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水爆と深海の怪物 It Came from Beneath the Sea (1955)

水爆実験の影響で巨大化したタコの脅威に立ち向かう潜水艦艦長と科学者の戦いを描く、特撮レイ・ハリーハウゼン、監督ロバート・ゴードン、主演ケネス・トビーフェイス・ドマーグドナルド・カーティスイアン・キース他共演のSFホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF


スタッフ キャスト
監督:ロバート・ゴードン

製作:チャールズ・H・シニア
原案:ジョージ・ワーシング・イエーツ
脚本
ジョージ・ワーシング・イエーツ
ハル・スミス
撮影:ヘンリー・フリューリッヒ
編集:ジェローム・トムス
特撮:レイ・ハリーハウゼン
音楽:ミッシャ・バカライニコフ

出演
ピート・マシューズ中佐:ケネス・トビー
レスリー・ジョイス教授:フェイス・ドマーグ
ジョン・カーター博士:ドナルド・カーティス
バーンズ提督:イアン・キース
ノーマン提督:ディーン・マドックスJr.
グリフ中尉:チャック・グリフィス
ビル・ナッシュ保安官補:ハリー・ラウター
ステイシー大佐:リチャード・W・ピーターソン

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1955年製作 79分
公開
北米:1955年7月
日本:1958年12月25日
製作費 $150,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
太平洋
テスト航行中のアメリカ海軍最新鋭原子力潜水艦の艦長ピート・マシューズ中佐(ケネス・トビー)は、巨大なソナー反応を確認し、戦闘配置につくよう乗員に命ずる。

何かが接近するために潜航させたマシューズは、強い衝撃を受けるものの、艦体に異常がないことを確認する。

しかし、航行不能という報告を受けたマシューズは浮上する。

ダイバーに調べさせたマシューズは、後部横舵にゴム状の塊があったという報告を受け、帰港するまで取れないだろうと考える。

パール・ハーバー
この件は海軍だけでは解決できず、国防総省が調査することになる。

ハーバード大学生物海洋学者レスリー・ジョイス教授(フェイス・ドマーグ)とジョン・カーター博士(ドナルド・カーティス)は、放射能汚染の危険性がある物体を防護服を着て調べる。

物体が巨大な生物の一部だと分かり、2人と話をしたマシューズは、美しいジョイスに惹かれる。

ジョイスは、研究費の予算を確保するために大学に戻るつもりだった。

マシューズは、その件は海軍が手を回すとジョイスに伝えて、調査を続けさせる。

12日が経過するものの結論はでず、疲れているジョイスに休息させたマシューズは、彼女を口説こうとする。

マシューズを意識しながら研究を続けたたジョイスは、物体の正体を突き止める。

それを知ったマシューズは、責任者のノーマン提督/大将(ディーン・マドックスJr.)を呼び寄せる。
...全てを見る(結末あり)

カーターとジョイスは、物体の正体が巨大タコであることをノーマン提督らに話し、水爆の影響による突然変異の可能性を伝える。

巨大タコは魚を取ることが出来なくなり、人間などをエサにするようになったと話すジョイスは、フィリピン海溝の巨大生物が、マーシャル諸島水爆実験の放射能を浴びた可能性を伝える。

