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わかれ路 Intersection (1994)

1967年に発表された、ポール・ギマールの小説”Intersection”を基に製作された、1970年公開のフランス映画「すぎ去りし日の…」のリメイク。
別居中の妻と愛人との間で苦悩する男性の心を描く、製作、監督マーク・ライデル、主演リチャード・ギアシャロン・ストーンロリータ・ダヴィドヴィッチマーティン・ランドー他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:マーク・ライデル

製作
バッド・ヨーキン
マーク・ライデル
製作総指揮:フレデリック・ゴルチャン
原作:ポール・ギマールIntersection
脚本
デヴィッド・レイフィール
マーシャル・ブリックマン
撮影:ヴィルモス・ジグモンド
編集:マーク・ワーナー
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

出演
ヴィンセント・イーストマン:リチャード・ギア
サリー・イーストマン:シャロン・ストーン
オリヴィア・マーシャク:ロリータ・ダヴィドヴィッチ
ニール:マーティン・ランドー
リチャード・クアリー:デヴィッド・セルビー
ミーガン・イーストマン:ジェニファー・モリソン

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1994年製作 98分
公開
北米:1994年1月21日
日本:1994年6月11日
製作費 $45,000,000
北米興行収入 $21,355,890


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
街道を愛車”メルセデス・ベンツ280SL”で走行中の建築家ヴィンセント・イーストマン(リチャード・ギア)は、愛人オリヴィア・マーシャク(ロリータ・ダヴィドヴィッチ)に送るはずだった手紙の封筒を見ながら微笑む。

120kmのスピードで飛ばしていたヴィンセントは、道路でバンが立ち往生し、対向車のトラックを避けようとして事故を起こす。
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バンクーバー
妻サリー(シャロン・ストーン)と別居していたヴィンセントは、ジャーナリストのオリヴィア・マーシャク(ロリータ・ダヴィドヴィッチ)と同棲することを考えていた。

ビジネスでは一緒に始めた設計会社のパートナーだったヴィンセントとサリーは、不思議な関係を保っていた。

そんなヴィンセントは、同僚のニール(マーティン・ランドー)から、現在の生活環境が仕事に影響していると言われる。
...全てを見る(結末あり)

娘のミーガン(ジェニファー・モリソン)を迎えに行くため車を取りに行くことになり、ヴィンセントはニールに自宅まで送ってもらう。

妻に先立たれ、二人で考えていた夢が果たせなかったニールは、やるべきことは先延ばしにするべきでないとヴィンセントに助言する。

家の中でサリーとの写真を見たヴィンセントは、彼女と愛し合っていた頃のことを思い出す。

バレエ教室でレッスンを受けるミーガンを迎えに行ったヴィンセントは、彼女がソロで踊れるチャンスがあることを知り喜ぶ。

サリーの友人リチャード・クアリー(デヴィッド・セルビー)も、自分のバレエを褒めてくれたとミーガンに言われたヴィンセントは、それを気にする。

オリヴィアと暮らす予定の家の工事が始まることを質問されたヴィンセントは、自分の部屋も欲しいとミーガンに言われる。

数日後、オリヴィアと家の建築現場に向かったヴィンセントは、工事が延期続きであるために不満を訴える彼女に、約束したイースターまでに着工するのは無理だと伝える。

イースターの休暇をミーガンのために島で過ごすことを、ヴンセントはオリヴィアに伝える。

休暇のことをサリーにも話したヴィンセントは、歓迎しない雰囲気のある彼女に、リチャードのことを尋ねる。

気分を害したサリーに謝罪したヴィンセントは、ニールから別れた理由を聞かれたことを話す。

苦悩するサリーは、分かれた夫婦が同じ職場で働くのは無理だと考える。

その後ヴィンセントは、結婚から1年目の愛が深かった頃のサリーとの日々を思い出す。

ヴィンセントは、オークション会場でオリヴィアに出会った時のことも思い出す。

コングリーヴ”の時計をオリヴィアと競って落としたヴィンセントは、彼女を口説いたのだった。

自分の設計で完成した美術館の開館パーティーに出席したヴィンセントは、サリーとミーガンの前でスピーチする。

トイレでリチャードから声をかけられたヴィンセントは、不快感を示す。

パーティーにオリヴィアが現れたために驚いたヴィンセントは、この場にサリーとミーガンがいることを伝える。

酔って冗談を言うオリヴィアに、サリーと共に真剣に取り組んだ仕事の場であることを伝えて、来たのは間違いだと非難する。

そこに現れたサリーは、ヴィンセントからオリヴィアを紹介されて挨拶する。

オリヴィアはミーガンにも声をかけ、サリーはその場を去りリチャードの元に向かう。

車で送ってもらったオリヴィアは、酔った勢いでした行動をヴィンセントに謝罪し、サリーに会いたかったことを伝える。

サリーが自分とは違い立派な女性だと認めたオリビアは、許してほしいことを伝えるが、美術館に戻るとヴィンセントに言われる。

惨めな思いのオリヴィアは、車から降りるようヴィンセントに言われる。

美術館に向かうヴィンセントは、オリヴィアと付き合い始めた頃のことを思い出す。

オリヴィアが結婚していることに気づいたたため、ヴィンセントは正直に話す。

結婚16年で娘が13歳、フィレンツェで妻と出会い結婚して娘が生まれ、二人で設計事務所を作ったことをヴィンセントはオリヴィアに伝える。

その後、浮気していることをサリーに話したヴィンセントは、それを知っても冷静でいる彼女に苛立ち、家を出る決心をする。

翌日話し合うと言ってバスルームに向かったサリーは取り乱し、ヴィンセントが落ち着かせる。
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途中でダイナーに寄ったヴィンセントは、店を出て車に戻り、自分達はうまくいかないというオリヴィアへの手紙を書きながら涙する。

