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いつも上天気 It’s Always Fair Weather (1955)

1949年のミュージカル映画「踊る大紐育」のスピンオフ的な作品で、「雨に唄えば」(1952)などでも共同で監督を務めたジーン・ケリー(主演))とスタンリー・ドーネンのコンビによるミュージカル・コメディ。
製作アーサー・フリードダン・デイリーシド・チャリシーマイケル・キッドドロレス・グレイ共演。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル

ジーン・ケリー / Gene Kelly / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督
ジーン・ケリー
スタンリー・ドーネン
製作:アーサー・フリード

脚本
ベティ・カムデン
アドルフ・グリーン
撮影:ロバート・J・ブロンナー
編集:エイドリアン・ファイザン

音楽:アンドレ・プレヴィン

出演
ジーン・ケリー:テッド・リリー
ダン・デイリー:ダグ・ハーラトン
シド・チャリシー:ジャッキー・リートン
マイケル・キッド:アンジー・ヴァレンタイン
ドロレス・グレイ:マデリン・ブラッドヴィル
デヴィッド・バーンズ:ティム
ジェイ・C・フリッペン:チャーリー・Z・カローラン

アメリカ 映画
配給 MGM
1955年製作 101分
公開
北米:1955年9月2日
日本:1955年11月22日
製作費 $2,062,260


アカデミー賞 ■
第28回アカデミー賞

・ノミネート
脚本・作曲賞(ミュージカル)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
第二次大戦が終結し、無事帰還したテッド・リリー(ジーン・ケリー)、ダグ・ハーラトン(ダン・デイリー)、アンジー・ヴァレンタイン(マイケル・キッド)の三人は、真っ先にティム(デヴィッド・バーンズ)の酒場に向かう。

テッドは、恋人が自分の帰りを待たずに結婚してしまったことを知りショックを受け、ダグとアンジーと共に自棄酒を飲みに酒場を渡り歩く。

ティムの店に戻った三人は、除隊したために別れを惜しんでいたが、ティムは、街に出れば、直ぐにお互いを忘れてしまい、二度と会うことはないだろうと言い張る。

友情を傷つけられたテッドらは、ティムと賭けをして、10年後に必ず三人でこの店に現れると豪語し、それぞれの人生を歩み始める。
...全てを見る(結末あり)

そして10年後。
テッドはボクシングのマネージャー、ダグはテレビ局の副社長、アンジーは小さなハンバーガー店の主人になっていた。

ティムの酒場で三人は再会したものの、10年の歳月はそれぞれの考え方を変えてしまい、期待ほどの喜びがないことに気づく。

心の中で再会を後悔し、口喧嘩まで始めてしまった三人だったが、レストランで、ダグの仕事の関係者で、テレビの演出家ジャッキー・リートン(シド・チャリシー)と知り合いになる。

ジャッキーが演出している人気番組”真夜中のマデリン”のリハーサルを見に行くことになった三人だったが、テッドは、ジャッキーに一目惚れしてしまう。

テッドは、二人を置いてジャッキーとタクシーに乗り彼女を口説き始めるが、頭脳明晰で男の扱いにも手馴れている彼女に軽くあしらわれてしまう。

その頃、”真夜中のマデリン”のマデリン・ブラッドヴィル(ドロレス・グレイ)は、番組内容に不満を抱き、本番出演を拒否してしまう。

そこでジャッキーは、テッドら三人の再会話を番組に取り入れるアイデアを思いつき、マデリンも機嫌を直す。

番組の放送開始時間の夜11時迄に、ジャッキーは三人を連れて来ることになり、彼女はテッドの元に向かう。

テッドは、いきなりジャッキーに誘われたので驚き、更に自分がボクシングの八百長試合に巻き込まれてしまったことを知る。

三人は、再会した時にはギクシャクしていたものの、今の自分達の生活をしみじみ考えると、やはり、軍隊の頃の方が楽しかったと思うようになる。

ジャッキーが急に接近してきたことを気にしながら、テッドはボクシング会場に向かい、八百長の黒幕チャーリー・Z・カローラン(ジェイ・ C・フリッペン)に、期待を込めて声をかけられる。

