激寒の地で遭難した軍事物資輸送機の乗組員の運命と捜索を描く、監督ウィリアム・A・ウェルマン、製作、主演ジョン・ウェイン、ロイド・ノーラン、ジェームズ・アーネス、アンディ・ディヴァイン、ウォルター・エイベル他共演のアドベンチャー・アクション。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ウィリアム・A・ウェルマン
製作
ロバートフェローズ
ジョン・ウェイン
原作:アーネスト・K・ガン”Island in the Sky”
脚本:アーネスト・K・ガン
撮影:アーチー・スタウト
編集 :ラルフ・ドーソン
音楽:エミール・ニューマン
出演
ドゥーリー大尉:ジョン・ウェイン
スタッツ大尉:ロイド・ノーラン
マック・マクマレン:ジェームズ・アーネス
ウィリー・ムーン:アンディ・ディヴァイン
フラー大佐:ウォルター・エイベル
J. H.ハンディ:アリン・ジョスリン
ラルフ・ハント:ハリー・ケリーJr.
マレー:ジミー・ライドン
スタンコウスキー:ハル・ベイラー
フランク・ロヴァット:ショーン・マクロリー
ダンヌンツィオ:ウォーリー・カッセル
ウォーレス:ゴードン・ジョーンズ
ターナー大尉:フランク・フェントン
ディットソン少佐:ロバート・キーズ
コード中尉:サムナー・ゲッチェル
ハーパー軍曹:レジス・トゥーミー
ウォリー・ミラー:ポール・フィックス
ギドリー:ジム・デュガン
レネ:ジョージ・チャンドラー
フィッチ:ルイ・ジャン・ハイト
ウィルソン:ボブ・スティール
スワンソン:ダリル・ヒックマン
ゲイナー:タッチ・コナーズ
サニー・ハーパー:カール・スウィッツァー
スタニッシュ:キャス・ギドリー
ブリージー:ガイ・アンダーソン
ムーン夫人:アン・ドーラン
ナレーター:ウィリアム・A・ウェルマン
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1953年製作 109分
公開
北米:1953年9月3日
日本:1953年12月27日
製作費 $967,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
第二次大戦下。
アメリカ陸軍航空軍に所属する民間人パイロットのドゥーリー大尉(ジョン・ウェイン)は、愛機”コルセア”(C-47/DC-3の軍用バージョン)で、イギリスに軍需品を運ぶ北部ルートの飛行を任務としていた。
航空士のマレー(ジミー・ライドン)、通信士のダンヌンツィオ(ウォーリー・カッセル)、スタンコウスキー(ハル・ベイラー)、副操縦士フランク・ロヴァット(ショーン・マクロリー)らと共に、激寒と悪天候の中、ドゥーリーの機はグリーンランドからカナダのラブラドール上空に向かっていた。
その後、現在位置が正確に分からないまま、機体は降下し始める。
メイン州、プレスクアイル航空輸送司令部。 フランクが地上を確認して湖が見えたドゥーリーは、何とか不時着して神に感謝する。 コードからの報告を受けた指揮官のフラー大佐(ウォルター・エイベル)は、ディットソン少佐(ロバート・キーズ)に捜索隊を出動させることを伝える。 飛行可能なのが5機だと確認したフラーは、ハーパー軍曹(レジス・トゥーミー)に民間パイロットの確保を指示する。 ウィリー・ムーン(アンディ・ディヴァイン)、スタニッシュ(キャス・ギドリー)、J. H.ハンディ(アリン・ジョスリン)、スタッツ大尉(ロイド・ノーラン)、マック・マクマレン(ジェームズ・アーネス)とフィッチ(ルイ・ジャン・ハイト)、ウォリー・ミラー(ポール・フィックス)の居場所をハーパーに確認したフラーは、明朝、全員を集合させるよう命ずる。 フラーは、ターナー大尉(フランク・フェントン)には全機に防寒具の用意を、ディットソンには投下用の荷物の準備を、コードには無線室に待機して情報が入り次第伝えるよう指示する。 ウォーレス(ゴードン・ジョーンズ)から、ドゥーリーの機が遭難したことを知ったスタニッシュは、ブリージー(ガイ・アンダーソン)と共に救出に向かおうとするが、まず休息をとるようにと言われたため、4時間だけ休むことにする。 ハンディからドゥーリーが遭難したことを知らされたスタッツは、副操縦士のサニー・ハーパー(カール・スウィッツァー)を起こしてそれを伝える。 不安を抱えながら夜を過ごすドゥーリーは、場所は不明だが、燃料が120L、無線用の発電機もあることが幸いだと考える。 食料はわずかだが、6日は持たせなければならないドゥーリーは、激寒の地で生き延びる方法を考え、仲間たちが必ず救出に来てくれることを信じて神に祈る。 ホテルで寝ていたマクマレンは、支配人のレネ(ジョージ・チャンドラー)に起こされ、軍から緊急事態の連絡があったことを知らされる。 