B級映画の帝王ロジャー・コーマンが製作総指揮を担当し、後にハリウッドの大物監督、そしてヒット・メーカーとなるロン・ハワードが、主演と脚本を兼ねた長編初監督作品。 結婚を反対された若い男女が駆け落ち覚悟でラスベガスに向かう逃走劇を描く、ナンシー・モーガン、ランス・ハワード他共演のアクション・コメディ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロン・ハワード
製作総指揮:ロジャー・コーマン
製作:ジョン・デイヴィソン
脚本
ロン・ハワード
ランス・ハワード
撮影:ゲーリー・グレイヴァー
編集:ジョー・ダンテ
音楽:ピーター・アイヴァース
出演
サム・フリーマン:ロン・ハワード
ポーラ・パワーズ:ナンシー・モーガン
コリンズ・ヘッジワース:ポール・リンク
ヴィヴィアン・ヘッジワース:マリオン・ロス
ネッド・スリンカー:ランス・ハワード
カーリー・Q・ブラウン:ドン・スティール
ビグビー・パワーズ:バリー・ケイヒル
プリシラ・パワーズ:エリザベス・ロジャース
エース:クリント・ハワード
新郎:ポール・バーテル
アメリカ 映画
配給 ニューワールド・ピクチャーズ
1977年製作 85分
公開
北米:1977年6月16日
日本:1980年12月20日
製作費 $602,000
北米興行収入 $2,500,000
世界 $15,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロサンゼルス。
ポーラ・パワーズ(ナンシー・モーガン)は、サム・フリーマン(ロン・ハワード)と結婚したいことを両親ビグビー(バリー・ケイヒル)とプリシラ(エリザベス・ロジャース)に伝える。
しかし、ポーラは、資産家の御曹司コリンズ・ヘッジワース(ポール・リンク)と婚約しているため、両親は当然それに反対して、ビグビーはサムを屋敷から追い払ってしまう。
冷静に対応しようとしたサムだったが、ビグビーに財産目当てだとまで言われて憤慨して屋敷を出る。
ポーラは、環境調査をしている、真面目な青年サムを侮辱する父に意見する。
州知事を目指すビグビーは、そのために、コリンズとの結婚をポーラに強要する。 納得いかないポーラは、サムとラスベガスで結婚すると言い張り、車の鍵を奪われて部屋に閉じこもってしまう。 部屋を抜け出したポーラは、ビグビーの”ロールス・ロイス”(ファントムV)を持ち出し、サムを乗せラスベガスに向かう。 それに気づいたビグビーは、私立探偵のネッド・スリンカー(ランス・ハワード)に連絡を入れて、サムとポーラを捕えようとする。 ポーラの暴走を知ったコリンズも、憤慨して二人を追うものの、愛車の”ポルシェ”で事故を起こし、仕方なく中古車の”ダッジ・チャージャー”を手に入れて追跡を続ける。 それを知ったコリンズの母ヴィヴィアン(マリオン・ロス)は、よほどのことがあったのだろうと考えて息子を追う。 ポーラの車に追いついたコリンズだったが、相手にされずに再び事故を起こす。 コリンズの無事を確認したサムとポーラは先を急ぐ。 怒ったコリンズは、ラジオ局”TenQ”に連絡を入れて、婚約者が誘拐されたことを、DJのカーリー・Q・ブラウン(ドン・スティール)に伝え、捕えた者には、2万5000ドルの懸賞金を出すと約束する。 それを知ったメカニックのエース(クリント・ハワード)などが、賞金目当てにサムとポーラを追う。 ラジオを聴いていたヴィヴィアンは、コリンズが戻れば、更に2万5000ドルを払うとカーリー・Qに伝える。 サムは行き先を変えることを提案するが、信念を貫くというポーラは、意地でもラスベガスで結婚すると言い張る。 その後コリンズは、ピックアップ・トラックを奪い追跡を続ける。 暴走するヴィヴィアンはパトカーに追われて事故を起こし、使用人の車に無断で乗って来たため、盗難車として逮捕されそうになる。 その場にいた牧師は賞金の話を聞き、パトカーを奪いサムとポーラを追う。 警官は、キリスト教信者のバスに飛び乗り、ヴィヴィアンを追うよう指示する。 カーリー・Qは、コリンズが戻れば賞金は5万ドルになることをリスナーに伝える。 その頃、ビグビーも、財力にものを言わせてスリンカーの追跡計画を支援する。 誘拐されレイプもされたとまでコリンズに言われたポーラは、カーリー・Qに電話をかけて、それが誤解だということを伝える。 カーリー・Qに、支援することを約束されたポーラだったが、エースに追いつかれ、スリンカーが派遣したヘリコプターにも見つかってしまう。 砂漠地帯に入り、エースらは放り出されて車は大破し、牧師は、コリンズを見つけて執拗に追跡する。 サムとポーラは、ヘリからの連絡を受けた3台の車に囲まれるが、それを振り切る。 3台の車は事故を起こして全滅し、それを知ったビグビーは、ポーラに電話を掛けて戻ってくるようにと説得するものの、彼女はそれを拒む。 