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不意打ち Lady in a Cage (1964)

屋敷内のエレベーターに閉じ込められた女性の恐怖体験を描く、主演オリヴィア・デ・ハヴィランドジェームズ・カーン共演、監督ウォルター・グローマンによるドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:ウォルター・グローマン

製作:ルーサー・デイヴィス
脚本:ルーサー・デイヴィス
撮影:リー・ガームス
編集:レオン・バーシャ
音楽:ポール・グラス

出演
コーネリア・ヒルヤード:オリヴィア・デ・ハヴィランド

ランドール・シンプソン・オコネル:ジェームズ・カーン
エレイン:ジェニファー・ビリングスリー
エシー:ラファエル・カンポス
マルカム・ヒリヤード:ウィリアム・スワン
ジョージ・L・ブラディJr.:ジェフ・コーリー
セイド:アン・サザーン
ポール:チャールズ・シール
ジャンク品店の助手:スキャットマン・クローザース
ジャンク品店の大男:リチャード・キール

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ

1964年製作 94分
公開
北米:1964年7月8日
日本:1964年9月12日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ある夏の日。
富豪夫人コーネリア・ヒルヤード(オリヴィア・デ・ハヴィランド)は、溺愛する息子マルカム(ウィリアム・スワン)を、いつものように送り出そうとする。

腰を痛めているコーネリアは、エレベーターを屋敷内に設置して移動をしていた。

マルカムはコーネリアに置手紙を残すのだが、それには自殺をほのめかすことが書かれていた。

その後、コーネリアはエレベーターに乗り2階に上がろうとするのだが、電気系統の故障で途中で停止してしまう。

この付近だけが停電だろうと考えたコーネリアは、そのまま待つことにして、ラジオを聞き読書を始める。

クーラーも止まっていたために、暫くして喉が渇き、苛立ち始めたコーネリアは、非常ベルを鳴らす。
...全てを見る(結末あり)

ベルに気づいた、通りがかりのアル中の浮浪者ジョージ・L・ブラディJr.(ジェフ・コーリー)は、屋敷内を覗き、ワインを見つけたために、窓ガラスを割り侵入する。

ワインの瓶を割ってしまったジョージは、屋敷内を物色し始め、ワインセラーを見つけた彼は、一本のワインを開けて飲む。

ジョージに気づいたコーネリアはベルを鳴らし、それに驚いた彼は、”悔い改めよ!”と叫びながら、ワインとトースターなどを盗み逃げ去って行く。

トースターをジャンク品店のオーナー、ポール(チャールズ・シール)に売りさばいたジョージは、高価な物を持っていたことで目を付けられ、町のチンピラ、ランドール・シンプソン・オコネル(ジェームズ・カーン)、エレイン(ジェニファー・ビリングスリー)、エシー(ラファエル・カンポス)らに尾行される。

