愛する家族の命を奪われた男の検察官と理不尽な司法制度に対する報復を描く、主演ジェイミー・フォックス、ジェラルド・バトラー、レスリー・ビブ、ブルース・マッギル、コルム・ミーニイ、ヴィオラ・デイヴィス共演、監督F・ゲイリー・グレイによるクライム・サスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:F・ゲイリー・グレイ
製作総指揮
ニール・サッカー
マイケル・ゴーゲン
製作
ルーカス・フォスター
ジェラルド・バトラー
アラン・シーゲル
マーク・ギル
カート・ウィマー
ロバート・カッツ
脚本:カート・ウィマー
撮影:ジョナサン・セラ
編集:タリク・アンウォー
音楽:ブライアン・タイラー
出演
ニック・ライス:ジェイミー・フォックス
クライド・シェルトン:ジェラルド・バトラー
サラ・ローウェル:レスリー・ビブ
ジョナス・キャントレル:ブルース・マッギル
ダニガン:コルム・ミーニイ
ガルザ:マイケル・アービー
エプリル・ヘンリー市長:ヴィオラ・デイヴィス
ケリー・ライス:レジーナ・ホール
クラレンス・J・ダービー:クリスチャン・ストルト
ブライアン・ブリンガム:ロジャー・バート
ブレイ:マイケル・ケリー
アメリカ 映画
配給 Overture Films
2009年製作 108分
公開
北米:2009年10月16日
日本:2011年1月22日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $73,343,410
世界 $126,690,730
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
フィラデルフィア。
平穏な暮らしをしていたクライド・シェルトン(ジェラルド・バトラー)は、ある日、突然、押し入ってきた強盗に襲われ妻子を殺害される。
この事件の検察官ニック・ライス(ジェイミー・フォックス)は、有罪率をアップさせることを優先し、逮捕された犯人の主犯クラレンス・J・ダービー(クリスチャン・ストルト)と司法取引をすることを地方検事ジョナス・キャントレル(ブルース・マッギル)に伝える。
その後、ニックはそのことをクライドに告げるが、妻子を目の前でダービーに殺された彼は納得いかない。
しかし、ニックは既に手続きが済んだことをクライドに伝え、それを聞いた彼は絶望する。
クライドのことを気の毒にも思うニックは、帰宅して妊娠中の妻ケリー(レジーナ・ホール)に寄り添う。 10年後。 しかし、薬物投与による刑は、囚人を苦しめて執行され、ニックは装置に手が加えられたと考え、それがダービーの仕業だと考える。 ニックは、ダニガン(コルム・ミーニイ)とガルザ(マイケル・アービー)両刑事と共に捜査を始める。 既に出所していたダービーは、何者かからの連絡で警察が来るのを知らされ、その場からの逃亡する。 指示されたパトカーの警官に銃を向け逃走したダービーは、警官に扮していたクライドに全身を麻痺させられ、そして惨殺される。 その頃、ニックは死刑囚の殺され方に、ダービーの殺人の手口とは違い知性を感じていた。 ダービーの惨たらしい死体は発見され、ニックはクライドが犯人だと断定して無抵抗の彼を逮捕する。 ニックは、クライドの自宅で、自分とダービーが裁判後に握手している新聞記事を見つける。 その後、ニックの家にDVDが届けられ、自分の演奏会だと思いそれを再生した娘は、ダービーの殺害の様子の映像を見てしまう。 クライドに面会したニックは、彼が死刑囚とダービー殺害を自白したと判断する。 しかしクライドは、自分の自白など証拠にならないと言い放ち、10年前にニックが取引したことへの報復を始めるとを伝える。 クライドは、新品の高級マットレスを提供されたら自白するとニックに告げる。 それを受け入れる気になれないニックだったが、検事のキャントレルには自白を取ることが先決だと言われる。 その時、怯えるケリーからDVDの連絡を受けたニックは、映っている者の顔を確認できないまま、クライドの要求を呑み彼にマットレスを与える。 クライドのことを調べ上げたニックは、国外にも資産を持つ彼の国外逃亡の可能性を考え、保釈却下を要求する。 しかし、検察側が何一つ証拠を提示しないことをクライドは指摘し、彼の保釈は通ってしまう。 ところが、クライドは、殺人犯である自分を簡単に野放ししようとする判事を侮辱し始め、結局、法廷侮辱罪となり保釈は却下される。 約束通り自白はしたクライドだったが、今度はダービーの弁護士の命を口に出し、ケイタリングとiPodなどを要求する。 指定時間に遅れはするものの、食事を運ばせたニックは、行方不明の弁護士の所在を知り、現場に駆けつけて、生き埋めにされた死体を発見する。 ニックは、食事を時間通りに運んでいれば、弁護士発見までに供給されていた酸素がもっていたことを知る。 その時、クライドが同房の囚人を殺害したことが、サラからニックに知らされる。 クライドに会ったニックは、妻子の名を出し殺人を犯して、二人が喜ぶかを彼に問う。 キャントレルは、国防総省からクライドに何らかの支払いがあった件を調べるため、ニックと共に、スパイだという男ブレイ(マイケル・ケリー)に接触する。 