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ジョーズ Jaws (1975)

ピーター・ベンチリーが1974年に発表したベストセラー小説”Jaws”を基に、若きスティーヴン・スピルバーグの才能が世界で認められ社会現象にまでなった作品。
ロイ・シャイダーロバート・ショウリチャード・ドレイファス共演のパニック・スリラーの傑作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー

スティーヴン・スピルバーグ / Steven Spielberg 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴン・スピルバーグ

製作
リチャード・D・ザナック
デイヴィッド・ブラウン
原作:ピーター・ベンチリーJaws
脚色
ピーター・ベンチリー
カール・ゴッドリーブ
撮影:ビル・バトラー
編集:ヴァーナ・フィールズ
美術
ジョゼフ・オルヴズ
ジョン・M・ドワイヤー
音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演
マーティン・ブロディ:ロイ・シャイダー
サム・クイント:ロバート・ショウ
マット・フーパー:リチャード・ドレイファス
エレン・ブロディ:ロレイン・ゲリー
ラリー・ヴォーン市長:マーレイ・ハミルトン
レニー・ヘンドリックス:ジェフリー・クレーマー
ベン・メドウズ:カール・ゴッドリーブ
クリッシー:スーザン・バックライニー
リポーター:ピーター・ベンチリー
アミティ監視所員(声):スティーヴン・スピルバーグ

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1975年製作 124分
公開
北米:1975年6月20日
日本:1975年12月13日
製作費 $12,000,000
北米興行収入 $260,000,000
世界 $470,653,000


アカデミー賞 ■
第48回アカデミー賞

・受賞
編集・録音・作曲賞
・ノミネート
作品賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューイングランド
アミティ島の浜辺で若者達が戯れ、23歳の女性クリッシー(スーザン・バックライニー)が、沖に泳ぎに行く。

しかし、クリッシーは何かに引っ張られるような衝撃を受け、叫び声を上げて、そのまま海に消えてしまう。

翌朝、警察署長マーティン・ブロディ(ロイ・シャイダー)に、女性が行方不明になったという連絡が入る。

浜辺に向かったブロディは、部下のレニー・ヘンドリックス(ジェフリー・クレーマー)が見つけた、遺体の残骸を確認する。

警察署に戻ったブロディは、犠牲者がサメの被害に遭った可能性を考え、海岸に遊泳禁止の札を立てようとする。

しかし、アミティ市長ラリー・ヴォーン(マーレイ・ハミルトン)は、市の重要な収入源の海水浴シーズンを控え、海岸を閉鎖する訳にはいかないことをブロディに伝える。
...全てを見る(結末あり)

