ロサンゼルス市警内の汚職を牛耳る警官と内務調査官の戦いを描く、 監督、音楽マイク・フィギス、主演リチャード・ギア、アンディ・ガルシア、ナンシー・トラヴィス、ローリー・メトカーフ、ウィリアム・ボールドウィン他共演のサスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイク・フィギス
製作:フランク・マンキューソJr.
脚本:ヘンリー・ビーン
撮影:ジョン・A・アロンゾ
編集:ロバート・エストリン
音楽
ブライアン・バンクス
マイク・フィギス
アンソニー・マリネリ
出演
デニス・ペック:リチャード・ギア
レイモンド ・アヴィラ:アンディ・ガルシア
キャスリーン”キャシー”アヴィラ:ナンシー・トラヴィス
エイミー・ウォーレス:ローリー・メトカーフ
ヴァン・ストレッチ:ウィリアム・ボールドウィン
グリーブ:リチャード・ブラッドフォード
ドリアン・フレッチャー:マイケル・ビーチ
ペニー・ストレッチ:フェイ・グラント
ヘザー・ペック:アナベラ・シオラ
ショーン・ストレッチ:イライジャ・ウッド
ルディ・モーア:ザンダー・バークレー
グレゴリー:ジュリオ・オスカー・メチョソ
スティーヴン・アロカス:ジョン・カペロス
トーヴァ・アロカス:キャサリン・ボロウィッツ
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1990年製作 114分
公開
北米:1990年1月12日
日本:1990年6月29日
北米興行収入 $27,734,391
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロサンゼルス。
市警のパトロール警官デニス・ペック(リチャード・ギア)は、同僚のヴァン・ストレッチ(ウィリアム・ボールドウィン)とドリアン・フレッチャー(マイケル・ビーチ)と共に、職務を利用して悪事を働いていた。
内務調査班(IAD)のレイモンド ・アヴィラ(アンディ・ガルシア)は、パートナーとなるエイミー・ウォーレス(ローリー・メトカーフ)から、不正行為を行ったと思われるストレッチを調べると言われる。
ストレッチが警察学校の同期だとウォーレスに伝えたアヴィラは、降りるかと言われるものの調査をすると答える。
研修の教官だったグリーブ(リチャード・ブラッドフォード)に出くわしたアヴィラは、簡単な会話を交わして仕事を始める。 妻ペニー(フェイ・グラント)の浮気を疑うストレッチは、彼女に暴力を振るう。 息子ショーン(イライジャ・ウッド)とペニーに抵抗されたストレッチは、現れたペックに制止される。 ペックは、自制心を失うストレッチを落ち着かせる。 ウォーレスと警察署に向かったアヴィラは、ストレッチと出くわす。 アヴィラとの再会を喜んだストレッチだったが、その場にいたペックにIADだと言われる。 所長室で話したいとストレッチに伝えたアヴィラは、その場を去る。 ウォーレスと共にストレッチに質問したアヴィラは、明らかにドラッグに依存している彼の様子を気にする。 アヴィラとの話し合いのことをペックに聞かれたストレッチは、IADに出頭することになったと話す。 ストレッチのことを心配するペックは、今夜は自分の家に泊まるよう伝える。 ギャラリーをオープンさせた妻キャスリーン”キャシー”(ナンシー・トラヴィス)と共に帰宅したアヴィラは、新しいパートナーが女性だと知らせる。 それを気にするキャシーに、パートナーは有能な警官だと伝えたアヴィラは、その後、彼女と愛し合う。 翌日、銀行に勤めるペニーに会ったアヴィラとウォーレスは、顔を殴られた跡がある彼女から話を聞き、ストレッチのことや浮気についてを質問をするが、迷惑に思われる。 オフィスに戻ったウォーレスは、ストレッチがペニーを殴り麻薬依存症であることをグリーブに伝え、3日で逮捕の裏付けをとることを約束する。 ペックが未だにパトロール警官であることを疑問に思うアヴィラは、彼がいい警官だと言うグリーブに、会って話をすることを伝える。 アヴィラはペックと話し、ストレッチのことではなく、ペニーに男がいるのではないかと尋ねるが、人の妻には干渉するなと言われる。 その後アヴィラとウォーレスは、ストレッチとペニーの年収が8万5000ドルであるのに対し、去年、二人は40万ドル以上の家を買い、他にも1年半で30万ドルも使っていることに注目する。 金額が大き過ぎるため、一人ではできないと考える二人は、ペックが絡んでいる線で調べようとする。 ストレッチも警備のバイトをするクラブ”ギャレリア”の経営者ルディ・モーア(ザンダー・バークレー)に、更に警官をバイトさせるよう要求したペックだったが、それを断られる。 ペックは、実業家のスティーヴン・アロカス(ジョン・カペロス)が手を借りたがっているとモーアに言われて紹介される。 自分が連行した売春婦を署の前でペックが釈放し、揉めたことを告げ口されたフレッチャーは、その件をアヴィラに聞かれる。 