国内を混乱させたジョン王が率いる傭兵軍団1000人に立ち向かう20人の反乱軍の戦いを描く、製作、監督、原案、脚本ジョナサン・イングリッシュ、主演ジェームズ・ピュアフォイ、ブライアン・コックス、デレク・ジャコビ、ケイト・マーラ、ポール・ジアマッティ、チャールズ・ダンス、ジェイソン・フレミング他共演の歴史戦争ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョナサン・イングリッシュ
製作
リック・ベナーター
アンドリュー・カーティス
ジョナサン・イングリッシュ
原案:ジョナサン・イングリッシュ
脚本
ジョナサン・イングリッシュ
エリック・カステル
ステファン・マクドール
撮影:デヴィッド・エグビー
編集:ピーター・アムンドソン
音楽:ローン・バルフ
出演
トーマス・マーシャル:ジェームズ・ピュアフォイ
オルバーニ卿:ブライアン・コックス
コーンヒル:デレク・ジャコビ
イザベル:ケイト・マーラ
ジョン王:ポール・ジアマッティ
スティーヴン・ラングトン:チャールズ・ダンス
ギル・ベケット:ジェイソン・フレミング
ジェデダイア・コーテラル:ジェイミー・フォアマン
ダニエル・マークス:マッケンジー・クルック
ウルフスタン:リス・ペリー・ジョーンズ
ガイ:アナイリン・バーナード
タイベリウス:ウラジミール・クリッチ
マディ:アナベル・アプシオン
イギリス/アメリカ 映画
配給
ワーナー・ブラザーズ(イギリス)
ARC Entertainment(北米)
2011年製作 121分
公開
イギリス:2011年3月4日
北米:2011年7月26日
日本:2012年6月9日
製作費 $25,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1215年、イングランド。
ジョン王が統治して16年目を迎え、史上最悪と言われた王はフランスとの戦争に負け、国民に厳しい税を課して圧制を敷いていた。
貴族の夫人を寝取る王に対して貴族は反発し、その後3年、激しい内戦が続き多くの戦士が死んだ。
やがて”テンプル騎士団”が介入し、ついにジョン王の軍隊は戦いに敗れた。
国王が王位を剥奪されない代わりに出された条件は、国民の自由を求める文書”マグナ・カルタ”への署名だった。
これにより国王の権利は制限され、1215年6月15日にラニーミードで署名され王の反撃は歴史に埋もれた。
引き下がる気のないジョン王(ポール・ジアマッティ)は、デンマーク人のタイベリウス(ウラジミール・クリッチ)ら傭兵軍団を組織する。 修道院長マーカスをリーダーとする武器を持たない”テンプル騎士団”らはカンタベリーに向けて旅を続け、雨の中ダーニー城で雨宿りをさせてもらう。 翌朝、沈黙の誓いを立てていた騎士トーマス・マーシャル(ジェームズ・ピュアフォイ)は、傭兵を従えたジョン王が来たことをダーニー男爵に知らせる。 城に到着した国王は、貴族達に脅されて”マグナ・カルタ”に署名した男爵を処刑しようとする。 その場に現れたマーカスは、剣も持たず旅を続けているだけだと国王に伝える。 国王に命ぜられたタイベリウスはマーカスの舌を切り落とし、ダー二ーは吊るされる。 騎士団は傭兵に襲い掛かり、マーシャルはマーカスを助けて馬を奪いその場から脱出する。 息絶えたマーカスの前で、死を無駄にしないと口にしたマーシャルは、カンタベリーに向かう。 ”カンタベリー大主教”スティーブン・ラングトン(チャールズ・ダンス)に会ったマーシャルは、騎士団を脱退して望むことを訊かれる。 そこに現れたオルバーニ卿(ブライアン・コックス)は、ジョン王が傭兵を雇って反撃していることを大主教に伝える。 マーシャルをオルバーニ卿に紹介した大主教は、教皇が国王を指示していることを伝え、”マグナ・カルタ”を書いた自分は除名になったと二人に話す。 大主教は、戦いを強要できないが、そのつもりなら祝福するとマーシャルに伝える。 フランスへの援軍要請を考える大主教だったが、それは期待できないと言うオルバーニ卿から、ロンドンに向かう国王はロチェスターを通るはずなので、城を奪取して王を止めて援軍を待つ考えを聞く。 国王と戦う戦力はないと言われたオルバーニ卿は、戦士を集めると大主教に伝える。 自殺行為も罪だと言う大主教に、オルバーニ卿の考えに賛成するマーシャルは、国王に城を占拠されれば国が圧制されると伝え、要となる場所だという考えを話し納得させる。 オルバーニ卿とマーシャルは、若いガイ(アナイリン・バーナード)を従えて旅立つ。 