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キル・ザ・ギャング Kill the Irishman (2011)

実在のギャング、ダニー・グリーンのマフィアとの壮絶な抗争を描く、監督ジョナサン・ヘンズリー、主演レイ・スティーヴンソンヴィンセント・ドノフリオヴァル・キルマークリストファー・ウォーケン他共演の犯罪ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:ジョナサン・ヘンズリー

製作
アル・コーリー

ユージーン・ムッソ
トミー・リード
タラ・リード
原作:リック・ポレロ
”To Kill the Irishman: The War That Crippled the Mafia”
脚本
ジョナサン・ヘンズリー

ジェレミー・ウォルターズ
撮影:カール・ウォルター・リンデンローブ

編集:ダグラス・クライズ
音楽:パトリック・キャシディ

出演
ダニー・グリーンレイ・スティーヴンソン

ジョン・ナルディヴィンセント・ドノフリオ
ジョー・マンディツキー:ヴァル・キルマー
アレックス”ションドー”バーンズクリストファー・ウォーケン
アンソニー・サレルノポール・ソルヴィノ
ジャック・リカヴォリトニー・ロー・ビアンコ
レオ”リップス”モセーリ:マイク・スター
ジョーン・マディガン:リンダ・カーデリーニ
レイ・フェリートロバート・デヴィ
ジェリー・メルク:ボブ・ガントン
グレース・オキーフ:フィオヌラ・フラナガン
キース・リットソン:ヴィニー・ジョーンズ
エリー・オハラ:ローラ・ラムゼー
マイク・フラート:スティーヴ・シリッパ
ジョー・ブカ:ジェフ・チェイス

アメリカ 映画
配給 Anchor Bay Films

2011年製作 106分
公開
北米:2011年3月11日
日本:未公開
北米興行収入 $1,187,710


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1975年、クリーブランド
アイルランド系アメリカ人のギャング、ダニー・グリーン(レイ・スティーヴンソン)の車が爆破されるが、彼は、爆破寸前にそれに気づき脱出する。

グリーンの級友で、刑事のジョー・マンディツキー(ヴァル・キルマー)は、彼を監視するよう指示を出す。
__________

子供の頃から喧嘩ばかりしていたグリーンは、犯罪に近い場所で育ち、マンディッキーは市警に入る。

1960年。
港湾労働者だったグリーンは過酷な労働を強いられていたが、人望が厚くリーダー的な存在だった。
...全てを見る(結末あり)

そんなグリーンは、イタリア系マフィアのジョン・ナルディ(ヴィンセント・ドノフリオ)に気に入られる。

労働組合長ジェリー・メルク(ボブ・ガントン)は、組合長に推薦される話もあるグリーンに脅しをかけ、ナルディとの儲けの分け前まで要求する。

現金を、メルクの部下で巨漢のジョー・ブカ(ジェフ・チェイス)に渡したグリーンは、銃を抜いた彼に、素手で戦うよう挑発する。

ジョーを難なく叩きのめしたグリーンは、メルクを追放して、新組合長になる。

グリーンは、恋人ジョーン・マディガン(リンダ・カーデリーニ)と結婚もして、マンディッキーは、その頃、ようやく、不明だった級友の所在を知ることになる。

ナルディと組んだグリーンは、大きな影響力を持つのだが、そのことが汚職として新聞記事になってしまう。

逮捕されたグリーンは12の容疑で起訴され、妻ジョーンもショックを受け、一気に生活が苦しくなる。

その後、グリーンは組合から去り、警察に情報を流すことを条件に釈放される。

グリーンは、ナルディに高利貸しのアレックス”ションドー”バーンズ(クリストファー・ウォーケン)を紹介され、取り立て屋を始める。

仲間達を集め、以前の勢いを取り戻したグリーンは、再びナルディの口利きで、大物ギャングのジャック・リカヴォリ(トニー・ロー・ビアンコ)に会い、ゴミ回収を仕切る許可を得て、業者を強引に組合に加盟させる。

有無を言わせないグリーンの行動は順調に進むが、友人の回収業者マイク・フラート(スティーヴ・シリッパ)が、組合に入ることを断固として拒否する。

リカヴォリは、フラートを始末するようグリーンに指示を出すが、彼は、10人も子供がいる男を殺すことをさすがにためらう。

1971年10月31日。
フラートを爆殺する予定だったが、グリーンはそれに失敗する。

翌日、フラートに襲われ発砲されたグリーンは、結局は彼を射殺してしまい、警察に逮捕される。

グリーンはマンディッキーの尋問を受けた後、正当防衛が認められて釈放されるが、妻ジョーンは、子供を連れて彼の元を去る。

4年後。
同じアイルランド系の近所の婦人、グレース・オキーフ(フィオヌラ・フラナガン)の気の強さに惚れ込んでいたグリーンは、彼女に、優しい心を持っているはずだと言われ、父親の形見のロザリオを贈られる。

街の人々は、グリーンから多くの施しを受け、彼は皆に慕われていた。

そんなグリーンは、ダブリン風のレストランを開業する夢をションドーに伝え、彼の協力を得られることになる。

その後グリーンは、マンディッキーとも親交を深め、堅気になることも考える。

ニューヨークサウス・ブロンクス
マフィア殻借りた金を運び屋に使い込まれたションドーは、その金が警察に募集されたため、グリーンに、リカヴォリの仕事をいくつか無償でさせようとする。