しかし、テッドは八百長を阻止するために選手を殴り倒してしまい、ジャッキーと共にその場から逃走する。

テッドは、ヤクザな遊び人の自分を見下すダグとアンジーの信頼を取り戻そうと、勇気を出して悪に立ち向かう決心をする。

そんなテッドを見たジャッキーは、次第に彼に惹かれていく。

その後ダグは、パーティーで止めていた酒を飲み過ぎてダウンしてしまう。

八百長を妨害したテッドは、チャーリーの手下に追われローラーリンクに逃げ込み敵をまく。

そして、三人が登場する予定の”真夜中のマデリン”の本番が始まり、マデリンのパフォーマンスが始る。

三人は突然ステージに上げられ、マデリンが感動的なコメントで彼らを紹介する。

しかし、三人の反応はマデリンの思惑通りにはいかずに、テッドは、自分が友情を台無しにしたことを語り、その場から立ち去ろうとする。

ダグとアンジーは、そんなテッドを見て昔と同じ気持ちが甦り彼を追う。

その番組会場に、チャーリー一味が押し入り、テッドに近づく。

それに気づいたジャッキーは、テッドを救うために彼らの会話を、カメラとマイクで捉えて放送してしまう。

テッドはそれを知り、チャーリーに八百長の件を自分の口から暴露させる。

ようやく騙されたことに気づいたチャーリーは、テッドを殴り倒してしまう。

それを見ていたダグとアンジーはテッドに加勢し、三人は昔を思い出して大乱闘の末にギャングを撃退する。

番組は大成功となり、そして、ティムの店に繰り出した三人は祝杯を挙げる。

ダグは離婚寸前だった妻に電話をかけて和解し、三人は戦地の話で大いに盛り上がる。

そこに、ジャッキーが現れてテッドと共に立ち去り、三人は再び、それぞれの人生を歩み始める。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1945年10月。
第二次大戦が終結して、無事帰還したテッド・リリー、ダグ、アンジーの3人は、別れれば直ぐに互いを忘れてしまうと、馴染みだった酒場の主人ティムに言われてしまう。
友情を傷つけられたテッドらは、10年後に3人で必ず店に現れると豪語し、ティムと賭けをしてそれぞれの人生を歩み始める。
10年後、テッドはボクシングのマネージャー、ダグはテレビ局の副社長、アンジーは小さなハンバーガー店の主人になっていた。
3人はティムの酒場で再会したものの、互いに考えが変わってしまい、期待ほどの喜びがなかった。
それどころか、心の中で再会を後悔して喧嘩まで始めてしまった3人は、ダグの仕事の関係者である、テレビの演出家ジャッキーと知り合いになる。
そして、ジャッキーが演出する人気番組”真夜中のマデリン”のリハーサルを見に行くことになった3人だったが、テッドはジャッキーに一目惚れしてしまう・・・。
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シネマスコープを採用し、主人公の三人が同時に歌い踊る場面などを、画面全体で表現した、迫力ある映像は見応えがある。

こちらも上記作品でコンビを組んだ、ベティ・カムデンアドルフ・グリーンの脚本は、当時の世情に合った、復員兵をテーマにしているところなどが興味深い。

第28回アカデミー賞では、脚本と作曲賞(ミュージカル)にノミネートされた。

主演のジーン・ケリーが、やや控えめな感じを受けるのだが、「雨に唄えば」(1952)の有名な雨中のダンス・シーンに匹敵する、ローラースケートのパフォーマンスは圧巻だ。
滑りの素晴らしさだけでない、あの表現力は見事としか言いようがなく彼の運動神経には驚く。

ジーン・ケリーとの共演も多い、シド・チャリシーの妖艶な魅力と見事なダンスは、芸術的美しさを感じる。

ボクシングジムで、ボクサー達と踊るシーンは斬新で非常に楽しい。

本作公開の前年1954年、アメリカではNBCがテレビのカラー本放送を開始し、映画からテレビの時代へと移り変わっていく世の中の流れを、うまく作品にも取り入れている。

そのテレビの人気者が、ブロードウェイの大スター、ドロレス・グレイというところが嬉しい。

長身ながら動きも軽快な主人公の友人ダン・デイリーと、対照的に小柄でユーモアがある振付師でもあるマイケル・キッド、酒場の主人デヴィッド・バーンズ、八百長の黒幕ジェイ・C・フリッペンなどが共演している。


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