”マウンテンマン”と呼ばれたジェレマイア・ジョンソンの生き様を描く、監督シドニー・ポラック、主演ロバート・レッドフォード、ウィル・ギア、ステファン・ギーラシュ他共演の西部劇風のアドベンチャー作品。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督:シドニー・ポラック
製作:ジョー・ワイザン
原作
レイモンド・W・ソープ/ロバート・バンカー”Crow Killer”
バディス・フィッシャー”Mountain Man”
脚本
エドワード・アンハルト
ジョン・ミリアス
撮影:デューク・キャラハン
編集:トーマス・スタンフォード
音楽
ジョー・ルビンスタイン
ティム・マッキンタイア
出演
ジェレマイア・ジョンソン:ロバート・レッドフォード
”ベアー・クロー”クリス・ラップ:ウィル・ギア
デル・ギュー:ステファン・ギーラシュ
スワン:デレ・ボルトン
クレージー・ウーマン:アリン・アン・マクレリー
ケイレブ:ジョシュ・アルビー
クロウ族の戦士”Paints His Shirt Red”:ホアキン・マルティネス
リンドクイスト牧師:ポール・ベネディクト
マルヴェイ中尉:ジャック・コルヴィン
ロビドー:チャールズ・タイナー
クゥオーレン:マット・クラーク
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1972年製作 116分
公開
北米:1972年12月21日
日本:1972年11月3日
製作費 $3,100,000
北米興行収入 $44,693,790
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1850年代、ロッキー山脈。
”アメリカ・メキシコ戦争”に従軍していたジェレマイア・ジョンソン(ロバート・レッドフォード)は、山の暮らしに憧れてこの地を訪れる。
銃などを手に入れたジョンソンは山に入るが、食料がなくなり、雪山の中で魚一匹捕えるのにも苦労する。
現れた”クロウ族”の戦士(ホアキン・マルティネス)に驚くジョンソンだったが、相手は何もせずにその場を去る。
苦労しながら何とか日々を過ごすジョンソンは、凍死した男を発見し、銃を譲るというメモを確認する。
その銃で鹿を仕留めただったが、馬を一頭失ってしまう。
グリズリーを捕える”ベアー・クロー”クリス・ラップ(ウィル・ギア)に出会ったジョンソンは、彼に山の厳しさや暮らし方を教わる。 クロウ族の領地で狩りをした二人は、戦士が現れたため貢物を渡そうとする。 戦士には一度会っていたジョンソンは、彼にグリズリーの皮を渡す。 ラップと別れたジョンソンは、”ブラックフット”の襲撃を受けた女性(アリン・アン・マクレリー)に出会う。 子供を殺された女性は正常な精神状態ではなく、ジョンソンは彼女と共に遺体を埋葬する。 家の中を調べたジョンソンは、襲撃でショックで口がきけない女性の息子ケイレブ(ジョシュ・アルビー)に気づく。 ジョンソンは二人を見捨てられず船着き場まで送ろうとするが、女性はケイレブを連れて行くようにと言って墓から離れようとしない。 無口なケイレブと共に出発したジョンソンは、ブラックフットに馬を奪われ体を埋められたデル・ギュー(ステファン・ギーラシュ)を救う。 ブラックフットを見つけたジョンソンらは、夜を待ち馬を奪い返すが、ギューが相手を殺してしまい、自分まで危険にさらされたジョンソンは憤慨する。 翌日、ブラッドヘッド族に遭遇したジョンソンらは、ブラックフットを倒した者ということで集落に向かい族長に歓迎される。 ブラックフットの頭の皮などを族長に進呈したジョンソンは、その返礼として娘のスワン(デレ・ボルトン)を譲り受ける。 断ることわできないとギューに言われたジョンソンは、仕方なくそれに従う。 ギューはその場を去り、スワンとケイレブを連れたジョンソンの奇妙な生活が始まる。 当初は迷惑に思ったスワンが、暮らしに役立つ女だと分かったジョンソンは、居住地として最適な場所を見つけ、三人で力を合わせて家を建てる。 本格的な冬が近づき、ジョンソンは、スワンとケイレブを残してバッファロー狩りに出かける。 狼の襲撃に遭ったジョンソンは傷つきながら家に戻り、スワンの手当てを受ける。 その後、騎兵隊のマルヴェイ中尉(ジャック・コルヴィン)らが現れ、ジョンソンは、立ち往生している者達を救うための道案内を頼まれる。 