妻(アン・ドーラン)からの電話を受けたムーンは、ドゥーリーが遭難したことを知らされ、プールで泳いでいた二人の息子に飛び立つことを伝える。 獲物を見つけようとするフランクを呼び戻したドゥーリーは、キャンプから離れるなと注意する。 エンジンが始動しないために発電機が使えず、バッテリーの残量を確認したドゥーリーは、ダヌンツィオから、無線機の交信は3~4回が限度だと言われる。 ドゥーリーは、送信する内容をダヌンツィオに指示する。 パイトットたちを集めて会議を開いたフラーは、スタッツが到着してから捜索を開始しようとする。 交替制で飛び立たせる考えのフラーは、ドゥーリーらのことを考え、2時間以内に準備をさせて出動させようとする。 測定器で位置を知ることができないマレーは焦り、責任を感じながら、妻や生まれたばかりの息子のことを考える。 SOS送信機を見つけたダンヌンツィオは、アンテナを木に張ってハンドルを回せば信号を送れることを皆に伝える。 ドゥーリーは、30分おきに交替で送信することを指示する。 マック、フィッチ、ウォリーが操縦する三機は、捜索に向かう。 ドゥーリーからの信号を受けた通信士スワンソン(ダリル・ヒックマン)は、、海岸付近の全長約8kmの湖に不時着し、そこがセントローレンス川の北西約970kmであることをマックに伝える。 負傷者はなく食料が不足している状況でバッテリー残量も少ないため、送信はあと1回だろうということだった。 それを聴いていたフィッチとウォリーと共に喜んだマックは、思わず涙する。 吹雪に備え皆と小屋を作ったドゥーリーは、フランクがいないことに気づき、マレーから、1時間前に猟に出たとことを知らされる。 外に出たドゥーリーは、部下たちと共にフランクの名を呼び叫ぶ。 その後、ドゥーリーらを見つけられないまま、マックらの三機は基地に引き返す。 吹雪の中、居場所が分からなくなったフランクは、力尽きて倒れ込み、ガールフレンドのことを考える。 フランクは、機体のすぐそばにいることと自分の名を呼ぶ声に気づかないまま息絶える。 ウィリー、ハンディ、スタニッシュらと共に飛び立とうとしたスタッツは、整備が必要な個所があることを知らされるものの、そのままの状態で出動する。 副操縦士のラルフ・ハント(ハリー・ケリーJr.)から発見は難しいと言われたウィリーだったが、心配いらないと伝えて捜索を続ける。 フランクの遺体を埋葬するドゥーリーは、皆と共に祈りを捧げる。 救助が向かっていることを興奮して知らせるダンヌンツィオだったが、ドゥーリーは祈りを優先させてフランクを埋葬する。 捜索地帯に入ったウィリーは、通信士のウィルソン(ボブ・スティール)に、ドゥーリーに火を焚くことを伝えるよう指示する。 それを受信したダンヌンツィオは、心配するなと言っていることもドゥーリーらに伝え、バッテリーをもたせるための工夫をしながら通信しようとする。 方角を受信したウィルソンは、それをウィリーに伝える。 スタッツは、右エンジンの不調をウィリーに知らせる。 ドゥーリーの指示でスタンコウスキーと共に火を焚いていたマレーは、飛行機の音がしたように思える。 方角を知らせ続けるドゥーリーは、ダンヌンツィオから、バッテリー残量が残り少ないと言われ、その直後に切れてしまう。 ドゥーリーは、SOS送信機を作動させるよう、マレーとスタンコウスキーに指示する。 諦めかけたドゥーリーは上空の飛行機に気づき、助かったと言って皆と共に喜ぶものの、三機は通過してしまう。 基地に戻ったウィリーらはフラーに呼ばれ、明日の捜索について話し合う。 ウィリーは、悪天候で計器も通常通り作動しない状況で、位置を正確に測定するのは不可能だとフラーに伝える。 見逃した可能性がある同じ場所を捜索するか、全く違う場所を飛ぶか迷うフラーは、低気圧が約36時間で捜索地帯に達するという報告を受ける。 近くを飛んでいれば見つけたはずだと言うフラーは、別の場所を捜索する考えに異論がないことをパイロットたちに確認し、夜間飛行をするというスタッツの提案は明日、試すことで納得させる。 遭難から6日経過していることを考えながら、仲間たちと共に宿舎に戻ったスタッツは、電話があったニューヨークに連絡する。 マレーの妻と話し必ず救い出すことを約束したスタッツは、子供の風邪が治ったことを知る。 そのことと愛していると夫に伝えてほしいと話しながら、子供を抱く妻は泣き崩れてしまう。 応答がないために電話を切ったスタッツは、マレーに必ず伝えることを心に誓う。 眠れないマレーはドゥーリーと話し、普通のパイロットの考えなら次は違う場所を捜すと伝える。 明日のために眠るようにと言われたマレーは、妻子のことを思うと眠れないと話しながら、明日また捜索隊が来ると思うかドゥーリーに尋ねる。 間違いなく戻ってくると答えるしかないドゥーリーは、眠るように指示したマレーが妻子に会いたいと言う言葉に心を痛める。 