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アウトロー Jack Reacher (2012)

2005年に発表された、リー・チャイルドの小説”One Shot”を基に製作された作品。
無差別狙撃殺人事件の容疑者と関係する謎の男の悪に対する正義の制裁を描く、監督、脚本クリストファー・マッカリー、主演トム・クルーズロザムンド・パイクリチャード・ジェンキンスヴェルナー・ヘルツォークロバート・デュヴァル他共演のサスペンス・アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

トム・クルーズ / Tom Cruise 作品一覧
トム・クルーズ / Tom Cruise / Pinterest
ロザムンド・パイク / Rosamund Pike / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:クリストファー・マッカリー

製作総指揮
ジェイク・マイヤーズ

ポール・シュウェイク
製作
トム・クルーズ

ポーラ・ワグナー
ゲイリー・レヴィンソン
ドン・グレンジャー
ケヴィン・J・メシック
デヴィッド・エリソン
デイナ・ゴールドバーグ
原作:リー・チャイルドOne Shot
脚本:クリストファー・マッカリー

撮影:キャレブ・デシャネル
編集:ケヴィン・スティット
音楽:ジョー・クレイマー

出演
ジャック・リーチャー:トム・クルーズ

ヘレン・ロディン:ロザムンド・パイク
アレックス・ロディン:リチャード・ジェンキンス
エマーソン:デヴィッド・オイェロウォ
ゼック・チェロヴィェック:ヴェルナー・ヘルツォーク
マーティン・キャッシュ:ロバート・デュヴァル
チャーリー:ジェイ・コートニー
ジェームズ・バー:ジョセフ・シコラ
リンスキー:マイケル・レイモンド=ジェームズ
サンディ:アレクシア・ファスト
ジェブ・オリヴァー:ジョシュ・ヘルマン

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ

2012年製作 130分
公開
北米:2012年12月21日
日本:2013年2月1日
製作費 $60,000,000
北米興行収入 $80,070,740
世界 $218,340,600


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ペンシルベニア州、ピッツバーグアレゲニー川
ある男(ジェイ・コートニー)が、対岸の歩行者など5人を無差別に殺害する。

現場に駆けつけたエマーソン(デヴィッド・オイェロウォ)刑事は、その場の証拠を調べて直ちに捜査を開始し、容疑者として、元軍人のスナイパー、ジェームズ・バー(ジョセフ・シコラ)を逮捕する。

エマーソンは、あらゆる状況証拠から罪を逃れることができないことをバーに伝える。

アレックス・ロディン検事(リチャード・ジェンキンス)と共に犯行を認めさせようとするエマーソンだったが、バーは黙秘を続け、”ジャック・リーチャーを呼べ”と紙に書き記す。

現時点であらゆる記録が不明なジャック・リーチャーは、軍人として輝かしい経歴を持ち、憲兵隊にも籍を置いた彼は、捜査官でありながらトラブルも起こし、その後に除隊して消息を絶っていた。

生死も不明なリーチャーだったが、年金は時々、引き出され、法には触れていない人物だということしか分からず、彼が現れるのを待つしかないとエマーソンはロディンに伝える。

そこに、リーチャー(トム・クルーズ)本人が現れるのだが、バーは、護送中に他の囚人に襲われて意識不明となっていた。

バーの容態を確認したリーチャーはその場を去ろうとするが、バーの弁護人でロディンの娘であるヘレン(ロザムンド・パイク)が現れる。
...全てを見る(結末あり)

