平凡な女性が謎の男との接触で当局が絡む陰謀に巻き込まれる姿を描く、監督ジェームズ・マンゴールド、トム・クルーズ、キャメロン・ディアス、ピーター・サースガード、ポール・ダノ、ヴィオラ・デイヴィス、マギー・グレイス他共演のサスペンス・アクション。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・マンゴールド
製作総指揮
アーノン・ミルチャン
ジョー・ロス
製作
キャシー・コンラッド
トッド・ガーナー
スティーヴ・ピンク
脚本:パトリック・オニール
撮影:フェドン・パパマイケル
編集
マイケル・マカスカー
クインシー・ガンダーソン
音楽:ジョン・パウエル
出演
ロイ・ミラー:トム・クルーズ
ジューン・ヘイヴンス:キャメロン・ディアス
ジョン・フィッツジェラルド:ピーター・サースガード
アントニオ・キンターナ:ジョルディ・モリャ
サイモン・フェック:ポール・ダノ
イザベル・ジョージ長官:ヴィオラ・デイヴィス
エイプリル・ヘイヴンス:マギー・グレイス
ロドニー:マーク・ブルカス
フランク・ジェンキンス:デイル・ダイ
モリー・ナイト:セリア・ウェストン
ナオミ:ガル・ガドット
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2010年製作 110分
公開
北米:2010年6月23日
日本:2010年10月9日
製作費 $117,000,000
北米興行収入 $76,418,650
世界 $261,930,440
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
カンザス州、ウィチタ・ミッド・コンティネント空港。
車の部品(ポンティアック・GTO)を調達してボストンに帰ろうとしていたジューン・ヘイヴンズ(キャメロン・ディアス)を観察する男がいた。
その男ロイ・ミラー(トム・クルーズ)は、ヘイヴンスとわざとぶつかる。
ミラーを気にしながら、搭乗手続きを済ませたヘイヴンズは、再び彼とぶつかってしまう。
同じボストンに向かう二人は搭乗口に向かうが、ヘイヴンズは便が違うと言われてしまう。
妹の結婚式が明日だと伝えるヘイヴンズは、満席だと言われ、結局その便への搭乗を拒否される。
ミラーはその便に向かうが、彼はヘイヴンズに”物事には理由がある”とささやく。
その頃、CIAのスパイ対策部長イザベル・ジョージ(ヴィオラ・デイヴィス)は、FBI特別捜査官ジョン・フィッツジェラルド(ピーター・サースガード)に、映像でミラーを監視させていた。 フィッツジェラルドは、ジョージから早急に”ゼファー”を取り戻すよう命ぜられ、ミラーと接触したヘイヴンズに目を付け、彼女を利用し、その便に搭乗させるよう手配する。 機内に現れたヘイヴンズは、乗客が4~5人しかいないことに気づく。 ミラーはヘイヴンズを見て驚き、”フィッツジェラルド”が仕組んだ事と気づき、何を企んでいるかを考える。 乱気流で揺れる機体を気にしながら、ミラーの近くに座ったヘイヴンズは、妹の結婚式が明日ではないことを彼に話す。 亡くなった父の希望だった、”ポンティアック・GTO”を復元させ、ヘイヴンズは、いつかその車でホーン岬に行きたいという夢などをミラーに語り会話を楽しむ。 ヘイヴンズはミラーに惹かれ始めるが、機内に持ち込んだ部品のバッグが乱気流で棚から落ち、それを彼が受け止める。 その弾みで、飲み物をこぼしてしまったヘイヴンズは洗面室に向かう。 その間ミラーは、機内にいた数人の乗客と客室乗務員、そして、パイロットとの銃撃戦を含めた攻防を繰り広げる。 洗面室のヘイヴンズは、ミラーとの恋の始まりを予感し、高まる気持ちを抑えながら席に戻る。 ヘイヴンズを待っていたミラーは彼女にキスされ、機体を操縦している者がいないことを彼女に伝え、コックピットに向かう。 機体が傾き、乗客が死んでいることに気づいたヘイヴンズは、コックピットで操縦を始めたミラーを見て驚いてしまう。 ミラーは機体をハイウェイに着陸させ、トウモロコシ畑に突っ込む。 その後ミラーは、当局からの取り調べがあるかもしれないことをヘイヴンズに伝え、彼女を睡眠薬で眠らせる。 そして、ヘイヴンズを自宅に戻したミラーは姿を消し、彼女は翌朝、朝食の支度などがしてある部屋で目覚める。 