透視能力を持つ女性が巻き込まれる誘拐殺人事件を描く、監督、脚本ニール・ジョーダン、主演アネット・ベニング、エイダン・クイン、スティーヴン・レイ、ロバート・ダウニーJr.他共演のスリラー。 |
・ロバート・ダウニーJr. / Robert Downey Jr. 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:ニール・ジョーダン
製作
スティーヴン・ウーリー
チャールズ・バーク
原作:バリ・ウッド”Doll’s Eyes”
脚本
ニール・ジョーダン
ブルース・ロビンソン
撮影:ダリウス・コンジ
編集:トニー・ローソン
音楽:エリオット・ゴールデンサール
出演
クレア・クーパー:アネット・ベニング
ポール・クーパー:エイダン・クイン
シルバーマン博士:スティーヴン・レイ
ヴィヴィアン・トンプソン:ロバート・ダウニーJr.
ジャック・ケイ刑事:ポール・ギルフォイル
フロイド:マーゴ・マーティンデイル
レベッカ・クーパー:ケイティ・サゴナ
ハンター:ジェニファー・ベリー
アメリカ 映画
配給 ドリ ームワークス
1999年製作 98分
公開
北米:1999年1月15日
日本:未公開
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $12,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1965年、ノースフィールドの町は貯水池の水底に沈んだ。
水は、住民の思い出さえも飲み込んでしまった。
現代。
クレア・クーパー(アネット・ベニング)は、国際線パイロットの夫ポール(エイダン・クイン)と娘レベッカ(ケイティ・サゴナ)と共に暮らしていた。
毎晩見る失踪した少女の夢についてポールに話すクレアは、少女が貯水池にはいないと指摘する。
フライトから戻ったばかりで疲れているポールは、透視能力に関わる話にはうんざりだった。
その夜クレアは、ポールと愛し合っている最中に、連れ去られる女の子が見えてしまい、恐ろしいことが起きると予知する。 ポールは警察に知らせるよう助言し、自分が話に行くとクレアに伝える。 翌日、警察を訪ねたポールだったが、ジャック・ケイ刑事(ポール・ギルフォイル)にクレアの話をしても相手にしてもらえず、少女は水底で見つかったと言われる。 帰宅したポールは、制服のポケットにあった手紙で、愛人がいることを知ったクレアに責められる。 食事をしただけだと言うポールは、夢の話ばかりするクレアの態度も批判する。 レベッカの”白雪姫”の発表会を観たポールは、クレアに謝罪して仕事に向かう。 その後クレアは、レベッカが姿を消したことに気づき、警察や父兄により周囲の捜索が始まる。 クレアは、夢に出て来た少女がレベッカだったことに気づき、取り乱して鎮静剤を打たれる。 翌朝、クレアに会ったケイ刑事は、ポールへの対応を謝罪する。 ダイバーによる貯水池の捜査が行われ、対岸で死体が発見されたことを知ったクレアはショックを受ける。 クレアは、戻って来たポールの車で対岸に向い、追ってきたケイを振り切って暴走し、貯水池に落下してしまう。 救助されたクレアは、6週間意識不明だった末に目覚めて、その後も、ベッドに繫がれた少年の悪夢を見続ける。 精神科医のシルバーマン博士(スティーヴン・レイ)を紹介されたクレアは、帰宅した方がよいと判断され、ポールと共に家に戻る。 キスしていたポールは、”男”の夢を見ていたクレアに唇を噛まれてしまい、その説明を求める。 クレアは、自分がその”男”の夢を見ていることを彼が知っていると、意味不明な答えを返す。 ”男”が自分の頭の中にいると言う、クレアの話を信じられないポールは憤慨するが、冷静になり仕事に向かうことを伝える。 その後クレアは、夢に出て来るリンゴのことを考えていたが、子供の声と共に庭のブランコが揺れているのに気づく。 ブランコの上にはリンゴが置いてあり、その場にあったラジカセから突然、音が鳴り始める。 それを投げつけて壊したクレアは、愛犬を追って森に向い、警戒していたケイ刑事に出くわす。 犬を見ていないと言うケイは、リンゴに関係し、付近の果樹園を調べても何も手掛かりがなかったことを伝える。 家に戻ったクレアは、キッチンのオーブンが焦げていることに気づき、大量にあったリンゴを処分しようとして、流しのディスポーザーに押し込み混乱する。 作業部屋のコンピューターには”男”と思われる者の文字が並び、ポールからの電話を受けたクレアは、興奮してモニターを窓から投げ捨ててしまう。 帰宅したポールは、家中に書かれた赤い文字に驚き、クレアが手首を切っているのを知り、彼女に助けを求められる。 検査を受けたクレアは、文字は書かされたと話し、全てを終らせたかったために手首を切ったとシルバーマンに話す。 繋がれた少年の話などを聞いたシルバーマンは、クレアを精神科病棟に入れる提案をポールにする。 その頃、愛犬は”男”の元で飼い慣らされていた。 愛犬が現れたため、それを追って病院を抜け出したクレアは、街道でトラックに轢かれそうになり、何台もの車が衝突する事故が発生してしまう。 無事だったクレアに寄り添うポールは、彼女を精神科に入れることをシルバーマンに伝える。 看護師フロイド(マーゴ・マーティンデイル)らに監視されていたクレアの症状は悪化し、彼女は、ポールがホテルで愛犬に噛み殺される夢を見る。 帰宅したポールは家の売却を考え、愛犬をホテルの近くで見たという連絡を受ける。 