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ハイネケン誘拐の代償 Kidnapping Freddy Heineken (2015)

世界的なビール会社”ハイネケン”の経営者でオランダ屈指の大富豪であるフレディ・ハイネケン誘拐事件を描く、監督ダニエル・アルフレッドソン、主演アンソニー・ホプキンスサム・ワーシントンジム・スタージェス他共演の犯罪ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:ダニエル・アルフレッドソン
製作:ジュディ・カイロ
原作:ピーター・R・デ・ヴリーズ”De ontvoering van Alfred Heineken”
脚本:ウィリアム・ブルックフィールド
撮影:フレドリク・ベッカー
編集:ホーカン・カールソン
音楽
クレイ・ダンカン
ルーカス・ヴィダル

出演
フレディ・ハイネケンアンソニー・ホプキンス
ヴィレム・ホーレーダーサム・ワーシントン
コル・ヴァン・ハウトジム・スタージェス
ヤン“カット”ブラートライアン・クワンテン
フランス“スパイクス”メイヤーマーク・ファン・エーウェン
マーティン“ブレイクス”エルカンプストーマス・コックレル
ソーニャ・ホーレーダー:ジェマイマ・ウェスト
アブ・ドーデラー:ダーヴィッド・デンシク

イギリス/オランダ 映画
配給
Alchemy
A Plus Films
Signature Entertainment
2015年製作 95分
公開
イギリス:2015年4月3日
北米:2015年3月6日
日本:2015年6月13日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1982年、オランダアムステルダム
ヴィレム・ホーレーダーサム・ワーシントン)と友人コル・ヴァン・ハウトジム・スタージェス)、ヤン“カット”ブラートライアン・クワンテン)、フランス“スパイクス”メイヤーマーク・ファン・エーウェン)の4人は、経営していた会社が倒産したために銀行に向うものの、融資を断られる。

所有していたビルの不法入居者を追い出そうとして騒ぎになり、4人は逮捕されてしまう。

釈放されたコルは、ヴィレムの妹である妻のソーニャ(ジェマイマ・ウェスト)の元に戻り、妊娠していることを知らされる。

新年を迎えるため、ソーニャとコルと共に実家に向かったヴィレムは、世界的なビール会社”ハイネケン”の経営者で、オランダ屈指の大富豪フレディ・ハイネケンアンソニー・ホプキンス)と共に撮った写真を自慢する父を侮辱したため非難さる。
...全てを見る(結末あり)

その後、ヴィレムカットスパイクスと共に恒例になっている運河で船に乗ったコルは、身代金6000万ギルダーを要求する、フレディ・ハイネケンの誘拐計画を話す。

誘拐方法を考えたヴィレムは、大物の誘拐であるため、大きな組織の犯行だと見せかける必要があり、それには10万ギルダーの費用がいることを仲間に話す。

銀行の現金輸送車を襲ったヴィレムらは逃走し、警察に追われ銃を使うものの、人は撃たないようにとコルから指示されていた。

ボートで逃げてカットの倉庫を隠れ家にしたヴィレムらは、大金を確認する。

帰宅したコルは、ソーニャから事件の話をされ、銃撃戦になったにも拘わらず、誰も怪我をしなかったことが不思議だと彼女から言われる。

その後ヴィレムらは、ハイネケンを監視しながら誘拐の準備を進める。

4人は、コルの弟マーティン“ブレイクス”エルカンプストーマス・コックレル)も仲間に入れて、倉庫を改造し、隠し部屋である防音の監禁室を作る。

1983年11月9日、18時56分。
オフィスを出たハイネケンと運転手のアブ・ドーデラー(ダーヴィッド・デンシク)を誘拐したヴィレムらは、逃走するものの、目撃していたタクシーに追われる。

タクシーの運転手に銃を向けて追い払ったヴィレムらは倉庫に向い、ハイネケンとアブを別々の部屋に監禁する。

身代金要求の手紙に指紋がついていることを知ったコルは、向いの事務所でそれをコピーし、ハイネケンの腕時計と共に封筒に入れて、ブレイクスが警察署のポストにそれを入れる。