その頃、コーネリアは、ステッキとエレベーターの部品をつないで、階下の電話の受話器を外す準備をする。

電話がかかるのを待っていたコーネリアだったが、ステッキが外れてしまう。

ジョージは、借金のあった娼婦のセイド(アン・サザーン)の元を訪ね、彼女に2ドルを返し盗んできた時計を渡す。

そしてジョージは、侵入した屋敷の様子をセイドにに伝え、物を奪いひと稼ぎすることを提案する。

エレベーターのドアを開けることが出来たコーネリアは、飛び降りようと試みてみるが、危険な高さだったためにそれを諦める。

その後、ジョージとセイドが家に侵入していることに気づいたコーネリアはベルを鳴らす。

ジョージは外のベルの配線を切断するが、彼を付けていたランドールが監視していた。

セイドは、屋敷内の銀食器などを見て驚き、尚も物色を続ける。

その時、電話のベルが鳴り、コーネリアはエレベーターの部品を投げ電話の受話器を外し、それに向かって名前と住所を叫ぶ。

セイドが電話線を切り、何食わぬ顔で二階に上がり、彼女の香水の匂いで、コーネリアは、強盗が女性だと知り話しかける。

その直後、ランドールら三人が屋敷に乱入し、ジョージとセイドに襲い掛かる。

ランドールはジョージを叩きのめし、セイドに盗んだものを運ばせる。

コーネリアは、ランドールに脅され、汚らわしい言葉を浴びせられる。

セイドは、三人の隙を見てジャンク品店のポールに電話をかけ、屋敷の状況を知らせて、今なら盗み放題だという情報を伝える。

ランドールは顔を見られたことで、コーネリアらを殺すことを考え、それを知ってしまったセイドは、屋敷を抜け出してしまう。

しかし、セイドはエシーに見つかり捕らえられ、ランドールは、出て行こうとしたジョージに、殺すことを伝える。

エシーは、ランドールに命ぜられジョージを刺し殺し、動揺するセイドは部屋に閉じ込められる。

コーネリアは、ランドールに1万ドルを渡すと言うが、彼はそれを承知せずに、彼女を殺そうとする。

その時、誰かがドアを叩き、コーネリアが助けを求めるものの、それは爆竹で遊ぶ子供のいたずらだった。

ランドールは、エレベーターによじ登りコーネリアを黙らせようとする。

コーネリアは、外してあったエレベーターの金具で彼の背中を刺そうとするが、それが折れ曲がって彼を痛めつけることは出来なかった。

そして、エシーがマルコムの手紙を見つけ、居間の金庫から現金の半分を持ち去ることが書かれていたため、ランドールはその金を探そうとする。

30歳を手前に、コーネリアが自分を独り立ちさせてくれないことに絶望したマルカムは、自殺するとも書いていた。

それを知ったコーネリアは気絶してしまい、ランドールらは、現れたポールと助手(スキャットマン・クローザース)、そして大男(リチャード・キール)に痛めつけられる。

コーネリアは、マルカムの手紙を確かめるために床に飛び降り、体を打ち立てなくなってしまう。

電話をかけようとするコーネリアだったが、コードが切られていることに気づく。

ポール達は、ランドールらが盗もうとした物を根こそぎ奪い、その場を去って行く。

その後コーネリアは、這いずりながら屋敷の外に出て助けを求める。

解放されたランドールがコーネリアを見つけ、屋敷に連れ戻そうとするが、彼は金具で目を指されてしまう。

エレインとエシーが、コーネリアを屋敷に引きずり込み、三人は金庫を探そうとする。

エレインとエシーは、ランドールの目が見えないことを確認し、二人はその場から逃げ去る。

目がかすんだコーネリアは、エシーを見てマルコムが帰ってきたと思い込むが、彼の手紙の言葉を思い起こし、自分が酷い母親だったことに気づく。

コーネリアは再び屋敷を出て助けを求め、追って出てきたランドールに襲われるものの、彼は道路に飛び出して車に轢かれて死亡する。

エレインとエシーは、ガレージの車で逃げようとするものの、電柱に激突し、駆けつけた警官に逮捕される。

激突の反動で屋敷の電気が復旧し、クーラーなどが作動し始める。

警官のに介抱されたコーネリアは、電気が通じたことを知り安堵するものの、失ったものは大きく嘆き悲しむ。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
富豪夫人コーネリア・ヒルヤードは、今日も、溺愛する息子マルコムを送り出す。
腰を痛めていたコーネリアは、屋敷内にエレベーターを設置していたのだが、電気系統の故障で屋敷内の電気が切れ、それが二階に上がる途中で止まってしまう。
コーネリアは非常ベルを鳴らし、それに気づいたアル中の浮浪者ジョージが、屋敷内に侵入してワインを見つけ、夫人にベルを鳴らされたために逃げ去る。
ジョージは、盗んできたトースターをジャンク品店に売るのだが、それを見ていたランドールら三人組のチンピラが彼を尾行する。
娼婦セイドの元に向かったジョージは、屋敷のことを彼女に話し、二人は早速その場に向かい金目の物を物色し始める。
コーネリアは、脱出することや、かかってくる電話に出る方法などを考えるが、体の自由も利かず何もすることが出来ない。
そこに、ランドールらが押し入り、ジョージとセイドに襲いかかり、彼らは屋敷内の物を根こそぎ奪おうとする。
そして、ランドールは、コーネリアらに顔を見られため、彼女らの殺害を考えるのだが・・・。
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原題”Lady in a Cage”の通り、鳥篭のようなエレベーターに閉じ込められた女性を描いた作品で、ワン・シチュエーション・ドラマのように始まるのだが、女性の屋敷内の物品を奪い合う者達の描写の方に比重が置かれている。

そのため、老女のように扱われながら、実は撮影当時まだ47歳だった大女優オリヴィア・デ・ハヴィランドの、体を張った熱演は注目ではあるが、デビュー間もない、ジェームズ・カーンの個性の方が印象深い。

また、物質的に恵まれている主人公が、それを奪われるばかりか、溺愛する息子までを失うという悲劇のドラマでもある。

冒頭、なかなか興味深い状況となり、その後の展開を大いに期待するのだが、結局、悪く言えば、単なる強盗劇に近い内容は今一つ物足りない。

チンピラの一味ジェニファー・ビリングスリーラファエル・カンポス、主人公の息子ウィリアム・スワン、怪演が光るアル中の浮浪者ジェフ・コーリーと、彼と手を組む娼婦のアン・サザーン、ジャンク品店のオーナー、チャールズ・シール、その助手スキャットマン・クローザース、そして、見逃してしまいそうな程度の出演で、ジャンク品店の用心棒として、巨漢リチャード・キールも登場する。


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