その頃クレアは、夫を”カールトン・ホテル”に向かわせないようにとシルバーマンに伝えるが、彼はそれが実在するホテルなのかを疑う。 ポールがその場で愛犬に殺されると言うクレアは、自分の見る夢は現実になるとシルバーマンに伝える。 廃墟となったホテルに着いたポールは、ロープでつながれている愛犬を見つけるが、何者かに襲われる。 興奮するクレアはシルバーマンに襲いかかり、看護師に取り押さえられる。 その夜、病室の壁紙が気になったクレアは、その下に書かれていた文字を発見し、かつて”男”がこの部屋に入っていたことに気づき、名前が”ヴィヴィアン・トンプソン”であることを知る。 翌日、クレアは、ヴィヴィアンが”ルビー”という名の少女を狙っていることをシルバーマンに伝える。 シルバーマンは、宝石のルビーの他、赤にこだわるクレアの言葉を気にする。 水没した町から抜け出し、この病院に入っていたヴィヴィアンが、自分に殺人を止めさせようとしているとクレアは話す。 その後、自分がヴィヴィアンを支配しなければならないと伝えたクレアは、壁紙を剥がして眠る。 1972年に閉鎖された小児精神科病棟に向かったシルバーマンは、ヴィヴィアン・トンプソンのカルテと一緒にあった壁紙の写真や、1965年に親に捨てられた彼の経歴を確認してあることを確信する。 クレアは、通気口から部屋を出た少年ヴィヴィアンと同じ行動をする。 扮装して病院を抜け出したクレアは、警備員の車に乗せてもらい、誘うように見せかけて銃を奪う。 警備員に銃を突きつけたクレアは、病院に戻り、シルバーマンにホテルを調べるよう伝えることを指示して車で走り出す。 ノースフィールド展望台。 クレアは、その場に連れ去られた少女ルビーがいることを確認し、ヴィヴィアンに銃を渡すよう言われて指示に従う。 ヴィヴィアンは、霊的な夢を見るクレアを家族にしたかったと言って彼女を抱きしめる。 レベッカは大声をだして騒いだため静かにさせたことを伝えたヴィヴィアンは、ルビーが自分達の娘だと話す。 ヴィヴィアンは、自分を愛してくれれば怒らないと伝え、クレアはそれを約束する。 クレアはルビーに会い、彼女を安心させる。 シルバーマンはクレアが姿を消したことを知り、彼女が、25年前の1972年10月にヴィヴィアンが脱出した同じ方法でこの場を逃れたことを看護師に語る。 クレアの危険を察したシルバーマンは、警察を呼びカルテを見せるよう看護師に指示してカールトン・ホテルに向かう。 ルビーを逃がそうとしたクレアは、ヴィヴィアンに殴られて拘束される。 シルバーマンはケイ刑事らと共にホテルに着き、殺されたポールとその場にいた愛犬を発見する。 ケイとシルバーマンは、ヘリコプターでクレアが向かった場所に向かう。 ヴィヴィアンが眠っている隙に、ルビーに拘束を解いてもらったクレアは、彼女を連れて逃げようとする。 それに気づいたヴィヴィアンは、クレアに顔を蹴られて逃げられる。 クレアはルビーを逃がし、ヴィヴィアンは彼女を母親と思いながら追い詰める。 ルビーは、街道を通りがかった警官に保護される。 リンゴの保管庫に落下したクレアは、建物から脱出してダムに向かい、現れたヘリに合図を送る。 ヴィヴィアンはクレアを捕らえるものの狙撃され、二人はその場から水中に落下する。 クレアは、意識の中でレベッカに救われ、レスキュー隊に救出される。 逮捕されたヴィヴィアンは有罪となるが、心神喪失で死刑は免れる。 生きていられることで満足したヴィヴィアンだったが、夢に現れたクレアに脅される。 そしてヴィヴィアンは、一生、悪夢にうなされることになる。
...全てを見る(結末あり)
クレアは、現れたヴィヴィアンに案内されて、彼の家だという果樹園ではなくリンゴのジュース工場に向かう。
*(簡略ストー リー)
かつて町があった貯水池で少女失踪事件が起きる。
透視能力があるクレア・クーパーは、夫ポールと娘レベッカと暮らしていたが、少女が”男”に連れ去れる悪夢を見続けていた。
ポールはそれを警察に伝えるものの、担当したケイ刑事に相手にされない。
その後、レベッカが失踪し、クレアは夢の少女が娘だったことに気づく。
レベッカは死体で発見され、ショックを受けて混乱するクレアは病院に運ばれる。
精神科医シルバーマンの治療を受けたクレアだったが、夢に出て来る”男”の影が彼女に迫る・・・。
__________
水没した町が沈む貯水池周辺で起きる事件という設定がなかなか不気味で、現実とそうでない部分の微妙な違いを絶妙な映像タッチで描いて見せる、ニール・ジョーダンの演出が見所の作品。
娘が殺害された時点で、ショックを受けた主人公の精神状態は極限に達するはずなのだが、意外にも、そのことが後に引かないように描かれているところが興味深く、上映から70分しないとはっきりと登場しない犯人(ロバート・ダウニーJr.)との対決に備えるような演出も注目だ。
そのロバート・ダウニーJr.なのだが、若手の実力派としてキャリアを積んでいたものの、この頃、薬物問題を繰り返し起こしていた。
本作の公開の1999年は、1年間刑務所入りすることになる厳しい時期であり、それを感じさせないというか、逆に苦しさを演技に生かしているようにも思えるところが非凡とも言える。
恐ろしい事件を予知してしまう女性を熱演するアネット・ベニング、その夫エイダン・クイン、ニール・ジョーダン作品の常連で、精神科医のスティーヴン・レイ、刑事ポール・ギルフォイル、看護師マーゴ・マーティンデイル、主人公の娘ケイティ・サゴナなどが共演している。