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鎧なき騎士 Knight Without Armour (1937)

1933年に発表された、ジェームズ・ヒルトンの小説”Knight Without Armour”を基に製作された作品。
激動の時代を生き抜いたロシアの貴婦人と革命活動を探るイギリス人スパイの恋を描く、監督ジャック・フェデー、主演マレーネ・ディートリッヒロバート・ドーナット他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

マレーネ・ディートリッヒ / Marlene Dietrich / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジャック・フェデー

製作:アレクサンダー・コルダ
原作:ジェームズ・ヒルトンKnight Without Armour
脚本
フランシス・マリオン

ラヨシュ・ビロ
撮影:ハリー・ストラドリング
編集:フランシス・D・ライオン
音楽:ミクロス・ローザ

出演
アレクサンドラ・ウラジノフ:マレーネ・ディートリッヒ

A・J・フォザギル/ピーター・ウラノフ:ロバート・ドーナット
公爵夫人:アイリーン・ヴァンブルー
グレゴール・ウラジノフ:ハーバート・ロマス
アドラクシン大佐:オースティン・トレヴァー
アクセルシュタイン:ベイジル・ギル
マロニン:デヴィッド・トゥリー
ポーシュコフ:ジョン・クレメンツ
スタンフィールド:フレデリック・カリー
フォレスター大佐:ローレンス・ハンレイ
赤軍委員:マイルズ・モールソン

イギリス 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1937年製作 107分
公開
イギリス:1937年6月1日
北米:1937年7月23日
日本:1938年1月


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1913年、アスコット競馬場
ロシア貴族のアレクサンドラ・ウラジノフ(マレーネ・ディートリッヒ)は、父グレゴール将軍(ハーバート・ロマス)と共にレースの開始を待つ。

その場でレースを見守るA・J・フォザギル(ロバート・ドーナット)は、通信員として5年間ロシアに滞在するため出発する予定だった。

フォザギルは、友人達に見送られて帰国の途に就くアレクサンドラと同じ汽車に乗っていた。

サンクトペテルブルグ
皇帝主催の舞踏会の招待を受けたアレクサンドラは、アドラクシン大佐(オースティン・トレヴァー)の婚約者であることを知らされた皇帝から言葉をかけられる。

警察に呼ばれたフォザギルは、帝国主義を批判する記事を書いたために、48時間以内に国外退去を命ぜられる。
...全てを見る(結末あり)