追跡劇は激しくなり、カーリー・Qはヘリで飛び立ち、空からの実況中継を始める。 警官は、ヴィヴィアンの車を止めて逮捕しようするが抵抗される。 エースはコリンズの車を見つけて、新婚夫婦(ポール・バーテル/新郎)の車を奪いそれを追う。 ヴィヴィアンをバスに乗せた警官は、カーリー・Qの実況で、10台もの車が盗まれたことを知り、全員を逮捕すると言って息巻く。 スリンカーも、ビグビーとプリシラを乗せて追跡を始め、車を失った三人の部下もジープを奪いそれに続く。 橋を爆破されるなど、賞金目当ての妨害に遭いながら、サムとポーラは逃走を続ける。 カーリー・Qは、二人を見つけてその様子を実況し、コリンズは、再び事故を起こし牧師に捕えられる。 しかしコリンズは、5万ドルを渡すと言って牧師と協力し合い、彼らはパトカーで追跡する。 それをカーリー・Qの実況で知った警官は、場所を確認してパトカーを追う。 ビグビーから連絡を受けたカーリー・Qは、ポーラの父親が州知事候補の億万長者だと知り、事件の重大さを伝える。 サムは、自分達の居場所を実況で知らせるカーリー・Qに連絡を入れて、彼を非難する。 しかし、カーリー・Qは、放送する義務があると言って実況を続ける。 スリンカーの派遣したヘリの妨害も退けるが、サムは、自分達が見世物になっていると、ポーラに不満を訴える。 スリンカーは、最後の手段として、ギャングの力を借りようとする。 サムとポーラは、ガソリンスタンドの店主に追われて、ダイナマイト攻撃を受ける。 店主は追ってきた警官にまで攻撃を仕掛けて、パトカーは、倒れた電柱に衝突して大破する。 父娘の問題に巻き込まれているだけだと言って、納得できないサムだったが、愛を確かめ合った二人は理解し合い先を急ぐ。 しかし、二人はコリンズやビグビーらに見つかり、マスコミやギャングも含めた大追跡が始まる。 その後、一団はクラッシュ・ゲーム・サーキットに乱入して、全車がサムの運転する”ロールス・ロイス”を狙う。 サムはそれをかわすものの、二人が車から飛び出した直後に、”ロールス・ロイス”は追突されて壊される。 サムとポーラは、観客の声援を受けながらビグビーらの追跡を逃れ、タクシーでラスベガスに向かう。 コリンズを見つけたヴィヴィアンは、ポーラを侮辱して、結婚を諦めるよう説得する。 それを聞いたビグビーは、ヴィヴィアンを痛烈に非難して、コリンズを殴り倒してその場を去り、サムとポーラの結婚を認めるべきかとも考える。 サムとポーラは結婚式を挙げ、有名人の二人は、教会の外で待ち構えていた人々に祝福される。 二人は、ラスベガスからプレゼントされたホテルのスイートルームにリムジンで向かう。 それを追跡したカーリー・Qは、尚も実況が続くことをリスナーに伝える。 しかし、ハンドルを誤ったカーリー・Qは民家に突っ込んでしまい、サムとポーラはそれを知り、リムジンの中で愛を確かめ合う。
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*(簡略ストー リー)
ロサンゼルス。
資産家令嬢のポーラは、平凡だが真面目な青年サム・フリーマンとの結婚を両親に反対される。
婚約していたポーラだったが、屋敷を抜け出して、父ビグビーの”ロールス・ロイス”を持ち出し、サムと共にラスベガスに向かい結婚式を挙げようとする。
それを知ったビグビーは、二人を捕えるために私立探偵スリンカーを雇い、ポーラの婚約者コリンズは彼女を追う。
コリンズの母ヴィヴィアンは息子を追い、二人は、それぞれが2万5000ドルの懸賞金を出すことを、ラジオ局”TenQ”のDJカーリー・Qに伝える。
それを知ったリスナーは、賞金目当ての大追跡劇を繰り広げる・・・。
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コメディなので当然なのだが、ストーリーは単純明快であり、”低予算B級作品”を意識し過ぎて観ていると、当時としては、結構、派手なアクションも楽しめる作品に仕上がっている。
父親ランス・ハワードとの共同脚本は、一本調子ではあるが、自分達の行動が正しいかを見つめ直す若者の苦悩なども描かれ、軽快な演出、爽やかなラストも心地よい、20代前半ながら、ロン・ハワードの才能の片鱗が窺える。
子役時代からのキャリアもあるロン・ハワードだが、監督ということもあり、やや控えめな演技で、その後、彼の作品出演でお馴染みとなる弟のクリントや父ランスと共に、楽しく仕事をしている雰囲気が感じられる。
主人公とも言える富豪令嬢ナンシー・モーガン、その婚約者を慌ただしく演ずるポール・リンク、その母マリオン・ロス、結構、大袈裟な私立探偵ランス・ハワード、なかなか印象深い怪演を見せるラジオ局のDJドン・スティール、ヒロインの両親役のバリー・ケイヒルとエリザベス・ロジャース、メカニックのクリント・ハワード、車を奪われる新郎役で、ロジャー・コーマンの盟友であるポール・バーテルなどが共演している。