金策に困った末にギャンブルで儲けようとした若い夫婦とゲームのようにその妻を金で買おうとする大富豪との関係を描く、監督エイドリアン・ライン、主演ロバート・レッドフォード、デミ・ムーア、ウディ・ハレルソン、シーモア・カッセル、オリヴァー・プラット、ビリー・ボブ・ソーントン他共演による夫婦愛のドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:エイドリアン・ライン
製作:シェリー・ランシング
製作総指揮
トム・シュルマン
アレックス・ガートナー
原作:ジャック・エンゲルハード
脚本:エイミー・ホールデン・ジョーンズ
撮影:ハワード・アサートン
編集:ジョー・ハッチング
音楽:ジョン・バリー
出演
ロバート・レッドフォード:ジョン・ゲージ
デミ・ムーア:ダイアナ・マーフィー
ウディ・ハレルソン:デヴィッド・マーフィー
シーモア・カッセル:シャックルフォード
オリヴァー・プラット:ジェレミー
ビリー・ボブ・ソーントン:デイ・トリッパー
リップ・テイラー:ラングフォード
ジョエル・ブルックス:不動産屋
ピエール・エプスタイン:ヴァン・バーレン
ビリー・コノリー:本人(オークション進行役)
シーナ・イーストン:本人
ハービー・ハンコック:本人
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1993年製作 116分
公開
北米:1993年4月7日
日本:1993年5月
製作費 $38,000,000
北米興行収入 $106,614,100
世界 $266,600,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ダイアナ(デミ・ムーア)とデヴィッド・マーフィー(ウディ・ハレルソン)は高校時代に知り合う。
デヴィッドは、19歳でダイアナにプロポーズしたのだが、二人は両親に結婚を反対され、駆け落ちする。
建築学校を出たデヴィッドは設計事務所に就職し、ダイアナは不動産会社のセールスをしていた。
土地を購入した二人は、ローンを組み夢のマイホームを建てるが、そこに不況が訪れて仕事もなくなり、借金の返済不能により、土地家屋は差し押さえられそうになる。
必要な5万ドルには程遠いが、父親からなんとか5000ドルを借りたデヴィッドは、あることを思いつく。 二人は、その金を元手にラスベガスのカジノに行き、5万ドルをギャンブルで稼ぎ出そうとする。 ラスベガス。 幸先よく稼ぎ始めたデヴィッドだったが、ダイアナは自分を見つめるゲージの視線が気になる。 一晩で2万5000ドル稼いだデヴィッドは有頂天になるが、翌日、なんと全財産を失ってしまう。 そんな時、ポーカーで負けていたゲージが、ダイアナの運を借りて100万ドルの賭けに勝ってしまう。 デヴィッドとダイアナは、お礼にゲージにもてなされることになる。 ゲージからダイアナにプレゼントされた、5000ドルのドレスを見てデヴィッドは驚いてしまう。 さらにゲージは、ダイアナと一夜を過ごすことを条件にして、100万ドルの提供を持ちかけられるが、2人はそれを断ってしまう。 しかし、そのことが頭から離れない二人は眠れず、お互いの将来のために、ダイアナは、ゲージと一夜を過ごす決断をする。 弁護士のジェレミー(オリヴァー・プラット)は、デヴィッドからの相談を受けてゲージと契約を交わす。 そしてデヴィッドは、ダイアナをゲージの部屋に残して立ち去る。 その後デヴィッドは耐え切れずに、ダイアナを連れ戻そうとするが、彼女はゲージとヘリコプターで飛び立ってしまう。 ゲージとダイアナは豪華クルーザーに向かい、彼女は覚悟を決めて身支度をする。 そして一夜は開け、ダイアナはデヴィッドの元に戻るが、返済が滞っていた土地が差し押さえられ、人手に渡ってしまったことを知り二人は愕然とする。 あの夜のことを話そうとしないダイアナだったが、デヴィッドは彼女のバッグの中から、ゲージの電話番号が書かれた名刺を見つける。 デヴィッドは、ダイアナがゲージと密会しているのではないかと疑うが、彼女には名刺を受け取った記憶はなく、二人は口論となる。 