車の中で一夜を過ごしたヴィンセントは、ミーガンにオリヴィアを紹介した時のことを思い出す。

サリーと争う気はないというオリヴィアは、ヴィンセントの幸せを願っているだけであり、敵だと思わないでほしいとミーガンに伝えて納得してもらう。

ミハイル・バリシニコフ”のサインとメッセージ入りの写真をミーガンにプレゼントしたオリヴィアは、喜んでもらえる。
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郵便局に寄ったヴィンセントだったが、開いていなかったために、手紙に切手を貼りポストに入れようとするものの思い止まる。

迷うヴィンセントは、牛乳配達の老人が連れていた孫娘からパンを貰う。

オリヴィアに電話をしたヴィンセントは、その子の素晴らしい目を見たら迷いが消えて、君を思い出したというメッセージを留守電に残す。

今すぐ結婚して子供を作り家も建てると言って興奮して語るヴィンセントは、待ち合わせ場所を知らせてオリヴィアに愛を伝える。

街道を飛ばすビンセントは、道路で立ち往生するバンと対向車線のトラックに気づき急ブレーキを踏むが、ハンドルを取られる。

バンとピックアップトラックに衝突したヴィンセントの車は横転し、バンの家族は救急車を呼ぶ。

意識はあったものの体が動かせないヴィンセントは、車から出される。

出社したオリヴィアは、家の留守電に残っていた、ヴィンセントからのメッセージを聴いて感激し涙する。

病院に運ばれたヴィンセントは、意識の中でオリヴィアと結婚することを思い浮かべるが、そこにはバンの運転手や牛乳配達の老人と孫娘もいた。

ニールと話し合いをしていたサリーは、ヴィンセントに関してのハイウェイ警察からの連絡を受ける。

オリヴィアは、期待に胸ふくらませて車でヴィンセントの元に向かう。

検査の結果、ヴィンセントの右前頭葉に血腫が見つかり、緊急手術をすることになる。

事故現場で車を止められたオリヴィアは、引き上げられるヴィンセントの車に気づき病院に急行する。

病院で、ニールと共に手術の結果報告を待っていたサリーは、ヴィンセントの死を知らされる。

後のことは自分に任せてほしいとサリーに伝えたニールは、ミーガンには遅くなるとだけ伝えてほしいと彼女から言われる。

看護師からヴィンセントの所持品を渡されたサリーは、彼がオリヴィアに書いた手紙に気づき、自分達はうまくいかないという内容の文面を読む。

待合室の窓際にいたサリーは、車で到着して病院に駆け込むオリヴィアに気づく。

ヴィンセントの死を知ったオリヴィアは車に戻り、ニールと共に救急出入り口から出てきたサリーに、残念だと声をかける。

サリーは、オリヴィアに手紙を渡そうとするものの思い止まり、ヴィンセントとは何も話せず間に合わなかったと伝える。

なぜこの場に来たのかとサリーに聞かれたオリヴィアは、美術館に行こうとした途中で、事故現場のヴィンセントの車に気づいたと答える。

オリヴィアはその場を去り、サリーはヴィンセントの手紙を破り捨てる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
バンクーバー
建築家のヴィンセント・イーストマンは、妻サリーと別居していたが、共同で経営する設計事務所ではパートナーであった。
ヴィンセントは、ジャーナリストの愛人オリヴィアと同棲するために家を建てる計画があった。
そんなヴィンセントだったが、サリーへの未練や娘ミーガンのこともあり、それをオリヴィアとの同棲を先延ばしにしていた。
サリーと深く愛し合っていたかつてのことや、オリヴィアとの出会いなどを考えながら、ヴィンセントは苦悩する・・・。
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第23回カンヌ国際映画祭パルムドールにノミネートされたクロード・ソーテが脚本も兼ねた、秀作ドラマであるフランス映画「すぎ去りし日の…」(1970)のリメイク。

それぞれ、ハリウッドを代表するスターとなっていた、リチャード・ギアシャロン・ストーンが夫婦役で共演したことで、大いに話題になった作品。

味わい深い演出で知られるマーク・ライデルの監督作品でもあるが、当時の主演二人に求めるイメージが本作の役柄に合わないこともあり、作品は酷評されてしまった。

主演の二人のその後の数十年を考えながら今観ると、以外にも違和感なく鑑賞できる作品で、時代の流れを感じる。

身勝手と言えばそれまでだが、地位や経済的には恵まれているものの、信実の愛を模索する男性を演じるリチャード・ギアは、切ない男心をそれなりに好演している。

ラジー賞も受賞してしまった妻役のシャロン・ストーンなのだが、常に「氷の微笑」(1992)のような魔性の女役を求めるのは酷であり、本作のような、美しさ際立つ普通の女性を演じていいのではないかと個人的には思う。
才女であり慈善家でもある、彼女の本来の姿が窺える点で、それほど特別な目で見る必要はないというのが正直な感想だ。

主人公の愛人でジャーナリストを演ずるロリータ・ダヴィドヴィッチ、主人公夫妻の友人である同僚のマーティン・ランドー、妻の友人デヴィッド・セルビー、主人公夫妻の娘役のジェニファー・モリソンは、本作がデビュー作となった。


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