ある町で射手のエキスパートであるダニエル・マークス(マッケンジー・クルック)と戦士のギル・ベケット(ジェイソン・フレミング)、罪人のジェデダイア・コーテラル(ジェイミー・フォアマン)を雇ったオルバーニ卿は、ウルフスタン(リス・ペリー・ジョーンズ)も仲間に引き入れて先を急ぐ。 町でオルバーニ卿に誘われた男はジョン王の元に向かい、彼らの目的を知らせる。 国王は、ロチェスター城に向かい、全員を皆殺しにするようタイベリウスに命ずる。 ロチェスター城に着いたオルバーニ卿は、大主教の使いだと門番に伝えて、城主のコーンヒル(デレク・ジャコビ)に歓迎されるものの、デンマーク人の斥候が来ていることを知らされる。 男達がダー二ーの城にいた者達だと気づいたマーシャルは、彼らを倒す。 マーシャルは、コーンヒルの妻イザベル(ケイト・マーラ)に剣を向けた男も殺す。 反乱軍として城を占拠することをコーンヒルらに伝えたオルバーニ卿は、フランスから援軍が来ると言って納得させる。 コーンヒルは城を封鎖させるものの、わずか20人足らずで敵から守ることになる。 敵を迎える準備を始めたマーシャルは、ガイに戦い方を教える。 そんなマーシャルが気になるイザベルは、侍女のマディ(アナベル・アプシオン)から、禁欲を誓った騎士達とは立場が違い、結婚は望んだわけではないと言われる。 夫のコーンヒルは自分に興味はないとマディに伝えたイザベルは、その方がいいと言う彼女の言葉に納得する。 翌朝、ジョン王の軍団が城に近づき、それに気づいたマーシャルらは戦闘態勢に入る。 コーンヒルから話し合いを提案されたオルバーニ卿だったが、それを聞き入れる気はなかった。 話しかけて来た国王を相手にしないオルバーニ卿は、攻撃を開始した軍団に抵抗する。 マーシャルらは、攻め込む傭兵達を次々と倒し、第一陣を退却させる。 勇敢に戦ったガイに話しかけたマーシャルは、動揺する彼を励ます。 場内の惨状を見て驚くコーンヒルは、オルバーニ卿に不満を訴える。 イザベルに首の傷を手当てしてもらったマーシャルは、名前を訊かれて答え、多くを語らずにその場を去る。 1000人の兵力で20人に負けた理由をタイベリウスに問うジョン王は、戦略的に重要な小さな城は国を動かす力があることを伝える。 仲間を集めたオルバーニ卿は去りたい者は止めないと伝え、全員が戦う意志があることを確認する。 マーシャルが自分に気があると考えるマディに関係ないことだと伝えたイザベルは、彼に興味があるように思えると言われる。 翌朝、国王側は攻撃の準備を始めて、何かを作り始める。 マーシャルと話したイザベルは今後の展開を尋ね、戦い防御して援軍を待つと言われる。 本当にそう思うのかと問われたマーシャルは、イザベルとまともに目を合わせず、戦いは自分に任せてほしいと伝えただけだった。 敵が攻城塔を用意したことを知ったオルバーニ卿は、ウルフスタンのアイデアで投石機を作る。 援軍は到着せず反乱軍の劣勢を知った大主教は、フランスに向かおうとする。 戦いは始り、投石機は威力を発揮するものの、マークスが矢を受ける。 攻城塔は破壊され、国王の軍団は再び撤退する。 マークスの死を確認したオルバーニ卿は、必ず国王を倒すことを心に誓う。 その後、国王の攻撃は止み、雨が降り続けるて冬になり寒くて戦えず、城の食料も切れる。 食糧豊富な国王軍は反乱軍を牽制し、消耗戦となった。 騎士の誓いを破る気のないマーシャルは、イザベルの言葉に心惑わせることなく、救うことが騎士団の役目だと伝える。 城の外に出たマーシャルは、国王の食料を奪って戻る。 憤慨した国王は、城を陥落させないと祖国はなくなるとタイベリウスに伝える。 オルバーニ卿らは、久しぶりのまともな食べ物に満足する。 イザベルに迫られたマーシャルは、それを拒むことができなかった。 翌早朝、物音を立てずに攻め込んできた敵に気づいたガイは、それを皆に伝える。 敵に傷つけられたオルバーニ卿の元に向かったガイは、生き延びろと言われる。 マーシャルは痛めつけられ、その間に門が破られて大軍が攻め込み、ウルフスタンはタイベリウスに殺される。 鎧を身につけて馬に乗ったマーシャルは突撃して敵に襲われるものの、馬に引きずられて城内に入る。 生きていたオルバーニ卿に城を明け渡すよう迫る国王は、捕らえた者の手足を切り落とすよう命じて脅す。 自分を王と認めないオルバーニ卿を罵る国王は、彼の右手首を切り落とす。 尚も門を開けるよう迫る国王だったが、降伏するなと叫ぶオルバーニ卿は、左手首も切り落とされる。 右足首も切り落とされたオルバーニ卿は、投石機に首を縛り付けられ、城の壁に叩きつけられる。 