ブレイは、クライドが遠隔で殺人を実行する優れた才能の持ち主だということを二人に知らせ、彼がニックらの考えは全てお見通しだということも伝える。 さらにブレイは、同房の囚人殺害にも理由があり、クライドは何か行動を起こしたはずで、司法取引に関与した者は全員狙われ、それを阻止するには彼を殺すしかないと二人に語る。 キャントレルとニックは判事に会い、クライドが誰かと接触しないようにすることを了承される。 しかし、二人の目の前で、携帯電話に出た判事は殺されてしまう。 クライドは、これが復讐ではないことをニックに告げ、翌朝6時までに告訴を取り下げ釈放しないと、関係者を全員殺すことを伝える。 ニックは、クライドには共犯者がいると考え、彼についての調査を続けながら夜を明かし、そして6時を迎えスタッフを引き上げさせる。 キャントレルと駐車場に向かったニックだったが、スタッフは車に乗った瞬間に爆殺されサラも犠牲になる。 ダニガンの調べで、ニックの車だけは何も仕掛けられていなかったことが分かる。 ニックはキャントレルと共に、エプリル・ヘンリー市長(ヴィオラ・デイヴィス)に呼び出され、ミスを追及されて解決を急ぐよう命ぜられる。 妻子を避難させたニックは、刑務所に向かいクライドを叩きのめすが、彼は、まだ序の口で、司法制度全てを崩壊させると豪語する。 サラの葬儀に出席したニックだったが、墓地から去ろうとした車を遠隔操作で狙われ、キャントレルが殺害される。 ヘンリー市長は、辞職しようとするニックをキャントレルの後任に任命し、犯罪者に屈しない姿勢を見せようとする。 市民が怯える姿を見たヘンリー市長は、非常事態を宣言して、市の安全を確保する。 その後ニックは、サラの生前の調査から、刑務所に隣接する倉庫の所有者がクライドだということを知る。 ダニガンと共にその場を調べたニックは、武器弾薬他、多種の装備品などと、刑務所の独房までつながる地下道を見つける。 独房は既に空で、ニックとダニガンは、クライドが清掃員に扮し、フィラデルフィア市庁舎に向かったことに気づく。 現場に着いたニックとダニガンはガルザと合流し、対策会議が開かれる階下の部屋で爆発物を見つける。 ガルザが中を調べ”ナパーム弾”を確認し、携帯電話の着信で爆破することが分かる。 ニックは独房に向かいクライドを待ち構え、彼が携帯電話で発信したのを確認して独房に鍵をかけて立ち去る。 数十秒後、クライドは、運び込まれていた”ナパーム弾”に焼き尽くされる。 市民の平和を取り戻したニックは、妻ケリーと共に娘のチェロの発表会を見学しながら幸せをかみしめる。
...全てを見る(結末あり)
娘も10歳になり、忙しい日々を送っていたニックは、助手のサラ・ローウェル(レスリー・ビブ)と共に、クライドの家を襲ッた犯人の死刑執行に立ち会う。
*(簡略ストー リー)
平穏な暮らしをしていたクライド・シェルトンは、強盗に襲われ妻子を殺されてしまう。
主犯のダービー他、犯人は逮捕されるのだが、検察官のニック・ライスは、有罪率アップを優先し、犯人との司法取引を進めてしまう。
ダービーは極刑を免れ、クライドは絶望して、彼の気持ちを理解しながらも、ニックは正しい判断をしたと考える。
10年後、ニックは、ダービーの代わりに処刑された犯人が、何者かに手を加えられて死んだことに気づく。
ニックは、犯人がダービーだと断定するのだが、彼はクライドに拉致されて惨殺される。
その後、クライドは無抵抗のまま逮捕されるが、証拠もなく自白もしない彼は、ニックに対して、10年前に司法取引をしたことへの、報復を始めることを告げる・・・。
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法を守る立場として、その職務を単に遂行する者と、その結果、家族を惨殺した犯人に、正当な裁きを与えないことへの怒りから、司法制度を崩壊させようとする者との、凄まじい戦いが繰り広げられる異色の犯罪劇。
家族を失い絶望する平凡に見える男が、スパイをも凌ぐ知的犯罪のプロだったという設定が驚きで、やや大袈裟過ぎるそのキャラクターに面食らってしまうものの、善悪は抜きにして、単独で権力に立ち向かう姿が痛快にも見える。
内容と出演者を知らない場合、とても観る気になれない邦題はさて置き、キャスティングの魅力的に加え、各種のトリックも凝っていて、緊迫感溢れる展開に引き込まれる。F・ゲイリー・グレイの演出も冴える見応えある作品に仕上がっている。
それほど派手な作品ではないが、北米興行収入は約7300万ドル、全世界では約1億2700万ドルのヒットとなった。
画面に登場するだけで存在感がある、貫禄も出てきたエリート検察官ジェイミー・フォックス、迫力で迫る知能犯、迫真の熱演が光るジェラルド・バトラー、報復の犠牲となる主人公の助手レスリー・ビブ、同じく地方検事のブルース・マッギル、刑事のコルム・ミーニイとマイケル・アービー、悪に屈しない市長役のヴィオラ・デイヴィス、主人公の妻レジーナ・ホール、強盗殺人犯クリスチャン・ストルト、検察官ロジャー・バート、情報提供者マイケル・ケリーなどが共演している。