現地滞在のイギリス人スタンフィールド(フレデリック・カリー)と食事をしたフォザギルは、ロシアの革命運動を探るスパイになることを提案される。

スタンフィールドと共に輸入業者フォレスター大佐(ローレンス・ハンレイ)に会ったフォザギルは、”ピーター・ウラノフ”という人物になるよう指示される。

革命派のアクセルシュタイン(ベイジル・ギル)の元に向かったピーター(ロバート・ドーナット)は、若くて感情的なマロニン(デヴィッド・トゥリー)らの活動を探る。

その頃、アレクサンドラの結婚を控えたウラジノフは、革命派の活動を警戒していた。

結婚式当日、マロニンが手投げ爆弾でウラジノフの馬車を爆破しようとする。

しかしテロは失敗し、アレクサンドラはウラジノフの無事を確認する。

その場から逃亡して警官に追われて撃たれたマロニンはピーターの元に向い、爆弾で襲撃したことを伝えて息絶える。

ピーターは、現れた警官に逮捕連行され、アクセルシュタインと共にシベリア送りになる。

モンテカルロに向かっていたアレクサンドラとアドラクシン大佐大佐だったが、戦争が始まることを知らされた大佐は軍隊に戻る。

その後アドラクシン大佐は戦死し、アレクサンドラは未亡人となる。

北の果てに向かうことになっていたピターとアクセルシュタインは、第一次大戦が勃発したことを知る。

2年が経ち、やがて終わる戦争を経て国は民衆の手に渡り革命が起きると、アクセルシュタインはピーターに話す。

1917年、カリンスク近郊、ウラジノフ邸。
アレクサンドラは、世の中の情勢を見守りながら平穏な生活を送っていた。

シベリア送りっとなっていた者達は、革命と同時に帰還する。

革命会議長となったアクセルシュタインは英雄として赤軍に歓迎され、ピーターを同志だと言って紹介する。

ある朝、使用人達がいなくなったことに気付いたアレクサンドラは、赤軍が現れたために驚く。

アレクサンドラは捕らえられ、屋敷は占拠されて使用人は銃殺される。

ピーターを伴い現れたアクセルシュタインは、略奪や破壊を禁じアレクサンドラの処遇が問題となる。

アレクサンドラを殺害すると言う赤軍委員と意見が対立するアクセルシュタインは、彼女をペトログラードに移送するようピーターに命ずる。

ピーターは、美しいアレクサンドラに一目で惹かれてしまい、死を覚悟する彼女に出発する準備をさせる。

屋敷を抜け出した二人は駅に向かい、ピーターは汽車の到着時刻を駅長に確認する。

アレクサンドラと話をしていたピーターは、駅長の言動がおかしいことに気付き、汽車が到着しないことを知る。

それをアレクサンドラに伝えたピーターは彼女を眠らせる。

眠れないと言うアレクサンドラは、オックスフォード大学に通ったというピーターに、”ブラウニング”の詩を朗読してもらう。

楽観的だと言うアレクサンドラは、悲観的なロシアの詩を口にする。

外に誰かがいることに気付いたピーターは、自分達を送ってきた護衛の二人が襲い掛かってきたために立ち向かう。

ピーターとアレクサンドラは二人を倒し、白軍から逃れようとする人達が森に向かうことを知る。

白軍の陣地を目前にしたピーターは、投稿して司令官に会おうようアレクサンドラに指示し、別れを惜しみながら彼女を見送る。

知人だった司令官に会うことができたアレクサンドラは、部屋を提供され久し振りに入浴してドレスも用意される。

着飾って司令官との食事の席に着いたアレクサンドラは、捕えられた赤軍が処刑されていることを知りピーターの身を案ずる。

その後、攻撃を受けた司令部は赤軍の手に落ち、それに加わったピーターは、捕えられたアレクサンドラを確認し彼女もピーターに気づく。

改革を訴える委員から、委任状に署名すれば刑務所の責任者になれると聞いたピーターは、それを手に入れてアレクサンドラを救い出す。

二人は逃亡するものの、それを知った委員は捜索隊を出す。

追っ手が近づき、アレクサンドラを枯葉で隠したピーターは、捜索隊に扮してその場を離れる。

その後、戻って来たピーターは、彼女を抱き寄せてキスする。

一夜を森で過ごすピーターは、最初に声をかけた時から惹かれていることをアレクサンドラに伝え、二人は愛を確かめる。

翌朝、ピーターは食料や服を手に入れてアレクサンドラを驚かせ、駅を探そうとする。

線路にいた人々と共に現れた汽車を止めてそれに乗ったピーターとアレクサンドラは、カザンに到着する。

労働者の手をしていないアレクサンドラは、ポーシュコフ(ジョン・クレメンツ)らの取り調べを受け、彼女が姉だと言うピーターも質問される。

病気の兄の元に向かうと言うピーターの話を信じたポーシュコフだったが、その場にいた委員(マイルズ・モールソン)は、アレクサンドラが伯爵夫人であることを見破る。

アドラクシン大佐の庭師だった男を連れて来たポーシュコフだったが、男はアレクサンドラが主人だったことを否定する。

