1989年に発表された、エルモア・レナードの同名小説を基に製作された作品。 マフィアの殺し屋と手を組んだ別居中の夫婦の恐怖体験を描く、監督ジョン・マッデン、主演ミッキー・ローク、ダイアン・レイン、トーマス・ジェーン、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、ロザリオ・ドーソン、ハル・ホルブルック他共演の犯罪サスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・マッデン
製作
ローレンス・ベンダー
リチャード・N・グラッドスタイン
原作:エルモア・レナード
脚本:ホセイン・アミニ
撮影:キャレブ・デシャネル
編集:ミック・オーズリー
音楽:クラウス・バデルト
出演
アーマンド”ザ・ブラックバード”デガス:ミッキー・ローク
カーメン・コルソン:ダイアン・レイン
ウェイン・コルソン:トーマス・ジェーン
リッチー・ニックス:ジョゼフ・ゴードン=レヴィット
ドナ:ロザリオ・ドーソン
パパ:ハル・ホルブルック
アメリカ 映画
配給
Third Rail Releasing
FilmColony
ザ・ワインスタイン・カンパニー
2009年製作 95分
公開
北米:2009年1月23日
日本:未公開
北米興行収入 $17,010
世界 $2,891,360
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
マフィアの殺し屋アーマンド”ザ・ブラックバード”デガス(ミッキー・ローク)は、ボスの”パパ”(ハル・ホルブルック)殺害を、彼の義理の息子に依頼され実行する。
ミシガン州、アルゴナック。
ウェイン・コルソン(トーマス・ジェーン)は、妻のカーメン(ダイアン・レイン)と別居することになり、自宅の荷物を取りに帰る。
ブラックバードは、パパを殺す際に組織の女も殺したために、逆に命を狙われることになる。
ケチな悪党リッチー・ニックス(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)は、 酒場で見かけたブラックバードを銃で脅して車に同乗する。
途中、財布を出すよう言われたブラックバードは、リッチーに逆に銃を向け黙らせる。 ブラックバードは、死んだ弟に似ているリッチーを何となく憎めず、不動産業者を脅して2万ドルを恐喝するという彼の話に乗ることにする。 早速、現場に向ったブラックバードとリッチーは、スーツ姿のウェインを経営者だと思い込む。 二人はウェインを脅し、彼は動ずることなく車に向かうが、居合わせたカーメンが彼の名前を呼ぶ。 先住民のブラックバードは、居留地でたまたま見かけたウェインのことを思い出し、計画を中止しようとする。 ウェインは、躊躇せずに鉄棒で二人を痛めつけ撃退するが逃亡を許す。 ブラックバードは、リッチーを置き去りにしようとするが、死んだ弟のことを思い出し彼を車に乗せて走り去る。 その後、ウェインとカーメンに顔を見られたブラックバードは、二人を始末することをリッチーに告げる。 ブラックバードは、ウェインを知る先住民から情報を仕入れ、リッチーが先住民を殺し車を奪う。 二人は、リッチーの恋人ドナ(ロザリオ・ドーソン)の家に、仕事を片付けるなでの間、滞在することになる。 その夜、二人はカーメンの家に向かい、彼女が異変を感じ、呼び寄せていたウェインが帰ったのを確認して行動にでる。 リッチーはウェインを追い、ブラックバードがカーメンを始末しようとする。 カーメンはブラックバードに気づき、銃で彼を脅し警察に通報する。 リッチーは、コンビニエンスストアに入ったウェインを襲うが逃げられ、店員を射殺し逃亡する。 翌日、ウェインは、知人の先住民が殺されたことと、自分とカーメンがブラックバードとリッチーに狙われていることをFBIから知らされる。 FBIは、マフィアのトップ殺しにブラックバードが絡んでいることを察していたため、ウェインとカーメンに、証人保護プログラムに入る協力を要請する。 ミズーリ州、ケープジラード。 その間、ブラックバードはドナと親密になり、リッチーはそれに嫉妬する。 ブラックバードとリッチーは、カーメンの母親の住所を突き止め、彼女らの電話番号とミズーリにいることを知る。 不審な電話などを受けたカーメンは、自分達がFBIの囮ではないかと思い始め不安が募る。 ブラックバードは、パパ殺害を命じた義理の息子に、自分が捕まったら全てがばれると脅しをかける。 そしてブラックバードは、弟の遺体を利用して、自分達が焼死したかのように見せかける。 家に戻ることにしたカーメンに、やり直そうと説得するウェインだったが、彼女の気持ちは変わらなかった。 ブラックバードはドナに別れを告げ、リッチーは彼女を殺し、カーメンが家に戻ることを知りその場に向う。 カーメンを待ち伏せた二人だったが、ブラックバードは、リッチーが彼女をいたぶろうとして、つまらない会話を続けたため彼を射殺してしまう。 ブラックバードは、下着姿のカーメンに服を着るよう指示するものの、彼女は隠してあったショットガンで対抗しようとする。 しかし、カーメンはブラックバードに銃を奪われ、そこにウェインが現れる。 鍵を持っていないウェインは、窓から見えた拳銃で家の中の状況を察知する。 ウェインは車に向かい、襲い掛かってきたブラックバードに銃で反撃する。 銃を手放してしまい、手を撃たれたウェインだったが、カーメンが拳銃でブラックバードを銃撃する。 銃を拾ったウェインもブラックバードを撃ち抜く。 そして、ウェインとカーメンは固く抱き合う。
...全てを見る(結末あり)
名前を変えたウェインとカーメンは、セントルイスからこの地に入り、家を提供される。
*(簡略ストー リー)
殺し屋ブラックバードは、マフィアのボスを殺害するが、居合わせた組織の女も殺したため、逆に追われる身になる。
ブラックバードは、若い小悪党リッチーと知り合い、死んだ弟を想わせる彼と手を組んで、不動産業者を恐喝しようとする。
妻カーメンが勤める不動産会社に居合わせたウェインは、その場に押し入って来たブラックバードとリッチーを撃退する。
ウェインは、カーメンと共に二人に命を狙われることになり、身を隠すことになるのだが・・・。
__________
フランシス・フォード・コッポラの「ランブルフィッシュ」(1983)で共演した、ミッキー・ロークとダイアン・レインが、20年以上の月日を経て再び顔を合わせた、ファン注目の作品ではあるが、日本では劇場未公開に終わっている。
両者共に、一時期の低迷を脱して復活している現在、今後の活躍も大いに期待できる。
特に、「レスラー」(2008)の演技が絶賛されたミッキー・ロークの、凄みのある殺し屋役は注目で、先住民という設定でもあり凝ったメイクで登場する。
北米公開は本作の方が後になり、撮影は2006年1月に終了し、「レスラー」よりも2年前の作品ということになる。
そのため、ミッキー・ロークの体がまだ同作用に出来上がっていないことなどが分かる。
限定5スクリーンでの公開に留まり、商業ベースには乗らなかった作品ではあるが、魅力的な共演者の演技も楽しめる、ファン必見の作品だ。
監督は、イギリス人のジョン・マッデンで、彼にしては珍しい、犯罪アクション作品だというところも興味深い。
極悪非道のマフィアの殺し屋にも怯まない逞しさを見せるトーマス・ジェーン、若手のホープとしてその実力を見せつけて怪演するジョゼフ・ゴードン=レヴィット、彼の恋人のロザリオ・ドーソン、事件の発端となる、殺されるマフィアのボスで、大ベテランのハル・ホルブルックらが脇を固める。