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映画 キー・ラーゴ Key Largo (1948) | That's Movie Talk!
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キー・ラーゴ Key Largo (1948)

ギャングの偽札取引に巻き込まれるホテル経営者と退役軍人の戦いを描く、監督、脚本ジョン・ヒューストン、主演ハンフリー・ボガートエドワード・G・ロビンソンローレン・バコールクレア・トレヴァー他共演による犯罪サスペンスの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

ハンフリー・ボガート / Humphrey Bogart / Pinterest
ローレン・バコール / Lauren Bacall / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・ヒューストン

製作:ジェリー・ウォルド
戯曲:マックスウェル・アンダーソン
脚本
リチャード・ブルックス

ジョン・ヒューストン
撮影:カール・フロイント
編集:ルディ・フェアー
音楽:マックス・スタイナー

出演
ハンフリー・ボガート:フランク・マクラウド
エドワード・G・ロビンソン:ジョニー・ロッコ
ローレン・バコール:ノーラ・テンプル
クレア・トレヴァー:ゲイ・ドーン
ライオネル・バリモア:ジェームズ・テンプル
モンテ・ブルー:ベン・ウェイド保安官
ジョン・ロドニー:クライド・ソウヤー
トーマス・ゴメス:リチャード”カーリー”ホフ
ハリー・ルイス:エドワード”トゥーツ”バス
ダン・シーモア:エンジェル・ガルシア
ウィリアム・ハーデ:ラルフ・フィーニー
ジェイ・シルヴァーヒールズ:ジョン・オショラ
ロッドレッドウィング:トム・オショラ
マーク・ローレンス:ジギー

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1948年製作 101分
公開
北米:1948年7月16日
日本:1951年11月


アカデミー賞 ■
第21回アカデミー賞

・受賞
助演女優賞(クレア・トレヴァー


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
フロリダ半島の南端キー・ラーゴで、小さなホテルを経営するジェームズ・テンプル(ライオネル・バリモア)を、一人の男が訪ねて来る。

第二次大戦で戦死した、テンプルの息子の上官だった元少佐フランク・マクラウド(ハンフリー・ボガート)は、人相の悪い男達や、アル中のゲイ・ドーン(クレア・トレヴァー)を気にしながら、ボートハウスに向かう。

マクラウドは、早速、テンプルと彼の息子の妻ノーラ(ローレン・バコール)に挨拶する。

テンプルはマクラウドを気に入り、彼はしばらくキー・ラーゴに滞在することになる。

そこに、刑務所から脱獄した先住民を探して、ベン・ウェイド保安官(モンテ・ブルー)と保安官補クライド・ソウヤー(ジョン・ロドニー)が現れ、逃亡者の情報を仕入れて帰って行く。
...全てを見る(結末あり)

テンプルは、形式だけの戦死報告ではなく、身近にいた者から、息子の死の真実を教えてほしかったのだ。

マクラウドは、テンプルに息子の英雄的行為と、彼から聞いた家族の話をして感謝される。

やがて、キー・ラーゴに暴風雨警報が発せられ、それに備えるマクラウドの姿を見てノーラは頼もしく思う。

そこに、逃亡中の先住民ジョン(ジェイ・シルヴァーヒールズ)とトム(ロッド・レッドウィング)のオショラ兄弟が現れ、ノーラに自首することを告げる。

ホテルには、怪しげな男達リチャード”カーリー”ホフ(トーマス・ゴメス)、エドワード”トゥーツ”バス(ハリー・ルイス)、エンジェル・ガルシア(ダン・シーモア)、ラルフ・フィーニー(ウィリアム・ハーデ)らがいたのだが、彼らは突然、マクラウドらに銃を向ける。