次の休日、浜辺を監視するブロディは、海水浴を楽しむ人々を見て不安が募る。

そして、ブロディの不安が現実となり、少年がサメの犠牲になってしまう。

その後、少年の母親は、サメ退治の懸賞金3000ドルの広告を出す。

市議会が対策や海岸閉鎖について話し合っていると、漁師のサム・クイント(ロバート・ショウ)が現れ、1万ドルでサメを退治すると言い出す。

ヴォーン市長は即答を避け、クイントに検討するとだけを伝える。

ブロディは、サメについて調べ始めるが、神経過敏になり過ぎていることを、妻エレン(ロレイン・ゲリー)に指摘される。

そんな時、懸賞金目当ての二人が、桟橋で肉の塊を沖に投げ込み、サメの様子を窺っていた。

すると突然、浮き輪が動き始め、チェーンで餌と結ばれていた桟橋は破壊されてしまう。

一人は沖に取り残され、危ういところでサメの餌食になるところを逃れる。

それをきっかけに、賞金欲しさの俄サメ・ハンターが全米から大挙して押し寄せ、お祭りムードで沖に出て行く。

やがて、海洋学者マット・フーパー(リチャード・ドレイファス)が島に到着する。

フーパーは犠牲者の遺体を確認し、殺された原因はサメに間違いないことをブロディに伝える。

そして、体長4m余りのサメが捕獲され、人々は騒ぎ立てるが、フーパーは、被害者の傷口とサメの歯形の大きさが合わないと言い出し、サメの胃の内部の確認を要求する。

ヴォーン市長は、サメの胃から少年の遺体が出てくるのを恐れ、それを許可しなかった。

その時、犠牲になった少年の母親が現れ、被害が出ていたにも拘らず、海岸を閉鎖しなかったブロディを責め彼を罵って立ち去る。

帰宅したブロディは塞ぎ込んでいたが、そこにフーパーが現れる。

フーパーの、説得力ある説明に理解を示していたブロディは、サメを解剖することに同意する。

結果、フーパーの予想は当たり、そのサメが人食いザメでないことが判明する。

その後、ブロディはフーパーの調査クルーザーで沖に出て、人影のない漁師の船を見つける。

フーパーが海中に潜り船底を調べ、折れたサメの歯と漁師の遺体を発見する。

遺体に驚き歯を落としてしまったフーパーだったが、今回の事件が”ホホジロザメ”の仕業だと確信する。

ブロディとフーパーは、それをヴォーン市長に伝えるのだが、その証拠もないことを理由に、市長は海開きを強行しようとする。

やがて、アミティには観光客が押し寄せ、海水浴目当ての人々で島は賑わう。

武装した監視員やヘリコプターが見守る中、海に入ろうとしない人々を見て、ヴォーン市長は長老を急き立てる。

ようやく賑わいだした海岸だったが、作り物のサメのヒレを使った子供の悪戯も起きて、海岸は、一時パニックになる。

その直後、入り江にサメが出現し、ボートの男性が犠牲になり、ブロディの息子も、危うくサメの餌食になるところだった。

4人目の犠牲者を出し、ついに海岸は閉鎖され、ブロディは、クイントを雇うことをヴォーン市長に同意させる。

単独で海に向かおうとするクイントだったが、自分が雇われの身だということで、仕方なくブロディとフーパーの同行を認める。

クイントは、フーパーの近代的な装備を嘲り笑い、夫を見送りに来た、ブロディの妻エレンの前でも暴言を止めない。

港を出て沖に向かった船上で、クイントは釣竿に異変を感じ、獲物を仕留める準備を始める。

しかし、腕には自信があったものの、ピアノ線を喰いちぎる大物を警戒し始める。

餌まきをしていたブロディは、海面に現れたサメを見て呆然とする。

ついに姿を現わした、全長約25フィート7.6メートルの巨大なホホジロザメに、さすがのクイントも驚きを隠せない。

クイントは、フーパーが発信機を付けた浮き樽を、サメに撃ち込み様子を見ようとするが、サメは樽を付けたまま海中に姿を消す。

その夜、太平洋戦争中、クイントが乗船していた重巡洋艦”インディアナポリス”での、彼のサメの恐怖体験などを聞くうちに、三人には、ほのかな友情のようなものが芽生える。

しかし、サメに船底を攻撃されて、船に海水が流れ込みエンジンが壊れかけてしまう。

翌日、クイントとフーパーは、浮かび上がった樽のロープを手繰り寄せるのに失敗し、ブロディはアミティの監視所に無線連絡しようとする。

クイントはそれを見て無線を壊してしまい、ブロディは憤慨するが、サメが現れたため再び樽を撃ち込む。

樽のロープを船に結びつけるが持ちこたえられず、三個目の樽をサメに撃ちこみロープを外す。

サメは樽三個を付けたまま海中に潜り、再び浮上して浅瀬に向かう船を追跡する。

クイントは、フーパーの制止も聞かず強引に船を進め、ついにエンジンは焼け付いてしまう。

船は浸水して傾き始め、三人は仕方なくフーパーが持参した檻を利用し、海中でサメに毒を撃とうとする。

フーパーが檻に入り海中に向かうが、彼はそれに失敗して、檻はサメに壊されてしまう。

檻から逃れたフーパーは海底に向かい、サメは船を攻撃して、クイントを呑み込んでしまう。

ブロディはサメの口に酸素ボンベを投げ込み、沈みかけた船のマストに登る。

そして、ブロディは向かってくるサメのボンベを撃ち抜き、サメを爆死させることに成功する。

やがて、海底に避難していたフーパーが姿を現し、ブロディと共に、樽を使って泳ぎ海岸にたどり着く。


解説 評価 感想 ■

・「ジョーズ」(1975)
・「ジョーズ2」(1978)
・「ジョーズ3」(1983)
・「ジョーズ’87 復讐篇」(1987)