翌日、送信機を交替で作動させ、雪面に木の枝で大きな目印を描いたドゥーリーらは、上空を見つめる。 捜索隊の4機は、その日もドゥーリーらを見つけることができなかった。 その夜、諦めかけて動揺し取り乱しそうになったマレーを殴り黙らせたドゥーリーは、ダンヌンツィオとスタンコウスキーに、命令に従わず出て行くものは撃つと伝える。 翌日、送信機を交替で作動させたドゥーリーは、スタンコウスキーに照明弾を用意させる。 コンパスが送信に反応したことに気づいたマックは、それを各機に伝える。 同じ場所に戻れというメッセージを確認したウィリーは喜ぶ。 ウォリーとフィッチの機に続き、燃料が少なくなったハンディも引き返す。 飛行機の音に気づいたスタンコウスキーは照明弾を撃ち、ドゥーリーらは、機体を確認して叫び声をあげて合図する。 物資が投下され、ドゥーリーらは毛布や食料を確認する。 手紙を見つけたダンヌンツィオは、自分の母親は元気で、マレーには、妻からのメッセージで息子の風邪は治ったと伝える。 雪上機が救助に向かうというメッセージも読んだダンヌンツィオは、妻子が待っいるとドゥーリーに伝える。 4人しか姿が見えない状況を、サインで知らせるようにと書かれていることを知ったドゥーリーらは、枝を使い雪面に”ラヴァットは死んだ”という文字を書く。 それを確認したスタッツらは、ドゥーリーらに合図しながら基地に向かう。 機体を見つめるドゥーリーは、妻子がいたことを初めて知ったと言うマレーに、6人いると伝える。
ドゥーリーの機からトラブル発生の連絡を受けた通信員は、コード中尉(サムナー・ゲッチェル)に報告する。
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*(簡略ストー リー)
第二次大戦下。
アメリカ陸軍航空軍に所属する民間人パイロットのドゥーリー大尉は、愛機”コルセア”(C-47/DC-3の軍用バージョン)で、イギリスに軍需品を運ぶ北部ルートの飛行を任務としていた。
激寒と悪天候により未開の地に不時着したドゥーリーは、無線送信を試みるものの、正確な位置を知らせることもできない。
一方、ドゥーリーの遭難を知った指揮官のフラー大佐は、パイロットのスタッツやマックらを招集して、交替で捜索を始めるのだが・・・。
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1944年に発表された、アーネスト・K・ガンの小説”Island in the Sky”を基に製作された作品。
1943年2月に起きた実際の遭難事件をに基づいた物語であり、プレスクアイル航空輸送司令部に所属していたアーネスト・K・ガンの体験記を参考にしている。
リチャード・ウィドマークの主演で企画された作品であったが、ジョン・ウェインとロバートフェローズのプロダクションによって製作されウェイン自身が主演した。
翌年、同プロダクションが製作した「紅の翼」(1954)もアーネスト・K・ガンの原作であり、ウィリアム・A・ウェルマン他、本作のスタッフ、キャストが参加し、ジョン・ウェインも出演した。
激寒の未開の地に不時着した者たちの過酷な体験をリアルに描き、仲間の救助のために死力を尽くす男たちの勇気と行動力を描く、ウィリアム・A・ウェルマンの力強い演出が見どころの作品。
第二次大戦当時のアメリカ陸軍航空軍から改組された空軍全面協力による、”C-47/DC-3の軍用バージョン”の航空シーンはファン必見だ。
ハリウッドの大スターとして黄金期を迎えていた主演のジョン・ウェインは、過酷な環境の中で生存しようとする、仲間達から信頼される民間人パイロットを熱演している。
遭難した主人公らを捜索するパイロットのロイド・ノーラン、同じくジェームズ・アーネス、アンディ・ディヴァイン、指揮官の大佐ウォルター・エイベル、パイロットのアリン・ジョスリン、副操縦士のハリー・ケリーJr.、主人公と共に遭難する航空士のジミー・ライドン、ハル・ベイラー、命を落とす副操縦士のショーン・マクロリー、通信士のウォーリー・カッセル、基地の兵士ゴードン・ジョーンズ、基地の士官フランク・フェントン、ロバート・キーズ、サムナー・ゲッチェル、レジス・トゥーミー、捜索に向かうパイロット役であるジョン・ウェインの盟友で彼の作品の常連ポール・フィックス、ホテルの支配人ジョージ・チャンドラー、パイロットのルイ・ジャン・ハイト、通信士のボブ・スティールとダリル・ヒックマン、副操縦士で若き日のタッチ・コナーズ(マイク・コナーズ)とカール・スウィッツァー、パイロットのキャス・ギドリー、副操縦士のガイ・アンダーソン、ムーン(アンディ・ディヴァイン)の妻アン・ドーラン、そして、ウィリアム・A・ウェルマンがナレーターを務めている。