1960年代に活躍したロックおよびポップス・バンド”フォー・シーズンズ”の栄光と挫折を描いたマーシャル・ブリックマンとリック・エリスによるミュージカル”ジャージー・ボーイズ”の映画化。 製作、監督クリント・イーストウッド、主演ジョン・ロイド・ヤング、エリック・バーゲン、マイケル・ロメンダ、ヴィンセント・ピアッツァ、クリストファー・ウォーケン他共演のミュージカル・ドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:クリント・イーストウッド
製作
クリント・イーストウッド
ティム・ヘディントン
グレアム・キング
ロバート・ロレンツ
製作総指揮
ボブ・ゴーディオ
ティム・ムーア
フランキー・ヴァリ
原作:ジャージー・ボーイズ
マーシャル・ブリックマン
リック・エリス
脚本
マーシャル・ブリックマン
リック・エリス
撮影:トム・スターン
編集
ジョエル・コックス
ゲイリー・D・ローチ
音楽:ボブ・ゴーディオ
出演
フランキー・ヴァリ/フランキー・カステルチオ:ジョン・ロイド・ヤング
ボブ・ゴーディオ:エリック・バーゲン
ニック・マッシ:マイケル・ロメンダ
トミー・デヴィート:ヴィンセント・ピアッツァ
アンジェロ”ジップ”デカルロ:クリストファー・ウォーケン
メアリー・デルガド:レネー・マリーノ
メアリー・リナルディ:キャサリン・ナルドゥッチ
アンソニー・カステルチオ:ルー・ヴォープ
フランシーン・ヴァリ(17歳):フレイヤ・ティングレイ
フランシーン・ヴァリ(7歳):エリザベス・ハンター
フランシーン・ヴァリ(4歳):グレース・ケリー
ボブ・クルー:マイク・ドイル
ジョー・ロング:ロブ・マーネル
ニック・デヴィート:ジョニー・カニツァロ
ノーマン・ワックスマン:ドニー・カー
ドニー:ジェレミー・ルーク
ジョー・ペシ:ジョーイ・ルッソ
ストッシュ:ジェームズ・マディオ
ロレイン:エリカ・ピッチニーニ
ヴィート:スティーヴ・シリッパ
会計士:バリー・リヴィングストン
チャールズ・カレロ:マイルス・オーブリー
エンジェル#1:キム・ゲイトウッド
エンジェル#2:ジャッキー・セイデン
エンジェル#3:カイリ・ラエ
エド・サリヴァン:トロイ・グラント
ミス・フランキー・ノーラン:ヘザー・ファーガソン・ポンド
ビリー・ディクソン:ジョン・グリフィン
ハル・ミラー:チャズ・ラングレー
アワー・サンズ・オーナー:ビリー・ガーデル
ウェイトレス:フランチェスカ・イーストウッド
エンジニア:ショーン・ウェーレン
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2014年製作 134分
公開
北米:2014年6月20日
日本:2014年9月27日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $46,222,850
世界 $67,669,010
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1951年、ニュージャージー州、ベルヴィル。
床屋にいた、地域を牛耳るジェノヴェーゼ・ファミリーのアンジェロ”ジップ”デカルロ(クリストファー・ウォーケン)は、美声を聴かせる見習いのフランキー・カステルチオ(ジョン・ロイド・ヤング)に髭を剃らせる。
そこに、バンドマンのトミー・デヴィート(ヴィンセント・ピアッツァ)が飛び込んできたため、フランキーはデカルロの頬を傷つけてしまう。
組織の下っ端でもあるトミーに連絡くらいしろと注意したデカルロは、”友人”だと言ってフランキーを許す。
