1937年に公開されたマイケル・カーティス監督作品「倒れるまで」のリメイク。 孤児として育ち除隊して故郷に帰った青年がボクシングの才能を活かして奮闘し住民の信頼と恋人を手に入れるという、エルヴィス・プレスリー主演作品らしい爽やか且つ痛快でもあるミュージカル・ラブ・コメディ。 監督フィル・カールソン、ギグ・ヤング、チャールズ・ブロンソン、エドワード・アズナー共演。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:フィル・カールソン
製作:デヴィッド・ワイスバート
原作:フランシス・ウォレス
脚本:ウィリアム・フェイ
撮影:バーネット・ガフィ
編集:ストゥアート・ギルモア
音楽:ジェフ・アレクサンダー
出演
エルヴィス・プレスリー:ウォルター・ギュリック
ギグ・ヤング:ウィリー・グローガン
ローラ・オルブライト:ドリー・フレッチャー
ジョーン・ブラックマン:ローズ・グローガン
チャールズ・ブロンソン:ルー・ニアック
ジャドソン・プラット:ジマーマン
ロバート・エンハート:メイナード
ネッド・グラス:マックス・リバーマン
デヴィッド・ルイス:オットー・ダンジング
エドワード・アズナー:フランク・ガーソン
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1962年製作 95分
公開
北米:1962年8月29日
日本:1963年3月
北米興行収入 $1,750,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
両親と死に別れ14歳から叔母に預けられていた青年ウォルター・ギュリック(エルヴィス・プレスリー)は、軍隊除隊を機に、生まれ故郷のクリーム・ヴァレーを訪れる。
文無しのウォルターは、仕事を探すために、ホテル兼ボクシング・クラブに立ち寄る。
ウォルターは、借金苦の経営者ウィリー・グローガン(ギグ・ヤング)と、婚約者ドリー・フレッチャー(ローラ・オルブライト)に出会う。
ウィリーとドリーは、ウォルターを傷つけないように追い払おうとする。
しかし、軍でボクシングの経験があるウォルターは、1ラウンド5ドルに誘われて、選手のスパーリング・パートナーになる。
トレーナーのジマーマン(ジャドソン・プラット)に、早速、リングに上げられたウォルターは、全く相手にならなかった。
同僚のルー・ニアック(チャールズ・ブロンソン)らは心配するが、反撃に転じた一発のパンチで、ウォルターは相手をKOしてしまう。 それを見たウィリーはウォルターに目を付け、テレビ中継のある試合に出して一儲けしようとする。 ウィリーは、殺人事件目撃者としてギャングのオットー・ダンジング(デヴィッド・ルイス)に脅されていた。 オットーは、ウィリーを監視するためにホテルに手下を滞在させる。 ウォルターは、ドリーに絡もうとしたオットーの手下を殴り倒し、彼女から、”円卓の騎士”の一人”ガラハッド”に例えられて感謝される。 財政難のウィリーは、妹ローズ(ジョーン・ブラックマン)に借金を頼み、彼女がホテルに現れる。 ローズは兄ウィリーのいい加減さを見兼ねて、ホテルの経営を立て直す手助けをしようとする。 ウィリーが、ドリーをメイド呼ばわりしてローズに紹介したので、彼女はショックを受けて気分を害してしまう。 車いじりの好きなウォルターは、ルーと倉庫にあった古い車を直そうとしたりする。 そして、ローズに出会ったウォルターは彼女に一目惚れしてしまう。 ウィリーは、張ったりで、17回連続KOの強豪ボクサーだとプロモーターに偽り、ウォルターを”キッド・ガラハッド”というリングネームで売り込んでしまう。 対戦相手が手強い選手だと知ったルーは、ウィリーを責めるが、彼は負けても金は入ると楽観的だった。 ウォルターは、自分が直した車にウィリーとルーを乗せ、のんびりと試合に向かう。 試合会場に着き、ウィリーとルーをセコンドに付け野次られながらリングに上がったウォルターは、試合開始直後に連打を浴びダウンさせられてしまう。 観客は、ウォルターの不甲斐なさに激怒し、ホテルで試合を見ていたドリーとローズは気が気ではない。 しかしウォルターは、たった一発のパンチで相手を倒しKO勝ちしてしまう。 