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白と黒のナイフ Jagged Edge (1985)

巧みに仕組まれた完全犯罪の罠にはまった弁護士と容疑者との関係を描く、監督リチャード・マーカンド、主演グレン・クローズジェフ・ブリッジスピーター・コヨーテロバート・ロッジアランス・ヘンリクセン他共演の法廷サスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:リチャード・マーカンド

製作:マーティン・ランソホフ
脚本:ジョー・エスターハス
撮影:マシュー・F・レオネッティ
編集
ショーン・バートン
コンラッド・バフ

音楽:ジョン・バリー

出演
グレン・クローズ:テディ・バーンズ
ジェフ・ブリッジス:ジャック・フォレスター
ピーター・コヨーテ:トーマス・クラズニー
ロバート・ロッジア:サム・ランサム
ジョン・デナー:キャリガン判事
マーシャル・コルト:ボビー・スレイド
ランス・ヘンリクセン:フランク・マーティン
リー・テイラー=ヤング:ヴァージニア・ハウエル
カレン・オースティン:ジュリー・ジェンセン
ジェームズ・カレン:アンドリュー・ハーデスティ
ビフ・イェーガー:リポーター
ブランドン・コール:デヴィッド・バーンズ
マイケル・ドーン:ナン・ハイスラン

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1985年製作 108分
公開
北米:1985年10月4日
日本:1986年1月
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $40,500,000


アカデミー賞 ■
第58回アカデミー賞

・ノミネート
助演男優賞(ロバート・ロッジア


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
サンフランシスコ
海岸線の高級別荘で、出版王の孫娘とメイドが惨殺される事件が起きる。

現場に到着した地方検事トーマス・クラズニー(ピーター・コヨーテ)は、被害者が”ジャグド・エッジ”(狩猟用ナイフ)で殺されたことを、フランク・マーティン刑事(ランス・ヘンリクセン)から知らされる。

倒れていた夫ジャック・フォレスター(ジェフ・ブリッジス)は、脳震盪で病院に運ばれるが、妻が死んだ場合に膨大な財産が彼に遺されることになっていた。

クラズニーやマーティンの執拗な事情聴取に辟易していたジャックだったが、彼が犯行に使われたナイフと同じ型の物を所持していたという目撃者も現れる。

証拠を固めたクラズニーは、ジャックを逮捕して起訴するが、彼は50万ドルの保釈金で釈放される。

ジャックは、妻の祖父の出版社編集長でもあり、クラズニーに批判的な記事が、今回の処分に影響しているとマスコミに訴える。

そしてジャックは、元検事でクラズニーの部下だった敏腕女性弁護士テディ・バーンズ(グレン・クローズ)を雇おうとする。
...全てを見る(結末あり)

迷ったバーンズは、かつてクラズニーとで有罪にした囚人が保釈寸前で自殺したことを知り、ジャックの弁護を引き受けることにする。

その囚人が無実であるという証拠を知っていながら、起訴したクラズニーの行動を許せないバーンズは、旧友の探偵サム・ランサム(ロバート・ロッジア)に協力を要請する。

全てを調べ上げるようサムに指示したことを、バーンズはジャックに伝える。

しかしサムは、大富豪であるジャックのような男は、警戒するべきだとバーンズに忠告する。

離婚をして2人の子供を抱えるバーンズは、精力的に裁判の準備を始める。

ジャックの嘘発見器の結果はシロで、精神科医の診断も正常、ナイフの目撃証言は状況証拠でしかない、しかし、一ヶ月ジャックを観察したサムは、彼が犯人だと判断する。

バーンズとクラズニーは、裁判を担当するキャリガン判事(ジョン・デナー)に呼ばれる。

判事に対してバーンズは、クラズニーが調査内容を隠蔽していることを指摘する。

公私の境なく付き合い始めたバーンズとジャックは、やがて愛し合うようになる。

”彼(ジャック)は無実だ”とだけ書かれた手紙が何度も届き、ナイフの調査も進まないまま、いよいよ裁判は始る。

クラズニーの厳しい追及が始り、証人として呼ばれた被害者の友人ヴァージニア・ハウエル(リー・テイラー=ヤング)が、ジャックを誘惑していたことが分かる。

そしてバーンズは、被害者がジャックと離婚するための準備をしていたと言うヴァージニアの証言を覆させる。

クラズニーは、ジャックがバーンズに隠していた愛人や、妻の浮気相手のテニス・コーチのボビー・スレイド(マーシャル・コルト)などを証言台に立たせ、夫婦が不仲だったことを立証しようとする。

