アメリカの食卓に革命をもたらしたと言われるジュリア・チャイルドの料理家人生と彼女のレシピを再現したジュリー・パウエルの奮闘を描く、製作、監督、脚本ノーラ・エフロン、主演メリル・ストリープ、エイミー・アダムス、スタンリー・トゥッチ、クリス・メッシーナ他共演のハートフル・コメディ。 |
・エイミー・アダムス / Amy Adams / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ノーラ・エフロン
製作総指揮
スコット・ルーディン
ドナルド・J・リーJr.
ダナ・スティーヴンス
製作
ノーラ・エフロン
ローレンス・マーク
エイミー・ロビンソン
エリック・スティール
原作
ジュリー・パウエル
”Julie and Julia: 365 Days, 524 Recipes,1 Tiny Apartment Kitchen”
ジュリア・チャイルド
アレックス・プリュドム
”My Life in France”
脚本:ノーラ・エフロン
撮影:スティーヴン・ゴールドブラット
編集:リチャード・マークス
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演
ジュリア・チャイルド:メリル・ストリープ
ジュリー・パウエル:エイミー・アダムス
ポール・カッシング・チャイルド:スタンリー・トゥッチ
エリック・パウエル:クリス・メッシーナ
シモーヌ・ベック”シムカ”:リンダ・エモンド
サラ:メアリー・リン・ライスカブ
ドロシー・マクウィリアムズ・ディーン:ジェーン・リンチ
ルイーゼット・ベルトーレ:ヘレン・ケアリー
イルマ・ロンバウアー:フランシス・スターンハーゲン
エリザベス・ブラサール:ジョーン・ジュリエット・バック
エイヴィス・デ・ヴォート:デボラ・ラッシュ
キャッシー:ヴァネッサ・フェルリト
ジュディス・ジョーンズ:エリン・ディリー
本人:アマンダ・ヘッサー
ジュリーの母/声:メアリー・ケイ・プレイス
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2009年製作 123分
公開
北米:2009年8月7日
日本:2009年12月12日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $94,125,430
世界 $118,552,600
■ アカデミー賞 ■
第82回アカデミー賞
・ノミネート
主演女優賞(メリル・ストリープ)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1949年、フランス。
元OSS(戦略情報局)職員のジュリア・チャイルド(メリル・ストリープ)は、外交官である夫ポール(スタンリー・トゥッチ)と共にパリでの暮らしを始める。
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2002年、ニューヨーク。
”911”事件の処理を担当するLMDC(南マンハッタン開発公団)で働くジュリー・パウエル(エイミー・アダムス)は、夫エリック(クリス・メッシーナ)とクイーンズに移り住む。
友人がブログを始めたのを知ったジュリーは、得意の料理についての、自分の意見を記事にすることをエリックに勧められる。
本気でそれに挑戦しようかと考えたジュリーは、実家から持ってきた、家庭料理に革命をもたらした料理家”ジュリア・チャイルド”の著書”Mastering the Art of French Cooking”を参考に、彼女の524のレシピ全てを1年間で作り上げることを計画する。 そして、ジュリーはエリックの協力で、”ジュリー/ジュリア・プロジェクト”と命名したブログを立ち上げる。 パリの暮らしを満喫するジュリアだったが、何か物足りなさを感じながら日々を過ごしていた。 食することが好きなジュリアは、フランス料理に興味を持ち、英語で書かれた料理本を探すのだが、なかなか見つからない。 そんな時ジュリアは、誕生日にポールから、”ラルース料理百科事典”をプレゼントされる。 次々とレシピの料理を試すジュリーだったが、母(メアリー・ケイ・プレイス)から、ブログなど何の意味もないと言われてしまう。 しかし、エリックに励まされ、友人サラ(メアリー・リン・ライスカブ)の協力などで、ジュリーは食べたことがなかった卵の美味しさなども発見する。 5週間後、ようやくブログに来たコメントが母だったので、ジュリーは意気消沈してしまう。 料理教室”ル・コルドン・ブルー”に通い始めたジュリアは、上級者向きのクラスを希望する。 