その夜は、いつものようにバーで騒ぎ、翌日、マスクを被りアブに話しかけたコルは、怯える彼に、金が支払われれば直ぐに解放することを伝える。

ハイネケンの様子も見たコルは、何も話さずに彼の要求を聞き流して部屋を出る。

新聞をチェックしたヴィレムらは、プロの犯行だという記事を見て、思い通りになったことを喜ぶ。

手紙をコピー機に残してきてしまったことに気づいたコルは焦り、カットと共に事務所に向い、それに手が付けられていなかったこと確認して持ち去る。

鎖につながれるハイネケンは、音楽や中華料理を食べたいなど、注文を付けて若いブレイクスを牽制する。

その後、2週間以上が経過するものの警察の動きはなく、カットは手を引きたいと言い出し、ハイネケンを解放するべきだと仲間に伝える。

カットを説得するコルだったが、ハイネケンの世話をするブレイクスが参っていると言われる。

期限が過ぎ、身代金が払われなかったことをハイネケンに伝えたヴィレムは、何かの手違いだと言われる。

苛立つハイネケンは金は必ず払うとヴィレムに伝え、解放後に警察には協力しないという保証をコルから要求され、それ約束をして書面にする。

わざとドアを開けたままにして、ハイネケンとアブに話をさせたヴィレムコルは、二人の会話を聴く。

警察が自分達の出方を窺っていると考えるヴィレムは、ハイネケンを殺すべきだと主張し、ナイフを持って彼の元に向かう。

動揺するカットから何とかするようにと言われたコルは、ハイネケンの前でナイフを手にするヴィレムを部屋から出し、冷静に対処し数日後に会うことを仲間達に伝えてその場を去る。

翌日、ハイネケンと話したコルは、金を払ってくれなければ仲間達を抑えられないと伝える。

解放すれば金を渡し、自由に使えるようにすることは自分ならできると言うハイネケンは、”裕福”には2通りあり、大金を手にするか多くの友人を持つかで、両方はあり得ないとコルに話す。