ポーシュコフは納得いかない委員に対し、サマーラに連行して詳しく調べることを伝える。

汽車で出発した三人は同室になり、ポーシュコフは、姉弟と言っていたピーターがアレクサンドラの手に口づけをする姿を目撃してしまう。

翌朝、ポーシュコフが好人物だということで意見が一致したピーターとアレクサンドラは、戻って来た彼が自分達の嘘を知りながら助けたことを知る。

アレクサンドラに好意を示したポーシュコフは古いパンを出そうとする。

ピーターとアレクサンドラは、ポーシュコフに感謝して食料を分け与えてワインを飲む。

酔ったせいか感傷的になったポーシュコフは、アレクサンドラへの思いが叶わぬことを悟り絶望し掛けるが、彼女とピーターに励まされる。

ヴォルガ川の近くの町で停車した汽車から降りたピーターとアレクサンドラは、ポーシュコフが上司に会いに行った隙に逃げることも考える。

ピーターとアレクサンドラは、純真なポーシュコフのような男が革命に身を投じることが信じられななかった。

その時、銃声に気づいたピーターとアレクサンドラは、ポーシュコフが自殺したことを知り、彼がこうなることを望んでいたと考える。

騒ぎが鎮まらない間にその場を離れたピーターとアレクサンドラはヴォルガ川に向い、輸送船に乗せてもらうものの彼女が体調を崩す。

ロシア国境の町。
医師を探そうとして船を降りたピーターは捕らえられてしまい、アレクサンドラは赤十字の病院に運ばれる。

銃殺される直前で逃亡したピーターは、アレクサンドラを捜そうとして医師の前で気を失ってしまう。

診察を受けていたピーターは、ブカレスト行きの汽車でアレクサンドラが移送されることを知る。

汽車に飛び乗ったピーターはアレクサンドラの名を呼び、自分に気づき窓から手を振る彼女を確認する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1913年、サンクトペテルブルグ
通信員として駐在するA・J・フォザギルは、帝国主義を批判する記事を書いたため48時間以内の国外退去を命じられる。
革命活動を探るスパイとなり”ピーター・ウラノフ”というロシア人に扮したフォザギルは、革命派組織に潜入するものの、逮捕されてシベリア送りとなる。
第一次大戦が始まり、やがて国は民衆の手に渡り革命が起きたことで、ピーターは赤軍の革命会議長アクセルシュタインの側近となる。
伯爵である夫アドラクシン大佐を戦争で亡くした貴族アレクサンドラ・ウラジノフは、赤軍に屋敷を奪われて捕えられる。
アレクサンドラの移送を命ぜられたピーターは、彼女に惹かれてしまう。
その後、迫る白軍の陣地に近づき、アレクサンドラの身の安全を確保するため投稿させたピーターは、赤軍の反撃に加わる。
そして、再び赤軍に捕えられたアレクサンドラを救い出したピーターは、彼女との愛を確かめ合うのだが・・・。
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ロシア革命を背景にしたロマンスであり、主人公二人が厳しい時代を逞しく生きながら、一方でスパイ活動なども描く作品。

そのスパイとしての活動と成果がいかなるものだったのかなどは全く語られず、出会った貴婦人と恋に落ちて逃亡劇が始まるという、ジャック・フェデーのやや焦点がぼけている演出が気になる。

救われたかと思えばたちまち捕えられるという、ヒロインの厳しい体験が淡々と描写される内容は、当時の社会情勢を描きたいのか、大女優となったマレーネ・ディートリッヒを前面に出したいのかもよく分からない。

多くの人々が苦労した時代を描く内容にも拘らず、マレーネ・ディートリッヒのお色気で観客の目を引こうとする演出なども余分だ。
今観てもそう思うのだから、1930年代半ば当時は更にそれを意識し過ぎだと思われたのではないだろうか。
赤軍ソビエト陸軍を指す呼称となった頃に公開された作品であり(1946年にソビエト連邦軍)、批判を浴びたことも考えられる。
彼女の表情などはいつもながら非常に魅力的であり、それだけを見せてくれていれば十分と言う感じだ。

冷静に考えると、スパイであったにも拘らず恋した貴婦人を助けるためだけに活動しているような役柄が気になるが、必死さは伝わる熱演を見せるロバート・ドーナット、公爵夫人アイリーン・ヴァンブルー、ヒロインの父親ハーバート・ロマス、ヒロインの夫オースティン・トレヴァー赤軍の革命会議長ベイジル・ギル、革命派の勇士デヴィッド・トゥリー、自殺する赤軍委員ジョン・クレメンツ、フォザギル(ロバート・ドーナット)にスパイ活動を勧めるフレデリック・カリー、現地で諜報活動をするローレンス・ハンレイ赤軍委員マイルズ・モールソンなどが共演している。


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