男性ばかりの生徒の中で、包丁の使い方もおぼつかなかったジュリアだったが、持ち前の負けん気で次第に料理の才能を発揮していき、優しいポールは彼女を支える。 ブログには書き込みも入り始め、読者からは差し入れなどが届くようになったジュリーは、次々とレシピをこなしていき、ジュリアの信奉者になっていく。 やがてジュリーは、自分とブログでつながっている人々のことを考え、責任感を感じるようになる。 大使館のあるパーティーで、料理本を執筆するシモーヌ・ベック(リンダ・エモンド)とルイーゼット・ベルトーレ(ヘレン・ケアリー)に出会ったジュリアは、あくまで料理学校の卒業証書にこだわることを彼女達に伝える。 意地の悪い校長エリザベス・ブラサール(ジョーン・ジュリエット・バック)の試験に落ちたジュリアは、シモーヌの勧めで、自分達でアメリカ人に料理を教えることを考える。 いくつかのレシピに失敗するうちに、ジュリーはめげてしまうが、そこに取材の依頼が入る。 それが、ジュリアの本の編集者ジュディス・ジョーンズだと知ったジュリーは興奮し、彼女に食べさせる料理の準備を始める。 シモーヌやルイーゼットと、料理教室を始めたジュリアは楽しい日々を過ごしていた。 ジュリアは、パリを訪れた妹のドロシー・マクウィリアムズ(ジェーン・リンチ)を歓迎する。 やがてドロシーは結婚し、ジュリアはアメリカ人向けの料理本を出版することを考える。 ”The Joy of Cooking”の著者イルマ・ロンバウアー(フランシス・スターンハーゲン)に会ったジュリアは、彼女が出版社に騙されたことなどを聞かされる。 しかし、アメリカに送ったジュリアの原稿が気に入られて、彼女の料理本は出版される可能性が出てくる。 取材のために失敗までして作り上げた料理を、ジュリーは準備万端で用意したのだが、ジュディス・ジョーンズの取材がキャンセルになってしまう。 それがきっかけで、ブログ一色のジュリーに不満をぶちまけたエリックは家を出てしまう。 ポールの移動でパリを離れていたジュリアは、ワシントンD.C.に呼び出された彼が取調べを受けたことを知る。 ジュリアの元に戻ったポールは気落ちするが、彼女の本の成功を祈り気を取り戻す。 エリックが家出してしまい、上司にも厳しい言葉をかけられたジュリーは、自分がいかに嫌な女であるかを友人サラに語る。 そしてジュリーは、どんなことにもめげないで生きたジュリアと自分との違いを実感する。 母からの電話で、ジュリアのように料理を続けるよう励まされたジュリーは買い物に出かけて、彼女のブログを読んだエリックも戻ってくる。 シモーヌとアメリカに渡ったジュリアは、協力者で文通相手のエイヴィス・デ・ヴォート(デボラ・ラッシュ)に迎えられる。 料理本出版に向けて編集者との話し合いを始めたジュリアだったが、内容が長過ぎることが問題になる。 残り15日、24のレシピとなったジュリーは、”ニューヨーク・タイムス”の記者アマンダ・ヘッサーの取材を受ける。 やがて、ジュリーの記事は反響を呼び、取材や出版の依頼などが殺到し、そして母親からも喜びの電話が入る。 しかし、90歳で存命中のジュリアに取材した新聞社から、彼女がジュリーのブログに不快感を示しているとの連絡が入る。 本の出版が実現できずにいたジュリアは気落ちするが、ポールは、テレビ出演してみてはどうかという意見を出し彼女を励ます。 そして、ジュリアの原稿がニューヨークの出版社”アルフレッド・A・クノッフ”の編集者ジュディス・ジョーンズ(エリン・ディリー)の目に留まる。 ジュディスはレシピを基に料理を試作し、その内容の素晴らしさを認める。 マサチューセッツ州、ケンブリッジ。 ”クノッフ”に出向いたジュリアは、ジュディスと出版の準備を始め、”Mastering the Art of French Cooking”という本の題名を付ける。 ジュリアに嫌われたことにショックを受けたジュリーだったが、彼女が自分の恩人であることには違いないことを、励ますエリックと共に確認する。 そしてジュリーは、友人達に365日間で524のレシピを再現したことを報告し、最後の料理”鴨のパイ包み焼き”を振舞い、全てを成し遂げた彼女はエリックに感謝する。 その後二人は、”スミソニアン博物館”の”歴史博物館”に展示されている”ジュリアのキッチン”を見学に行く。 ジュリアの写真の前で記念撮影をしたジュリーは、彼女に感謝を込めてバターを置く。
...全てを見る(結末あり)
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アメリカに戻っていたジュリアは、”クノッフ”から料理本の出版を提案され、ポールと共に喜び合う。
