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おかしなおかしなおかしな世界 It’s a Mad, Mad, Mad, Mad World (1963)

アメリカを代表するコメディアンをはじめとしたスター総出演が話題になった、製作、監督スタンリー・クレイマースペンサー・トレイシー他豪華スター共演によるアクション・コメディの超大作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ

ジェリー・ルイス Martin and Lewis / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:スタンリー・クレイマー

製作:スタンリー・クレイマー
脚本
ウィリアム・ローズ

タニア・ローズ
撮影:アーネスト・ラズロ
タイトルデザイン:ソウル・バス
音楽:アーネスト・ゴールド
主題歌:シュレルズ

出演
T・G・カルペッパー:スペンサー・トレイシー

ディンジー・ベル:ミッキー・ルーニー
ベニー・ベンジャミン:バディ・ハケット
メルヴィル・クランプ:シド・シーザー
J・ラッセル・フィンチ:ミルトン・バール
マーカス夫人:エセル・マーマン
モニカ・クランプ:エディ・アダムス
レニー・パイク:ジョナサン・ウィンタース
アルジャーノン・ホーソン中佐:テリー=トーマス
エメライン・マーカス=フィンチ:ドロシー・プロヴァイン
シルヴェスター・マーカス:ディック・ショーン
”スマイラー”グローガン:ジミー・デュランテ
アロイシウス署長:ウィリアム・デマレスト
タクシー・ドライバー:ピーター・フォーク
タクシー・ドライバー:エディ”ロチェスター”アンデアーソン
タイラー・フィッツジェラルド:ジム・バッカス
保安官:アンディ・ディヴァイン
複葉機パイロット:ベン・ブルー
採掘者:マイク・マズルキ
オットー・マイヤー:フィル・シルヴァース
マシューズ:チャールズ・マッグロー
市長:ロイド・コリガン
組合員:ジョー・E・ブラウン
カルペッパーの帽子を轢く男:ジェリー・ルイス
マックスウェルを運転する男:ジャック・ベニー
ジミー:バスター・キートン
レイ:アーノルド・スタング
アーウィン:マーヴィン・カプラン
刑事:ノーマン・フェル
空港責任者:チャールズ・レイン
ウィルバーフォース大佐:ポール・フォード

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1963年製作 160分
公開
北米:1963年11月7日
日本:1963年12月21日
製作費 $9,400,000
北米興行収入 $46,332,858
世界 $60,000,000


アカデミー賞 ■
第36回アカデミー賞

・受賞
音響編集賞
・ノミネート
撮影・編集・録音・歌曲・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
南カリフォルニア
山地の街道を猛スピードで走る”スマイラー”グローガン(ジミー・デュランテ)は、誤って崖下に転落してしまう。

それを目撃したJ・ラッセル・フィンチ(ミルトン・バール)、ディンジー・ベル(ミッキー・ルーニー)、メルヴィル・クランプ(シド・シーザー)、ベニー・ベンジャミン(バディ・ハケット)、レニー・パイク(ジョナサン・ウィンタース)の5人は現場に向かう。

瀕死のグローガンは、サンタ・ロジータ公園の”ビッグW”の文字の下の箱の中に、35万ドルが隠してあることを5人に知らせる。

15年前に、その場に現金を埋めたと伝えたグローガンは、5人の前で息を引き取る。

そこに、グローガンを追っていた刑事(ノーマン・フェル)が現れたため、5人はグローガンの話は秘密にして引き上げる。
...全てを見る(結末あり)

海藻会社を経営するフィンチは、妻エメライン(ドロシー・プロヴァイン)と義母マーカス夫人(エセル・マーマン)の元に戻り車で出発するが、後続の車が気になる。

コメディ・ライターのベルとベンジャミン、トラック運転手パイク、歯科医のクランプも妻モニカ(エディ・アダムス)と他の車を気にする。

互いの行動が気がかりな5人は車を降り、考えた末、話し合いをすることになる。

その頃、サンタ・ロジータ警察の警部T・G・カルペッパー(スペンサー・トレイシー)は、クロケット郡の保安官(アンディ・ディヴァイン)から、追っていたグローガンが事故死したことを知らされて驚く。

