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死の接吻 Kiss of Death (1947)

宝石強盗で逮捕された男が家族のために検察側の協力者になり犯罪者を捕らえようとする姿を描く、監督ヘンリー・ハサウェイ、主演ヴィクター・マチュアブライアン・ドンレヴィコリーン・グレイリチャード・ウィドマークカール・マルデン他共演の犯罪ドラマであるフィルム・ノワールの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:ヘンリー・ハサウェイ

製作:フレッド・コールマー
原作:エリーザー・リプスキー
脚本
ベン・ヘクト
チャールズ・レデラー
撮影:ノーバート・ブロダイン
編集:J.ワトソンウェッブJr.
音楽:デヴィッド・バトルフ

出演
ニック・ビアンコ/ニック・カヴァッロ:ヴィクター・マチュア
ルイス・ディアンジェロ:ブライアン・ドンレヴィ
ネティ・カヴァッロ:コリーン・グレイ
トミー・ユードー:リチャード・ウィドマーク
アール・ハウザー:テイラー・ホームズ
刑務所長:ハワード・スミス
ウィリアム・カレン巡査部長:カール・マルデン
囚人:ジョン・マーレー
シェルビィ刑事:ミラード・ミッチェル
リゾ夫人:ミルドレッド・ダンノック

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1947年製作 99分
公開
北米:1947年8月27日
日本:1952年9月18日
製作費 $1,520,000


アカデミー賞
第20回アカデミー賞

・ノミネート
助演男優(リチャード・ウィドマーク
原案賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨーク、クリスマス・イブ。
犯罪者ニック・ビアンコ(ヴィクター・マチュア)は、前科者ということで職を得ることができなかった。

妻子がいる身のニックは、仲間3人と共に宝石商を襲う。

その場にいた2人を痛めつけて拘束したニックらは、宝石を奪い逃げようとする。

拘束されていた宝石商の1人が警報を鳴らして警官が駆け付け、逃げようとしたニックは、脚を撃たれて逮捕される。

同じことが20年前にも置き、父親が警官に射殺されるのをニックは目撃していた。

刑事裁判所。
地方検事補ルイス・ディアンジェロ(ブライアン・ドンレヴィ)は、シェルビィ刑事(ミラード・ミッチェル)が連れて来たニックと話をする。

仲間の3人の情報提供を拒んだニックだったが、ディアンジェロから2人の娘の話をされ、妻と子供たちのことを考えろと言われ協力を求められる。

しかし、それを拒んだニックは収監されることになる。

弁護士のアール・ハウザー(テイラー・ホームズ)と話したニックは、裁判の判決には期待できないが、仮出獄ができるよう努力すると言う彼を信用する。

ニックは、留置場で一緒になった悪党のトミー・ユードー(リチャード・ウィドマーク)と話をする。
...全てを見る(結末あり)

ニックに会いに来たディアンジェロは、再び取引を拒む彼に、自分が”保険”になると伝える。

オシニング
20年の懲役刑を言い渡されたニックは、シンシン刑務所に収監される。

3年後、ニックは、妻から3ヶ月も手紙がこないことが気になる。

同じ囚人の情報で妻が死んだことを知ったニックは、ショックを受ける。

図書室で新聞をチェックしたニックは、妻がガス自殺し、娘2人が施設に入れられたことを知る。

その後、かつてニックの娘たちの子守をしたことがあるネティ(コリーン・グレイ)は、刑務所に向かいニックと面会する。

ニックは、施設で子供たちに会ったというネティの話を聞き、悩んでいた様子の妻が、宝石強盗の仲間ピート・リゾと関係していたことを知る。

所長(ハワード・スミス)と話をしたニックは、ディアンジェロに連絡したいことを伝えて、”保険”の件について話したいという伝言を彼に託す。

ディアンジェロに会えたニックは、すべてを打ち明けることを決意するものの、3年前の提案に同意しなかったために協力できないと言われ、子供に会わせてもらうことだけは約束してもらう。

