サイトアイコン That's Movie Talk!

ル・ディヴォース/パリに恋して Le Divorce (2003)

1997年に発表された、ダイアン・ジョンソンの小説”Le Divorce”を基に製作された作品。
パリを愛するアメリカ人姉妹が文化の違いなどに戸惑いながらも新たな人生を歩むまでを描く、監督、脚本ジェームズ・アイヴォリー、製作イスマイル・マーチャント、主演ケイト・ハドソンナオミ・ワッツグレン・クローズレスリー・キャロン他共演のコメディ・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(コメディ)


スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・アイヴォリー

製作
イスマイル・マーチャント

マイケル・シファー
製作総指揮
テッド・フィールド

エリカ・ハギンズ
スコット・クルーフ

原作:ダイアン・ジョンソン”Le Divorce”
脚本
ルース・プラワー・ジャブヴァーラ

ジェームズ・アイヴォリー
撮影:ピエール・ロム
編集:ジョン・デイヴィッド・アレン
音楽:リチャード・ロビンズ

出演
イザベル・ウォーカー:ケイト・ハドソン

ロクサーヌ・ド・ペルサン:ナオミ・ワッツ
オリヴィア・ペイス:グレン・クローズ
シャルル・アンリ・ド・ペルサン:メルヴィル・プポー
ベルトラン:ジャン=マルク・バール
スザンヌ・ド・ペルサン:レスリー・キャロン
エドガル・コセ:ティエリー・レルミット
アメリー・コセ:マリー=クリスティン・アダム
テルマン:マシュー・モディーン
マギーヴ・ウォーカー:ストッカード・チャニング
チェスター・ウォーカー:サム・ウォーターストン
ロジャー・ウォーカー:トーマス・レノン
シャルロット・ド・ペルサン:ナタリー・リシャール
イヴ:ロマン・デュリス
ピアース・ジェンリー:スティーヴン・フライ
マグダ・テルマン:ローナ・ハートナー
ジュリア・マンシェヴァリング:ビビ・ニューワース

アメリカ 映画
配給 フォックス・サーチライ ト・ピクチャーズ

2003年製作 117分
公開
北米:2003年8月8日
日本:2004年5月22日
北米興行収入 $9,081,060
世界 $12,992,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
パリ
イザベル・ウォーカー(ケイト・ハドソン)は、フランス人と結婚した詩人である妊娠中の異母姉ロクサーヌ・ド・ペルサン(ナオミ・ワッツ)に会うために空港に到着する。

娘ジェニーと買い物をして帰宅したロクサーヌだったが、画家で夫のシャルル・アンリ(メルヴィル・プポー)が家を出てしまう。

シャルル・アンリは、到着したイザベルのタクシーに乗り挨拶もそこそこにその場を去る。

ロクサーヌに迎えられたイザベルは、シャルル・アンリが絵の件で田舎に行ったと言われる。

メイドの部屋をイザベルに提供したロクサーヌは、落ち着いたところで、シャルル・アンリが家を出てしまったことを伝える。

イザベルと娘ジェニーを伴い、恒例である日曜日の昼食会のためシャルル・アンリの実家に向かったロクサーヌは、彼の母スザンヌ(レスリー・キャロン)に迎えられる。
...全てを見る(結末あり)

シャルル・アンリは絵の件で田舎へ行ったとスザンヌに伝えたロクサーヌは、叔父のエドガル・コセ(ティエリー・レルミット)と義姉シャルロット(ナタリー・リシャール)、義兄アントワーヌらと食事をする。

不倫などをネタに楽しむ家族の会話が、ロクサーヌには理解できない。

パリに戻りシャルル・アンリから電話があったロクサーヌは、イザベラと共に彼に会いに行く。

カフェでにシャルル・アンリに頼まれたものを渡したロクサーヌは、現れたアメリカ人作家オリヴィア・ペイス(グレン・クローズ)に挨拶する。

シャルル・アンリはその場を去り、ロクサーヌはオリヴィアにイザベルを紹介する。

オリヴィアから資料整理の仕事を頼まれたロクサーヌは、職探しをしていたイザベルにそれを任せる。

翌日、イザベルから連絡を受けた両親チェスター(サム・ウォーターストン)とマギーヴ(ストッカード・チャニング)は、ロクサーヌのことを心配する。

イザベルの兄ロジャーは、シャルル・アンリに我が家の財産である”ラ・トゥール”の”聖ウルスラの絵を渡さないようにと伝える。

オリヴィアの仕事を始めたイザベルは、彼女の助手であるイヴ(ロマン・デュリス)と愛し合ってしまう。

数日後、訪ねて来たスザンヌは息子シャルル・アンリを擁護し、ロクサーヌはお腹の子を産むべきかどうかを考えていることを伝える。

スザンヌが帰った後、産む気があるのかをイザベルから聞かれたロクサーヌは、義母を驚かせただけだと答える。

弁護士と共に離婚協議に入ったロクサーヌだったが、女性を差別するこの国の法律を批判し、即、再婚を望むシャルル・アンリを罵倒してその場を去る。

実家から運んだ絵が”ラ・トゥール”の作品だという可能性が高まり、所有者はチェスターであり本物の予感がすると、”ゲッティ美術館”の学芸員ジュリア・マンシェヴァリング(ビビ・ニューワース)は、ロクサーヌとイザベルに伝える。

