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キング・ソロモン King Solomon’s Mines (1950)

1885年に発表された、ヘンリー・ライダー・ハガードの小説”King Solomon’s Mines”を基に製作された「キング・ソロモン」(1937)のリメイク。
”キング・ソロモンの秘宝”を求めて消息を絶った夫を捜す妻と雇われたガイドの冒険を描く、製作サム・ジンバリスト、監督コンプトン・ベネットアンドリュー・マートン、主演デボラ・カースチュワート・グレンジャーリチャード・カールソン他共演のアクション・アドベンチャー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト
監督

コンプトン・ベネット
アンドリュー・マートン
製作:サム・ジンバリスト
脚本:ヘレン・ドイチュ
原作:ヘンリー・ライダー・ハガードKing Solomon’s Mines
撮影:ロバート・サーティース
編集
コンラッド・A・ネルヴィッヒ
ラルフ・E・ウィンタース
音楽:ミッシャ・スポリアンスキー

出演
エリザベス・カーティス:デボラ・カー
アラン・クォーターメイン:スチュワート・グレンジャー
ジョン・グード:リチャード・カールソン
ヴァン・ブリュン/スミス:ヒューゴー・ハース
エリック・マスターズ:ローウェル・ギルモア

アメリカ 映画
配給 MGM
1950年製作 103分
公開
北米:1950年11月24日
日本:1952年2月8日
製作費 $2,258,000
北米興行収入 $5,047,000


アカデミー賞
第23回アカデミー賞

・受賞
撮影(カラー)・編集賞
・ノミネート
作品賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1897年、アフリカ
経験豊富なガイドでありハンターのアラン・クォーターメイン(スチュワート・グレンジャー)は、地区弁務官のエリック・マスターズ(ローウェル・ギルモア)から、富豪である名士からの仕事の依頼があったことを知らされる。

8年間も一緒に行動した地元の部族民を失ったばかりのアランは、それを引き受ける気になれなかった。

引退して家を直し、息子をロンドンから呼び寄せるつもりのアランは、エリックから、子供を育てる環境ではないと言われ、それならば自分がイングランドに帰国すると伝える。
...全てを見る(結末あり)

エリックから、ガイドの第一人者としての名声を捨てるのかと言われたアランは、カーティスという男に関係している仕事だと知り覚えているか訊かれる。

カーティスは1年半ほど前に伝説のダイヤを探していたイギリス人であり、その時は断ったと言うアランは、今回の依頼はその妻からだということを知らされる。

アランから、女をサファリに連れて行くことなどごめんだと言われたエリックは、諦めてその場を去る。

翌日、エリックの事務所に向かったアランは、その場にいた今回の依頼人の兄ジョン・グード(リチャード・カールソン)と話をする。

せめて情報だけでも欲しいと言うジョンは、2年前に妹の夫がここに来て西に向かい、未開の地で行方不明になったことをアランに伝える。

その時に自分は同行を断り、カーティスは奥地にあるという伝説のダイヤを探していたとしか知らないと言うアランは、あの地から生還したものはいないために、中止するようにと忠告したことをエリックに話す。

義弟が生存している可能性があると言うジョンに、捕虜としてであってもその可能性は低いと伝えたアランは、夫が密林をさ迷う悪夢に妹がうなされているという話を聞く。

エリックから、カーティスがカルアナに向かったことが考えられると言われたアランは、地図をジョンに見せながら捜索は困難だと伝える。

義弟からの手紙で地図が送られてきたと言われたアランは、カルアナから先の地図は存在しないと伝えるものの、それを見せられる。

疑いながらも地図を確認したアランは、カーティスの目的が”キング・ソロモンの秘宝”であることを知る。

諦めないジョンから協力を求められたアランは、女連れでは無理だと伝えて、改めて依頼を断りその場を去る。

その夜、訪ねて来たエリザベス・カーティス(デボラ・カー)から報酬の話をされたアランは、破格の5000ポンドを提示される。

失敗して引き返しても出すと言われたアランは、前金で5000、戻った際に500ポンド払うことを約束するエリザベスに、案内してもいいと伝える。

このままこの仕事をすれば、いずれ野獣か原住民に襲われ熱病で死ぬ可能性もあると言うアランは、6年前に死んだ妻のことを話し、息子の教育費にもなるとエリザベスに伝える。

アランの態度や言葉が気になるエリザベスは、考えがあるなら話していいと伝える。

今回の件は、夫の死を確認しなけらば遺産が入らないために行う捜索ではないかと言われたエリザベスは、夫がダイヤを探すのは自分の財産が欲しかったからで、我が家の財産はすべて自分のものだとアランに伝える。