しかし、自分が借りた金でもないことを主張し、グリーンションドーの指示に従わず、彼から命を狙われる。

自分の命に、2万5000ドルの報奨金がかけられていることを、ナルディに知らされたグリーンは、ションドーの指示に従うよう助言される。

その直後にグリーンの車は爆破され、それに気づき命拾いした彼は、現われたナルディの車に拾われて、その場を立ち去る。

それを知らされたマンディッキーは、グリーンを監視する指示を出す。

1975年3月29日、聖マラキ教会。
グリーンと仲間達は、ションドーキャデラックに爆弾を仕掛け、彼を爆殺する。

その後、リカヴォリクリーブランドを牛耳ることになり、彼はグリーンと話し合いの場を持つものの、物別れに終わる。

1975年5月12日。
グリーンは、恋人エリー・オハラ(ローラ・ラムゼー)と過ごしていた自宅を爆破されるが、二人は一命を取り留める。

リカヴォリは、グリーンを始末できず、怯えているという無能な手下レオ”リップス”モセーリ(マイク・スター)らを追放する。

その後もグリーンは、何度、命を狙われても、アイルランド人の誇りを胸に、逃げ隠れしなかった。

ナルディグリーンに歩み寄り、手を組んでリカヴォリを倒そうと言うことになり仲間達を集め、抗争が激化する。

グリーンは、エリーに指輪を渡し、堅気になり街を出る考えがあることを伝える。

ニューヨーク
ジェノヴェーゼ・ファミリー”のボス、アンソニー・サレルノ(ポール・ソルヴィノ)の元に向ったリカヴォリは、グリーンの始末を彼に任せることになる。

その後グリーンは、テキサスへの移住資金の200万ドルを、大胆にもサレルノから借りようとする。

グリーンは、牧場経営と牛肉組合を支配するビジネスを提案し、その分け前の分配をサレルノに約束する。

サレルノグリーンの度胸に驚き、話を検討することを伝えるが、予定通り彼とナルディの抹殺指令を出し、殺し屋レイ・フェリート(ロバート・デヴィ)を呼び寄せる。

1977年3月17日。
ナルディが、グリーンの目の前で爆殺され、ギャングの幹部らの殺害は続く。

レイグリーンの前に姿を現すが、銃を向けられても動ずることなく、何も言わずにその場を立ち去る。

しかし、グリーンの仲間、キース・リットソン(ヴィニー・ジョーンズ)らは、次々と殺される。

マンディッキーは、相手が手強いレイだとグリーンに知らせ、戦いを諦めるよう忠告をする。

戦う意思をマンディッキーに伝えたグリーンだったが、仲間のことを想い、エリーに愛を告げられ涙してしまう。

1977年10月6日。
歯科医の治療を受けたグリーンは、駐車場で、自分を英雄視する少年に、グレースから贈られたロザリオを渡す。

その直後に、レイを目撃したグリーンは、爆殺される。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
クリーブランド
無学な孤児として育った、アイルランド系の港湾労働者ダニー・グリーンは、人望厚くリーダー的な存在で、イタリア系マフィアのジョン・ナルディに気に入られる。
その後、強引に労働組合長になったグリーンは、次第に勢力を伸ばすが、汚職他が発覚して逮捕される。
組合を去り、警察に情報を流すという条件で釈放されたグリーンだったが、家族を抱えて生活は行き詰まり、ナルディに高利貸しのションドーを紹介され、取り立て屋になる。
さらに大物のギャング、リカヴォリにも紹介されたグリーンは、一帯のゴミ回収を仕切る許可を得る。
組合に入ることを拒む、友人の抹殺をためらってしまうグリーンだったが、仕方なくそれを実行する。
再び逮捕されたグリーンは、級友の刑事マンディッキーに尋問されただけで、正当防衛が認められて釈放される。
足を洗い、レストランの開業を考えたグリーンは、ションドーに、その資金提供の協力を約束される。
そんな時、その資金となる、ニューヨークマフィアの金が、運び屋の不手際で届かなくなり、それが原因で、ションドーグリーンの関係にひびが入り、命の奪い合いが始まってしまう・・・。
__________

リック・ポレロの原作”To Kill the Irishman: The War That Crippled the Mafia”を基に製作された作品。

どのような犯罪組織のドラマでも、ルーツの誇りと絆で結ばれている考えは描かれるのだが、主人公の、アイルランド人気質丸出しの、異常なまでの誇りと伝統を重んじる姿を、徹底して描いた作品。

ジョナサン・ヘンズリーの演出、脚本も丹念にまとめられている。
本国アメリカでは有名な人物、事件を扱った作品だけに、世間の注目度がよく分かる、実際のニュース・フィルム映像などが効果的に挿入され、リアリティを増している。

これでもかと言わんばかりの、凄まじい爆破場面の連続であり、バイオレンス・アクションとしても楽しめる内容、また、魅力的なキャスティングではあるが、残念ながら拡大公開にも至らず、日本では劇場未公開に終わった。

他の作品で脇役であると、今一物足りない役柄が多いレイ・スティーヴンソンだが、北アイルランド出身の彼は、193cmの長身を生かし画面狭しと迫力ある熱演を見せてくれる。

彼を支えるギャング、ジョン・ナルディヴィンセント・ドノフリオ、級友で刑事のヴァル・キルマー、高利貸しアレックス”ションドー”バーンズクリストファー・ウォーケンニューヨーク・マフィアのボス、アンソニー・サレルノポール・ソルヴィノクリーブランドを牛耳るジャック・リカヴォリ役のトニー・ロー・ビアンコ、その手下マイク・スター、主人公の妻リンダ・カーデリーニ、主人公を抹殺する殺し屋のレイ・フェリートロバート・デヴィ、労働組合長ボブ・ガントン、主人公が尊敬する婦人フィオヌラ・フラナガン、主人公の頼れる仲間ヴィニー・ジョーンズ、主人公の恋人ローラ・ラムゼー、ゴミ回収業者のスティーヴ・シリッパ、組合長の部下で巨漢のジェフ・チェイスなどが共演している。


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