学歴を理由にリストラされた中年男性が大学生となり様々な出会いを通して新たな人生を歩み始めるまでを描く、製作、監督、主演トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ共演、共同脚本ニア・ヴァルダロスによるヒューマン・コメディ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:トム・ハンクス
製作総指揮
フィリップ・ルスレ
スティーヴン・シェアシアン
ジェブ・ブロディ
ファブリス・ジャンフェルミ
デヴィッド・コートスワース
製作
トム・ハンクス
ゲイリー・ゴーツマン
脚本
トム・ハンクス
ニア・ヴァルダロス
撮影:フィリップ・ルースロ
編集:アラン・コディ
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演
ラリー・クラウン:トム・ハンクス
メルセデス・テイノー:ジュリア・ロバーツ
ディーン・テイノー:ブライアン・クランストン
ラマー・ジョンソン:セドリック・ジ・エンターテイナー
ベラ・ジョンソン:タラジ・P・ヘンソン
タリア・フランチェスコ:ググ・バサ=ロー
デル・ゴード:ウィルマー・バルデラマ
フランシス:パム・グリア
ウィルマ・Q・ガメルガー:リタ・ウィルソン
エド・マツタニ教授:ジョージ・タケイ
スティーヴ・ディビアシ:ラミ・マレック
ララ・ピネド:マリア・キャナルス・ベレーラ
デイヴ・マック:マルコム・バレット
ナタリー・カリメリス:グレース・ガマー
コックス:デイル・ダイ
ジャック・ストラング:ロン・リッグル
ピザの配達員:チェット・ハンクス
アメリカ/カナダ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2011年製作 98分
公開
北米:2011年7月1日
日本:2012年5月11日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $35,565,980
世界 $72,008,250
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
スーパーセンター”Mマート”で働く、元海軍の退役軍人ラリー・クラウン(トム・ハンクス)は、休息室に呼ばれる。
真面目が取り柄のラリーは、9回目となる”今月の人”に選らば選ばれるのを確信していた。
ところが、上司コックス(デイル・ダイ)やジャック・ストラング(ロン・リッグル)から、大卒でないラリーは昇進が見込めないため、リストラ対象になることを告げられる。
突然の話に、離婚して破産寸前のラリーはショックを受け、早速、職を探すものの誰も彼を雇おうとはしなかった。
銀行の融資担当ウィルマ・Q・ガメルガー(リタ・ウィルソン)にも、借り換えを断られたラリーは、家財を売却することを提案される。 長年ガレージセールをしている隣人のラマー・ジョンソン(セドリック・ジ・エンターテイナー)に、ケチを付けられたラリーだったが、クビになった事情を話して同情される。 ラマーから、教養を身につけ、知識は武器になると助言されたラリーは、地元のイーストヴァレー・コミュニティー・カレッジに通うことを考える。 早速、入学することを決めたラリーは、”スピーチ217”と”経済1”のクラスを勧められる。 車が不経済だと判断したラリーは、ラマーから中古のスクーターを手に入れて大学に通い始める。 学生タリア・フランチェスコ(ググ・バサ=ロー)に声をかけられたラリーは、スピーチとコミュニケーションの棟に向かう。 無気力な教師メルセデス・テイノー(ジュリア・ロバーツ)は、朝から講義をすることで不機嫌だったが、クラスに学生が9人しかいないことで、それをキャンセルしようとする。 そこにラリーが現れたため、メルセデスは仕方なく講義を始め、2日後にいきなりスピーチをさせることを伝える。 メルセデスは、それに不満を抱くスティーヴ・ディビアシ(ラミ・マレック)の意見を聞き入れようとしない。 ”経済1”の講義で、スピーチでも一緒だったララ・ピネド(マリア・キャナルス・ベレーラ)の隣に座ったラリーは、そこでタリアにも出くわし、エド・マツタニ教授(ジョージ・タケイ)の講義を受ける。 クラスに学生が集まらないために、それをキャンセルしたメルセデスは帰宅し、元教授で作家に転身し、ブロガーでもある夫ディーン(ブライアン・クランストン)と、意味もない話を始める。 メルセデスは、怠け者で、隠れてポルノ・サイトを見るディーンに苛立つ。 次の講義でメルセデスは、ラリーら学生達のスピーチを聞いて頭を抱えてしまう。 その後ラリーは、マツタニの講義で、タリアとメールのやり取りが見つかり、彼に携帯電話を取り上げられてしまう。 タリアに、恋人デル・ゴード(ウィルマー・バルデラマ)とスクーター・ギャング(仲間)を紹介されたラリーは、彼らと共に街を走る。 ラリーは、仲間達を馴染みのレストランとラマーのガレージ・セールに誘う。 タリアらは、ラリーの家の中や彼の髪の毛を整えて、デルは、タリアは自分のものだと言って警告してその場を去る。 レストランで働き始めたため、メルセデスの講義を欠席したラリーは、彼女にそれを責められる。 メルセデスは、ラリーがタリアと共に行動していることを知り、彼が若い女性が目的で大学に通い始めたとのだと確信する。 