インヒアレント・ヴァイス Inherent Vice (2014)

翌日、オフィスにしているクリニックに向かったドックは、受付のペチュニア・リーウェイ（マーヤ・ルドルフ）から、男が待っていると言われる。

ドックは、ギャング”ブラック・ゲリラ・ファミリー”の一員であるタリク・カリール（マイケル・ケネス・ウィリアムズ）と話をする。

ドックは、タリクが刑務所で一緒だったアーリアン・ブラザーフッドのグレン・チャーロックという白人が、取引した大金を払わないために捜したいという相談を受ける。

グレンがウルフマンの用心棒であり、タリクらのアジトが潰されチャンネル・ビューの所有する建物が建設されたことを知ったドックは、ソルティレージュとその場に向かう。

マッサージ・パーラーに一人で入ったドックは、対応したジェイド（ホン・チャウ）にグレンの居場所を訊く。

警官と疑われたドックは私立探偵だと伝えて内部を見て回り、背後から頭を殴られて気を失う。

グレンの死体の横で目覚めたドックは、ビッグフットら警官に包囲されていることに気づき逮捕される。

警察署でドックは、シャスタのことを話すビッグフットから、彼女とグレンの関係を知り、殺人の件を追及される。

ウルフマンは失踪し、24時間以内に解決しなければFBIが介入してくると言うビッグフットは、その場に現れた弁護士ソンチョ・スマイラックス弁護士（ベニチオ・デル・トロ）にドックを釈放することを伝える。

その夜、ビッグフットからの電話で、シャスタが姿を消したことを知らされたドックは動揺する。

ホープ・ハーリンゲン（ジェナ・マローン）からの電話受けたドックは、彼女に会う。

元ヘロイン中毒のホープから、死んだと思われた夫コーイ（オーウェン・ウィルソン）が生きていると思うと言われたドックは、彼女の口座に大金が振り込まれたことを知る。

ドックは、シャスタと面識のあったコーイを捜すことになりホープと別れる。

ウルフマンの妻スローン（セレナ・スコット・トーマス）に会ったドックは、ウルフマンが入れられている可能性がある施設のことを探ろうとする。

スローンの浮気相手リッグス・ワーブリング（アンドリュー・シンプソン）を紹介されたドックは、その場を出たところで、待ち構えていたビッグフットに痛めつけられる。

その後、ペニーに会ったドックは、ウルフマンとグレンの件はシャスタが主犯だと言われ、彼女との関係を話す。

ウルフマン失踪の件をペニーに調べてもらいたドックは、グレンの殺害を疑われたために、それを否定する。

ペニーをオフィスに送ったドックは、現れたFBI捜査官のフラットウィード（サム・イェーガー）とボーダーライン（ティモシー・サイモンズ）から、タリクの件で話を聞きたいと言われ、グレンの殺害とウルフマンの失踪についても質問される。