ヘレンはリーチャーに協力を求めるが、自分が来たのは、バーを葬るためだと彼は答える。

仕方なくバーに関して話し始めたリーチャーは、合法的に人を殺すことが許される軍人を選んだバーがスナイパーとなったことを語る。

イラク戦争で監視兵となったバーだったが、結局は人を撃つチャンスが与えられず、その不満から、彼は帰国前にある男達を射殺した。

リーチャーはバーを挙げて自白させるのだが、殺された男達は、集団レイプを犯した軍事関連企業の作業員だったために彼は釈放された。

軍事企業はそれを封印し、バーは機密情報であるその件を伝えたかったことをヘレンは理解する。

ヘレンは、あくまでバーを助けようと、リーチャーに調査への協力を求める。

ヘレンと別れ、バスで街を離れようとしたリーチャーだったが、バーが自分を呼んだ理由を知りたいはずだと言われた彼女の元に戻る。

リーチャーは、先入観を捨てて再び罪を犯したバーを自分に弁護させたいのかヘレンに確認する。

ヘレンの要求を聞き入れたリーチャーは、犠牲者達を、先入観なしに調べ直せと彼女に条件を出す。

リーチャーの指示通り、犠牲者の遺族に会ったヘレンは情報を仕入れる。

その頃、狙撃現場などを調べるリーチャーを、ある男に雇われたリンスキー(マイケル・レイモンド=ジェームズ)が監視する。

犠牲者の父親が、傍らに銃を置き平常心を失いかけていることに気づいたヘレンは家を飛び出す。

そこに現れたロディンは、リーチャーと組み、遺族に会うヘレンの行為を非難するが、彼女はそれを聞き入れずに立ち去る。

リーチャーは、エマーソンに付き添われ証拠品の銃などを確認するが、人を殺す目的のバーが、なぜ駐車料金を払ったのかなど疑問を投げかける。

その夜、バーで食事をしていたリーチャーは、席に座ったサンディ(アレクシア・ファスト)を相手にせず、彼女の仲間ジェブ・オリヴァー(ジョシュ・ヘルマン)らに因縁を付けられる。

表に出たリーチャーは、男達を叩きのめすものの、駆けつけた警官に逮捕される。

その際リーチャーは、殴り倒ししたジェブに、誰に雇われたかを尋ねる。

リーチャーは、エマーソンと共に現れたヘレンに、今回の件は間違いなく仕組まれたことだと説明する。

ヘレンは、現場を調べている際の尾行が刑事だと指摘するが、リーチャーはそれも否定する。

その後、犠牲者を調べたヘレンはそれをリーチャーに伝え、皆が罪もなく殺されたと考える。

しかし、全く違う見方をするリーチャーは、犠牲者の死が、運が悪かったとは考えず、更に細かい調査が必要だとヘレンに伝える。

リンスキーは、仲間のチャーリー(ジェイ・コートニー)にリーチャーの件を報告する。

一人殺すために5人が死んだことで動揺するリンスキーは、リーチャーを始末できなかったことの償いを、現れたゼック・チェロヴィェック(ヴェルナー・ヘルツォーク)に求められる。

ソ連強制収容所に入れられた経験のあるゼックは、自分の指を噛み切ることをリンスキーに強要し、それができない彼はチャーリーに射殺される。

バーが通ったはずの射撃場を探すようヘレンに指示したリーチャーは、サンディが働いていると思われる自動車部品店に向かう。

サンディに会ったリーチャーは、ジェブの指示だったことを知らされ、彼の家の住所を聞き出してその場に向かう。

ジェブの家を調べたリーチャーは、現れた男達に襲われるものの、彼らを叩きのめしてその場を去る。

リーチャーは、街を出たというジェブが殺されているだろうということをヘレンに伝える。

更にリーチャーは、現場に遺留品を残さないはずのバーが、薬莢や指紋、駐車料金まで払い、最高とは言えない彼の腕で、標的を外さなかったことを疑問に思う。

液体タンクに命中した外した一発の弾丸が、最も重要な証拠品になったこと、自分を狙う者達の存在などから、リーチャーは出来過ぎた事件だと考える。

リーチャーは、自分なら見抜けると判断したバーが、それで呼び寄せたことをヘレンに伝え、彼の無実を確信する。

それを受け入れられないヘレンに、生き方を非難されたリーチャーは、情況で生活を変えて生き抜く現実的な考えを説き、尾行していた車のナンバーを知らせて調べさせる。

車の所有者が、犠牲者の建設会社と争っているドイツ企業”リーベンダウアー”だと知ったヘレンは、一人を狙った犯行で4人が巻き添えになり、リーチャーがそれに気づいていたことに驚く。