妻らを含めた8人は話し合いを始めるが、現金を見つけた場合の分け前で揉めてしまう。

カルペッパーは、署長アロイシウス(ウィリアム・デマレスト)に、グローガンと接触した5人の動向を監視していることを報告する。

話がまとまらない8人は、結局は早い者勝ちで現金を奪い合うことになり、我先にと目的地に向かう。

そして、彼らが猛スピードで車を走らせ出発したことが、カルペッパーにも伝えられる。

その後、車をパイクのトラックにぶつけられたフィンチは、イギリス人アルジャーノン・ホーソン中佐(テリー=トーマス)の車に便乗する。

クランプとモニカは飛行場を見つけ、オンボロ複葉機で現場に向かおうとする。

積荷の自転車で電話を探していたパイクは、通りがかったオットー・マイヤー(フィル・シルヴァース)に金の話をするが、街道に置き去りにされてしまう。

定年間近のカルペッパーは、今回の事件を解決して、警察の威厳を取り戻し、年金を上げる法案を通す手助けをするよう署長に頼み込む。

車がパンクしたマイヤーに追いついたパイクは、彼に襲い掛かるが殴られて気を失ってしまう。

別の飛行場にたどり着いたベルとベンジャミンは、責任者(チャールズ・レイン)から、貸せる飛行機がないと言われる。

二人は、飛行機を所有する、その場で眠っていたタイラー・フィッツジェラルド(ジム・バッカス)を無理矢理に起こす。

パイクは、自分を精神患者だと決め付け、拘束したスタンドのレイ(アーノルド・スタング)とアーウィン(マーヴィン・カプラン)に憤慨して暴れ回り、建物を壊してトラックを奪い、目的地に向かう。

息子シルヴェスター(ディック・ショーン)がサンタ・ロジータの近くにいることに気づいたマーカス夫人だったが、彼が電話に出ないために連絡が取れない。

その後、フィンチとホーソンに、シルヴェスターを馬鹿にされたマーカス夫人は車の鍵を奪うが、二人に強引に鍵を奪われて置き去りにされてしまう。

パイロット(ベン・ブルー)に、速度が車より遅いと不満を漏らすクランプだったが、 さらに飛行機の各所が壊れてしまう。

マーカス夫人とエメラインは、通りがかったパイクを呼び止めて車に便乗する。

その頃、マーカス夫人がシルヴェスターに連絡を取り、金を手に入れるだろうと考えたフィンチは引き返そうとする。

フィンチらが引き返した直後に、現れたマーカス夫人がシルヴェスターに電話をかけるが、再び彼が捉まらない。

鉱山の採掘者(マイク・マズルキ)が、妻の薬を受け取った後で車がエンストしてしまい、 そこに通りがかったマイヤーが彼を送り届けるが、下った山道を上れなくなってしまう。

マーカス夫人らがいないのに気づいたフィンチとホーソンは、彼女らのことは後回しにして先を急ぐ。

何とか無事に着陸したクランプとモニカは、街の金物店でスコップなどを手に入れようとするが、昼休みになったために店の地下売り場に閉じ込められてしまう。

それがカルペッパーにも知らされるが、部下は、不公平になるので自力で脱出させるべきだと主張する。

シルヴェスターに、ようやく電話がつながったマーカス夫人だったが、彼は母親がフィンチに襲われたと思い込み、彼女の元に急行してしまう。

何をしてもクランプは地下から抜け出せず、同じ頃、酒ばかり飲んでいるフィッツジェラルドが頭を打ち、ベルとベンジャミンが飛行機を操縦することになってしまう。

壊れかけていた車のタイヤが外れてしまい横転して、フィンチとホーソンは仲間割れを始めてしまう。

採掘者の子供に道案内させていたマイヤーは道に迷い、挙句の果てに車は川に流されてしまう。

カルペッパーは、署長から年金の増額など望めないことを知らされ途方に暮れてしまう。

その頃、クランプが使ったバーナーが引火し、地下室が火事になってしまうが、消火器で何とか火を消すことができる。

その後、爆薬でドアを吹き飛ばそうとするが失敗し、代わりに花火が大爆発を起こしてしまう。

ようやく落ち着いたカルペッパーは、現金を狙う者達のその後の報告を受け、彼らが目的地に接近しつつあることを知る。

シルヴェスターとすれ違ったことに気づいたマーカス夫人は、パイクにその車を追わせる。

フィンチとホーソンの、レンタカーを見かけたシルヴェスターは彼らを追う。

マーカス夫人の車をフィンチとホーソンが追い抜き、彼らを追ったシルヴェスターが追突して川の土手に落ちてしまう。

シルヴェスターはフィンチとホーソンを叩きのめし、そこにマーカス夫人らが到着する。

カルペッパーは、年金増額も夢と終わり35万ドルの現金を奪うことを考え、現場に一人で行く事を部下のマシューズ(チャールズ・マッグロー)らに伝える。

パイクの車には、マーカス夫人やフィンチら6人が乗り目的地に向かうが、それを車を奪ったマイヤーが追い越していく。

ベルとベンジャミンは、悪戦苦闘しながら飛行場上空に到着するが、誘導するウィルバーフォース大佐(ポール・フォード)の思い通りにならない。

そして、飛行場のレストランに激突しながら何とか着陸に成功したベルとベンジャミンは、タクシーに飛び乗りドライバー(エディ”ロチェスター”アンデアーソン)に、サンタ・ロジータ公園に向かうよう指示する。