危険な旅に出ようとするエリザベスが理解できないアランは、夫への愛のためだと言われる。

金のために行動していると言うアランに、息子のことを思うなら違う人生も考えられるはずだと言うエリザベスは、何かに絶望している様子の彼にそれを問う。

何も答えないアランに、明日、エリックの事務所で待つと伝えたエリザベスはその場を去る。

翌日、出発したアランはジョンから感謝される。

暫くすると、エリザベスは暑さと馬車の揺れで気分が悪くなる。

狩りに出かけるようなエリザベスの服装を気にするアランは、軽装に着替えるよう彼女に指示する。

着替えたエリザベスの洋服にオオグモがついていることに気づいたアランは、それを払い除ける。

クモを見て驚いたエリザベスは、失神してしまう。

厳しい自然環境の中、目的地を目指すアランは、カルアナ村に向かうことをエリザベスとジョンに伝える。

今後、待ち受ける危険について話すアランは、強がるエリザベスを牽制する。

その夜、眠りながらうなされるエリザベスの声に気づいたアランは、彼女のテントに向かい、いつもの悪夢だと言う彼女から謝罪される。

翌朝、同行していた人足は引き返すことになり、戻ることをジョンから提案されたエリザベスだったが、その気はなかった。

太古の昔から続く自然の生存競争などを語るアランは、象こそがライオンをも上回る百獣の王だと、エリザベスとジョンに話す。

弱肉強食の自然界の話などをするアランに、あなたは、エリザベスは人生に幻滅していると伝える。

その意味が分からないジョンは、アランから、エリザベスは鋭い指摘をすると言われる。

途中、手土産だと言うアランは、シカを仕留めて人足に運ばせる。

茂みの中の誰かに監視されていることに気づいたエリザベスは、それをアランに知らせる。

承知しているアランは、偵察だとエリザベスに伝える。

村に着いたアランは、姿を見せない村人のためにシカと貴重な塩を用意する。

村人が姿を現し、部族長に塩を渡したアランは、移動するのに必要な船を借りるために交渉を始める。

船を借りて移動した一行は、陸に上がり先を急ぎ。ジョンは、エリザベスとアランがいがみ合っていることを気にする。

戻ることを提案するジョンは納得しないエリザベスに、アランに謝罪して友情を示すようにと伝える。

その夜、眠っていたエリザベスは、獣がテントを破ろうとしていることに気づき発砲する。

エリザベスの叫び声を聞いてテントに向かったアランは、何もいないことを確認して、いつもの悪夢だと考える。

信じてもらえないエリザベスは、無駄に弾を使うなと言うアランに、何かが爪でテントを裂いたと伝える。

それを確認したアランは、弾は外れたと言って見張ることにするが、エリザベスは怒りが収まらない。

翌日、山火事で動物達が暴走し、アランらは隠れるものの何人かが犠牲になる。

川にいた現地人から情報を得たアランは、その場で野営をする。

長い髪の毛が気になるエリザベスは、思い切ってそれを切ってしまう。

水浴びをして岩場で休んでいたエリザベスは、髪を切ったことに気づいたアランから声をかけられる。

孵化したワニの子供などを見た二人は心が和む。

長身の部族民ウムボパに出会い話したアランは、人足として同行したいと言われる。

奥地に行きたい理由を訊いても答えないウムボパを怪しいと思いながらも、アランは彼の同行を許す。

逃げる者も現れ人足達が帰りたがっていることを知ったアランは、戻る気がないことをエリザベスに確認する。

恐れる人足達の気持ちが、アランは理解できる。

アランは、エリザベスとジョンと共に異様な雰囲気のウムボパのことが気になる。

翌朝、召使いのキーヴァから人足達が逃げたことを知らされたアランは、戻ることも考えるものの、そのまま進みたいと言うエリザベスとジョンの意見を聞き目的地を目指す。

その後も、夜はうなされ、昼は倒れそうになるエリザベスを気遣うアランは、次第に彼女を意識し合うようになる。

翌日、村人を見かけたアランは、その場に白人が住んでいることを知る。

村に着いたアランは、現れた男(ヒューゴー・ハース)が夫でないことをエリザベスに確認して話をする。

5年以上住んでいると言う男はスミスと名乗り、アランらが捜している”ヘンリー・カーティス”を知っていたために情報を求められる。

アランからブランデーを受け取ったスミスは、カーティスは北西の砂漠に向かい、今頃は生きていないだろうと伝える。

ダイヤの伝説などないと言うスミスは、それを信じて砂漠に向かったカーティスを止めなかったことを三人に話す。

殺意を示す部族の踊りが始まり、警戒しながらスミスからその後の話を聞いたアランは、カーティスに同行した片目の男が一人で戻ったことを知る。

スミスが指名手配中の殺人犯ヴァン・ブリュンだと気づいていたアランは、彼に銃を向けて砂漠に案内させようとする。

部族民に出した指示を取り消せと言ってヴァン・ブリュンを外に連れて行ったアランは、村から離れる。

エリザベスが歩けなくなり、その隙にキーヴァの銃を奪ったヴァン・ブリュンは、アランを守ろうとした彼を銃撃する。

ヴァン・ブリュンを射殺したアランは、キーヴァを担いでその場から逃げる。