クロウ族の聖地を通ると言い張るマルヴェイやリンドクイスト牧師(ポール・ベネディクト)に、命はないと警告したジョンソンだったが、彼らが考えを変えないために仕方なく前進する。 その場を通り抜けることができたジョンソンらは、助けを求める者達を確認する。 クロウ族の聖地を犯したため、スワンとケイレブの危険を察したジョンソンは、一目散で家に戻るものの、二人はクロウ族に惨殺されていた。 ジョンソンは放心状態で何日も過ごし、その場を去る決心をして、二人の遺体と共に家に火を放つ。 旅立ったジョンソンは、クロウ族を見つけて襲い掛かり、一人を残して殺害する。 その後も一人ずつ現れるクロウ族を殺し続けたジョンソンは、ギューに再会して行動を共にする。 再びクロウ族に襲われたジョンソンは、山を下りて町にむかうことをギューに提案されるもののそれを拒む。 カナダに向かう可能性を伝えたジョンソンはギューと別れ、クロウ族と戦いながら旅を続ける。 ケイレブの家に立ち寄ったジョンソンは、開拓者クゥオーレン(マット・クラーク)から、女性が死んだことを知らされる。 クゥオーレンの家族がいることを確認したジョンソンは、その場に自分の墓があることに気づく。 クロウ族が、それを記念碑のようにしていることを知ったジョンソンは、自分の死か、又は不死身であることを意味するのか理解できなかった。 ジョンソンは、この場が危険であることをクゥオーレンに伝えて立ち去る。 その後ラップと再会したジョンソンは、多くを語らずに彼と別れる。 そして、クロウ族の戦士と相対したジョンソンは銃に手をかけるものの、平和を示す相手の合図を見て、自分も同じようにそれを返す。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1850年代、ロッキー山脈。
山の暮らしに憧れたジェレマイア・ジョンソンは、苦労しながらも自給自足の生活を始める。
グリズリーを捕えるクリップに出会ったジョンソンは、山の厳しさや暮らし方を教わる。
ラップと別れたジョンソンは、ブラックフットに襲われた女性に出会い、彼女の息子ケイレブを託される。
襲撃のショックで口がきけないケイレブを連れたジョンソンは、ブラックフットに襲われ埋められていたギューを助け馬を奪い返す。
別の部族にその勇気を称えられ、族長の娘スワンを譲られたジョンソンは、それを断ることはできなかった。
そしてジョンソンは、スワンとケイレブと共に定住地を見つけ、家を建て本格的な山の生活を始めるのだが・・・。
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レイモンド・W・ソープとロバート・バンカーの著書”Crow Killer”と1965年に発表された、バディス・フィッシャーの小説”Mountain Man”を基に製作された作品。
19世紀に実在した”マウンテンマン”ジェレマイア・ジョンソンの、大自然を舞台にして逞しく生きる男の苦闘の日々と、様々な人々との触れ合いを描く秀作ドラマに仕上がっている。
第25回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール(シドニー・ポラック)にノミネートされた。
当然ではあるが、”マウンテンマン”になることを決心して生活を続ける主人公から”文明”を感じさせる言葉がほとんど発せられない。
文明を知る者と接してもそれは同じであり、常に自然を見つめ、それと闘う気構えのある男の視点や考えが伝わる、シドニー・ポラックのもの静かで味わい深い演出に注目したい。
観客からすると、自然との闘い、先住民や野獣などの脅威に対抗するために集団で暮らす安心感を得ようとしないのかと思うのだが、出会っても必要以上の関係を持とうとしない、自分だけの世界を求める”マウンテンマン”の鉄則のようなものを感じさせる描写が印象的だ。
時にユーモアを交えながら、主人公のジェレマイア・ジョンソンを好演するロバート・レッドフォードと、「雨のニューオリンズ」(1966)でもコンビを組んだシドニー・ポラックの友情はその後も続くことになる。
主人公に山の厳しさや暮らし方を教える”マウンテンマン”のウィル・ギア、同じくステファン・ギーラシュ、主人公の妻になる先住民デレ・ボルトン、先住民の襲撃に遭い正気を失う女性アリン・アン・マクレリー、その息子で主人公と暮らすことになるジョシュ・アルビー、クロウ族の戦士ホアキン・マルティネス、騎兵隊の中尉ジャック・コルヴィン、牧師ポール・ベネディクト、交易商チャールズ・タイナー、開拓民マット・クラークなどが共演している。