数時間後、ヘイヴンズは妹エイプリル(マギー・グレイス)の結婚式の準備のため、ドレスの試着などをしていた。 エイプリルが、父の車GTOを売りたいと言い出したことに、ヘイヴンズはショックを受ける。 その時ヘイヴンズは、フィッツジェラルドを含めたFBI捜査官に同行を求められる。 フィッツジェラルドに、ミラーに関するファイルを見せられたヘイヴンズは、昨夜、彼に言われたように白を切る。 しかし、空港での映像を見せられたヘイヴンズは、別の車に乗せられて移動する。 そこに、突然ミラーが現れ、追跡や銃撃戦の末に彼はヘイヴンズを救い出す。 何事が起こっているのか混乱したヘイヴンズは、隙を見てその場から逃げ去り、元ボーイフレンドの消防士ロドニー(マーク・ブルカス)のいる消防署に駆け込む。 ヘイヴンズとパイを食べに行ったロドニーだったが、現れたミラーが銃を手に客を脅して彼女を連れ去る。 それを追ったロドニーは、店の外でミラーに足を撃たれてしまう。 これで昇進が出来ると、急所を外したことをロドニーに伝えたミラーは、ヘイヴンズを連れて逃亡する。 ミラーは、自分に拉致された様子は防犯カメラが捉えているはずで、これで無実だと証明できることをヘイヴンズに伝える。 ヘイヴンズを落ち着かせたミラーは、永久バッテリーの”ゼファー”を開発した、天才発明家サイモン・フェック(ポール・ダノ)の存在を知らせる。 CIAのジョージの部下ミラーは、フェックの護衛を共にしていたフィッツジェラルドが、”ゼファー”を売りフェックを殺そうとしていることも話す。 ミラーは、フェックの身の安全を確保し、”ゼファー”を取りに戻すものの、フィッツジェラルドの罠にはまり、裏切り者にされてしまったのだった。 自分が安全だと言って、ヘイヴンズを安心させたミラーは、フェックの隠れ家に向かう。 ニューヨーク、ブルックリン。 しかし、ミラーとヘイヴンズは、”ゼファー”を狙うスペインの武器商人アントニオ・キンターナ(ジョルディ・モリャ)の手下の襲撃を受ける。 ミラーは再びヘイヴンズを薬で眠らせ、アントニオの手下に捕らえられながらも逃亡し、彼女をある島に連れて行く。 ヘイヴンズは、自分を危険にさらすミラーに憤慨するが、ボストンからの彼の携帯電話のメッセージに注目する。 その時、ヘイヴンズの携帯電話が鳴り、妹エイプリルからの電話に出たことで、アントニオに逆探知され、その場所を知られてしまう。 一味は、無人機で攻撃を仕掛け、ミラーとヘイヴンズを殺そうとする。 再びヘイヴンズを眠らせたミラーは、電車でアルプス山脈を通過し、彼女は独りで目覚めて食堂車に向かう。 ミラーのメッセージを見たヘイヴンズは、彼がフェックといることを知る。 ヘイヴンズは、アントニオが差し向けたドイツ人の殺し屋の手から逃れ、男は彼女と現れたミラーによって殺される。 フィッツジェラルドは、ジョージの命令でその場に到着し、それを振り切ったミラーらは、ザルツブルグのホテルに向かう。 部屋を出ない方が安全だと言われながら、ヘイヴンズは外出したミラーを追い、彼が、謎の女性ナオミ(ガル・ガドット)と接触するのを目撃する。 そしてヘイヴンズは、ミラーが”ゼファー”をアントニオに売ろうとしていることを知る。 その後、ヘイヴンズはジョージとフィッツジェラルドの元に連れて行かれ、ミラーが空港で彼女のバッグに”ゼファー”を隠した画像を見せて協力を要請する。 ミラーが危険人物だと知らされたヘイヴンズは、合図用のペン型送信機を渡される。 ホテルでミラーを待っていたヘイヴンズは、”ゼファー”が加熱する兆候にあることを彼から知らさせる。 ヘイヴンズはペンで信号を発信し、その直後、危険を察知したミラーは建物の屋根に逃げ、フィッツジェラルドらに追われ、撃たれて運河に転落する。 フェックは保護され、ヘイヴンズは、妹エイプリルの結婚式に出席する。 ドイツ、シュヴェーデルバッハ。 その頃ヘイヴンズは、ミラーの携帯電話のボストンの住所を思い出し、”ポンティアック・GTO”でその場に向かう。 そこは、ミラーの両親フランク・ジェンキンス(デイル・ダイ)とモリー・ナイト(セリア・ウェストン)の家で、ヘイヴンズはミラーの本名が”マシュー・ナイト”だと知る。 マシュー(ミラー)は、元陸軍軍曹で”イーグル・スカウト”だったのだが、両親は彼は死んだものと思い込んでいた。 その後、ヘイヴンズは、”ゼファー”を持っていると言って、わざとアントニオの手下に捕らえられる。 