フレッチャーが、ギャレリアでバイトをしていることを知ったアヴィラは、ペックが口利きをしていることを知る。 クラブでアカロスに会ったペックは、彼の妻トーヴァ(キャサリン・ボロウィッツ)を紹介される。 ギャレリアの経営者で前科のあるモーアが、ペックの友人だとアヴィラから知らされたウォーレスは、バイトをしている警官のリストを作ると言われる。 ペックが全てを仕切っていると考えたアヴィラは、全警官の資料をウォーレスと調べ始める。 建築の床材を製造しているいアカロスは、会社経営の妨げになる両親の殺害をペックに依頼する。 1万5000ドル払うと言われたペックは、話にならないと言って、考え直すようアカロスに伝え、トーヴァに好意を示しながら席を立つ。 夜中に帰宅したアヴィラは、食事をせずに待っていたキャシーが不機嫌だったために気にする。 アヴィラとウォーレスは、同僚の40%にバイトさせているペックが、職権乱用と仲間を牛耳っていることを上司とグリーブに報告する。 単なる推測だとグリーブに言われたウォーレスは、重罪の前科があるモーアとペックが関係しているこも伝えるが、告訴の裏付けはなかった。 ペックが優秀な警官だと言うグリーブは彼を庇い、調査を進める根拠がないと判断される。 ストレッチは不正行為を追及され、協力すれば懲戒免職勧告は取り下げるとアヴィラに言われる。 不正に誰が関わっているのか、その証拠を提供することをストレッチはアヴィラに要求される。 その権限がないとウォーレスに言われたアヴィラは、ストレッチが吐きたがっていることを伝えるが聞き入れてもらえない。 弁護士と相談したストレッチは、アヴィラの提案を断りその場を去る。 アヴィラとの取引のことをペックに話したストレッチは、裏切りを疑われて隠しマイクを調べられる。 ペックはアヴィラに会い、今までの態度を謝罪して家族の話などをする。 しかし、キャシーの話をし始めたペックが彼女を侮辱したため、アヴィラはペックを殴り倒す。 オフィスに向かったアヴィラは、ペックの預金残高などをウォーレスに調べさせる。 ペニーに電話をしたストレッチは、取引に応じれば仕事を続けられるため、ペックの件をアヴィラに話すことを伝える。 浮気相手だったペックがその場にいたため、ペニーは、家に戻ると言うストレッチに都合が悪いと伝える。 まだ話さないでほしいとストレッチに伝えたペニーは、電話を切ってペックと愛し合う。 翌日、署長と話したことをストレッチに伝えたペックは、懲戒免職は免れるだろうと聞き、彼に感謝する。 その後、パトロール中に不審車を発見したペックとストレッチはそれを調べる。 ストレッチは車内にいた男に撃たれ、それを企んだペックは、その男を射殺する。 ペックは応援を要請するが、生きていたストレッチに声をかけられて驚く。 その時、車に潜んでいた男が運転して走り出し、ペックは発砲するものの逃げられてしまう。 ペックは、助けを求めるストレッチを羽交い絞めにして殺し、その直後に救急車が到着する。 仕事に没頭するアヴィラに不満を訴えるキャシーは、ウォーレスと浮気もしていると言って彼と口論になる。 ウォーレスは同性愛者だと言うアヴィラは、彼女からの電話を受け、ストレッチが死んだことを知らされる。 現場に向かったアヴィラとウォーレスは、逃げた男を、ペックよりも先に見つけようとする。 付近に詳しい従兄のグレゴリー(ジュリオ・オスカー・メチョソ)に会ったアヴィラは、逃げた男の情報を集めることを約束される。 ストレッチの葬儀は行われ、ペニーに寄り添うペックは、夫に手を出したことを疑われるが、それを否定して面倒をみることを彼女に伝える。 フレッチャーにも犯人捜しの協力を求めたアヴィラは、ペックには秘密にするよう指示する。 ペックを車で尾行したアヴィラだったが、まかれてしまう。 車で逃げた男がヤクの売人だと知らされたアヴィラは、男が国外に向かう前に、取引に姿を現すとグレゴリーから知らされる。 アヴィラは、グレゴリーと共に取引現場に向かうことをフレッチャーに伝える。 その後アヴィラは、ウォーレスとフレッチャー、そしてグレゴリーと共に現場で取引の様子を見張る。 ハリウッドサインの付近で老夫婦アロカスの死体が発見された事件のニュースを見ていたペックの妻ヘザー(アナベラ・シオラ)は、メモ帳に書いてあった”スティーヴン・アロカス”という名前を気にする。 無駄足だったと考えて帰ろうとしたアヴィラは、男が現れた直後にSWATが到着したために驚く。 フレッチャーがSWATに撃たれてしまい、車で逃走した男も銃撃される。 倉庫に車で突っ込んだ男を追ったアヴィラだったが、男は現れたヘリコプターの警官に撃たれ、建物から落下する。 男に駆け寄るアヴィラは、ストレッチ殺しを誰に頼まれたかを聞き、男はペックだと言って息を引き取る。 自宅に戻ったアヴィラは、フレッチャーがペックに話したためSWATが現れたと、ウォーレスからの電話で知らされる。 