フランス軍が出撃し、数日後には到着することをタイベリウスから知らされた国王は、王に対する悪行は容赦なく罰すると父王から教わったことを話す。 寄り添うイザベルに、誓いを破り罪を犯した身であることで苦悩するマーシャルは、騎士になる前の自分に戻るべきだと言われる。 城の真下に向かえる坑道の爆破の準備ができたことを知らされた国王は、質の悪いブタを40頭届けるようにという書簡を司法官に送るよう命ずる。 国王と交渉しようとするコーンヒルを制止して剣を向けたガイは、オルバーニ卿の死を無駄にしないと伝える。 ブタが坑道に運び込まれることを知ったベケットは、その油がよく燃えることをコーテラルに話す。 援軍は来ないと判断したコーンヒルは絶望し、首を吊って自殺する。 坑道の真上の床が熱いことを確認したマーシャルは、城の反対側に避難し女達を礼拝堂に向かわせる。 城の一部は崩れ、タイベリウスらは内部になだれ込み、ベケットとコーテラルは、瓦礫に埋もれたマーシャルを助けて塔の上に向かう。 階段に残ったコーテラルは敵に立ち向かい、マーシャルを運んだベケットは、攻め入られたらイザベルを殺すようガイに指示する。 コーテラルと共に戦ったベケットは、タイベリウスに殺される。 敵が迫ったガイは剣を抜いてタイベリウスに立ち向かい、意識が戻ったマーシャルに助けられてイザベルの元に向かう。 マーシャルはタイベリウスと一騎打ちになり、互いに傷を負う。 そこにフランス軍が現れたために、傭兵軍団は撤退する。 タイベリウスを倒したマーシャルは馬に乗り、イザベルを守ったガイから勇者だと言われ、人殺しは野蛮だと伝える。 犠牲となり命を捧げることこそが生きる価値があり、それが高潔だと伝えたマーシャルは、イザベルを馬に乗せて大主教の元に向かう。 大主教から、王権はフランス皇太子に渡ったことを知らされたマーシャルは、騎士ではなく自由の身になったと言われてその場を去る。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「アイアンクラッド」(2011)
・「アイアンクラッド ブラッド・ウォー」(2014)
*(簡略ストー リー)
1215年、イングランド。
圧制を敷くジョン王は国内を混乱させて貴族の怒りも買い、王位を剥奪されない代わりに国民の自由を求める文書”マグナ・カルタ”に署名することになる。
そのまま引き下がる気のない国王は、デンマーク人の傭兵軍団を率いて進軍する。
”テンプル騎士団”の騎士トーマス・マーシャルは、旅の途中で国王の傭兵に襲われながらカンタベリーに向かう。
”カンタベリー大主教”スティーブン・ラングトンに会ったマーシャルは、その場に現れたオルバーニ卿と共に反乱軍を組織することになり、拠点となるロチェスター城を占拠してフランスからの援軍を待つために現地に向かう。
戦士を集めてロチェスター城に着き、城主のコーンヒルに迎えられたオルバーニ卿は城を占拠し、わずか20名で1000人の敵に立ち向かおうとするのだが・・・。
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イングランドのジョン王が率いる1000人の傭兵軍団と、ロチェスター城を占拠したわずか20名の反乱軍の壮絶な戦いを、史実に基づき描く歴史戦争ドラマ。
細かい歴史の解釈や事実と違う内容はさておき、内戦に介入した”テンプル騎士団”の一人の騎士のその後の苦悩などを絡めながら描く、アクション映画としても楽しめる作品。
舞台となるロチェスター城でのロケは外観程度で行われ、実際にはウェールズの”セント・ドーナッツ城”などで撮影された。
英米の実力派スター豪華競演も注目であり、製作、監督、原案、脚本を兼ねるジョナサン・イングリッシュは、続編の「アイアンクラッド ブラッド・ウォー」(2014)も演出した。
激しい戦いはかなり残虐な描写もあり、目を覆いたくなるようなシーンも多々ある。
禁欲の誓いを守りつつ勇敢に戦う”テンプル騎士団”の騎士を熱演するジェームズ・ピュアフォイ、反乱軍を指揮するオルバーニ卿のブライアン・コックス、ロチェスター城の城主コーンヒルのデレク・ジャコビ、その妻で主人公に思いを寄せるケイト・マーラ、冷酷なジョン王を怪演するポール・ジアマッティ、”カンタベリー大主教”スティーブン・ラングトンのチャールズ・ダンス、反乱軍に加わり勇敢に戦う戦士ジェイソン・フレミング、ジェイミー・フォアマン、マッケンジー・クルック、リス・ペリー・ジョーンズ、アナイリン・バーナード、デンマーク人傭兵軍団のリーダー、ウラジミール・クリッチ、イザベル(ケイト・マーラ)の侍女アナベル・アプシオンなどが共演している。