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幽霊の館 Invisible Ghost (1941)

妻が去ったショックで殺人鬼となる二重人格者の医師を描く、監督ジョセフ・H・ルイス、主演ベラ・ルゴシポリー・アン・ヤングジョン・マグワイア他共演のホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー

マスターズ・オブ・モンスターズ Masters of Horror / Pinterest


スタッフ キャスト

監督:ジョセフ・H・ルイス
製作:サム・カッツマン
脚本
ヘレン・マーティン
アル・マーティン
撮影
ハーヴェイ・グールド
マルセル・ル・ピカード
編集:ロバート・ゴールデン
音楽
ジョニー・ラング
リュー・ポーター

出演
チャールズ・ケスラー医師:ベラ・ルゴシ
ヴァージニア・ケスラー:ポリー・アン・ヤング
ラルフ・ディクソン/ポール・ディクソン:ジョン・マグワイア
エヴァンス:クラレンス・ミューズ
セシル・マニックス:テリー・ウォーカー
ケスラー夫人:ベティ・コンプソン
ジュール・メイソン:アーニー・アダムス
ウィリアムズ警部補:ジョージ・ペンブローク
メイソン夫人:オットーラ・ネスミス
ライアン刑事:フレッド・ケルシー
ティム刑事:ジャック・マルホール
精神科医:ロイド・イングラム

アメリカ 映画
配給 Astor Pictures
1941年製作 63分
公開
北米:1941年4月25日
日本:1996年11月


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
著名な医師チャールズ・ケスラー(ベラ・ルゴシ)は、妻(ベティ・コンプソン)とは別れ、娘のヴァージニアと暮らしていた。

ケスラーは、年に一度、結婚記念日に、執事のエヴァンズ(クラレンス・ミューズ)に食事を用意させて、妻がその場にいるものと思い込むのだった。

ヴァージニアは、訪ねて来た恋人のラルフ・ディクソン(ジョン・マグワイア)に、そのことを説明する。

仲がよさそうに見えた両親に愛はなく、数年前に母が父の親友と不倫したため、ケスラーは精神的なショックを受けしまった。

その後、結婚記念日になるとケスラーがあの状態になることを、ヴァージニアはラルフに話す。
...全てを見る(結末あり)

ラルフは、ヴァージニアを誘いドライヴに出かける。

ヴァージニアとラルフのことを気にする使用人のセシル・マニックス(テリー・ウォーカー)は、エヴァンスに2人のことを尋ねる。

詮索はしない主義のエヴァンスは、セシルからこの家はおかしいと言われ、庭師のジュール・メイソン(アーニー・アダムス)から、屋敷で殺人事件が何件も起きている話を聞いていることを知らされる。