スペイン、セビリア。 アントニオは、フェックを捕らえたフィッツジェラルドに金を支払おうとする。 ミラーは、iPhoneの追跡アプリでフェックの位置を確認し、ヘイヴンズがいるのに気づき彼女を救い出す。 二人は、オートバイでフィッツジェラルドとフェックを追う。 フィッツジェラルドを追い詰めたミラーだったが、仕方なく”ゼファー”を渡す。 水陸両用機で逃亡したフィッツジェラルドだったが、不安定な”ゼファー”は加熱して爆破して機は墜落する。 フィッツジェラルドの弾丸を受けたミラーは病院に運ばれ、一命を取り留めて意識が戻る。 ワシントンD.C.。 ヘイヴンズのことを気にしたミラーは、仕事を続けるためには、彼女のことを忘れることだとジョージに言われる。 その後、看護師に薬を飲まされたミラーは、意識を失いかける。 しかし、看護師に扮していたヘイヴンズは、ミラーを遺体に見せかけて病院から脱出する。 意識を失っていたミラーは、ヘイヴンズの”ポンティアック・GTO”の中で目覚める。 ヘイヴンズはミラーにキスし、彼女はホーン岬に向かうために、沿岸の道路を走り始める。 その後、マシュー(ミラー)の母モリーは、ホーン岬行きの二枚の航空チケットを受け取る。 モリーは、夫フランクが、パソコンで誤って予約してしまったのだと思うが、彼女は南米に行くと言い張る。
...全てを見る(結末あり)
現場に到着したミラーは、フェックがいないことに気づき、電車マニアの彼が、オーストリアの列車に乗っているだろうという手がかりを見つける。
フィッツジェラルドは同僚を射殺し、”ゼファー”がみつからないまま、フェックをアントニオの元に連れて行こうとする。
ヘイヴンズは自白剤を投与されるが、アントニオは彼女が”ゼファー”を持っていないことに気づく。
ミラーは、ジョージから謝罪され、不正行為を行っていた捜査官の一掃が出来たことを感謝される。
*(簡略ストー リー)
車の部品を調達したジューン・ヘイヴンズは、空港で謎の男ロイ・ミラーに目を付けられる。
ミラーを追うCIAとFBIの監視下で、彼と接触したヘイヴンズは、危険を伴う事件に巻き込まれていく。
その後ミラーは、永久使用が可能なバッテリー”ゼファー”争奪に絡む陰謀に関わっていることをヘイヴンズに伝える。
ヘイヴンズは、逃れることが出来なくなってしまい、そんな彼女を連れたミラーは、敵の襲撃をかわしていくのだが・・・。
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ハリウッドの超ビッグネーム、トム・クルーズとキャメロン・ディアスが、「バニラ・スカイ」(2001)以来の共演ということで大いに話題になった作品。
しかし、大きな期待とは裏腹に、北米興行収入では、近年のトム・クルーズ作品としては最悪に近い、約7600万ドルに終わった。
2人の圧倒的な知名度からか、全世界では約2億6200万ドルのヒットとなった。
これだけのビッグスターの顔写真を載せないポスターも話題になり、トム・クルーズの人気の陰りを指摘された関係者は、それを”敗因”にもあげている。
確かにやや古風な感じを受けるポスターは、逆に新鮮にも思えるが、大きなインパクトを与えられなかったのは確かだろう。
また、当然ながらアップの多いトム・クルーズが、さすがに”老けた”なという感じも否めず、コメディに近い内容のためか、あえて主人公を戦いの”精鋭”、”達人”だという押し付けがましい演出が目立つ。
彼のアクション、特に肉弾戦はまずまず切れはある。
しかし、画期的なアクション・シーンなどという前宣伝ほどではなく、平均的な仕上がりだ。
一方、40歳に近いキャメロン・ディアスは、水着姿他も美しく、実際よりも若く見えると共に、犯罪に巻き込まれる平凡な女性を、体を張った演技で熱演している。
ボストン、ニューヨーク、オーストリア、スペインなどを舞台にした、スケール感や美しい映像、目まぐるしい展開を見事にまとめ上げた、ジェームズ・マンゴールドの演出も見応えはある。
陰謀の黒幕のFBI捜査官ピーター・サースガード、スペインの武器商人ジョルディ・モリャ、青年天才発明家ポール・ダノ、CIAのスパイ対策部長ヴィオラ・デイヴィス、ヘイヴンズの妹マギー・グレイス、同じく元恋人マーク・ブルカス、ミラーの両親デイル・ダイ、セリア・ウェストンなどが共演している。