その後コルは、新聞に指示通り広告が掲載されたことを確認し、現金が払われるとハイネケンに伝える。

ハイネケンに新聞を持たせてた生きている証拠の写真を撮ったコルは、アブに現金を引き渡す方法を読ませて録音する。

運ばれた現金3500万ギルダーを手に入れたコルスパイクスは、それを森の中に埋めて仲間達の元に向い、成功したことを伝えて喜び合う。

マスコミは、犯人が豊富な資金がある外国組織である可能性が高いと報道する。

車に尾行されるものの、それを振り切ったコルは、ヴィレムと金を取りに行くと言って、数時間後に会うことを仲間達に伝える。

現金を分けたコルは、多過ぎるというブレイクスに、いい人生を送るようにと伝えて別れる。

運びきれない金を埋めたことをスパイクスから非難されたコルは、ほとぼりが冷めるまでパリに身を隠すことを提案するが、家族がいるカットは同意できない。

カットはその場を去り、コルは、ヴィレムスパイクス共にパリに向かう。

警官に追われたカットは逮捕され、倉庫のハイネケンとアブは解放される。

その報道をラジオで聴いたヴィレムスパイクスは言い合いになり、車を止めたコルは二人を制止する。

スパイクスは歩いてその場を去り、ヴィレムコルは国境を越える。

数日後、ブレイクスは逮捕され、そのニュースをテレビで見たヴィレムは、知人の女性に電話をして彼女のアパートに向かおうとする。

ソーニャに電話をしようとするコルに、妹を巻き込むなと言ってそれを制止したヴィレムは、彼と共にパリに向かう。

スパイクスが自首したことを知ったヴィレムコルは、自分達を必ず捕えるというハイネケンのインタビューをテレビで見る。

ヴィレムに止められていたものの、ソーニャに連絡してしまったコルは、彼女から責められる。

ソーニャが警察に監視されていることを知ったコルは、子供が生まれたら戻ると約束する。

家族も含め全員が逮捕される可能性があるとソーニャから言われ、電話を切られたコルは、全てが知られてしまったことをヴィレムに伝えて謝罪する。

その場から逃げようとしたヴィレムコルだったが、現れた警官隊に包囲され、諦めた二人は逮捕される。
__________

匿名の情報で、警察はコルらを疑っていた。
情報提供者は明らかにされていない。

フレディ・ハイネケンは世界有数の警備会社を設立し、2003年に死去した。

ヤン“カット”ブラートは、12年の服役。

マーティン“ブレイクス”エルカンプスは、8年の服役。

フランス“スパイクス”メイヤーは、治安精神病院を脱走してパラグアイに向い、10年後に捕えられ、オランダに送還されて服役した。

コル・ヴァン・ハウトヴィレム・ホーレーダーは、11年服役後、犯罪の世界で頂点に立ち、”オランダのゴッドファーザー”と呼ばれた。

2003年、コルは暗殺者によって殺害された。

身代金は、当時、個人に対して支払われた額の最高額であり、大部分の行方は未だに不明。

現金を分配した後、彼らが再び行動することはなかった。
__________

”裕福”には2通りあり、大金を手にするか多くの友人を持つかで、両方はあり得ない・・・。


解説 評価 感想
*(簡略ストー リー)
オランダアムステルダム
経営していた会社が倒産し、銀行に融資を断られたヴィレムコルカットスパイクスは、世界的なビール会社”ハイネケン”の経営者で、オランダ屈指の大富豪であるフレディ・ハイネケンの誘拐計画を実行する。
1983年11月9日、ハイネケンと運転手のアブを誘拐したヴィレムらは、倉庫を改造した監禁室に二人を閉じ込め、身代金3500万ギルダーを要求する手紙を警察署に送る。
しかし、警察が2週間経っても動きを見せないためにヴィレムらは焦り始め、犯人達を恐れることのないハイネケンは彼らを牽制する・・・。
__________

1987年に発表された、ピーター・R・デ・ヴリーズの著書”De ontvoering van Alfred Heineken”を基に製作された作品。

個人に対しての身代金としては史上最高額である3500万ギルダー、約1950万ドルが支払われた、世界的なビール会社”ハイネケン”の経営者フレディ・ハイネケン誘拐事件を描く作品。

世界的に知られる大富豪であるにも拘らず、その手薄な警備、あまりにも短絡的な犯人達の考えと犯行手口など、大事件に思えないスケールの小ささなどが気になる。
結局は素人が計画した犯行のため、その雰囲気を出すための演出だったとも言えるが、ダニエル・アルフレッドソンの演出も緊迫感に欠ける。

作品の宣伝では、傲慢なフレディ・ハイネケンが犯人達を翻弄するようにイメージ付けているが、牽制される程度で、素人である犯人達が自滅していく姿が描かれているドラマである。

友人や身内で盛り上がり実行した計画では、情報が漏れるのは当然のことであり、完全犯罪など成立するはずがないにも拘らず実行してしまう、若者達の暴走を描いた作品と言ったところだろうか。

意外に出番が少ないが、流石に存在感ある演技を見せるフレディ・ハイネケンを演ずるアンソニー・ホプキンス、犯人ヴィレム・ホーレーダーサム・ワーシントン、リーダー格コル・ヴァン・ハウトジム・スタージェスヤン“カット”ブラートライアン・クワンテンフランス“スパイクス”メイヤーマーク・ファン・エーウェンコルの弟であるマーティン“ブレイクス”エルカンプストーマス・コックレルコルの妻でヴィレムの妹ジェマイマ・ウェストハイネケンと共に誘拐される運転手アブ・ドーデラーのダーヴィッド・デンシクなどが共演している。


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