愛人の存在など、ジャックに嘘をつかれていたバーンズはショックを受け、弁護を降りようとする。

サムの調査で、新事実が分かったバーンズは弁護を続け、スレイドの被害者への暴力や、ナイフの目撃証言の誤りを明らかにしていくが、ジャックへの信頼は戻らなかった。

バーンズは、ジャックが無実だという、手紙の女性ジュリー・ジェンセン(カレン・オースティン)を法廷に呼ぶ。

ジュリーは、事件の18ヶ月前に、被害者と同じような手口で襲われていて、しかも、スレイドにテニスのコーチを受けていたことが分かる。

クラズニー側が、その事実を隠していたことが明らかになり、結果、ジャックに無罪が言い渡される。

判決が下った直後、バーンズは、クラズニーの検事補だった時の、証拠隠蔽工作をマスコミに暴露する。

やがて、容疑者殺しの罪でスレイドが指名手配される。

わだかまりが消えたバーンズは、ジャックと喜びを噛みしめて一夜を過ごす。

しかしバーンズは、ジャックの屋敷から、例の手紙に使ったと思われるタイプライターを見つける。

バーンズはタイプライターを持って自宅に戻り、ジャックからの電話でそれを伝える。

恐怖のあまりサムに電話をかけたバーンズだが、彼には、今回の件を感謝しただけで電話を切る。

やがて、覆面をした男がバーンズの家に侵入してくる。

覚悟を決めて、それを想定していたバーンズは、寝室で男を待ち構え拳銃で射殺する。

駆けつけたサムが男の覆面を剥ぐと、それはバーンズの予想通りジャックだった。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
サンフランシスコ
海岸線の高級別荘で、出版王の孫娘とメイドが惨殺される。
被害者は”ジャグド・エッジ”(狩猟用ナイフ)で殺されたことが分かり、現場に倒れていた夫ジャック・フォレスターが、莫大な財産を相続することが分かる。
検事クラズニーや刑事マーティンの事情聴取を受けたジャックは、犯行に使われた凶器と同じ型のナイフを所持していたことが目撃されてもいた。
そして証拠が固まり、クラズニーはジャックを逮捕するのだが、50万ドルの保釈金で彼は釈放される。
ジャックは、敏腕弁護士テディ・バーンズを雇い、今回の処分が、クラズニーに批判的な自分が関わった記事への腹いせだとして訴えを起こす。
ある事件で、元上司クラズニーを疑っていたバーンズは、彼に戦いを挑み、やがて彼女とジャックは親密な関係になるのだが・・・。
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後に「氷の微笑」(1992)で、世界に衝撃を与えることになる、ジョー・エスターハスのオリジナル脚本の映画化で、監督は「スター・ウォーズエピソード6:ジェダイの帰還」(1983)に大抜擢されたリチャード・マーカンド、「007シリーズ」などのジョン・バリーが音楽を担当している。

第58回アカデミー賞では、助演男優賞(ロバート・ロッジア)にノミネートされた。

衝撃的なオープニングや、主人公の弁護士が事件を引き受けて、裁判の準備を着々と進めていく中盤までは見応えあるが、終盤からクライマックスでは、やや荒っぽい演出が目立ち、誰もが容疑者が犯人だと思うだろう、どんでん返し風のラストも空振りに終わってしまっている。

見所は、実力派俳優として軒並み話題作に出演し、絶頂期を迎えようとしていた主演グレン・クローズの演技で、登場の瞬間から自信漲り、表情だけで弁護士だと分かるあたりは、正に玄人好みの演技力を見せ付けてくれる。

さすがのジェフ・ブリッジスも、彼女に圧倒されているような雰囲気で影が薄く、今回は脇役に徹しているようにも思える。

主人公の元上司で、辣腕検事のピーター・コヨーテ、落ちぶれた雰囲気で登場するが、事件の鍵を握る証拠を次々と調べ上げる、頼もしい探偵役を好演するロバート・ロッジア、判事ジョン・デナー、テニス・コーチのマーシャル・コルト、刑事ランス・ヘンリクセン、証人リー・テイラー=ヤングカレン・オースティン等が共演している。


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