募金集めのパーティーが開かれ、オリヴィアは弁護士ベルトラン(ジャン=マルク・バール)をロクサーヌに紹介する。

絵を国外に運び出さないようにと忠告するベルトランは、それが離婚に不利になるとロクサーヌに伝える。

シャルル・アンリに会ったイザベルは、ロクサーヌとジェニーは愛しているが、マグダ・テルマン(ローナ・ハートナー)に恋したため共に暮らしたいという身勝手な彼の話を聞く。

家に戻ったイザベルは、マグダの夫だというアメリカ人のテルマン(マシュー・モディーン)から、妻とは離婚しないとロクサーヌに伝えるよう言われる。

テレビ出演し過激な発言で話題になるエドガルに惹かれたイザベルは、彼に連絡してカフェで会うことになる。

その後もエドガルと会うようになったイザベルは、彼から愛人関係になることを提案され、それに同意する。

高級下着を買いエドガルから”ケリー・バッグ”をプレゼントされたイザベルは、相手が誰かは知らないロクサーヌの心配を他所に彼と愛し合うようになる。

オリヴィアの朗読会に顔を出したエドガルは、かつて関係のあった彼女からサインをもらい、イザベルのバッグのことを冷やかされる。

イザベルとエドガルの話す姿を見たイヴは、二人の関係に気づく。

その場に現れたテルマンはイザベルに声をかけて、芸能関係の弁護士だと言う彼は、奪われるものの苦しみを伝える。

朗読を頼まれたロクサーヌを気にするテルマンがその場の雰囲気を乱したため、ベルトランとイヴが彼を会場から連れ出す。

スザンヌに会ったイザベルは、絵を美術館に貸し出すことに意見される。

イザベルの”ケリー・バッグ”や服装などが気になったスザンヌは、相手がエドガルだと察する。

エドガルと話したスザンヌは、シャルル・アンリがロクサーヌと離婚問題を抱えている時期に、家族に不利になるような行動をするべきでないと忠告する。

ド・ペルサン家側のシャルル・アンリの財産鑑定が始まるが、絵は本物ではない可能性を指摘される。

離婚する気のないロクサーヌはシャルル・アンリに会うが、そのまま自分を訴えれば不利な立場になると言われる。

街角でテルマンに声をかけられたロクサーヌは、共同で妻と夫に仕返しするため浮気をする提案などをされ、正気と思えない彼の言動に憤慨する。

その後、ロクサーヌが自殺を図ったことを知ったイザベルは、動揺して救急車を呼ぶ。

病院に運ばれたロクサーヌと子供の無事を知ったイザベルは安堵し、自分が恋に夢中で注意していなかったことを謝罪する。

ロクサーヌは駆けつけたシャルル・アンリに、心配かけたことを謝罪する。

事態が深刻化し悩み多いことを、スザンヌは長女のシャルロットに伝える。

両親と兄ロジャー(トーマス・レノン)がパリに到着し、イザベルとロクサーヌに歓迎される。

ベルトランを含めた食事で絵の所有権などが話題になる。

絵の鑑定は進められるが、本物だという結論は出ない。

競売にかけられることになっている絵を本物だと確信する”クリスティーズ”の鑑定士ピアース・ジェンリー(スティーヴン・フライ)は、100万ポンド以上の価値があるとロクサーヌとイザベルらに伝える。

帰国するオリヴィアの手伝いをしていたイザベルは、荷物の中にあった彼女とエドガルの写真に気づく。

そんな時、ロクサーヌはイザベルとエドガルの電話の会話を聞いてしまう。

今後どうするのかをロクサーヌに聞かれたイザベルは、後には引けないと答える。

日曜日の昼食会のため、両親と共にスザンヌの屋敷に向かうイザベルは、エドガルの妻アメリ(マリー=クリスティン・アダム)が来ることをシャルロットから知らされる。

スザンヌやアメリに歓迎され家族と共に食事をしたロクサーヌは、重要な話を始めようとするものの、話題を変えられてしまう。

イザベルから”ケリー・バッグ”を譲られたマギーヴは、食後にスザンヌとアメリとで話し合い、エドガルの女癖の悪さなどを知らされ、それを帰りの電車でイザベルの前で話す。