生物は、エサを求めて日本近海に移動したと、ジョイスは付け加える。

1か月前に、日本の漁船団が消息を絶ったことなどを話すジョイスは、海軍側が信じようとしないために苛立つ。

しかし、数日で研究から解放されることをマシューズから知らされたジョイスは、カーターと共にホテルに戻ることにする。

その頃、貨物船が巨大ダコに襲われて沈没する。

カーターとジョイスを食事に招待したマシューズは、彼女とダンスをして話し、抱き合いキスする。

ジョイスがカーターと共に残る気になったと思ったマシューズは、彼女から勘違いしていると言われて気分を害する。

マシューズにキスされたことをジョイスから知らされたカーターは、問題が起きる前に明日発つべきだと彼女に伝える。

そこにマシューズと共にバーンズ提督/少将(イアン・キース)が現れ、貨物船が消息を絶ったためノーマン提督に会ってもらうと、カーターとジョイスに伝える。

海軍基地病院。
救助された貨物船の乗組員は医師の診察を受け、巨大なものに船がつかまれたなどと、意味不明な話をする。

到着したノーマン提督らは乗組員の話を信じず、それを撤回したことを知り、ジョイスが面会する。

ジョイスは、医師に話すと正気じゃないと思われると言う後組員から、巨大タコを見たという話を聞き出し、それをスピーカーでノーマン提督らに聴かせる。

その後、数週間、北太平洋は封鎖され、海軍は大規模な調査を始める。

ノーマン提督らは、巨大タコを発見した場合の撃退方法などを話し合い、各地の被害報告を確認したカーターは、その中に手がかりがある可能性を考える。

カーターとジョイスは別行動をとり、飛行機で捜索を始め、マシューズも、それに加わる許可をノーマン提督に求める。

それを却下したノーマン提督だったが、オレゴン州の入り江で家族が失踪したという報告を受け、マシューズとジョイスを現地に向かわせる。

オレゴン州、ハーパーズ・コーヴ。
ビル・ナッシュ保安官補(ハリー・ラウター)に案内されて浜辺に向かったマシューズとジョイスは、横転している車を確認し、砂浜の吸盤跡を見つけて、カーターに連絡して呼び寄せる。