フランキーの美声に一目置いていたデカルロは、歌手として必ず成功すると彼に伝える。 それを信じていたフランキーだったが、母メアリー・リナルディ(キャサリン・ナルドゥッチ)と父アンソニー(ルー・ヴォープ)は、ギャングと関りを持つ息子のことを心配する。 リハーサルだと言ってトミーと出掛けたフランキーは、トミーの兄ニック(ジョニー・カニツァロ)も加わり強盗する現場に向かう。 見張り役のフランキーは警官が現れたためにやり過ごし、金庫を盗んだトミーとニックの元に向かう。 トミーとニックは金庫を車のトランクに乗せて、フランキーが運転して逃走するものの事故を起こしてしまい、三人はその場から逃げる。 その後、トミーとニック、そしてニック・マッシ(マイケル・ロメンダ)のバンドがクラブで歌う姿を見ていたフランキーは、紹介されてステージに呼ばれて歌う。 美声が受けたフランキーは気を良くしてトミーから車を借りて、歌を気に入ってくれたアンジェラを誘う。 クラブを出たところで警官に連行されたフランキーは、その後、トミーとニックと共に起訴されるものの、警告のみで済む。 フランキーを庇ったトミーだったが、メアリーとアンソニーに非難され、息子に近づかないようにと言われる。 多くの犯罪歴を持つトミーは、判事から6か月の実刑を言い渡される。 刑務所に向かうトミーからフランキーを鍛えるようにと指示されたニックは、教会の礼拝堂に侵入し、フランキーに歌の練習をさせたために逮捕されてしまう。 ニックと入れ替わりで出所したトミーは、フランキーをバンドに入れる。 ”フランキー・ヴァリー”と名前を変えて”ヴァラエトーンズ”のメンバーとしてクラブで歌っていたフランキーは、メアリー・デルガド(レネー・マリーノ)に一目惚れして、トミーから彼女を紹介してもらう。 ピザ店に向かったフランキーは、名前を”ヴァリ”にするべきだとメアリーから言われて納得し、付き合い始めた二人は、その後、結婚する。 ある日、フランキーの車に乗っていた友人のドニー(ジェレミー・ルーク)とストッシュ(ジェームズ・マディオ)は、些細なことで口論となる。 憤慨したドニーはストッシュを射殺してしまい、焦ったフランキーは逃げるようにと言われて車から降りる。 それはドニーとトリシュの芝居で、二人は、自分の車で起きた事件の証拠を隠すために、フランキーが金を払うと考えていた。 トミーに会ったフランキーは金の相談をするが、それは詐欺だと言われる。 納得したフランキーは、自分が片を付けると言うトミーに後を任せてその場を去る。 その件をトミーから聞いたデカルロはドニーとトリッシュを呼び、”友人”であるフランキーには手を出すなと言って警告する。 その後フランキーは、自分の歌声に聞き惚れてくれたデカルロの信頼を得る。 出所したニックを迎えるもののバンド活動は低迷し、友人のジョー・ペシ(ジョーイ・ルッソ)に相談したトミーは、歌えて作曲もできるボブ・ゴーディオ(エリック・バーゲン)を紹介される。 フランキーの美しい歌声を聴いてショックを受けたボブは、トミーとフランキー、ニックの前で歌う。 歌が気に入りボブを雇うことにしたトミーだったが、対等の立場を求められために躊躇する。 フランキーとニックに説得されたトミーは、ボブをメンバーに入れる。 マンハッタン、ブリル・ビルディング クルーとレコード契約を結んだ”フォー・ラヴァーズ”は、コーラスとして1年間、我慢する。 自分達のスタイルがあればレコーディングするとクルーから言われたトミーは、3500ドルの費用を負担するようにと言われる。 ボブが曲を書き、トミーがギャングのノーマン・ワックスマン(ドニー・カー)から金を借りて3500ドルを工面し、それをクルーに渡す。 完成した新曲”シェリー”を電話でクルーに聴かせたトミーらは、ようやくレコーディングをすることができる。 1962年。 続く”Big Girls Don’t Cry”と”Walk Like a Man”も1位を獲得し、フォー・シーズンズはトップ・スターになる。 自分に自信が持てたボブは、フランキーと組みソロで活動することを提案する。 トミーとニックに恩があるフランキーは、二人で決めることには難色を示し、トミーがその話を聞いてしまう。 