彼らのボスであるジョニー・ロッコ(エドワード・G・ロビンソン)は、ある取引をするために準備を進め、部屋に閉じこもっていた。

手下達は、オショラ兄弟の捜査に駆けつけた、ソウヤーを捕らえ痛めつけていた。

ギャングのロッコは、ビールの密造や賭博そして殺人と、悪事の限りを尽くし、国外追放命令が下っていた。

ギャングと聞いても怯えもしないマクラウドと、足が不自由にも拘らず彼らに抵抗しようとするテンプルやノーラを、ロッコは笑い飛ばす。

キューバからこの地に来て待機していたロッコは、ジギー(マーク・ローレンス)という男と連絡を取り合っていた。

その後、ロッコはノーラを侮辱し、彼女はつばを吐きかけるが、マクラウドの冷静な判断でその場を鎮める。

部屋に閉じ込められていたロッコの情婦ゲイは、気を落とすノーラを慰めるが、酒を飲ませてもらえない。

その後ロッコは、自分のいない世界を考えていたと言う、物怖じしないマクラウドに拳銃を渡し挑発する。

しかし、マクラウドはそれに乗らず、彼が捨てた銃をソウヤーが奪い逃亡しようとするが、ロッコはためらいもなく彼を撃ち殺す。

ノーラは、ロッコに立ち向かわず静観しようとするマクラウドの態度に苛立つが、テンプルは彼の気持ちを理解する。

ロッコは、嵐の中、現れないジギーが待ちきれずに焦り始め、テンプルに助けを求めに来た先住民達を追い返してしまう。

さらにロッコは、ゲイが手をつけた酒を取り上げ、それを餌に、元歌手だった彼女に無理やり歌わせてからかい始める。

それを見て、居た堪れなくなったマクラウドは、泣き崩れるゲイに酒を差し出す。

ロッコは、マクラウドに平手打ちを食らわすが、彼はそれに耐える。

ノーラは、ロッコに殺されることも恐れず行動した、マクラウドの勇気を認めて謝罪する。

そして、ますます激しくなる嵐に、さすがのロッコも動揺を隠せなくなる。

そんな中、マクラウドは、自分の家族の一員になってくれないかとテンプルとノーラに頼まれる。

その時、沖に待機していたロッコの船も姿を消してしまい、それを知ったゲイは焦る彼を見て嘲り笑う。

しかし、マクラウドが船を動かせることを知ったロッコは、ボートでキューバに逃亡しようとする。

嵐の中、テンプルは先住民を締め出したと思われ、オショラ兄弟に罵倒されてしまう。

そこにウェイド保安官が現れるが、ロッコらは口裏を合わせて保安官を安心させてその場をしのぐ。

引き返そうとした保安官は、海に投げ捨てたものの波で打ち上げられたソウヤーの死体を見つける。

それが、手配中の先住民オショラ兄弟の仕業だと、保安官はロッコから聞かされる。

保安官は、ボートハウスにいたオショラ兄弟を見つけて、逃げ出した二人を射殺してしまう。

ホテルに戻った保安官は、兄弟がソウヤーを殺したというロッコの話を信じ、それを隠していたテンプルを責める。

保安官は、犯罪者としてテンプルを起訴することを告げて、現場にいた者の名前などを確認し、夜明けに出直すと言い残してその場を立ち去る。

そこに、ロッコが待ちわびていたジギーが現れ、キューバから持ち込まれた偽札の取引が終わる。

ロッコ一味は、マクラウドを連れてキューバに向かうことになり、ゲイが密かにロッコの拳銃を奪う。

ゲイはそれをマクラウドに渡し、ノーラは彼の無事を祈り、その姿を見つめ、船は沖に消えて行く。

濃霧の海上で、マクラウドは、油断をしたロッコの手下らに銃口を向け、傷を負いながらも何人かを倒す。

ロッコは、怯える手下のエンジェルを射殺し、様子を窺いながら船上に姿を現すが、マクラウドは彼に容赦なく銃弾を浴びせる。

船の方向を変えたマクラウドは、救難無線を入れて引き返す方向の指示を受け、キー・ラーゴに無線をつないでもらう。

その頃ホテルでは、全てを知ったウェイド保安官が、命を救ってくれたことをテンプルに感謝し、昨夜のことを謝罪して、無実のオショラ兄弟を殺してしまったことを悔やむ。

ゲイは、同じく後悔するテンプルに、全てがロッコのせいだと言って彼に同情する。

その後、マクラウドからの無事だという連絡を受けたノーラは、それをテンプルに伝える。

そしてマクラウドは、ノーラ達の待つキー・ラーゴに向う。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
第二次大戦の激戦を戦い抜いた退役軍人フランク・マクラウドは、元部下の父でホテル経営者テンプルと部下の妻ノーラを訪ねる。
部下の武勲と死の真相をテンプルに伝えたマクラウドは、彼に気に入られてその地に滞在することになる。
折りしも嵐が近づき、それに備えるマクラウドをノーラは頼もしく思う。
その後マクラウドは、ホテル内にいる男達と、その連れのアル中の女ゲイの不審な行動に気づく。
クラウドは、キューバに追放されていた一味のボスでの凶悪犯ロッコがホテルに滞在していることを知る。
そして、嵐の中、マクラウドとテンプルらは、ロッコの企む偽札取引に巻き込まれることになるのだが・・・。
__________

1939年のマックスウェル・アンダーソンの戯曲を、監督のジョン・ヒューストンと、後年に監督にもなるリチャード・ブルックスが共同で脚色し映画化した作品。

ジョン・ヒューストンは本作の半年前に「黄金」(1948)が公開されたばかりで、それに出演した父ウォルター・ヒューストンと共に、アカデミー賞を獲得する快挙を成し遂げることになる。

様々な登場人物の人間模様、フロリダ最南端という土地柄を活かし嵐を効果的に使った緊迫感など、40代となり脂の乗り切ったジョン・ヒューストンのスリリングな演出は見応え十分。

黄金」(1948)でも彼とコンビを組んだマックス・スタイナーの力強い音楽も印象に残る。

第21回アカデミー賞では、助演女優賞(クレア・トレヴァー)を受賞した。

悲惨な戦場体験や、部下を目の前で亡くし心癒えぬまま復員兵として帰国した元将校という役柄のため、いつものハードボイルド作品のような非情さよりも、やや行動を躊躇したりする弱さを表現した演技が新鮮なハンフリー・ボガートの魅力は注目だ。

小柄にも拘らず、あの面構えで圧倒的な迫力で迫りさすがのハンフリー・ボガートがたじろぐシーンもある、威圧感ある凄まじい演技を見せるエドワード・G・ロビンソン、足が不自由なのも忘れ、正義感に燃えギャングの脅しに屈しないホテル経営者のライオネル・バリモア、両者の貫禄の名演技も見逃せない。

既にボガート夫人だったローレン・バコールも、彼との25歳の年の差を感じさせない、落ち着いた未亡人役を好演し、幸せとはかけ離れているようなアル中であるギャングの情婦を演じて、見事にアカデミー助演賞を受賞した、要所要所でインパクトのある素晴らしい演技を見せてくれるクレア・トレヴァーの熱演も光る。

保安官役のモンテ・ブルー、殺される保安官補ジョン・ロドニー、ロッコ一味のトーマス・ゴメスハリー・ルイスウィリアム・ハーデダン・シーモア、逃亡中の先住民であり犠牲者となる兄弟役のジェイ・シルヴァーヒールズロッドレッドウィング、偽札取引の相手マーク・ローレンスなどが共演している。


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