレイフォードは、彼の時計に”ヨハネによる福音書 3章16節”と書かれていることにきづく。 レイフォードからアイリーンに届いていたボイスメールを聴いたクローイは、機内の緊急事態を知り、父が死んだと思い悲しむ。 聖書に挟んであった自分達の名前のメモを見たクローイは、それを窓に投げつける。 ハティーが持ってきたキミーの手帳を確認したレイフォードは、”聖書勉強会”と書いてあったために動揺する。 異変はおそらく世界中で起きたと言うレイフォードは、消えた者達の居場所が分かったとハティーに伝える。 エンジニアのエドウィン(ハン・ソト)から、自分達が別の時空に移動したのかもしれないと言われたバックは、消えた航空警官の銃を手にして興奮するケイティの母親シャスタ・カーヴェル(ジョーダン・スパークス)を落ち着かせる。 夫が娘を奪ったと言って、皆がそれに協力して金をもらったと思い込むシャスタは、ヴェニスから居場所を知っていると言われる。 教会に向かったクローイは、その場で祈っていたブルース・バーンズ牧師(ランス・E・ニコルズ)に会い、母と弟がいなくなったので、神がしたことと思ったと話す。 一瞬の出来事だったと話すバーンズに、クローイは、なぜ牧師が残ったのかを問う。 ヴェニスは、いつか大勢の人間がこの世から突然、消えると聖書に書いてあると話す。 神の仕業であり、たぶんその場所は天国だろうとヴェニスから言われたシャスタは、銃を自分に向けて自殺しようとする。 ケイティを悲しませるなと言ってシャスタを説得したバックは、彼女から銃を渡される。 神の話を妻から聞いたと言われたハティーは、レイフォードが結婚していることを知り傷つく。 皆が天国に行ったというレイフォードの話を信じられないハティーは、詳しい部分まで妻アイリーンが話したことと同じだと言われる。 妻のことを隠していたレイフォードを批判するハティーは、自分に話を信じろと言っても無駄だと伝えてその場を去る。 バーンズ牧師から、来るべき7年間続く苦難の時代から神が守り、皆を天国に連れ去ったと言われたクローイは、母が信じた神がそんなことをするはずはないと反論してその場を去る。 管制官のマーカスと交信できたレイフォードは、人が消える異変が世界中で起きていることを知らされる。 ”J・F・K”への着陸は不可能でラガーディア空港も無理だと言われたレイフォードは、内陸のシラキュースに向かうよう指示されるものの、燃料がもたないと伝えて交信が途絶える。 レイフォードは、無理だと承知の上で”J・F・K”の管制塔に連絡する。 ”J・F・K”まで燃料がもつか分からないレイフォードは、水面着陸も不可能であり、乗客達に過ちを正す機会を失わせるわけにはいかないとバックに伝える。 ヴェニスの父親を知る実業家のデニス(ゲイリー・グラッブス)は、一度、会ったことがあると伝えて、仕事や金のことばかり考えて娘のことを思いもしなかった自分を恥じる。 クローイと過ごすべきだったと言って後悔するレイフォードは、”人生で一番悲しい日”と書いてあるチケットの封筒をバックに見せながら、妻が神の話をする度に逃げていたと話す。 橋の上に上ったクローイは、天国の母アイリーンに話しかけて、酷いことを言ったと謝罪する。 飛び降りようとしたクローイは、バックからの電話を受けて思い止まる。 バックが生きていたことを知ったクローイは、レイフォードと代わり無事だと伝える。 アイリーンとレイミーが消えてしまったと言われたレイフォードは、クローイに愛を伝えて、嘘をついたことを謝罪する。 空港が封鎖されているため、着陸する場所がない上に燃料も切れそうだと伝えたレイフォードは、電話が切れてしまう。 下に降りたクローイは、バイクに乗ってモール付近の工事中の道路に向かう。 着陸が迫り、空港が封鎖されていることを乗客に伝えたレイフォードは、シートベルトを締めて冷静さを保つよう指示する。 着陸地点を探している状況で燃料もわずかだと乗客に知らせたレイフォードは、神を信じるなら今こそが祈る時だと伝える。 シャスタは、ヴェニスの隣の席に移り二人で祈る。 空港に行ってもだめなら市街地に突っ込むことになると、レイフォードはバックに伝える。 空港との交信ができないレイフォードは、バックにかかってきたクローイからの電話で、モール付近の新しい道路に着陸できると言われる。 