1957年に発表された、ロマン・ガリーの同名小説の映画化。 銀行を襲った義賊を理想の男性と考えた女性が彼を救おうとする姿をコミカルに描く、監督、脚本、出演ピーター・ユスティノフ、主演ソフィア・ローレン、ポール・ニューマン、デヴィッド・ニーヴン他共演のコメディ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ピーター・ユスティノフ
製作:カルロ・ポンティ
原作:ロマン・ガリー
脚本:ピーター・ユスティノフ
撮影:アンリ・アルカン
編集:ロジャー・ドワイアー
音楽:ジャン・フランセ
出演
ソフィア・ローレン:ルイーズ・レンデール/レディL
ポール・ニューマン:アルマン・ドゥニ
デヴィッド・ニーヴン:ディッキー・レンデール
セシル・パーカー:パーシー卿
クロード・ドーファン:メルシエ警部
フィリップ・ノワレ:アンブロワーズ・ジェローム
ミシェル・ピッコリ:ルコー
ジャン・ヴィエネル:クラエウスキー
カトリーヌ・アレグレ:パントーフル
マルセル・ダリオ:サパー
ピーター・ユスティノフ:オットー皇太子
フランス/イタリア/イギリス 映画
配給 MGM
1965年製作 108分
公開
イギリス:1965年12月17日
フランス:1965年12月22日
北米:1966年5月18日
日本:1966年1月
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
80歳の誕生日を迎えたルイーズ・レンデール/レディL(ソフィア・ローレン)は、パーシー卿(セシル・パーカー)らの歓迎を受ける。
パーシー卿は、レディLの伝記を書くことになっていて、彼女は特別な別宅にパーシー卿を案内し、自分の生涯を語り始める。
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フランスで生まれたルイーズは、両親とパリに移り住み、洗濯物を娼館に届ける仕事をする娘だった。
娼館”ムーラン・ブルー”の主人ルコー(ミシェル・ピッコリ)は、店で働かないかとルイーズを誘うが、彼女は笑い飛ばすだけだった。
店の得意客、内務大臣アンブロワーズ・ジェローム(フィリップ・ノワレ)も、ルイーズが気に入ってしまう。
そんなルイーズは、理想の男性が現れるのを夢見て毎日を送っていた。
銀行を襲った義賊アルマン・ドゥニ(ポール・ニューマン)は、変装してムーラン・ブルーに逃げ込み、ルイーズを店の女だと思い込み部屋に連れて行く。 ルイーズは素顔になったアルマンが理想の男性だと直感し、彼を追ってきたメルシエ警部(クロード・ドーファン)に、ベッドの中の人物がジェローム内務大臣だということにしてアルマンを助ける。 ポーランドのピアニスト、クラエウスキー(ジャン・ヴィエネル)の演奏会に行ったルイーズとアルマンは、メルシエ警部に捕まりそうになるが、爆弾騒ぎで難を逃れクラエウスキーを連れ去る。 アルマンは、ムーラン・ブルーの女達にクラエウスキーの演奏を聴かせ、ひと時の安らぎを与え、そしてルイーズとアルマンは愛し合うようになる。 メルシエ警部は、クラエウスキーから誘拐ではないと言われて戸惑うが、明朝、ルイーズ、アルマン、そしてルコーを逮捕すると警告して店を立ち去る。 そして、その3人は、ムーラン・ブルーが警察に包囲される中、余裕の表情を見せて気球で逃亡してしまう。 スイスの田舎で貧乏暮らしを始めたルイーズとアルマンだったが、彼が革命家の仲間に入ってしまう。 そしてアルマンが、ババリアの皇太子オットー(ピーター・ユスティノフ)暗殺計画に加担しようとしていることが分かる。 妊娠していたルイーズは、勝手なアルマンに愛想を尽かして出て行ってしまう。 パリに戻ろうとしたルイーズだったが、メルシエ警部に出くわしてしまい、彼と演奏旅行中のクラエウスキーの協力で、アルマン達の暗殺計画に使われる爆弾を、摩り替えることに成功する。 暗殺計画の実行地ニースに向かったルイーズは、富豪である、イギリス人公爵のディッキー・レンデール(デヴィッド・ニーヴン)に出会う。 レンデールと食事を共にしたルイーズは、いきなり求婚されてしまう。 