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一日だけの淑女 Lady for a Day (1933)

雑誌”コスモポリタン”に1929年に掲載された、デイモン・ラニアンの短編小説”Madame La Gimp”を基に製作された作品。
優雅に暮らす貴婦人と娘に偽っていた貧しい老婦人の窮地を救おうとする者たちが巻き起こす騒動を描く、製作ハリー・コーン、監督フランク・キャプラ、主演メイ・ロブソンウォーレン・ウィリアムガイ・キビーグレンダ・ファレルネッド・スパークスジーン・パーカー他共演のコメディ・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(コメディ)


スタッフ キャスト
監督:フランク・キャプラ
製作:ハリー・コーン
原作:デイモン・ラニアン”Madame La Gimp”
脚本:ロバート・リスキン
撮影:ジョセフ・ウォーカー
編集:ジーン・ハヴリック
音楽:ハワード・ジャクソン

出演
”アップル”アニー・マンビル:メイ・ロブソン
デイヴ・ザ・デュード:ウォーレン・ウィリアム
ヘンリー・D・ブレイク:ガイ・キビー
ミズーリ・マーティン:グレンダ・ファレル
ハッピー・マグワイア:ネッド・スパークス
ルイーズ・マンビル:ジーン・パーカー
カルロス:バリー・ノートン
ロメロ伯爵:ウォルター・コノリー
シェイクスピア:ナット・ペンドルトン
ジョン:ハリウェル・ホッブズ
知事:ホバート・ボズワース
警部:ロバート・エメット・オコナー
市長:サミュエル・S・ハインド(クレジットなし)
警視総監:ウォリス・クラーク(クレジットなし)
騎馬警官:ウォード・ボンド(クレジットなし)

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

1933年製作 96分
公開
北米:1933年9月13日
日本:1934年5月


アカデミー賞
第6回アカデミー賞
・ノミネート
作品・監督
主演女優賞(メイ・ロブソン
脚色賞


ストーリー
ニューヨークブロードウェイ
貧しいリンゴ売りの老女”アップル”アニー・マンビル(メイ・ロブソン)は、一人娘のルイーズ(ジーン・パーカー)をスペインの修道院に預けていた。
アニーは、ホテル・マーベリーで優雅に暮らす母親だとルイーズに信じ込ませるために手紙を書いていた。
そんなアニーは、ギャンブル界を仕切るデイヴ・ザ・デュード(ウォーレン・ウィリアム)から幸運の”アップル・アニー”と言われて慕われ、彼はリンゴを買ってくれる常連客だった。
ルイーズからの手紙を受け取ったアニーは、結婚を決めたカルロス(バリー・ノートン)と、その父親であるロメロ伯爵(ウォルター・コノリー)と共に会いに来ることを知る。
驚いたアニーは困ってしまい、好きな酒を飲んで家に閉じこもってしまう。
アニーの姿が見えないために運を逃しそうなデイヴは、部下のシェイクスピア(ナット・ペンドルトン)と共に彼女の家に向かう。
酔って嘆くアニーから事情を聞いたデイヴは、哀れな彼女を気の毒に思う。
デイヴは、アニーの仲間である浮浪者たちから、1週間、彼女をホテル・マーベリーに宿泊させてやってほしいと頼まれるものの、これ以上は何もできないと言って断る。
シェイクスピアから、知人のロドニー・ケントがホテルに部屋があることを知らされたデイヴは、考えを変える。
ケントの部屋を借りることができたデイヴは、今回の件より仕事を優先するべきだと言う、右腕のハッピー・マグワイア(ネッド・スパークス)を説得する。
デイヴは、恋人でクラブのオーナーのミズーリ・マーティン(グレンダ・ファレル)に協力してもらい、アニーを貴婦人に変身させる。
博識でビリヤードの名手ヘンリー・D・ブレイク(ガイ・キビー)をアニーの夫役にしたデイヴは、皆と共にルイーズを迎える準備を始めるのだが・・・。


解説 評価 感想

デイモン・ラニアンの短編を基に、製作ハリー・コーン、監督フランク・キャプラメイ・ロブソンウォーレン・ウィリアムなどが共演した作品。

コロンビア・ピクチャーズの作品がアカデミー作品賞に、また、フランク・キャプラが監督賞に初めてノミネートされた作品でもある。

街で拾った女」(1934)は本作のフォローアップ作品で、「ポケット一杯の幸福」(1961)は、フランク・キャプラ自身による本作のリメイク。

優雅に暮らす貴婦人と娘に偽っていた貧しい老婦人の窮地を救おうとする者たちが巻き起こす騒動を描くコメディ・ドラマ。

貧しい老女を助けようとする浮浪者たちの熱意が、裏社会の者たちや警察、政治家の心を動かすという、フランク・キャプラお得意のヒューマン・コメディの名作であり、大恐慌で苦しむ人々に希望を与えた功績は大きい。

浮浪者寸前の貧しいリンゴ売りの老女で登場するメイ・ロブソンだが、貴婦人に変貌してもまったく違和感がないところに注目したい。
本作でアカデミー主演女優賞にノミネートされた彼女は、オーストラリア人として最初の候補者となった。

ギャンブル界を仕切る男で、幸運を呼ぶ主人公の窮地を何とか救おうとする、人間味ある役柄を好演するウォーレン・ウィリアム、主人公の夫に扮し愉快に演ずるガイ・キビー、デイヴ(ウォーレン・ウィリアム)に協力する恋人でクラブのオーナーでもあるグレンダ・ファレル、デイヴの右腕でクセのある男を怪演するネッド・スパークス、主人公の娘ジーン・パーカー その婚約者バリー・ノートン、その父親である伯爵ウォルター・コノリー、デイヴの部下ナット・ペンドルトン、デイヴが借りるホテルの部屋の執事ハリウェル・ホッブズ、知事のホバート・ボズワース、警部のロバート・エメット・オコナー、市長のサミュエル・S・ハインド、警視総監のウォリス・クラーク、そしてウォード・ボンドが、冒頭で主人公に声をかける騎馬警官で端役出演している。


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