レイフォードから暗くて見えないと言われたバックは、携帯電話のコンパスのアプリを立ち上げるようクローイに指示し、画面上の数字を読ませる。 トラックに乗るクローイは障害物をどけて、道を塞いでいたローラー車を動かす。 燃料が切れ、何とか滑走距離を確保したことをクローイから知らされたレイフォードは、明るい光が必要だと伝える。 ガソリンを撒き火を点けてドラム缶を爆発させたクローイは避難し、それを確認したレイフォードは着陸態勢に入る。 胴体着陸した機体は、タンクローリーの直前で止まる。 機内に煙が充満し始めたため、ハティーは乗客を脱出させる。 クローイは、無事だったバックに抱きつく。 ハティーによくやったやったことを伝えたレイフォードは、彼女に謝罪する。 クローイを抱きしめ、家族といるべきだったと言って自分が間違っていたと伝えたレイフォードは、彼女から指輪を渡される。 街が燃える様子を見ながら、この世の終わりのようだと話すバックは、クローイから、終わりではなく始まったばかりだと言われる。
...全てを見る(結末あり)
■ 解説 評価 感想 ■
*(簡略ストー リー)
ニューヨーク、ジョン・F・ケネディ国際空港。
国際線のパイロットである父レイフォード“レイ”スティールの誕生日のために空港に着いたアーカンソー中央大学の学生クローイは、ターミナルで有名なジャーナリストのバックと出会う。
レイフォードが仕事のためにロンドンにむかうことを母アイリーンから知らされたクローイは、父がフライトアテンダントのハティーとターミナルに現れたために、その関係を疑う。
宗教にのめり込むアイリーンの考えを受け入れられないレイフォードは、ハティーと浮気するためにロンドンに向かおうとしていたのだった。
それに気づきながら実家に向かったクローイは、宗教観を語り始めたアイリーンの話にうんざりして、弟のレイミーを連れてモールに向かう。
ところが、その場でレイミーは、他の子供達と共に姿を消してしまう。
レイフォードの便の機内でも、何人もの乗客が姿を消してパニックとなる。
乗客を落ち着かせたレイフォードだったが、副操縦士のクリスも姿を消し交信も途絶えてしまう・・・。
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全米だけで6500万部を売り上げたと言われる原作の映画化だけに注目され、主演のニコラス・ケイジや若手期待のチャド・マイケル・マーレイの出演などが話題となった作品。
”ヨハネの黙示録”の予言が現実のものとなる過程を描く内容なのだが、単なるB級パニック映画的な内容は酷評され、キリスト教徒を”異常者”扱いするような描写などには批判が集中した。
脚本は単調で演出や場面構成にメリハリがなく、サスペンス・タッチの緊迫感も欠けている。
”これは終わりでなく、始まりだ・・・”と言うラストのセリフもあり、間違いなく続編を意識しているのだが、北米で約400万ドル、全世界でも2000万ドル弱の興行成績に終わった。
5000万ドルの製作費をかける予定の続編が、本作に続きチャド・マイケル・マーレイ、キャシー・トムソン、ニッキー・ウィーランの出演で製作されそうなのだが、本当に実現するのだろうか、そして、どれだけの人がそれを期待しているのか疑問だ。
作品に恵まれないこと度々の主演のニコラス・ケイジは、家族を裏切り不倫目的でロンドンに向かう国際線パイロットを熱演するものの、ラジー賞にノミネートされてしまった。
ナイスガイ的な役柄ではあるが、物腰や雰囲気がジャーナリストには見えないチャド・マイケル・マーレイ、単なる女子大生には思えない行動を見せる主人公の娘キャシー・トムソン、主人公と関係を持とうとするフライトアテンダントのニッキー・ウィーラン、機内で娘(カムリン・ジョンソン)が失踪してしまう乗客のジョーダン・スパークス、宗教にのめり込み世界の終わりを予言する主人公の妻リー・トンプソン、乗客のマーティン・クレバ、クィントン・アーロン、ゲイリー・グラッブス、ジョージナ・ローリングス、ハン・ソト、アレック・レイム、ルイス・ダ・シルバJr.、ローラ・スウィニー、牧師のランス・E・ニコルズ、副操縦士のウィリアム・ラグズデール、空港職員のジャド・ローマンドとロロ・ジョーンズ、主人公の息子メジャー・ドッドソンなどが共演している。