リーチャーは、被害者の女性が手放さない建設会社を、誰かが奪おうとしていたと指摘する。

ヘレンは尚も”仮説”に過ぎないと答えるが、リーチャーは、バーからイラクの話を聞いた者が彼を罠にハメたと考え、それが狙撃犯であり、その男を捜すことが解決策だと彼女に伝える。

男を捕えるのは弁護士の仕事でないと語るヘレンは、この件を降りることをリーチャーに伝え、彼はそれを聞きその場を去る。

その頃、チャーリーはサンディを殺害する。

翌日、ヘレンから、条件に合うオハイオの射撃場の住所を知らされたリーチャーは、ターゲットの被害者の件は口外しないようにと忠告する。

サンディの遺体が宿泊先のモーテルで発見され、その場に戻ったリーチャーは、現場にいたエマーソンに気づき逃走する。

チャーリーの尾行にも気づいていたリーチャーは、それとエマーソンらの追跡を振り切り、バスに乗って姿を消す。

ヘレンの元に向かったロディンとエマーソンは、あらゆる証拠から、リーチャーを逮捕することを伝える。

その場にかかってきた、リーチャーからの電話を受けたヘレンは、車を盗んだことと、ロディンかエマーソンが裏切り者であることを知らされる。

オハイオ州。
リーチャーは、射撃場のオーナーで、元海兵隊先任軍曹マーティン・キャッシュ(ロバート・デュヴァル)から、バーについて聞き出そうとする。

キャッシュは、標的の中心に命中させたら協力することを約束し、チャーリーに弾丸三発と練習弾を渡す。

弾丸を命中させたリーチャーを信用したキャッシュは、射撃場でナンバー1だったバーのことを語り始める。

バーが軍では並の腕だったため、リーチャーはそれを信じようとせずに、彼には連れがいたはずだとキャッシュに尋ねる。

監視カメラの映像で、バーに付き添う男(チャーリー)を確認して標的の指紋を入手したリーチャーは、それをヘレンに知らせる。

被害者の会社を買収しよとした”リーベンダウアー”を調べたヘレンは、悪い噂の絶えない同社が摘発されないことについてロディンに意見を求める。

それを重要視しないロディンに、自分の身が危険にさらされていることを伝えたヘレンは、”リーベンダウアー”の調査をするよう求める。

危険であるなら保護措置をとるというロディンに、父が敵側であっても自分が安全なのかと尋ねたヘレンはその場を去る。

エレベーターでエマーソンと顔を合わせたヘレンは、スタンガンで気絶させられ、現れたチャーリーらに連れ去られる。

ヘレンに電話をしたリーチャーは、それに出たチャーリーに姿を現すよう言われる。

顔写真や指紋を手に入れたことを伝えたリーチャーは、逆にチャーリーを脅して居場所を聞き出し、その場に向かうことを伝える。

採石場に向かったリーチャーは、呼び出したキャッシュと共に敵陣襲撃のチャンスを窺う。

”リーベンダウアー”のオーナー、ゼックを前に、ヘレンは、それが”囚人”を意味することと、犠牲者の数でなくあくまで金に執着する彼の考えを聞く。

ヘレンは、その場にいたエマーソンに、事件に関わった理由を聞き出そうとするが、断る余地がなかったという彼は、それが直ぐに解ると答える。

ゼックに脅されたヘレンはリーチャーからの電話を受け、自分を信じろと言われる。

リーチャーは、車で現場に突進し、チャーリーがそれを狙い撃つ。

キャッシュが加勢し、リーチャーは現場に近づものの、渡されたナイフを落としてしまう。

二人を倒したリーチャーは、コンテナに押し入るものの誰もいないことを確認し、近くにある事務所に気づきその場に向かう。

チャーリーに銃を捨てさせたリーチャーは、素手で戦い彼を倒す。

リーチャーは、ヘレンの背後で銃を構えるエマーソンを射殺し、黒幕ゼック・チェロヴィェックの名前の意味が”囚人・人間”だと気づく。