ツアーが続きほとんど家に帰れないフランキーは、メアリーとの溝が深まり、酒や薬に溺れる母を心配するフランシーン(エリザベス・ハンター)をフランキーは安心させる。 ”エド・サリヴァン・ショー”に出演するフランキーは、ステージに立つ直前に現れたノーマンから、トミーが”5大ファミリー”に15万ドル借金していることを知らされる。 それを無視するトミーらは、エド・サリヴァン(トロイ・グラント)に紹介されてステージに上がる。 このような問題は以前にもあり、2年前にクリーブランドで、宿泊詐欺の過去を知られたトミーら4人は、逮捕されたこともあった。 4人は直ぐに釈放されるものの、ボブはトミーに対して怒りが収まらなかった。 ニックは、トラブルを起こすトミーやフランキーとボブが手を組もうとしていることを知っても気にしなかった。 そんな時、記者のロレイン(エリカ・ピッチニーニ)からの取材を受けたフランキーは、彼女に惹かれてしまう。 トミーにも話を聞いたロレインは口説かれ、彼女と愛し合うようになっていたフランキーは、その話を聞いて憤慨する。 フランキーに無視されるトミーはニックに愚痴をこぼし、今後はボブに経理を任せるというフランキーの考えに対し、自分がいる間は許さないと意見する。 それを会計士(バリー・リヴィングストン)に伝えたトミーだったが、多数決で決めることをニックから提案される。 怒りをぶつけるトミーの意見に従うことになったが、結局グループは破滅に向かうことになる。 その後、借金を抱えるトミーを、ノーマンがステージの脇で監視するようになり、フランキーはデカルロの元に向かい15万ドルのことを話す。 フランキーと固い絆で結ばれるデカルロは、話をつけることを約束する。 10年間ホテルで同室だったトミーの、まともではない生活ぶりに怒りをぶつける、全てトミーのせいだと言うニックの話を皆は聞く。 デカルロがノーマンと話し合っている間に、フランキーはトミーを責めて言い争いになる。 戻って来たデカルロに、グループを救うために全員でトミーの借金を返すことを決めたと伝えたフランキーだったが、話はそう単純ではなかった。 ファミリーは見せしめを要求しているとノーマンは、トミーをラスベガスに向かわせて、借金を完済するまで監視することを伝える。 グループの口座からも、トミーが約50万ドルを抜いていたことを知ったフランキーは、それもグループで返すと皆に伝える。 無用な借金を背負うフランキーを心配するデカルロだったが、トミーは自分を救ってくれたと言われる。 グループを辞めると言って去るニックを追ったデカルロだったが、彼を引き止めることはできなかった。 ボブに説得されてソロ活動を始めたフランキーは、どんな仕事でも受けて、年間200ステージをこなした。 そんな時、フランシーン(フレイヤ・ティングレイ)が家出したという連絡を受けたフランキーは家に戻る。 フランシーンからの電話に出たフランキーは彼女を説得できず、男を雇って彼女を捜す。 カフェでフランシーンと話したフランキーは、自分が間違っていたことを伝える。 自分の立場では、努力しても仕事と家庭の両立は無理だと話すフランキーは、歌手志望のフランシーンに、協力するので努力するよう説得し、父娘の絆を確かめる。 すれ違い生活が続くロレインとの関係も終わったフランキーは、ようやく借金を完済する。 しかし、歌のレッスンを始めていたフランシーンが、ドラッグの過剰摂取で死亡し、フランキーは悲しみから抜け出すことができない。 フランシーンの死を自分の責任だと考えるフランキーは、それを乗り越えさせようとするボブから曲を渡される。 ボブの努力でレコーディングして発表できた、”Can’t Take My Eyes Off You/君の瞳に恋してる”は大ヒットする。 1990年、”ロックの殿堂”表彰式。 クルーに紹介されてステージに上がった4人は、”Rag Doll”を歌う。 トミーは、役者として大成功したジョー・ペシのアシスタントを務めていた。 ニックは、家が恋しかったとと、グループを辞めた理由を語る。 ”頂点”を極めた瞬間をよく訊かれるフランキーは、駆け出しの頃、街灯の下で、4人で自分達のハーモニーを作った時だと考える。 地元のことなどどうでもいいと考えるボブは、それは、現在のテネシー州のナッシュビルだった。