気が変わった理由を訊かれたニックは、家族は仲間が守ってくれると思ったが裏切られ、妻が自殺したからだとディアンジェロに伝える。

同席していたウィリアム・カレン巡査部長(カール・マルデン)から、宝石強盗のことを訊かれたニックは、リゾら共犯者の名前を伝える。

悪徳弁護士ハウザーも絡んでいることを知ったディアンジェロは、子供に会わすという条件でニックに今後の協力も要求し、他の犯行も聞き出す。

ディアンジェロは、ニックをかつての犯行、毛皮強盗の件で逮捕したことにして、証拠不十分で釈放することを伝る。

宝石強盗の件では、運転担当のリゾは泳がし、他の2人を逮捕してリゾを密告者にする考えを、ディアンジェロはカレンに伝える。

ディアンジェロは、ハウザーを呼び出し、毛皮の件でリゾに密告されたと話すようニックに指示する。

翌日ニックは、ディアンジェロとシェルビィと共に施設に向かい、娘のコニーとロージーに再会し、2人を抱きしめる。

その後、面会に来たハウザーと話したニックは、4年前の毛皮強盗の件をリゾが密告したことを伝える。

オフィスに戻りユードーに連絡したハウザーは、リゾを始末するよう指示する。

リゾのアパートに向かったユードーは、車椅子生活の母親(ミルドレッド・ダンノック)と話し、リゾが逃げたことに気づく。

母親を脅したユードーは、照明のコードを引きちぎり、彼女を車椅子に縛り付けて、容赦なく階段から突き落とす。

ハウザーに電話をしたユードーは、リゾが密告する恐れはなくなったと伝える。

仮出獄が認められたニックはネティのアパートに向かい、惹かれ合う2人はキスする。

ディアンジェロから電話を受けたニックは、ハウザーから連絡があり、仮出獄を自分の手柄のように話していたと言われ、ユードーがボクシング会場にいることを知る。

ネティに愛を告げたニックは、暫く会えないが信じてほしいと伝えてその場を去る。

ボクシング会場で、ユードーと偶然、会ったように見せかけたニックは、彼と恋人と共にクラブに向かい、その後も何軒かの店に連れて行かれる。

その件をディアンジェロに話したニックは、ユードーを有罪にできることを確信した彼から、これ以上の情報はいらないと言われて、この件から解放される。

クイーンズアストリア
その後、ニックはネティと結婚して娘たちと共に暮らし始め、レンガ工場で労働者として働く。

ディアンジェロに呼ばれたニックは、逮捕したユードーの公判があり、その件で証言することを求められ、家族のためにそれに従うしかなかった。

その後、ディアンジェロからの連絡を受けたニックは、予想とは違う展開となり、ユードーが無罪になり釈放されたことを知る。

家族のことが心配になったニックは、警戒して眠ることができず、ネティにユードーが釈放されたことを話す。

ネティと子供を逃がすことを考えたニックは、翌日、駅に彼女らを送り、旅立つ3人を見送る。

その夜ニックは、現れたディアンジェロに手にしていた銃を渡し、家族を田舎に向かわせたことを話す。

ユードーの居場所が分からないとニックに伝えたディアンジェロは、彼の安全を考えて連行しようとする。

ディアンジェロは、ユードーを殺すつもりのニックに、彼がもう一度、罪を犯せば終身刑になると伝える。

連行しようとするディアンジェロを殴って気絶させたニックは、銃を手にして街に向かいユードーを捜す。

ユードーをレストランで見つけたニックは、ディアンジェロに電話をして、37分署で待つよう指示する。

店に入りユードーと話したニックは、自分が密告したことを伝える。

気にしていないと言うユードーは妻子のことを話題にするが、ニックから、家族に手出ししたらすべてをバラすつと言う彼に脅される。

ニックは、ユードーが外の車で自分を待ち伏せしていることに気づき、ディアンジェロに電話をして状況を話し、ユードーを挑発して発砲させるので、2分後に来るようにと伝える。

銃を受付の女性に渡したニックは、外に出て車のユードーを挑発する。

手下の銃を奪ったユードーはニックを銃撃するものの、警察が駆け付ける。

逃げようとしたユードーは、銃撃されて捕らえられる。

ディアンジェロはニックに駆け寄り、ユードーを生かして捕らえたことを伝える。

手当てを受けたニックは、救急車で病院に運ばれる。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
ニューヨーク
犯罪者のニック・ビアンコは、仲間3人と共に宝石商を襲うものの、駆け付けた警官に逮捕される。
地方検事補のディアンジェロから仲間の情報を求められたニックは、それを拒んだために、減刑されることなく懲役刑となる。
3年後、妻が自殺して2人の娘が施設に入れられたことを知ったニックは、彼女らのことを考え、ディアンジェロと取引して情報を提供するのだが・・・。
__________

西部劇やアクションなど様々な話題作を手掛けるヘンリー・ハサウェイが監督し、ヴィクター・マチュアが主演した作品。

宝石強盗で逮捕された男が、家族を守るために検察側の協力者になり犯罪者を捕らえようとする姿を描く、フィルム・ノワールの秀作。

犯罪者を利用して捜査を行う強かな検察側の思惑が興味深く、それに協力した主人公の苦悩などの心理描写と共に力強いタッチで描く、ヘンリー・ハサウェイの無駄のない軽快な演出手腕が見どころの作品。

第20回アカデミー賞では、助演男優(リチャード・ウィドマーク)と原案賞にノミネートされた。

主演のヴィクター・マチュアは、少年時代から悪事に手を染めた犯罪者を雰囲気ある演技で熱演し、夫そして父親として命を懸けで家族を守ろうとする主人公を見事に演じている。

注目は、本作がデビュー作のリチャード・ウィドマークの演技で、不気味な笑いのサイコ・キラーを怪演し、アカデミー助演賞にノミネートされた。
特に、密告者が逃げたことを知り、車椅子の母親を容赦なく階段から突き落として殺害するショッキングなシーンが印象に残る。

主人公を捜査の協力者として利用するだけでなく、社会復帰に手を貸す人間味がある地方検事補を好演するブライアン・ドンレヴィ、主人公と愛し合うようになる元隣人のコリーン・グレイ(ナレーターも兼ねる)、裏社会に関わる悪徳弁護士テイラー・ホームズ、刑務所長のハワード・スミス、巡査部長のカール・マルデン、主人公の隣りの監房の囚人ジョン・マーレー、刑事のミラード・ミッチェル、主人公の仲間の母親でユードー(リチャード・ウィドマーク)に殺されるミルドレッド・ダンノックなどが共演している。


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