クリーム・ヴァレーに帰ったウォルターは、町の英雄となり、その後の試合も連続KO勝ちを続ける。 独立記念日の日、戦友ウィリーを訪ねた商工会議所代表のマックス・リバーマン(ネッド・グラス)は、町の後援試合の客寄せにウォルターの出場を希望し、ウィリーも高額ギャラでそれを快く受ける。 やがて、ウォルターとローズはお互い惹かれあうようになり、二人は、独立記念日のパーティーやピクニックを楽しむがウィリーはそれを不満に思う。 地方検事フランク・ガーソン(エドワード・アズナー)がホテルに現れ、ウィリーとギャングのオットーとの関係を聞き出そうとする。 ウォルターは、町の自動車整備工場の後を引き継ぐため、資金稼ぎにボクシングをしていることをローズに告げ、時期がきたらリングから降りることを彼女に約束する。 ウィリーは帰りの遅いウォルターを捕まえ、妹ローズとの交際に反対する。 しかし、ウォルターは9月の町の試合で引退し、ローズと結婚することをウィリーに伝える。 二人は険悪なムードになるが、ドリーが3年も答えを出さない男(ウィリー)より、ウォルターの方が誠実だと二人の中に割って入る。 借金まみれのウィリーは、オットーの部下に八百長を持ちかけられ、ドリーは彼に愛想を尽かしホテルを出て行ってしまう。 オットーはルーも買収しようとするが、彼はそれを断ったために手下に両手を潰されてしまう。 それを知ったウィリーは、手下達に殴りかかるものの逆に叩きのめされ、駆けつけたウォルターが彼を助ける。 ウィリーはウォルターに感謝し、二人のわだかまりは消えて試合の日を迎える。 町中の住民と、そしてウィリーも全財産をウォルターに賭けてローズも会場に現れる。 オットーは、手下をウォルターのセコンドに付けようとするのだが、ウィリーがそれに気づき手下を殴り倒し、いよいよ試合は始まる。 苦戦するウォルターだったが、徐々にペースを取り戻し、そして第4ラウンド、彼は見事にKOで敵を倒す。 ドリーは、ルーを助けようとしたウィリーを見直して結婚を約束し、ウォルターもローズと結ばれる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
両親と死別し叔母に育てられて育った青年ウォルター・ギュリックは、軍隊除隊を機に生まれ故郷のクリーム・ヴァレーに帰る。
文無しのウォルターは、借金苦のホテル兼ボクシング・クラブの経営者ウィリーと婚約者ドリーに出会う。
軍隊時代のボクシングの経験を生かし、選手のスパーリング・パートナーになり、早速リングに上がったウォルターは、防戦一方だったのだが、反撃に転じた一発のパンチで相手をKOしてしまう。
それを見たウィリーは、ウォルターをテレビ中継のある試合に出して一儲けしようと考える。
ウィリーは、妹ローズに借金しようとしていたが、現れた彼女にウォルターが一目惚れしてしまう。
その後、”キッド・ガラハッド”というリングネームで、ウィリーはウォルターを売り込もうとする。
そして初戦、劣勢のウォルターは、一発のパンチで相手を倒してしまい、彼は町の英雄になるのだが・・・。
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実生活では、スーパースターそのもののプレスリーだが、純情で誠実、男らしくもあり、また古風でもあるところが好感度を上げている。
強かな楽天家でもある、借金と恋に自身が持てずに悩むホテル経営者ギグ・ヤングも、ユーモア溢れるいい味を出している。
極貧生活を支えるために、子供時代から炭鉱夫などを経験し、40歳を過ぎてようやく「荒野の七人」(1960)や「大脱走」(1963)で準主役級になった苦労人チャールズ・ブロンソンの、正義感のあるトレーナー役の好演も見逃せない。
理想の恋を掴めず悩むウィリー(G・ヤング)の婚約者ローラ・オルブライト、主人公(プレスリー)と自然に結ばれていくジョーン・ブラックマン、それぞれの美しさもスクリーンに映える。
物語の中盤で旅立ち、姿を消してしまうトレーナー、ジャドソン・プラット、クラブのコック役のロバート・エンハート、町の商工会代表ネッド・グラス、ギャングのボス、デヴィッド・ルイス、地方検事エドワード・アズナーなどが共演している。