閉鎖された浜辺に着いたカーターは、吸盤の跡を確認する。

海水浴を楽しんでいたマシューズとジョイスは、愛を確かめる。

カーターと話したマシューズは、危険を避けるためにジョイスを避難させようとするが、巨大タコに興味を持つ彼女はそれに従うつもりはなかった。

浜辺を見張っていたナッシュが巨大タコに襲われ、マシューズらはその場から避難する。

事件は世界中で報道され、アメリカ海軍は巨大タコの捜索を始め、北太平洋は警戒態勢となる。

海軍サンフランシスコに司令部を設置し、バーンズ提督とジョイスは記者たちに対策を説明し、カーターは上空を飛行して捜索を続ける。

対抗兵器を開発したことをジョイスに伝えたカーターは、彼女を海軍造船所に向かわせる。

ジョイスと共に現地に着いたバーンズ提督は、記者たちに、ジェット推進を利用した特殊な魚雷の説明をする。

ジョイスは、捕鯨船の船員の話をヒントにした、銛の機能を持つ弾頭について解説し、爆発させるのではなく体に食い込ませ、電子操作で爆破することを伝える。

準備が整った魚雷は、マシューズの潜水艦に搭載される。

警戒中のサンフランシスコ湾にソナー反応があり、攻撃が開始されるものの、突破されたことが分かる。

防護ネットに電流を流した直後、”ゴールデン・ゲート・ブリッジ”に巨大タコが現れる。

マシューズと共に橋に向かうジョイスは、カーターに巨大タコが出現したことを伝える。

ヘリコプターを降りたカーターは、パトカーで橋に向かう。

到着したカーターは電流を入れただけだと知り、橋に向かい車を降りる。

カーターは電源を切り、巨大タコの足は橋に絡みつき、マシューズが彼を助けに行く。

マシューズは、巨大タコの足に壊されていく橋からカーターを救い出し、ジョイスの元に戻る。

巨大タコは橋から離れる。

サンフランシスコ市内は厳戒態勢となり、人々はパニック寸前となる。

ジョイスは、”フェリービル”付近に巨大タコが現れると考え、ステイシー大佐(リチャード・W・ピーターソン)は、付近の住民を避難させる。

フェリービル
巨大タコが出現し、コンテナを壊し、上空のヘリを墜落させる。

攻撃の許可を得たマシューズは、カーターと共に潜水艦に向かい出航する。

巨大タコが陸にいては攻撃できないため、ジョイスに連絡したカーターとマシューズは、陸軍に火炎放射器を使わせて、巨大タコを海に追いやるよう指示する。

魚雷の準備をさせたマシューズは、潜行して攻撃に備える。

巨大タコは建物を破壊して人々に襲いかかり、火炎放射器の攻撃を受けて海に戻る。

それを確認したマシューズは、魚雷を発射させる。

魚雷は巨大タコの体に食い込み、接近し過ぎた潜水艦は足に捕まれてしまう。

潜水服を着たマシューズは海中に向かい、巨大タコの足にプラスチック爆弾を仕掛ける。

爆破の衝撃でマシューズは意識を失い、巨大タコの足が絡まった状態の潜水艦は、後退することができない。

もう一度、爆破するためにカーターが海中に向かい、マシューズの無事を確認した彼は、巨大タコの目を銃撃する。

刺激を受けた巨大タコが暴れたため、潜水艦は後退し始め、副長のグリフ中尉(チャック・グリフィス)は、マシューズとカーターが戻らないまま、離れた場所で魚雷を爆破しようとする。

カーターはマシューズを連れてその場を離れ、グリフは爆破を命じ、巨大タコは吹き飛ぶ。

浮上したグリフは、無事だったマシューズとカーターを発見し、2人を救助する。

ジョイスとカーターと共に食事をして祝ったマシューズは、数か月、海に出ることを2人に伝える。

その後に会えるか訊かれたジョイスは、結婚を話題にするマシューズに、学会や大学のことを話し、その後に”海獣の捕らえ方”という本を出すと言って、彼に協力を求める。

ジョイスとキスしたマシューズは、確かに新種の女性だとカーターに伝える。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
太平洋をテスト航行中の、アメリカ海軍最新鋭原子力潜水艦の艦長ピート・マシューズ中佐は、衝撃を受けたために艦体を調べる。
ある物体が付着していることに気づいたマシューズは帰港し、生物海洋学者ジョイス教授とカーター博士に協力を求めて調査が始まる。
物体が、水爆実験の影響で巨大化したタコの一部だと判明したジョイスとカーターは、マシューズと共に海軍上層部に報告するものの、信じてもらえなかった。
その後、襲われた貨物船の乗組員の証言により巨大タコの存在を信じた海軍は大規模な捜索を始め、ジョイスとカーターそしてマシューズは対抗策を考えるのだが・・・。
__________

監督はロバート・ゴードンが担当し、製作者チャールズ・H・シニアが、その後に数々の特撮映画を共に製作するレイ・ハリーハウゼンと始めて組んだ作品。

水爆実験の影響で巨大化したタコの脅威に立ち向かう、アメリカ海軍の原子力潜水艦艦長と科学者の戦いを描くSFホラー。

潜水艦に付着した物体から巨大タコの存在が判明する序盤、その巨大タコが人間に襲いかかる中盤、そしてクライマックスに向けて、それに対抗する海軍と科学者の戦いがスリリングに描かれている。

終盤の舞台である”サンフランシスコ湾”の戦いでは、巨大タコが”ゴールデン・ゲート・ブリッジ”に出現し、それを壊す(一部だけだが)シーンが最大の見せ場となっている。

ストップモーション・アニメーションを使ったレイ・ハリーハウゼンの特撮は、全体が見えると滑稽な感じもすることを考えてか、殆どの場面で巨大タコの足しか登場しないのだが、それにより、タコの恐ろしさと巨大化が強調される演出と映像であり、見事な効果を上げている。

アメリカ海軍全面協力による、緊迫感あるリアルな映像に加え、ユーモアを交えた恋も描かれた、見どころ満載の娯楽作品として十分に楽しめる。

アメリカ海軍最新鋭原子力潜水艦の艦長として、巨大タコの捜索と対処を任されるケネス・トビー、彼に協力して愛し合うようになる生物海洋学者のフェイス・ドマーグ、彼女と共に研究を続ける科学者で、巨大タコ退治に協力して活躍するドナルド・カーティス、指揮官である提督のイアン・キース、その上官である最高責任者の提督ディーン・マドックスJr.、主人公の副官チャック・グリフィス、巨大タコに教われる保安官補ハリー・ラウター、対策司令部の大佐リチャード・W・ピーターソンなどが共演している。


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