妻を殺された保安官と犯人の父である旧知の大牧場主との対決を描く、監督ジョン・スタージェス、主演カーク・ダグラス、アンソニー・クイン、キャロリン・ジョーンズ、アール・ホリマン他共演の西部劇。 |
・西部劇
・アンソニー・クイン / Anthony Quinn / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・スタージェス
製作:ハル・B・ウォリス
原作:レス・クラッチフィールド”Showdown”
脚本:ジェームズ・ポー
撮影:チャールズ・B・ラング
編集:ウォーレン・ロー
音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演
マット・モーガン:カーク・ダグラス
クレイグ・ベルデン:アンソニー・クイン
リンダ:キャロリン・ジョーンズ
リック・ベルデン:アール・ホリマン
ビーロ:ブラッド・デクスター
リー・スミサーズ:ブライアン・G・ハットン
キャサリン・モーガン:ジヴァ・ロダン
ピーティ・モーガン:ラース・ヘンダーソン
ローファー:タイ・ハーディン
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1959年製作 94分
公開
北米:1959年7月29日
日本:1959年11月3日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
平穏な町ポーリーに現れたリック・ベルデン(アール・ホリマン)とリー・スミサーズ(ブライアン・G・ハットン)は、先住民の女性キャサリン・モーガン(ジヴァ・ロダン)を見かけて、からかおうとする。
抵抗したキャサリンは、息子ピーティ(ラース・ヘンダーソン)を逃がし、保安官で夫のマット・モーガン(カーク・ダグラス)の元に向かわせる。
動揺しながら町に着いたピーティは、父マットに状況を伝え、現場に急行した彼は、乱暴されて殺されたキャサリンの遺体を見つけ、犯人の馬のサドル(鞍)の刻印”CB”刻印を確認する。
その頃、ガンヒルの大牧場主クレイグ・ベルデン(アンソニー・クイン)は、リーから馬が盗まれたと聞き、平和な町には馬泥棒などいないことを指摘し、彼の言葉を不審に思う。
使用人ビーロ(ブラッド・デクスター)に、息子リックを連れて来させたベルデンは、顔に傷をつけたリックにサドルを取り戻すよう命令する。 サドルの持ち主ベルデンとは、かつて共に働き命を助けられたこともあるモーガンは、彼が卑怯なまねをする男ではないことを知っていた。 モーガンは、ベルデンの手下の中に犯人がいると確信し、サドルを持ってガンヒル行きの汽車に乗る。 車内で、モーガンはサドルの持ち主を知っている女性リンダ(キャロリン・ジョーンズ)に出会う。 ガンヒルに着いたモーガンは、ベルデンの女リンダを迎えに来たビーロに、サドルを見られる。 ビーロがベルデンの手下だと気づいたモーガンは、自分が来たことをボスに知らせるよう彼に伝える。 そして、モーガンとベルデンは牧場で対面し、再会を喜び合う。 モーガンは、早速ベルデンの息子リックとリーが盗まれたサドルについての話を始め、犯人には顔に傷があることをベルデンに告げる。 それを聞き動揺し、二人をかばうベルデンを見たモーガンは、リックらが犯人だと確信する。 モーガンとの友情を捨てる気はないが、息子リックに手出しはさせないというベルデンに対し、モーガンは、夜9時発の最終列車で、容疑者を町に連れ帰ることを彼に告げて立ち去る。 ガンヒルの役場に向かったモーガンは、町はベルデンに支配されていると言う非協力的な保安官に、容疑者は必ず連行すると警告する。 リックとリーを牧場に呼び戻したベルデンは、二人が自分に嘘をついたことを責める。 さらにリーが、殺した女をただの先住民と呼び、旧友の妻を侮辱したため、ベルデンは彼を牧場から追放する。 リックは、殺した女がモーガンの妻だと知るが、自分でカタをつけると言い町に向かおうとする。 モーガンの手強さを知るベルデンは、リックの護衛にビーロらをつける。 町でリックの聞き込みを始めたモーガンだったが、当然のごとく人々はベルデンが怖くて口をつぐむ。 リンダもモーガンに忠告するが、リックがベルデンの経営する酒場にいるかもしれないということを伝える。 酒場に2階から忍び込んだモーガンは、リックを見つけて銃で殴り、気絶させて顔の傷を確認する。 気を失っているリックに手錠をかけ、担ぎ上げたモーガンは、酒場にいたビーロらを威嚇して町の大通りに出る。 拘置所にリックの拘留を断られたモーガンは、汽車が出るまでの6時間を、ホテルの部屋で待つことにする。 