誰が捕えられるのか恐れていないゼックを、リーチャーは射殺してその場を離れる。

ゼックには制裁を加えたというリーチャーに、バーと彼の容疑をどう晴らすのかヘレンは尋ねる。

後は任せ自分は旅立つというリーチャーは、キャッシュにヘレンを紹介する。

必要な時にどう連絡をすればいいかをヘレンに尋ねられたリーチャーは、もう自分は必要ないと答えその場を去る。

その後、回復したバーは、面会に来たヘレンに、自分がしたことであればそれを受け入れると言って、過去の罪を思い出し涙する。

狙撃現場の写真をバーに見せたヘレンは、彼が狙撃する場合の意見を聞き、それが実際の事件とは違うことをその場にいたロディンに確認させる。

ヘレンは、必ず救えると言ってバーを励ますが、彼は、法や証拠を無視して正義に生きる男が、再び問題を起こしたら姿を現すと言っていたことを彼女伝える。

バスで移動していたリーチャーは、車内で妻を罵る男の元に向かう。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「アウトロー」(2012)
・「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK Jack」(2016)

*(簡略ストー リー)
ペンシルベニア州、ピッツバーグアレゲニー川
無差別狙撃事件が発生して5人の犠牲者をだし、元軍人のスナイパー、バーが容疑者として逮捕される。
刑事エマーソンと検事ロディンの追及に、黙秘を続けるバーは、”ジャック・リーチャーを呼べ”とだけ書き記す。
優秀な軍人だったリーチャーは、憲兵隊の捜査官でもあったが、除隊して姿を消していた。
現れたリーチャーは、バーの弁護士でロディンの娘ヘレンに協力を求められる。
しかしリーチャーは、かつて戦地で射殺事件を起こし捕えたバーを、葬りに来たとヘレンに伝える。
ヘレンに説得されたリーチャーは事件現場を調べ、狙撃のプロではあるが、その腕が最高とは言えないバーの犯行を疑い始める・・・。
__________

トム・クルーズと盟友ポーラ・ワグナーの製作、二人の作品の脚本でも知られるクリストファー・マッカリーが監督した作品。

”アウトロー”という邦題は頭を傾げたくもなるが、確かに、法を無視した一匹狼を表現するには、原題の主人公の名をそのまま使うよりも、日本では良かったとも思える。

トム・クルーズ自身のプロモーション・メッセージで、彼は日本の人々のために”アウトローをよろしく”と言っているところなどは流石だ。

人生の年輪も感じるようになったトム・クルーズの表情や身のこなし、小柄ではあるが他を寄せ付けない威圧感や雰囲気、益々魅力的な彼が、あらゆる世代、性別を問わずに支持される理由が分かる。

派手なアクションや銃撃戦は極力控えめであり、頭脳戦的な展開や古風な作風もなかなかいい。

続編が期待されるところだが、北米興行収入が約8000万ドルに終わり、その企画がなくなりかける。
ところが、世界で約2億1800万ドルのヒットとなたことで、リー・チャイルドの”ジャック・リーチャー”シリーズの新作”Never Go Back”を基に再企画が検討された。

主人公に協力を求める弁護士ロザムンド・パイク、その父親である検事のリチャード・ジェンキンス、刑事役のデヴィッド・オイェロウォ、事件の黒幕であるヴェルナー・ヘルツォーク、元海兵隊員で射撃場オーナー、ロバート・デュヴァル、犯人のジェイ・コートニー、濡れ衣を着せられるジョセフ・シコラ、犯人の仲間役マイケル・レイモンド=ジェームズ、主人公に絡む役柄が印象的なアレクシア・ファストと同僚ジョシュ・ヘルマンなどが共演している。


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