タリアのお陰で、ファッションセンスも向上したラリーは、学生達に冷やかされる。 メルセデスのスピーチ・クラスも、無難にこなすようになったラリーは、古着などを販売するショップ経営を考えるタリアの相談に乗る。 食事をした帰りに、巨乳が好きなディーンに貧乳と言われたメルセデスは、激怒して車から降りる。 メルセデスに気づいたタリアは、それをラリーに知らせる。 ラリーは、メルセデスはをスクーターに乗せて自宅に向かうが、途中、酔ったディーンが警官に逮捕されていたいたため、彼女はそれを見て笑い飛ばす。 酔っていたメルセデスはラリーを誘い、二人は抱き合いキスをするが、彼はここまでだと言ってその場を去ろうとしてドアを閉める。 ラリーも喜んでいることを知ったメルセデスは、それをドア越しに見ていることを伝えて、彼は浮かれて帰宅する。 翌朝、ディーンは釈放されて帰宅するが、自分の荷物は家の外に出され放置されていた。 その後メルセデスは、講義を終えた後で、昨夜のことは、酔った末の行動で誤解がないようにとラリーに伝える。 経済を学んだラリーは、考えた末に、家を銀行に引き渡すことを担当のウィルマに伝える。 タリアは、ショップに専念するために大学をやめる決心をするが、メルセデスは、彼女とラリーに深い関係がなかったことを知る。 ラリーはタリアを引き止めようとするが、彼女の考えは変わらず、店のオープンに誘われる。 家を引き払う準備ができたラリーは、ラマーに家財の処分を頼む。 そんな時ラリーは、Mマートのジャックが、リストラされてピザの配達員をしていることを知り同情する。 ラマーとベラに別れを告げたラリーは、悲しみを堪えながら、長年住み慣れた家を離れる。 一方、傷心のメルセデスは、同僚フランシス(パム・グリア)に励まされる。 大学でラリーに会ったメルセデスは、彼がタリアに何も話さなかったことを感謝する。 最後の講義で、ラリーらは、見事なスピーチをしてメルセデスを満足させる。 ラリーは、マツタニの講義の試験を終え、メルセデスは彼の成績に”A+”を付ける。 フランシスと共にレストランを訪れたメルセデスは、彼に優秀な生徒だと伝えて笑顔を見せる。 有能は教師だと答えたラリーは、喜びを感じながら仕事に戻る。 その後ラリーは、”政治とシェイクスピア”というメルセデスの講義には顔を出さなかった。 メルセデスは、タリアの店の近くにアパートを借りたラリーからメッセージを受けて呼ばれる。 スティーヴやララに、ラリーが自分の講義で人生が変わったと聞いていたメルセデスは、彼に迎えられる。 二人はキスをして、ラリーは、空腹だと言うメルセデスを部屋に招き入れる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
真面目が取り柄の中年男性ラリー・クラウンは、大卒でないという理由からリストラされてしまう。
離婚して借金を抱えるラリーはショックを受けるが、次の職も見つからない。
そんなラリーは、隣人ラマーから、知識は武器になると言われて、地元のコミュニティー・カレッジに入学することを決める。
スピーチと経済の講義を勧められたラリーは、無気力な教師メルセデス・テイノーのクラスや経済の講義に悪戦苦闘しながら、学生生活を始める。
夫ディーンとうまくいかないメルセデスは、冴えない中年のラリーや学生に手を焼きながら講義を続ける女子学生タリアと知り合ったラリーは、彼女のスクーター仲間とも親交を持ち、レストランで働きながら大学に通うのだが・・・。
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人気スターのトム・ハンクスが、製作、監督、主演と務め、彼と妻のリタ・ウィルソンが見出した、「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」(2002)の主演と脚本を担当し大ヒットさせたニア・ヴァルダロスとの共同脚本も話題となった作品。
更には、ビッグ・ネームのジュリア・ロバーツを迎えたトム・ハンクスの意欲作で、中年男性の悲哀、真面目な努力と友人達に囲まれる価値ある人生、そして、ほのかなロマンスを描いた楽しいドラマに仕上がっている。
トム・ハンクスが、大物に見えない工夫が凝らされている序盤から、テンポの良い展開とユーモアのマッチング、どことなく、前記の「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」を思わせる雰囲気や、”エレクトリック・ライト・オーケストラ”の音楽などの挿入なども注目だ。
コメディアンとして活躍した、トム・ハンクスの才能が発揮され、その彼の役柄を邪魔することのなく、微妙にしか絡んでこない教師役のジュリア・ロバーツの、終盤にかけての変化が心地よい気分にさせる。
自堕落気味のヒロインの夫ブライアン・クランストン、主人公の隣人をいい雰囲気で演ずるセドリック・ジ・エンターテイナー、その妻タラジ・P・ヘンソン、主人公と親交を深める学生ググ・バサ=ロー、その恋人ウィルマー・バルデラマ、ヒロインの同僚教師パム・グリア、銀行の融資担当で、トム・ハンクス夫人のリタ・ウィルソン、大学教授ジョージ・タケイ、学生ラミ・マレック、マリア・キャナルス・ベレーラ、マルコム・バレット、グレース・ガマー(メリル・ストリープの娘)、主人公の上司デイル・ダイ、ロン・リッグル、そして、ピザの配達員でトム・ハンクスとリタ・ウィルソンの息子チェット・ハンクスなどが共演している。