...全てを見る(結末あり)
ボブと共に曲を売り込みに行ったフランキーは、友人のボブ・クルー(マイク・ドイル)に出くわし、プロデューサーである彼にデモテープを渡す。
バンド名を”フォー・シーズンズ”としてた、フランキーの歌う”Sherry”は人々の心を捉え、”Billboard Hot 100”で№1ヒットとなる。
殿堂入りすることになった”フォー・シーズンズ”のメンバーは会場に到着し、久し振りに再会したフランキーとトミーは抱き合う。
ボブは、自分なしではグループの成功はなかったと自負する。
*(簡略ストー リー)
1951年、ニュージャージー州、ベルヴィル。
床屋の見習いだった少年フランキー・カステルチオの美声に一目置いていた、町のチンピラであるバンドマンのトミー・デヴィートは、彼をメンバーに入れる。
フランキーとニック・マッシ、兄ニックと共に活動を始めたトミーは、友人のジョー・ペシから、作曲ができるボブ・ゴーディオを紹介されてメンバーに加え、曲を売り込む。
友人であるプロデューサーのボブ・クルーと組んだフランキーは、トミーが工面した費用とボブの曲を”フォー・シーズンズ”として発表する。
フランキーの歌う”Sherry”は人々の心を捉え、”Billboard Hot 100”で№1ヒットとなり、続けざまにヒットを飛ばした彼らはスターとなるのだが・・・。
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音楽に造詣の深いクリント・イーストウッドが、1960年代に一世を風靡したロックおよびポップス・バンド”フォー・シーズンズ”の結成から栄光と挫折を描く作品。
よき時代から、戦争やドラッグなどの社会問題を抱えるようになるアメリカの激動する社会の中で、美しい歌声とハーモニーで人々の心を捉え癒した”フォー・シーズンズ”の結成秘話や、隠されたグループ内の対立、マフィアとの関係などを描いている。
クリント・イーストウッド作品としては平凡な出来とも言えるが、丁寧な演出が見所の作品には仕上がっている。
また数々の名曲と共に、その時代を知る人々にとっては、ノスタルジックな雰囲気に浸れる味わい深い作品でもある。
ミュージカルでも主演を演じたフランキー・ヴァリ(フランキー・カステルチオ:本名)を好演するジョン・ロイド・ヤング、グループのメンバー、ボブ・ゴーディオのエリック・バーゲン、ニック・マッシのマイケル・ロメンダ、トミー・デヴィートのヴィンセント・ピアッツァ、主人公を”友”として考えて接する、地域を牛耳るジェノヴェーゼ・ファミリーのアンジェロ”ジップ”デカルロをいい味で演ずるクリストファー・ウォーケン、主人公の妻レネー・マリーノ、主人公の両親キャサリン・ナルドゥッチとルー・ヴォープ、主人公の娘フランシーン、17歳時のフレイヤ・ティングレイ、7歳のエリザベス・ハンター、4歳のグレース・ケリー、音楽プロデューサー、ボブ・クルーのマイク・ドイル、ニック・マッシの後継メンバー、ジョー・ロングのロブ・マーネル、トミー・デヴィートの兄ジョニー・カニツァロ、マフィアの取り立て屋ドニー・カー、主人公を騙そうとする友人のジェレミー・ルークとジェームズ・マディオ、トミー・デヴィートの友人であるジョー・ペシのジョーイ・ルッソ、主人公と関係を持つ記者エリカ・ピッチニーニ、床屋の主人スティーヴ・シリッパ、グループの会計士バリー・リヴィングストン、音楽プロデューサー、チャールズ・カレロのマイルス・オーブリー、エド・サリヴァンのトロイ・グラント、アワー・サンズ・オーナーのビリー・ガーデル、ウェイトレス役でクリント・イーストウッドの娘フランチェスカ・イーストウッド、スタジオ・エンジニアのショーン・ウェーレンなどが共演している。