エドガルに会ったイザベルは、関係が家族に知られても気にする必要はないと言われるものの、彼との別れを決意する。

スカーフを選んでいたエドガルに出くわしたオリヴィアは、バッグで始まりスカーフで終わった自分達の過去の話をする。

イザベルにお礼の気持ちでスカーフを贈ろうと考えていたオリヴィアは、好きな物と交換できるように同じスカーフを贈ることでエドガルと意見が一致する。

テルマンは、シャルル・アンリと一緒に楽しむマグダを監視していた。

自分に惹かれるベルトランの気持ちを嬉しく思うロクサーヌだったが、離婚も成立していないために戸惑う。

自宅に戻ろうとしたロクサーヌは、アメリカ人男性がロシア人女性を撃った発砲事件があったことを知る。

イザベルはマギーヴやシャルロットそしてジェニーらと”エッフェル塔”に向い、動揺するテルマンはイザベルらを目撃してタクシーを降りる。

エレベーターで上がったイザベルを追い、それに乗り遅れたテルマンは階段を駆け上がる。

警備室では挙動不審の男テルマンを警戒し、展望台でエレベーターのドアをロックし拳銃を手にし、イザベルらを脅す彼にマイクで警告する。

ロクサーヌがいないことを知ったテルマンは、愛しているマグダとシャルル・アンリを撃ってしまったことを伝える。

シャルル・アンリが遺体で発見されたことを知ったロクサーヌは、それを信じようとしない。

ベルトランがシャルル・アンリの遺体を確認し、取り乱すロクサーヌは産気づいてしまう。

発砲したテルマンは銃を捨てて、イザベルがそれを奪い”ケリー・バッグ”に入れて地上に投げ捨てる。

テルマンは逮捕されてセラピーを受け、20年の刑でフランス国内で服役する。

エドガルと最後のランチをしたイザベルは、子供が生れて喜び詩集が出版されるロクサーヌのことなどを話して、年が離れすぎていると言う彼と別れる。

競売にかけられた”ラ・トゥール”の”聖ウルスラの絵”は、”ゲッティ美術館”が450万ユーロで落札され、ロクサーヌとイザベルらは喜ぶ。

その後、イザベルはイヴとの関係を続ける。

結婚に興味のなかったロクサーヌは、気が変わりベルトランと再婚する。

絵を売却して”ウルスラ財団”を設立したロクサーヌとイザベラは帰国する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

パリ
アメリカ人のイザベル・ウォーカーは、フランス人と結婚した妊娠中の異母姉で詩人のロクサーヌを訪ね、夫のシャルル・アンリが出て行ったことを知る。
恋人ができたため一緒に暮らしたいだけの身勝手なシャルル・アンリから離婚を求められたロクサーヌは、それを拒みながら出産に備える。
イザベルは、ロクサーヌの紹介で作家オリヴィアの仕事を手伝うことになり、助手のイヴと愛し合うようになる。
そんな時イザベラは、シャルル・アンリの叔父である評論家のエドガルに惹かれ、関係を持つようになるのだが・・・。
__________

パートナーでもあるイスマイル・マーチャントジェームズ・アイヴォリーの”マーチャント・アイヴォリー・プロダクション”の作品。

気軽な乗りのコメディ・タッチで始まるドラマは、気取ったフランス人と自分本位的なアメリカ人による異文化間の摩擦的出来事や恋を描く内容で展開する。

その物語の進行に期待感も高まらず、最後には殺人事件まで起きる内容にまとまりがなく、ジェームズ・アイヴォリー作品と言われなけらば分からないような、彼にしては平凡な作品。

とは言うものの、その場その場の情景を上品且つ美しく描写する映像は、ジェームズ・アイヴォリーらしいとも言える。

ジェームズ・アイヴォリー作品及び豪華スター競演も話題になったが、評価はかなり低く興行的にも成功したとは言えない作品。

北米興行収入 $9,081,057
世界 $12,991,996

異母姉を心配しながらも恋に熱中する女性を演ずるケイト・ハドソン、離婚、妊娠、家族の問題などを抱え辛い立場を乗り越えようとする姉ナオミ・ワッツ、二人の好演が見所の作品でもある。

主人公に仕事を与える作家グレン・クローズ、ロクサーヌ(ナオミ・ワッツ)の夫メルヴィル・プポー、その母親レスリー・キャロン、その弟ティエリー・レルミット、その妻マリー=クリスティン・アダム、弁護士ジャン=マルク・バール、妻(ローナ・ハートナー)をシャルル・アンリ(メルヴィル・プポー)に奪われるアメリカ人弁護士マシュー・モディーン、主人公の両親サム・ウォーターストンストッカード・チャニング、その息子トーマス・レノン、ド・ペルサン家の長女ナタリー・リシャール、作家の助手ロマン・デュリス、鑑定士スティーヴン・フライ、美術館の学芸員ビビ・ニューワースばどが共演している。


モバイルバージョンを終了