タリクとの話の内容を訊かれても話さないドックは、その場を去る。

クリニックにいたドックは、マッサージ・パーラーのジェイドからのメッセージをペチュニアから見せられる。

それは、夜、クラブ・アジアで会いたいという内容で、”黄金の牙”に気をつけるようにと付け加えられていた。

ジェイドに会ったドックは、黄金の牙の縄張りに向かい、彼女から、自分を騙せば罪を許すと言われたことを知らされる。

自分に会いたい男がいると言われたドックは、ジェイドが去った後に現れたコーイから、二人の女性（ホープと娘）の近況を調べることを依頼される。

支払いは情報でもいいと言うドックは、コーイに黄金の牙について尋ね、それが、何かを隠して運んでいる大きな船だということを知る。

今日、入港したと言われたドックだったが、霧の中でその方向を確認している間にコーイは姿を消す。

翌日ドックはソンチョは、霧が晴れた海に浮かぶスクーナーの黄金の牙を監視する。

元は漁船プリザーヴドだと言うソンチョは、俳優バーク・ストッジャーが買い取ったものの、共産主義者リストに載った彼は国外に逃亡したことをドックに話す。

ドックから、船で何かを運んでいるらしいと言われたソンチョは、関係しているウルフマンが乗り込んだことを話す。

シャスタも一緒だったのかが気になるドックは、この件に絡んでいるFBIが、ウルフマンをラスベガスのカジノのオーナーにしたかったということを知る。

帰宅したドックは、ソンチョから、シャスタが黄金の牙に乗って出航したという情報を得る。

ペニーに電話をしたドックは、来てくれると言う彼女を待つ。

その後、ペニーとマリファナを吸い楽しんでいたドックは、テレビで流れるニクソン大統領が演説する自警団の集会で叫び声を上げて抗議したのが、コーイだったために驚く。

ドックは、UCLAの学生リック・ドッペルだと紹介された男をチャッキーと呼ぶペニーから、コーイが情報屋だということを知らされる。

コーイは、あらゆる組織との関係を築くために、反政府主義者を装っているとペニーは話す。

デニスと共にコーイを捜しにある場所に向かったドックはジェイドと出くわし、コーイがキッチンにいることを知らされる。

コーイと話したドックは、ホープに会ったことを伝える。

ホープと娘を危険な目に遭わせるわけにはいかないと言うコーイから、潜入を指示している者を聞き出そうとするドックは、シャスタを見つけるようにというヒント以外の情報は得られない。

ジェイドを家に送ったドックは、黄金の牙が危険な理由を尋ね、それがインドシナのヘロイン・カルテルの名前だということを知る。

パーカー・センター。
ビッグフットに会うしかないと考えたドックは、彼にデニスが撮った、死んだことになっているコーイの写真を見せて、彼がタレコミ屋だと伝える。

ビッグフットは、この件を調べることをドックに約束する。

クリニックを訪ねたグレンの妹クランシー（ミシェル・シンクレア）は、兄の死はどうでもいいが、殺した者を知りたいとドックに伝える。

ウルフマンのことも話すクランシーは、パック・ビーバートン（キース・ジャーディン）が警護の担当だったが、事件の日にグレンと交代したとドックに伝える。

パックに会いたいドックは、姿を消した彼を見つけたら教えてほしい言うクランシーを誘う。

それを断られたドックは、待っていた巨漢の男二人と帰る彼女に、ウルフマンの女シャスタのことを知っているか尋ねる。

シャスタが失踪したことを知っていたクランシーは、彼女はウルフマンに惹かれていたと伝える。

ペチュニアから、ドックとシャスタは同棲していたと言われたクランシーは、彼に同情して励まし、その場を去る。

シャスタから絵ハガキを受け取ったドックは、彼女とソルティレージュと共に”ウィジャボード”をした時のことが書いてある内容を参考にしてある場所に向かい、黄金の牙のようなビルを見つける。

デニスを車に残し、”黄金の牙エンタープライズ本部”ビルに入ったドクは、受付のザンドラの案内で歯科医ルディ・ブラットノイド（マーティン・ショート）の部屋に向かう。

ドックは、現れたブラットノイドから、この場が歯科医の組合であることを知らされる。

ドックにドラッグを勧めたブラットノイドは、ザンドラと愛し合うために診療室に向かう。

ドラッグを吸ったドックは、現れた、以前、捜索を頼まれた大富豪である弁護士クロッカー・フェンウェイ（マーティン・ドノヴァン）の娘で、ドラッグ漬けで精神を病んでいるジャポニカ（サーシャ・ピーターズ）と話をする。

そこにブラットノイドが戻りジャポニカに寄り添い、いちゃつく二人を見てザンドラは嫉妬する。

デニスが車を壊したことを知ったドックは、ジャポニカが送ってくれると言うので、ブラットノイドも同乗して彼女の運転で走り出す。

車はパトロール警官に止められるが、注意されただけで済んだ。

その後、ビッグフットからの電話を受けたドックは、ブラットノイドが、首を傷つけられた変死体で見つかったことを知る。

ブラットノイドと一緒にいたことで疑われたドックはビッグフットに会う。

パックの知り合いの売人のヘロインの過剰摂取でコーイは死んだと言うビッグフットは、ブラットノイドの首には咬み傷があったことをドックに伝える。

中型の野犬が咬んだ痕だと検視官が言っていたと話すビッグフットは、それを信じないドックから、傷を詳しく調べるようにと指示される。

黄金の牙に関係するカルト教団が運営する施設クリスキーロドンに向かったドックは、スリープリー医師（ジェファーソン・メイズ）に迎られ、24時間、バーク・ストッジャーの作品ばかりを上映する映画館に案内される。