その後、ジュールスは食材を持ち出し、森の中の小屋の地下に向かい、その場にいたケスラー夫人に話しかける。

屋敷を去った夫人は、交通事故で脳に障害を負い、ジュールスの世話で小屋で暮らしていた。

帰宅したジュールスは、妻(オットーラ・ネスミス)から、夫人の世話をしていることをケスラーに話すべきだと言われるものの、ショックを受けるだけだと伝える。

妻は、ケスラー家の殺人事件に夫人が関係していると考えていたものの、それを否定するジュールスは、症状が回復したら彼女を家族に会わせるつもりだった。

ヴァージニアとラルフが帰宅し、エヴァンスは車をガレージに入れようとする。

帰ろうとしたラルフはセシルに声をかけられ、自分たちの関係について問われる。

君を愛してはいないとセシルに伝えたラルフは、ヴァージニアとは結婚させないと言う彼女を無視して帰ろうとする。

セシルは、いずれはすべてを知られると言ってラルフを脅す。

会話をエヴァンスに聞かれたセシルは、自分ならよい妻になれるとラルフに伝える。

ケスラーと話したヴァージニアは、ラルフと恋に落ちたことを伝えて喜んでもらう。

その後、小屋を抜け出したケスラー夫人は、屋敷に向かう。

窓から妻を目撃したケスラーは、意識に異変を感じて別人格になる。

セシルの部屋に向かったケスラーは、彼女に襲いかかり殺す。

翌朝、仕事に現れないセシルを起こしに行ったエヴァンスは、彼女が死んでいることに気づく。

それをエヴァンスから知らされたケスラーは驚き、警察を呼ぶよう指示する。

事件が起きる度に屋敷に出向いているウィリアムズ警部補(ジョージ・ペンブローク)は、ケスラーらと話をする。

手がかりとなるのは、セシルを捨てた男”ラルフ”からの手紙だけで、驚くヴァージニアは、ラルフとは別人だと思う。

ウィリアムズから質問されたエヴァンズは、セシルとラルフが、恋愛のことで揉めていたことを話す。

それを知ったヴァージニアは動揺する。

ラルフは、殺人の容疑者として逮捕される。

ヴァージニアと話したラルフは、セシルとは2年ほど付き合っていたが、君に会って恋に落ちたと伝える。

事件当日に誰とも会っていないためにアリバイがないラルフは、ケスラーとヴァージニアには信じてもらえる。

裁判の結果、ラルフに死刑判決が下り、ケスラーとヴァージニアの努力の甲斐もなく、刑が執行される。

その後、ラルフの兄ポール(ジョン・マグワイア)が南米から戻り、ケスラー家を訪ねる。

ラルフと瓜二つのポールを歓迎したケスラーとヴァージニアは、弟を信じている彼が、真犯人を見つけるつもりだということを知る。

ポールに部屋を用意したケスラーは、再び現れた妻を目撃して人格が変わる。

ケスラーは、キッチンにいたジュールスに襲いかかり殺す。

翌朝、ジュールスの死体を見つけたエヴァンスは警察に電話し、ケスラーに殺人があったことを知らせる。

死体を調べたウィリアムズは、宿泊客のポールを呼び、殺人があったことを知らせる。

手がかりがないウィリアムズは、他の事件と同じ手口だとポールに伝える。

ポールは、何度も殺人が起きている屋敷から、ケスラーとヴァージニアが引っ越さないことを疑問に思う。

ケスラーを見つめるヴァージニアは、その理由をポールに話せない。

ポールはウィリアムズと話し、家族が引っ越さない理由を尋ね、ケスラーが、数年前に家を出た妻を待っていることを知る。

検視官を訪ねたケスラーは、遺体を確認しに来たメイソン夫人の叫び声を聴き驚く。

生きていたジュールスは、ケスラーから犯人のことを訊かれるものの、息を引き取る。

屋敷に戻ったケスラーは、その件をヴァージニアとポールに話し、もう少しで犯人が分かるところだったと伝える。

新しい料理人のマリーは、失敗続きだったために辞職を申し出るが、彼女に気を遣うケスラーは、最高の夕食だったと言って引き止める。

その後ケスラーは、嵐の中、窓の外にいる妻を目撃して人格が変わる。

ヴァージニアの部屋に向かったケスラーは、眠っている彼女に襲いかかろうとするが、落雷で正気に戻る。

二階から下りるケスラーに気づいたポールは、書斎に向かい彼に話しかける。

心配してくれるポールに感謝したケスラーは、彼を部屋に戻す。

再び妻を目撃したケスラーは、彼女の姿が消えたことに気づく。

翌朝ケスラーらは、妻の肖像画が傷つけられていることに気づき、誰かが襲われた可能性を考える。

異常がないことをエヴァンスに確認したケスラーは、買い物に行ったマリーを心配する。

マリーが戻り安心したケスラーは、訪ねて来たウィリアムズに、肖像画を傷つけた者が犯人ではないかと尋ねる。

部下のライアン(フレッド・ケルシー)が見張っていたので侵入者はいないと言うウィリアムズは、カーテンの陰に立っていた彼の死体を見つける。

ポールは、肖像画の破れている箇所にあった糸くずが見つけて、それをウィリアムズに渡す。

糸くずを調べたウィリアムズは、エヴァンスの部屋にあったケスラーのガウンのものだと分かる。

それをケスラーらに話したウィリアムズはエヴァンズを疑い、ポールは、犯人は心を病んでいるので精神科医を呼ぶべきだと意見する。

屋敷に呼ばれた精神科医(ロイド・イングラム)は、ケスラーらの前でエヴァンスから話を聞く。

その間にキッチンに侵入したケスラー夫人は、冷蔵庫からチキンを取り出して食べる。

そこにウィリアムズの部下ティム(ジャック・マルホール)が現れ、ケスラーがいる部屋に夫人を連れて行く。

妻を見たケスラーは人格が変わり、その様子を見たウィリアムズは、犯人が彼だと気づく。

ケスラーは夢遊病者のように歩き始め、ウィリアムズに襲いかかる。

意識を失った夫人は、息を引き取る。

その瞬間にケスラーは正気に戻り、ウィリアムズから自分が犯人だと知らされる。

妻の肖像画に話しかけたケスラーは、ウィリアムズらに連行される。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
著名な医師チャールズ・ケスラーは、妻が浮気したショックで精神に異常をきたすものの、娘のヴァージニアはそれに気づいていなかった。
屋敷を去った妻は交通事故により脳に障害を負い、ケスラー家の庭師ジュールスの世話で、付近の小屋で誰にも知られずに暮らしていた。
小屋を抜け出した妻は屋敷に向かい、彼女を目撃したケスラーは意識に異変を感じ、別人格の殺人鬼となり使用人に襲いかかる・・・。
__________

B級映画監督として知られるジョセフ・H・ルイスが、怪奇映画のスター、ベラ・ルゴシと組んだ作品。

妻が去ったショックで殺人鬼となる、二重人格者の医師を描くホラー。

フィルムの保存状況が非常に良い、美しい映像の作品。

二重人格者の殺人鬼を演ずる主演のベラ・ルゴシの、雰囲気ある演技は見もので、異様な状況を伝える、暖炉の炎越しの映像など、様々な工夫が見られる作品に仕上がっている。

ベラ・ルゴシと製作者のサム・カッツマンは意気投合し、さらに2作を製作することが決まり、2人のコンビで9作が公開された。

母が去った後の父が精神的に不安定であることを心配する、主人公の娘ポリー・アン・ヤング、その恋人と兄を演ずるジョン・マグワイア、主人公の屋敷の執事クラレンス・ミューズ、使用人のテリー・ウォーカー、庭師のアーニー・アダムス、主人公の妻ベティ・コンプソン、事件の担当刑事ジョージ・ペンブローク、その部下フレッド・ケルシージャック・マルホール、庭師の妻オットーラ・ネスミス、精神科医のロイド・イングラムなどが共演している。


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