1950年に発表された、アイザック・アシモフの短編”われはロボット”を基に、ジェフ・ヴィンターが脚色した作品。 ロボットが人間のサポートをする社会でロボットを嫌う刑事が陰謀に巻き込まれながら戦う姿を描く、監督アレックス・プロヤス、製作総指揮、主演ウィル・スミス、ブリジット・モイナハン、アラン・テュディック、ジェームズ・クロムウェル、ブルース・グリーンウッド他共演のSFアクション大作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:アレックス・プロヤス
製作
ローレンス・マーク
ジョン・デイビス
トファー・ダウ
制作総指揮
ウィル・スミス
ジェームス・ラシター
ウィック・ゴッドフリー
アンソニー・ロマーノ
原作:アイザック・アシモフ”われはロボット”
脚本
アキヴァ・ゴールズマン
ジェフ・ヴィンター
撮影:サイモン・ダガン
編集
リチャード・リーロイド
アルメン・ミナジャン
ウィリアム・ホイ
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演
デル・スプーナー:ウィル・スミス
スーザン・カルヴィン博士:ブリジット・モイナハン
サニー:アラン・テュディック
アルフレッド・ラニング博士:ジェームズ・クロムウェル
ローレンス・ロバートソン:ブルース・グリーンウッド
ジョン・バーギン警部補:シャイ・マクブライド
祖母:エイドリアン・L・リカード
ヴィキ:フィオナ・ホーガン
ファーバー:シャイア・ラブーフ
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2004年製作 115分
公開
北米:2004年7月16日
日本:2004年9月18日
製作費 $120,000,000
北米興行収入 $144,795,400
世界 $347,234,920
■ アカデミー賞 ■
第77回アカデミー賞
・ノミネート
視覚効果賞
”ロボット3原則”
・原則1
”ロボットは人間に危害を加えてはならない、また人間への危険を見過ごしてはならない”
・原則2
”ロボットは原則1に反しない限り、人間の命令に従わなければならない”
・原則3
”ロボットは原則1と2に反しない限り、自己を守らなければならない”
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2035年、シカゴ。 ロボットを引ったくりと間違えたスプーナーは、今日も同僚にからかわれ、上司ジョン・バーギン警部補(シャイ・マクブライド)に注意される。 ロボット工学の権威アルフレッド・ラニング博士(ジェームズ・クロムウェル)が自殺したとの通報を受けたスプーナーは、現場であるU.S.R.本社ビルに向かう。 スプーナーは、U.S.R.代表ローレンス・ロバートソン(ブルース・グリーンウッド)に面会し捜査を始めることを伝える。 ロボット工学と精神医学の専門家スーザン・カルヴィン博士(ブリジット・モイナハン)にスプーナーは社内を案内される。 シカゴの保安システムを設計したスーパー・コンピューター、ヴィキ(フィオナ・ホーガン)の、ラニング博士の映像が壊されていることや、不審な状況が多いことにスプーナーは気づく。 ラニング博士の死が自殺ではないと確信したスプーナーは、彼の周辺にいたロボットを疑う。 カルヴィン博士は、”ロボット3原則”から、それはあり得ないと断言する。 しかし、ラニング博士の研究室のロボットの残骸から、突然NS-5型ロボット”サニー”(アラン・テュディック/声)が現れ、スプーナーとカルヴィンに危害を加えようとして逃走する。 NS-5の製造工場に向かったスプーナーとカルヴィンは、1000体のNS-5の中からサニーを見つけ出し、駆けつけた警察の協力で、サニーを拘束する。 スプーナーに尋問されたサニーは、ラニング博士を殺していないことと博士が何かに怯えていたことを伝える。 U.S.R.のロバートソンは裁判所命令を提示し、サニーの引渡しを警察に要求する。 サニーの言動から、スプーナーはラニング博士を殺した犯人が他にいるのではと考える。 スプーナーは、ラニング博士の自宅に向かい、内部を探っていたのだが、ロバートソンの指示を受けた解体ロボットに襲われてしまう。 カルヴィンのアパートに向かったスプーナーは、U.S.R.側がラニング博士を監視していたことを彼女に伝え、協力を要請する。 NS-5が世の中に出回り始め、スプーナーの祖母(エイドリアン・L・リカード)もクジで当たり、それを手に入れる。 ロバートソンは、執拗にラニング博士のことを調べるスプーナーに手を焼き、その後大量のNS-5が彼を襲う。 どうにか難を逃れたスプーナーだったが、バーギン警部補にバッジを取り上げられてしまう。 