施設内を見て回るドックは、シャスタの絵が描かれたネクタイをするパックとコーイがいることを知り、FBIに監視されているウルフマンを確認する。

気づかれないようにしてウルフマンに近づいたドックは、彼が、今まで弱者から吸い上げた金で財を成したことに罪悪感を感じていることを知る。

この場にいることに満足しているように見えるウルフマンに、シャスタのことを尋ねたドックだったが、答えてもらえない。

家で”アダム12”を見ていたドックは、ビッグフットが端役出演していることに気づく。

戻って来たシャスタと話したドックは、州の北部に行っていたと言われ、今回のトラブルについては触れなかった。

ビッグフットからの電話に出たドックは、シャスタが戻ったらしいと言われるものの、その件については何も話さず、彼の妻に罵倒されてしまう。

全裸のシャスタと愛し合ったドックは、彼女がしているネックレスを見て北部で買ったものでないと考える。

シャスタは、船に乗っていたことをドックに伝える。

その後、ソルティレージュと話をしたドックは、ペニーのオフィスに向かう。

ウルフマンがFBIに監視されていることをペニーに話したドックは、ビッグフットが気にするエイドリアン・プロシア（ピーター・マクロビー）の極秘資料を見せてもらう。

ロサンゼルス市警とプロシアとの関係を知ったドックは、市警に雇われた殺し屋であり、彼が、刑事ヴィンセント・インデリカートを正当防衛で殺した事件に注目する。

インデリカートはビッグフットの相棒であり、それが彼が憂鬱だった理由だと考えたドックは、プロシアに会いに行く。

プロシアに相手にされないドックは、そこに現れたパックが、シャスタと同じネックレスをしていることに気づく。

拘束されたドックは、パックがドラッグを取りに行った間に手錠を外し、戻って来た彼に襲い掛かり叩きのめす。

銃を奪ったドックはプロシアを銃撃し、その場にビッグフットが現れたために、彼にハメられたことに気づく。

ビッグフットはプロシアのヘロインを奪い、ドックから、黄金の牙のブツだと言われるものの気にしない。

レッカー移動されたドックの車に向かい、ヘロインを乗せかえたビッグフットは、その場を去る。

ヘロインを家に運んだドックは、ジャポニカの父クロッカーからの電話を受け、自分の依頼人のブツを返すようにという話を聞く。

クロッカーが黒幕だと考えたドックは、ジャポニカが世話になったので生かしていると言われ、指定された話し合いの場所に向かうことを約束する。

クロッカーに会ったドックは、ブラットノイドのところでジャポニカに会ったことを話す。

ブラットノイドは事故で死んだはずだと言うクロッカーに、ドックは、警察はそれを断定していないと伝える。

ジャポニカを堕落させた変態歯科医ブラットノイドを痛烈に批判したクロッカーは、依頼人のブツを返すなら謝礼を払うとドックに伝える。

金ではなく、市警や自警団他の組織のスパイをしている、サックス奏者のコーイ・ハーリンゲンを自由にするというドックの条件をのんだクロッカーは、それを約束する。

ろくでなしのヒッピーだが、自分を騙したら命はないと脅したドックは、クロッカーを納得させる。

その後、デニスとジェイドと共にヘロインの引き渡し場所に向かったドックは、現れた車から降りた女性（サマンサ・ルモール）から、コーイ名義の”アメリカン・エクスプレス”のクレジットカードを渡される。

女性の家族とデニスはヘロインを積み替え、ドックはその場を去る。

ドックは、施設を出たコーイを家に送る。

驚くホープと抱き合うコーイの姿を見ながら、ドックは考え込む。

黄金の牙の船が司法省に押収されたことをソンチョから知らされたドックは、正義が勝ったと考える。

その後、ビッグフットがドアを蹴破り押し入って来たために驚くドックは、マリファナを吸い葉を食べる彼を見て呆然とする。

兄弟と言われるものの、それを否定したビッグフットは、番人がいないと困るとつぶやくドックを無視して立ち去る。

シャスタを乗せてドライブするドックは、ソルティレージュと”ウィジャボード”をした時のことを思い出す彼女に、寄りを戻したわけではないと伝える。

シャスタから、その通りだと言われたドックは微笑む。