*(簡略ストー リー)
ニューイングランド
アミティ島の浜辺に、遺体の残骸が打ち上げられる。
警察署長マーティン・ブロディは、サメによる被害の可能性を考え、直ちに海岸を遊泳禁止にしようとするが、海水浴シーズンを控えて、市長はそれに同意できない。
やがて、島は何の対策も取らないまま、二人目の犠牲者を出してしまう。
犠牲者の少年の母親が、サメ退治に懸賞金を出したため、人々は沖に向かいサメを捕らえようとする。
ブロディは、海洋学者のフーパーを呼び寄せて対策を練るが、再び二人の犠牲者が出てしまう。
遂に海岸は閉鎖され、ブロディは、フーパーと地元の漁師クイントと共にサメ退治に向かう。
やがて、目的の人食いザメが、三人の想像を遥かに超える相手だということが分かる・・・。
__________

弱冠28歳のスティーヴン・スピルバーグの才能が開花した、記念すべき大出世作として余りにも有名な作品。

2年前の「エクソシスト」(1973)が作った興行記録を破る大ヒットとなった、映画史上に残るパニック・スリラーの傑作。

北米のみで約2億6000万ドルに達した興行収入は、全世界で約4億7100万ドルを記録し、世界中で社会現象にまでなった作品でもある。

2001年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品。

第48回アカデミー賞では、編集、録音、作曲賞を受賞した。
・ノミネート
作品賞

原作者ピーター・ベンチリースピルバーグの間には、様々な確執があったようだが、ベンチリーは、海岸のレポーター役で出演もしている。

見えない敵の恐怖を扱う作品は多数あるが、 恐怖を煽る斬新な映像と、観客の想像を遥かに超える、巨大ザメの登場までの演出は、見事としか言いようがない。

例えば、日常生活では頑丈そうに見える鎖やボート、または荒くれ男などが、巨大ザメの出現と共に、まるでおもちゃか子供のように見えてしまう。

尚、巨大ザメは上映開始後1時間20分でようやく登場する。

忘れてならない、ジョン・ウィリアムズの、緊張感と恐怖を感じさせる主題曲は秀逸だ。
本作に限らずこの曲は、恐怖シーンの代名詞のようになり、その後、あらゆる状況で使われている。

夏の海水浴シーズンを控え、よくこの時期に公開したとも思う。
だからこそ、注目を浴びてヒットしたとも言える。
(アメリカ公開日1975年6月20日)

撮影中に故障して苦労したらしい、機械仕掛けのサメもなかなか良く出来ている。

島の唯一の収入源と、サメの危険の板挟みになる、警察署長ロイ・シャイダーの苦悩なども丁寧に描かれ、それ程タフでもない男が、懸命に戦う姿に親近感も感じる。

なんといっても圧巻は、ロバート・ショウの、ひねくれ者の漁師役の怪演だ。
イギリス人の彼は、「ロシアより愛をこめて」(1963)のロシア人、「バルジ大作戦」(1965)ではドイツ人を違和感なく演じていたが、本作の彼はアカデミー賞の候補にあがってもいいほどの、個性溢れる男臭い名演を見せくれる。

アメリカン・グラフィティ」(1973)の主役に抜擢され、本作に挑んだリチャード・ドレイファスも、ユーモアのあるインテリ海洋学者を好演し、2年後の「グッバイガール」(1977)で、史上最年少のアカデミー主演賞を受賞する実力の片鱗が窺える。
*25年後、「戦場のピアニスト」(2002)で、エイドリアン・ブロデイがこの記録を破る。

その他、署長の妻役のロレイン・ゲリーや、市長マーレイ・ハミルトンらも印象に残る。
署長補佐ジェフリー・クレーマー、最初の犠牲者スーザン・バックライニー、そして、スピルバーグが、監視所員として、無線交信で声だけの出演をしている。


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