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*(簡略ストー リー)
アメリカ人外交官ポール・カッシング・チャイルドの妻ジュリアは、フランスの料理に親しむ内に興味を持つ。
料理教室に通いだしたジュリアは、それにのめり込み料理本の出版も考える。
そかし、ジュリアの思惑通りに事が運ばないまま、彼女はアメリカに帰国する。
そんな時、ジュリアの原稿が編集者のジュディス・ジョーンズの目に留まる。
約50年後、平凡な毎日を送る公務員のジュリー・パウエルは、夫エリックのあるアドバイスを受ける。
ジュリーは、料理好きをアピールするためジュリアの著書を参考にレシピ全てを1年で再現し、それをブログにすることを決心する。
主婦、仕事、料理、ブログ・・・、それに追われていたジュリーは、充実する毎日を送るものの、ブログへの反応もなく、夫エリックの理解も得られなくなる。
そんなある日、どんな時にもめげずに突き進んだジュリアに習い、ひたすら自分の掲げた目標に向かい努力したジュリーに、”ニューヨーク・タイムス”からの取材依頼が入る・・・。
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1961年に発表された、料理家ジュリア・チャイルドの著書”Mastering the Art of French Cooking”を参考にして、その524のレシピを365日で再現したジュリー・パウエルの奮闘記”Julie and Julia: 365 Days, 524 Recipes, 1 Tiny Apartment Kitchen”と、彼女のブログ”ジュリー/ジュリア・プロジェクト”及び、ジュリア・チャイルドとアレックス・プリュドムの”My Life in France”を基に製作された作品。
著書や、”ボナペティ!”の決まり文句でも有名な、テレビ料理番組”The French Chef”(1963-1973)でも知られるジュリア・チャイルドの伝記映画なのだが、本作は、彼女に関連したもう一つのドラマが描かれている。
188cmという女性としては抜きん出た長身、人間味溢れる特異なキャラクターであるジュリアの人生を描いただけでも一つの作品になる。
ジュリアの業績や人間性に感化されて、新たな自分を発見する女性ジュリー・パウエルの物語を合体させるという贅沢なストーリーは見応え十分だ。
50年の時代差に違和感を全く感じさせない、同じ世界で事が運んでいるような雰囲気で展開する、ノーラ・エフロンの軽快且つ小気味良い演出も見事だ。
また、ブログ記事がきっかけでそれが著書となり、大成功を収めた例として、その先駆け的アメリカン・ドリームを描いた作品でもある。
きれい事を描いただけでなく、ジュリー・パウエルの記事に対して、存命のジュリア・チャイルドが、異論を発した?というエピソードなども興味深い。
しかも、それを知って意気消沈してしまうジュリーが、やはりジュリアの生き方を参考に、物事を前向きに考えようとする姿も感動を呼ぶ。
北米興行収入は約9400万ドル、全世界では約1億1850万ドルのヒットとなった。
第82回アカデミー賞では、主演女優賞(メリル・ストリープ)にノミネートされた。
主演のメリル・ストリープは、茶目っ気のある愛すべきキャラクター、ジュリア・チャイルドの物腰や話し方、更には長身の彼女に容姿も似せる工夫努力が窺える、圧巻の演技を見せてくれる。
*ジュリア・チャイルドとメリル・ストリープの比較が楽しめるこの映像は必見!
http://www.youtube.com/watch?v=vNfSJIyFMVw&feature=related
前年の「ダウト」(2008)でも、メリル・ストリープと共演したエイミー・アダムスの、猛烈な頑張り振りは、私事ではあるが、彼女と同じような毎日を送っているので共感を覚え、また勇気付けられる。
主人公のジュリア(M・ストリープ)を献身的に支え、また、その優しさが実に微笑ましい夫のポール・カッシング・チャイルドを見事に演ずるスタンリー・トゥッチ、こちらは妻ジュリー(A・アダムス)と衝突しながらも励まし続けるクリス・メッシーナ、友人のメアリー・リン・ライスカブ、ヴァネッサ・フェルリト、本人役である記者のアマンダ・ヘッサー、主人公のフランスでの協力者シモーヌ・ベック役のリンダ・エモンドとルイーゼット・ベルトーレ役のヘレン・ケアリー、妹役のジェーン・リンチ、料理教室”ル・コルドン・ブルー”の校長エリザベス・ブラサールのジョーン・ジュリエット・バック、イルマ・ロンバウアー役のフランシス・スターンハーゲン、アメリカの協力者デボラ・ラッシュ、編集者のジュディス・ジョーンズ役のエリン・ディリー等が共演している。