暗殺計画を知っているレンデールは、ルイーズのお腹の子供の父親が、暗殺者だと知り驚いてしまう。 そこでレンデールは、暗殺者を助けたら自分と結婚してくれるように、ルイーズと取引しようとする。 ルイーズはそれを承諾し、そして暗殺計画は失敗に終わり、レンデールの専用列車で、彼女とアルマンを連れニースを脱出する。 ルイーズはアルマンが忘れられず、レンデールの屋敷からネックレスを盗み出して彼に渡す。 それを転売したアルマンだったが、そのネックレスをレンデールが買い戻しルイーズの首にかける。 それに気づいたアルマンは、ネックレスを物乞いの女に渡してしまい、ルイーズは呆れてその場を立ち去る。 驚いた女はショック死し、メルシエ警部警部がレンデールを訪ね、ルイーズを逮捕しようとする。 レンデールは、アルマンの居所の偽情報を警部に知らせて彼女を救う。 しかし、その場に潜んでいたアルマンは、メルシエに投降する。 子供も生まれたルイーズは、イギリスのレンデールの大邸宅に住むことになる。 数年が経ち、ルイーズの元にクラエウスキーが現れ、アルマンが、新大統領ジェロームの大赦で釈放されたことを彼女は知り、仮装舞踏会で彼に会えることになる。 そして、舞踏会で二人は再会するが、アルマンが、ルコーらと出席者の宝石を奪ってしまう。 レディLは、結婚していたのはアルマンとで、8人の子供全てが彼の子供だということを知らせ、レンデールとの結婚は、偽装だったことをパーシー卿に知らせる。 パーシー卿は、レディLが存在しなかったことに驚き、伝記を書けば、大スキャンダルになってしまうことに気づく。 レディLは、レンデールが建ててくれた別宅を、あの時の爆弾で爆破し、パーシー卿を従え、運転手として彼女に使えていたアルマンと共にロンドンに向かう。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
両親とパリに移り住んだルイーズは、 娼館に洗濯物を届ける仕事をする娘だった。
ルイーズは、理想の男性が現れるのを待っていたのだが、娼館に逃げ込んだ、銀行を襲った義賊アルマン・ドゥニに出会う。
ルイーズはアルマンが理想の男性だと直感し、彼を追うメルシエ警部を追い払う。
やがて愛し合うようになった2人は、警察の追跡を逃れて、スイスの田舎で暮らしを始める。
その後、革命家の仲間入りをしたアルマンは、ババリアの皇太子オットーの暗殺計画に加担しようとする。
アルマンに愛想を尽かしたルイーズだったが、暗殺計画の実行地ニースで、富豪であるイギリス人公爵レンデールに出会い、いきなり求婚されてしまう・・・。
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「スパルタカス」(1960)と前年の「トプカピ」(1964)で、アカデミー助演賞を二度受賞したピーター・ユスティノフが監督と脚本を兼ねた、貴族夫人?の回想を描いたコメディ。
*暗殺のターゲットとなるババリアの皇太子も彼が演じていて、遠景のショットでしか登場しないが、その”ダメ皇太子”振りが実に可笑しい。
当時は結婚前の、ソフィア・ローレンと愛人関係だった、大プロデューサーのカルロ・ポンティが製作した作品。
イギリス貴族夫人?の伝記が書かれることになり、彼女の数奇な人生の回想から、やがて大スキャンダルに成りかねない事実が分かるという、ゴージャスな雰囲気のソフィア・ローレンの魅力が生かされ、アナーキストのテロ事件なども絡めた、国際色豊かな楽しい作品に仕上がっている。
ソフィア・ローレンは80歳の老女も演ずる熱演を見せるが、遊び心を見せるポール・ューマンは、彼が演じなくてもよかったかなという感じの、”目玉商品”的役柄に徹している。
デヴィッド・ニーヴンとセシル・パーカーの、ユーモア溢れるイギリス紳士役も見逃せない。
皆いい味を出しているフランス人俳優達、警部クロード・ドーファン、内務大臣から大統領になるフィリップ・ノワレ、娼館の主人ミシェル・ピッコリ、マルセル・ダリオ、さらにピアニストのジャン・ヴィエネルが、なかなかの名演を見せてくれる。