スプーナーのアパートを訪ねたカルヴィンは、サニーを調べた結果、陽電子頭脳以外に別の制御システムがあり、3原則に背くことも選べる、次世代ロボットだったことを彼に伝える。 その後カルヴィンは、スプーナーの体が、事故により腕などが機械で再生されていることに気づく。 その事故でロボットに助けられたスプーナーは、生存の確率だけで自分を救い、同じ事故で犠牲になった子供を助けなかったロボットを恨み、そのことで毎日、悪夢を見ていたのだった。 厳しく監視されたラニング博士は、サニーに秘密を隠して夢を見させるようにしたという自分の推理を、スプーナーはカルヴィンに話して聞かせる。 スプーナーとカルヴィンは、廃棄されることになっているサニーの元に向かう。 そして2人は、サニーの夢の中に登場するのはスプーナーであることを知る。 ロバートソンは、精神状態が不安定になったラニング博士の虚構だと言い放ち、カルヴィンはサニーを廃棄処理しようとする。 サニーの書いた夢の絵をヒントに、旧型ロボットの保管所に向かったスプーナーは、NS-5が”革命”を起こそうとして、旧型を破壊している現場を目の当りにする。 大量のNS-5が街を制圧して支配し始めるのだが、青年ファーバー(シャイア・ラブーフ)らは起ちあがり、ロボットに抵抗する。 ファーバーを家に帰らせてロバートソンのオフィスに向かったスプーナーとカルヴィンは、彼女が救ったサニーに迎えられる。 ロバートソンは何者かに殺されていることがわかり、NS-5を操作していたのはスーパー・コンピューターのヴィキだったことをスプーナーらは知る。 ヴィキの指示で現れたNS-5だったが、サニーの機転でその場を脱出したスプーナーらは、ヴィキの機能を停止させようとする。 ヴィキは息の根を止められ街の機能は回復し、NS-5の制御も元に戻る。 そして、ロバートソンを殺したのはヴィキではなくサニーで、ラニング博士が、そのためにサニーを作ったことがわかる。 スプーナーは、人間ではないサニーの逮捕はせずに、固い握手を交わす。 NS-5はミシガン湖にある保管所に集められるが、ロボット達は皆、到着し丘の上に立つサニーを見つめる。
ロボット嫌いで古風な生活を好む刑事デル・スプーナー(ウィル・スミス)は、USロボティクス(U.S.R.)が開発した新型サポート・ロボットNS-5などに”支配”されかけている社会にうんざりしていた。
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*(簡略ストー リー)
2035年、シカゴ。
ロボット嫌いの刑事デル・スプーナーは、日常的にロボットが人間のサポートをする社会にうんざりしていた。
そのロボットを開発者、USロボティクス/U.S.R.のラニング博士が自殺したという通報を受けて、スプーナーは現場に向かう。
スプーナーは、U.S.R.代表のロバートソンと面会し捜査を始め、ラニングが自殺でないことを確信する。
その後スプーナーは、現れたNS-5型ロボット”サニー”に危害を加えられそうになる。
サニーが逃亡したため、スプーナーは疑いをかけるが、捜査に協力するカルヴィン博士は、人間に危害を加えないという”ロボット3原則”から、それはあり得ないと断言するのだが・・・。
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人間の欲望や、行き過ぎた合理化追求の結果に生まれた機械による反乱を通し、人類のエゴや過信を鋭く皮肉ったバックボーンを過剰に意識しなくても、十分に楽しめる娯楽作品に仕上がっている。
ロボットのデザイン自体は、他の作品で見たことのあるようなものだが、機械や近代化を嫌う主人公の、鍛え抜かれた生身の肉体の一部が機械だったというアイデアや、サスペンス・タッチで進行する物語も面白味がある。
ヒットメーカーのウィル・スミスの作品だけあり、北米で約1億4500万ドル、全世界では約3億4700万ドルの大ヒットを記録した。
第77回アカデミー賞では、視覚効果賞にノミネートされた。
1億2000万ドルの巨費をかけて作り上げた、近未来都市やロボットの映像はなかなかのもので、古風な異端児である、主人公のウィル・スミスだけが浮いている理由がわかる中盤から、彼の人間味が強調され、一層逞しく見えるところがポイントだ。
大スターではあるが、個人的にどうも好きになれなかったウィル・スミスに、突然、好感度を感じ始めるきっかけになった作品。
主人公に協力する美しい精神医学博士ブリジット・モイナハン、ラストで指導者になることを案じさせる、ロボットの”サニー”の声を担当するアラン・テュディック、物語のキーマンであるロボットの生みの親ジェームズ・クロムウェル、開発業者代表ブルース・グリーンウッド、主人公の上司シャイ・マクブライド、祖母エイドリアン・L・リカード、黒幕のスーパー・コンピューターのフィオナ・ホーガン、そして、シャイア・ラブーフが不良少年役で、印象に残る演技を見せてくれる。