ペックを尾行したアヴィラは、彼がキャシーと会っていることを確認する。 二人を見失ったアヴィラは、ギャラリーに向かうものの、キャシーが戻っていないことを知り苛立つ。 その後、現れたペックに叩きのめされたアヴィラは、彼からキャシーと寝たと言われる。 レストランにいたキャシーに、誰と会っていたのかを問い詰めたアヴィラは、嘘をつく彼女を殴り罵倒してその場を去る。 苦悩するアヴィラはバーで酔い潰れ、翌朝、帰宅する。 キャシーを無視して出て行こうとするアヴィラは、ペックと会ったことは認めるが、何もしていないと言う彼女を信じて愛し合う。 翌日、アヴィラは、ペックの別れた妻達の不動産が300万ドルで、そのローンを組んだのがペニーだということをウォーレスから知らされる。 ペックの行動を不審に思い始めたヘザーは、彼からIADのアヴィラのことなどを聞かされ、何も話すなと言われて不安が募る。 ペックに対する不正な銀行業務などが罪になることを、アヴィラから知らされたペニーは、調査に協力すれば見逃すと言われる。 不正を否定するペニーに、ペックとの関係を追及するアヴィラとウォーレスだったが、追い払われる。 フレッチャーの葬儀が行われ、ウォーレスはキャシーに話しかけて挨拶する。 教会から出たアヴィラはペックに襲いかかるが、ウォーレスらに制止される。 ペニーは、ストレッチを殺したのはペックだとヘザーに話し、それが知られるのは時間の問題だと伝える。 葬儀から戻ったペックは、二人が話していることに気づく。 その後ペックは、目を付けていたアロカスの妻トーヴァと愛し合い、夫にそれを見せつける。 ヘザーに会ったアヴィラとウォーレスは、ペックの金の流れを話そうとする彼女に、既にペニーから聞いていることを伝える。 ストレッチ殺害についてを聞いたアヴィラは、何も知らないと言うヘザーに刑務所行きになると伝え、アロカスの名前を聞き出す。 拳銃を渡されトーヴァを殺すよう言われたアロカスは、仕方なく発砲する。 アロカスの家に向かったアヴィラとウォーレスは、夫妻の死体を確認する。 その時、潜んでいたペックが現れ、ウォーレスは銃撃されてしまう。 ペックは逃亡し、救急車を呼んだアヴィラはウォーレスに寄り添う。 ウォーレスからペックに撃たれたと言われたアヴィラは、その場にいた救急隊員を証人にする。 病院で、ウォーレスが持ち堪えていると医師から言われたアヴィラは、キャシーと連絡が取れないため、彼女の危険を察して自宅に向かう。 忍び込んでいたペックに脅されたキャシーは、現れたアヴィラからベッドの上の銃を取るよう指示される。 アヴィラはキャシーの無事を確認して、ペックに銃を向けて殴り倒す。 ナイフを手にしたペックの足を撃ったアヴィラは、彼が抵抗しようとしたために射殺する。 アヴィラは、キャシーに寄り添い抱きしめる。
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*(簡略ストー リー)
ロサンゼルス。
市警のパトロール警官デニス・ペックは、同僚のストレッチやフレッチャーと共に職務を利用して悪事を働いていた。
内務調査班(IAD)のレイモンド ・アヴィラは、パートナーのウォーレスと共に、不正行為を行ったと思われるフレッチャーの調査を始める。
ストレッチとは警察学校の同期だったアヴィラは、明らかに麻薬依存症である様子や、妻ペニーとの関係も悪化していることに気づく。
その後、多くの警官に警備のバイトなどをさせて、それを牛耳るペックの存在に注目したアヴィラとウォーレスは、彼の周辺や資産などを調べ始めるのだが・・・。
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脚本家、作曲家としても知られるイギリス人のマイク・フィギスが、アメリカの大きな社会問題である、警察内の汚職を扱った社会派サスペンス。
やや演出に粗さも見えるが、多くの登場人物を個性的に描き、そのそれぞれの思惑が絡み合う、見応えあるサスペンスには仕上がっている。
既にキャリア十分であり、期待の若手から実力も兼ね備えたスターとなったリチャード・ギアが、職務を利用した悪徳警官として、強かな悪役を演じ注目を集めた作品。
主人公に翻弄されながら徹底的に調査して悪事を暴く、内務調査官を好演するアンディ・ガルシア、その妻ナンシー・トラヴィス、内務調査官として主人公を追い詰めるローリー・メトカーフ、主人公と同じ悪徳警官ウィリアム・ボールドウィン、その妻で主人公と浮気するフェイ・グラント、その息子役のイライジャ・ウッド、主人公の教官リチャード・ブラッドフォード、主人公の同僚マイケル・ビーチ、主人公の妻アナベラ・シオラ、クラブのオーナー、ザンダー・バークレー、アヴィラ(アンディ・ガルシア)の従兄ジュリオ・オスカー・メチョソ、主人公に両親殺害を依頼する実業家ジョン・カペロス、その妻キャサリン・ボロウィッツ(ジョン・タトゥーロ夫人)などが共演している。