ビーロに、モーガンがホテルに立てこもったことを聞いたベルデンは、手下に彼の部屋を銃撃させる。 モーガンは、ベッドにつないだリックを窓際に寄せて銃撃を止めさせる。 リンダは、リックを溺愛し過ぎるベルデンに反発し、モーガンに彼の居場所を教えたのだった。 旧友モーガンを殺したくないベルデンは、ホテルに戻るリンダに、それを伝えさせようとする。 リックを渡すしか助かる道がないことをモーガンに伝えたリンダは、彼からショットガンが必要だと言われる。 酒場に戻ったリンダは、現れたリーに事件の真相を聞く。 汽車の到着まで30分と迫り、焦りを見せ始めたベルデンは、丸腰でモーガンの部屋に向かう。 ベルデンは、かつて命を助けた恩を返すようモーガンに言い寄るが、彼は、これは保安官の役目だということを伝える。 手下に忍び寄らせたベルデンだったが、モーガンはそれに気づき威嚇射撃をする。 モーガンはベルデンを殺せる理由が出来たが、恩を返したと言って彼を部屋から出す。 リンダは、酒場にあったショットガンを密かに持ち出して、助かる見込みのないモーガンにそれ届けるが、それがベルデンに知られてしまう。 その時、リーがホテルに放火し、ベルデンは、リックに銃を突きつけながら、2階から降りてきたモーガンに手出しできない。 モーガンとリックは馬車で駅に向かい、リーはリックを助けようとするが、ガンヒルの町に汽車の汽笛が響く。 リーがモーガンに放った銃弾はリックに命中し、リーはモーガンに射殺される。 リックが死んだのを確認したモーガンは、汽車に乗ろうとするが、息子の死を知ったベルデンが彼を呼び止め決闘を挑む。 全てが終わったと、それを拒むモーガンだったが、ベルデンは承知せず、仕方なく彼はそれを受ける。 二人は同時に銃を抜くが、モーガンの銃弾が、一瞬早くベルデンを捉える。 歩み寄ってくるモーガンに、ベルデンは、息子を立派に育てるよう伝え息絶える。 そしてモーガンは、ベルデンに寄り添うリンダを見つめながら、最終の汽車に乗りガンヒルの町を去って行く。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
先住民の妻を、乱暴されて殺された保安官マット・モーガンは、犯人が旧知の仲であった大牧場主クレイグ・ベルデンの息子リックだと知り、彼を逮捕する。
最終列車を待つモーガンは、自分を粗末に扱った、ベルデンの情婦リンダの助けを借りて、町を脱出しようと考える。
しかし、結局は容疑者のリックは殺されてしまい、モーガンは、旧友のベルデンに決闘を挑まれることになる・・・。
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レス・クラッチフィールドの”Showdown”を原作にした作品で、ジョン・スタージェスとカーク・ダグラスが組んだ西部劇「OK牧場の決斗」(1957)と、ほぼ同じスタッフで製作された作品。
「OK牧場の決斗」(1957)、「ゴーストタウンの決斗」(1958)に次ぐ、ジョン・スタージェスの”決斗3部作”という解釈を日本では勝手にしているが、もちろん3作品に関連性はなく、”決斗”の文字を邦題に付けたことで、その後、言われた程度に考えた方がいい。
実に単純明快な物語で、仇討ちのために、無能な息子を溺愛する大牧場主と相対する設定などは、アンソニー・マン監督、主演ジェームズ・スチュワートの「ララミーから来た男」(1955)を思い起こさせるストーリーでもある。
正統派西部劇としての出来は、ジョン・スタージェスの円熟期ということもあり、見せ場も多く十分楽しめるし、この頃の他の作品と似ているメロディーでありながら、それが実に嬉しいディミトリ・ティオムキンの音楽なども雰囲気抜群で、お馴染みのロケ地”オールド・ツーソン”の町並みなども相変わらずいい味を出している。
原題でもある、ガンヒル発の最終列車が到着するまでの緊迫感や、サラリと決着をつけるクライマックスの決闘シーンも、なかなかいい。
周囲が全て敵という状況下で、怯まずに敵に立ち向かうカーク・ダグラスは、それほど大柄でもないが、気絶したアール・ホリマンを軽々と肩に担ぎ、2階から階段を下りて大通りを横切りながらホテルに向かう姿などが、ガン捌きなどよりも印象的で、その逞しさに惚れ惚れしてしまう。
敵役としては、これ以上ないというほどの存在として登場するアンソニー・クインも、最後まで親友としての情を忘れない男を、貫禄十分に演じている。
こちらもまだ20代とわ思えない、いかにも人生経験豊富な牧場主の情婦を演ずるキャロリン・ジョーンズの魅力も見逃せない。
弱腰で無能な牧場主の息子アール・ホリマン、手下ブラッド・デクスター、後に監督としても活躍する、同じく手下のブライアン・G・ハットンなどが共演している。