懲りないクランプは、ダイナマイトを使いようやく地下室から脱出して、彼らもタクシー・ドライバー(ピーター・フォーク)を捉まえて公園に向かう。

そして公園に着いた二組は、競い合うのを止めて手を組もうとするが、彼らの行動が気になったタクシー・ドライバーの二人は、その後をつける。

全てを把握したカルペッパーは、部下らを撤収させて公園に向かう。

現金の場所が見つからないフィンチやベルは、スコップを持って現れた、見知らぬ顔のマイヤーを見て不審に思う。

マーカス夫人らが到着したことをフィンチ達も気づき、それぞれが見覚えのない者達がいることに気づき困惑する。

現金に興味を示さないエメラインは、偶然にもヤシの木が交差している”ビッグW”を見つけてしまう。

そこにカルペッパーが現れるが、現金探しがバカバカしくなったマーカス夫人ら全員は、協力し合おうとする。

現金の場所が分かったエメラインは、カルペッパーとそれを山分けしようとするが、パイクがマイヤーを見つけて追い掛け回していた時、彼も” ビッグW”に気づく。

全員が見つめる中、掘った穴から箱が見つかり、確かに現金があることを確認する。

不正を働こうとしたマイヤーをのけ者にしようとするが、彼は警察に通報すると全員を脅す。

しかし、カルペッパーは自分が警察官だと言って身分を明かし、現金を没収して、逮捕しない代わりに全員に自ら出頭するよう告げる。

彼らはそれで納得してその場を引き上げるが、カルペッパーが警察署と反対方向に向かったのに気づき彼を追いかける。

その頃、市長(ロイド・コリガン)が警察署に現れ、署長から要請のあった、 カルペッパーの年金を増額することに同意したことを伝える。

それを無線でカルペッパーに伝えた署長だったが、彼が現金を奪ってメキシコに逃走したことを知る。

署長はカルペッパーの逮捕命令を出し、彼は逃げ回った末に現金のカバンを抱え廃墟のビルの屋上に逃げる。

非常階段から地上に向かおうとしたカルペッパーだったが、フィンチら全員と揉み合いになり、現金を地上にばら撒いてしまう。

非常階段は崩れ落ちそうになり、カルペッパーらはそれに必死にしがみつき、到着したはしご車彼らを助けようとする。

はしご車にしがみつくカルペッパーらは、一人ずつ振り落とされてしまうが、全員が重傷を負うものの奇跡的に助かる。

そして、他の誰よりも自分の罪が重くなることを覚悟をしたカルペッパーは、今回の事件が、将来、笑い話になることを願う。

納得いかないマーカス夫人が、バナナの皮で転んだのを見た全員は、大笑いして今回のことを忘れ去ろうとする。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
警官に追われていたグローガンが崖から転落し、彼は事故の目撃者5人に、ある公園に35万ドルを隠してあることを伝え息を引き取る。
5人は先を争って目的地の公園に急行することになるのだが、地元警察のカルペッパー警部は、彼らの動向を監視する。
車、飛行機、ヒッチハイク、あらゆる手段で何とか目的地に一番乗りをしようとした5人だったが、それに家族や行きずりの者達が加わり大騒動になる。
その後、現場の公園に到達した全員だったが、退職を控え年金増額の夢も消えたカルペッパーが、彼らを騙して現金を奪おうとするのだが・・・。
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社会派のスタンリー・クレイマーが製作も兼ね、全精力を傾けた作品というところが注目だ。

2時間40分の上映時間が長いと感じるかどうかは出演するスターをどれだけ知っているかで決まるかもしれない。
オリジナル版は、なんと3時間12分。

それにしても、まだ”カーチェイス”などという言葉も確立されていない時代、山地や街角で繰り広げらる派手なアクションなども見応え十分で、現場に向かう飛行機の空中シーン、クライマックスのはしご車の救出劇など、見せ場の多い作品だ。

当時としては驚異的となる、北米興行収入約4600万ドルを記録し、全世界では6000万ドルの大ヒットとなった。

第36回アカデミー賞では、音響編集賞を受賞した。
・ノミネート
撮影・編集・録音・歌曲・作曲賞

主役はスペンサー・トレイシーではあるが、現金の話を聞く5人の男達を中心に展開する古風なドタバタ・コメディが、飽きることなく展開する。

とにかく、数え切れないスターが出演しているので、よ~く目を凝らして確認しながら鑑賞することをお勧めします。
思わぬ大スターが、ほんの端役で出演している。


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