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インテリア Interiors (1978)

自立している三姉妹を中心に恵まれた家族の崩壊を描く、ウディ・アレン監督、脚本、主演ダイアン・キートンジェラルディン・ペイジE・G・マーシャルモーリン・ステイプルトンメアリー・ベス・ハートサム・ウォーターストン他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

ウディ・アレン / Woody Allen 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:ウディ・アレン

製作
チャールズ・H・ジョフィ

ジャック・ロリンズ
製作総指揮:ロバート・グリーンハット
脚本:ウディ・アレン
撮影:ゴードン・ウィリス
編集:ラルフ・ローゼンブラム
美術・装置
メル・ボーン

ダニエル・ロバート

出演
レナータ:ダイアン・キートン

イヴ:ジェラルディン・ペイジ
アーサー:E・G・マーシャル
ジョーイ:メアリー・ベス・ハート
フリン:クリスティン・グリフィス
パール:モーリン・ステイプルトン
マイク:サム・ウォーターストン
フレデリック:リチャード・ジョーダン

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1978年製作 99分
公開
北米:1978年8月2日
日本:1979年4月14日
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $10,432,370


アカデミー賞 ■
第51回アカデミー賞

・ノミネート
監督・脚本
主演女優(ジェラルディン・ペイジ
助演女優(モーリン・ステイプルトン
美術賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ロングアイランド
弁護士であったアーサー(E・G・マーシャル)は、インテリア・ディレクターの妻イヴ(ジェラルディン・ペイジ)の作られた世界で暮らしていることに嫌気がさす。

アーサーは、全てを支配しようとするイヴの考えに耐えられなくななったのだった。

作家の次女ジョーイ(メアリー・ベス・ハート)の家を訪ねたイヴは、娘の夫マイク(サム・ウォーターストン)から、自分の世界観を押し付けられていると言われる。

別居してギリシャに旅行に向かったアーサーと、再び同じ生活ができる可能性を語るイヴだったが、ジョーイは現実的になるよう意見する。

長女レナータ(ダイアン・キートン)は、母イヴが常にイラつき情緒不安定気味だったことを語る。
____________

...全てを見る(結末あり)

ある日アーサーは、イヴを前にして、彼女と別居したいということをレナータとジョーイに伝える。

試験的に家を出てみるというアーサーの考えを聞いたイヴは、独りで家にいることは耐えられないと言って、自分が家を出ることを伝え動揺する。
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ジョーイは、元の生活に戻れるとレナータがイヴに言ったと聞いてそれを気にする。

レナータは著名な詩人であったが、夫フレデリック(リチャード・ジョーダン)は売れない作家だった。

イヴの誕生日で家族は集まることになり、女優として活躍していた三女のフリン(クリスティン・グリフィス)は、生甲斐がないと言って嘆く母を気遣う。

家に戻ったレナータは、名声に執着するフレデリックの言動にうんざりする。

その後、ギリシャから戻ったアーサーと会ったイヴは、素っ気ない彼の態度にショックを受けガス自殺を図る。

一命を取り留めたイヴだったが、療養所に入ることになり、レナータは、いつも彼女の側にいたジョーイの悲しみを察する。

レナータは、それを病院に駆け付けたアーサーに伝える。

フレデリックが、ハーバード大学で教えることになったことを喜ぶレナータは、普段から自分をライバル視するジョーイと、一連のことがきっかけとなり亀裂が生ずる。

子供を望まないジョーイは、妊娠したことや、退院したイヴが未だにアーサーと元の生活に戻れると考えているのを知り苛立つ。

マイクは子供を産むことを望み、悩むジョーイは、彼の意見を聞き入れる。

アーサーは、パール(モーリン・ステイプルトン)という女性と付き合い始め、彼女とギリシャに旅行して結婚も意識する。

帰国したアーサーは、レナータとジョーイと夫達にパールを紹介し、彼女と結婚することを伝える。

マイクとフレデリックは、陽気で気さくなパールが気に入る。

当然、娘達は父の結婚に意見し、母イヴはアーサーが戻るのを望んでいることを伝え、双方は口論になる。

レナータは父の考えを理解しようとも考えるが、ジョーイは納得しない。

教会でアーサーに会ったイヴは、再婚を考えるアーサーの話を聞き取り乱してしまう。

アーサーとパールは、家族と知人をビーチハウスに呼び結婚式を挙げる。

その後のパーティーで、陽気に踊っていたパールがイヴの花瓶を割ってしまい、憤慨したジョーイは彼女を罵る。

酔ったフレデリックは、以前から気にしていたフリンに襲い掛かかるが、彼女はその場を逃れる。

ジョーイは夜中に現れたイヴに気づき、自分が軽蔑され、才能あるレナータを崇拝していたと言って母を責める。

イヴは、自分を憎んでいるというジョーイに、心が歪んでいるとまで言われる。

ジョーイは愛していることも伝えるのだが、イヴはその言葉を聞くこともなく部屋を出て、その場にパールが現れる。

ショックを受けたイヴは、浜辺の波間に向かい入水自殺する。

それに気づいたジョーイとマイクは、イヴを助けようとして海に入る。

溺れそうになったジョーイをマイクが助け、パールが駆け寄る。

パールは、意識のないジョーイに人工呼吸をして彼女を助ける。

数日後、イヴの葬儀は行われ、家族は彼女の棺に花を手向ける。

ジョーイは、母や家族の思い出を書き記し、姉妹はビーチハウスでいつまでも海を見つめる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ロングアイランド
ビーチハウスに住む弁護士アーサーは、自分の世界観で周囲を支配するようなインテリア・ディレクターの妻イヴとの生活に嫌気がさす。
長女レナータは詩人、次女ジョーイは作家、三女フリンは女優としてそれぞれが自立していたのだが、母イヴの考えにはそれぞれの思いがあった。
ある日、レナータとジョーイの前で、アーサーに別居を切り出されたイヴは動揺して情緒不安定となり、その後、自殺を図る。
母を案ずるレナータとジョーイの間にも亀裂が生じ、そんな気持ちを無視して、アーサーは、パールという女性と付き合い始め結婚を考える・・・。
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完璧な調和を求めるインテリアの世界感を、実生活の家族にまであてはめてしまう母親、それを”支配”と考える夫、その狭間で苦しむ娘姉妹の葛藤を描く、ウディ・アレンの細やかな心理描写が注目のシリアス・ドラマ。

成功者の象徴のような家族の苦しみは、生活に追われる平民のそれとは当然、異質なものとして描かれている。
ユーモアを完全に排除した鬱蒼とした雰囲気、整然としたシンプルな家具の配置や、曇り一つない洗面台の蛇口など、張り詰めたような空間で繰り広げられる人間描写が、実に興味深い作品。

第51回アカデミー賞で、監督、脚本、主演女優(ジェラルディン・ペイジ)、助演女優(モーリン・ステイプルトン)、美術賞にノミネートされた。

才能ある詩人の長女を演ずるダイアン・キートン、清楚な雰囲気でありながら、情緒不安定な母親を見事に演ずるジェラルディン・ペイジ、夫E・G・マーシャル、その恋人で、少ない出演ながら存在感を発揮するモーリン・ステイプルトン、次女役の作家であるメアリー・ベス・ハート、三女で女優のクリスティン・グリフィス、長女の夫役リチャード・ジョーダン、次女の夫サム・ウォーターストンなどが共演している。


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