日が暮れた森の中で部族民に追われるアランは、息を引き取ったキーヴァを草で隠す。

ウムボパがおとりになり、アランらは木に登って隠れる。

翌朝、目覚めたエリザベスとアランは、見つめ合いキスする。

一行は出発し、エリザベスは、素手でコブラを殺すアランを逞しく思う。

その後、地図にあった砂漠を前にアランは、ここに到達したカーティスは泉を見つけたはずだと、エリザベスとジョンに伝える。

砂漠を進むアランは、前方に見える地図にあった二つの山まで5日はかかると考える。

疲労で倒れたエリザベスを抱きしめるアランは、ウムボパが泉を見つけたことを知り、彼女と共にその場に向かう。

休息した4人は山を越え、緑の草原が広がる場所に到着する。

墓を見つけたアランは、その場にあった銃に刻まれていた、”弾丸が尽きたために北西に向かう、ロンドンのエリザベスに連絡を”とカーティスが書いた文字を確認して、エリザベスとジョンにそれを伝える。

エリザベスに冷たくされたことがカーティスの旅の目的だったことを知ったジョンは、それを償うためにここまで来たことを彼女に確認する。

アランに指摘されてそれが罪悪感だと気づき、悪夢も消えたと話すエリザベスは、夫に会えば別の悪夢が始まるとジョンに伝えるものの、その時に考えればいいと言われる。

シカを見つけたアランは、空腹だと言うエリザベスとジョンのために、弾は3発しか残っていなかったもののそれを仕留める。

そこに、ウムボパとよく似た長身の部族民が現れる。

ウムボパは彼らと話し、腹部に刻まれたヘビの模様を見せる。

それを見た二人は拝み始め、ウムボパが部族の王であり、奪われた王位の奪還のために戻ったことを、アランはエリザベスとジョンに伝える。

今の王はウムボパの従兄で冷酷非情だと知ったアランは、エリザベスとジョンと共に村に向かう。

トゥワラ王の元に案内されたアランは、王や呪術師の額にダイヤの原石が飾られていることに気づき、カーティスがこの場にいると考える。

王に指示された男が剣を抜くが、ジョンが射殺する。

銃を知らない部族民は驚き、アランは、残りの弾が1発であることに相手が気づいていないはずだと、エリザベスとジョンに伝える。

呪術師から、カーティスの居場所に案内すると言われたアランらは、それを信じてついて行く。

洞窟に着き、”キング・ソロモンの秘宝”を確認したアランらは、カーティスの白骨死体を見つける。

その隙に呪術師は入り口を塞ぎ、アランらは閉じ込められる。

松明が消えないために空気が入ってきていることに気づいたアランらは、地下の水路を見つけて脱出する。

反乱軍を引き連れたウムボパが現れ、アランらは、一対一の対決で王を決める戦いの場に向かう。

王の証である腹部のヘビの印を見せるウムボパとトゥワラの対決が始まる。

トゥワラを倒したウムボパは王となり、アランとエリザベス、そしてジョンは、彼に見送られながら村を離れる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1897年、アフリカ
経験豊富なガイドでありハンターのアラン・クォーターメインは、富豪婦人エリザベス・カーティスと兄のジョンから、彼女の夫の捜索を依頼される。
カーティスが”キング・ソロモンの秘宝”を探し求める旅に出たことを知り、当初は断ったアランだったが、破格の報酬を提示されてそれを受けることにする。
出発したアランは、自然の厳しさを軽視するエリザベスと対立しながら旅を続け、様々な危険に遭いながら目的地を目指すのだが・・・。
__________

ヘンリー・ライダー・ハガードの冒険小説を基に製作された「キング・ソロモン」(1973)のリメイクであり、この後も何度も映画化されることになる、最もポピュラーな冒険物語。

今では当たり前のように思える、アフリカの大自然や動物達を映し出す映像は当時としては高く評価され、第23回アカデミー賞ロバート・サーティースが撮影(カラー)を受賞した。
また、編集賞も受賞し、作品賞にもノミネートされた。

”キング・ソロモンの秘宝”を発見するまでのストーリーはやや面白味に欠けるが、クライマックスで描かれる、人間離れした長身部族内の王位奪還の物語は見せ場の一つだ。

”貴婦人”として登場するヒロインを演ずるデボラ・カーが、大自然の厳しさの中で次第に変化していくのだが、形振り構わず旅を続ける後半の彼女の方が、美しく魅力的に見える演出に注目したい。
見かけはエレガントであっても強情であり、終始弱みを見せようとしない女性を彼女は好演している。

そんなヒロインと対立しながらも惹かれ合うようになる、経験豊富で逞しいガイドの”アラン・クォーターメイン”を演じるスチュワート・グレンジャーの熱演も見もので、デボラ・カーとは実生活で不倫関係にあったと言われることを考えると、実に興味深く鑑賞できる。

捜索に加わるヒロインの兄リチャード・カールソン、途中の村で主人公らに関わる指名手配中の殺人犯ヒューゴー・ハース、地区の弁務官ローウェル・ギルモアなどが共演している。


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