二人の土地を買ったのが、ゲージだと知ったダイアナは、彼に怒りをぶちまけ、100万ドルで土地を買い戻そうとするが、ゲージはそれを承知せず彼女を雇おうとする。 ダイアナはそれを断り、土地を取り戻すためにゲージと会ったことを正直にデヴィッドに話す。 しかし、デヴィッドは再び嫉妬し、家を出てジェレミーのアパートに向かう。 ある日、ダイアナの会社に1000万ドルクラスの不動産を探しにきたゲージは、彼女を連れ出して物件を見に行く。 仕事と割り切り同行したダイアナは、ゲージから求愛されるがそれを断る。 公民権の教師のバイトを始めた、ダイアナのクラスに現れたゲージは、勧められて購入した家に彼女を招待する。 ケージに、苦い恋の体験などを聞かされたダイアナは、彼に心を許すようになる。 ダイアナへの想いにふけり、酔った勢いでゲージと彼女に言い寄ったデヴィッドは酔いつぶれてしまい、運転手シャックルフォード(シーモア・カッセル)に自宅まで送られる。 大学の教鞭に立っていたデヴィッドは、ダイアナから離婚を迫られる。 デヴィッドは、ダイアナがゲージと出席したオークション会場で、カバを100万ドルで落札する。 デヴィッドは、潔く離婚届にサインしダイアナに渡す。 それを見ていたゲージは、帰りの車の中で、ダイアナが今までの”100万ドルクラブ”の女性の中で最高だという嘘をつき、シャックルフォードも口裏を合わせる。 ゲージはダイアナをデヴィッドに譲り、彼女は桟橋で物思いにふけるデヴィッドの元に戻る。
...全てを見る(結末あり)
ダイアナはブティックでドレスを物色中に、大富豪ジョン・ゲージ(ロバート・レッドフォード)からドレスをプレゼントされそうになるが、彼女はそれを断る。
*(簡略ストー リー)
駆け落ちして結婚したダイアナとデヴィッド・マーフィー夫妻は、ローンを組み土地を購入するが、不況のため返済不能になってしまう。
デヴィッドは、父親から何とか5000ドルを借りて5万ドルの借金を返すために、その金を元手にラスベガスのカジノで一攫千金を狙うことを考える。
ラスベガスについた2人だったが、ダイアナは、大富豪ジョン・ゲージからドレスをプレゼントされそうになり、彼女はそれを断る。
その後、デヴィッドは幸先よく稼ぎ始め、一晩で2万5000ドル稼ぐが、翌日、全財産を失ってしまう。
そんな時、ポーカーで負けていたゲージが、ダイアナの運で100万ドルの賭けに勝ってしまう。
デヴィッドとダイアナは、お礼としてゲージに持成されるが、彼はダイアナと一夜を過ごすことを条件に、100万ドルの提供を2人に持ちかける。
2人はそれを断わるものの、お互いの将来のために、ダイアナは、ゲージとの一夜を過ごす決断をするのだが・・・。
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ジャック・エンゲルハードの小説”Indecent Proposal”(原題)の映画化。
大スター、ロバート・レッドフォードと、当時、飛ぶ鳥を落とす勢いのデミ・ムーアが共演したことで話題になり、アメリカ国内はもとより、全世界で約2億6700万ドルの興行収入を記録するヒットとなった作品。
*北米興行収入 $106,614,100
しかし、奇抜なアイデアに思えるストーリーはやや受け入れ難く、”金で愛は買えるか”という発想事態が胡散臭く、富豪が女性を諦める場面なども白々しい感じがする。
ラジー賞では最悪作品賞の他、脚本と助演男優賞(W・ハレルソン)も受賞してしまい、主役の二人の他「危険な情事」(1987)のような衝撃的且つシャープな演出も見られない監督のエイドリアン・ラインまでもが、同賞にノミネートされてしまった。
役柄としては最適任者のように思えるものの、彼にしては今一引き込まれるようなものがないロバート・レッドフォードと、これは好みの問題かもしれないが、デミ・ムーアと彼との組み合わせが、どうもしっくりこない感じに見えて仕方ない。
加えて野性味ある異端児風のウディ・ハレルソンも、エリートか落ちこぼれか分らないような役柄が、彼には合わない気がする。
ゲージの運転手シーモア・カッセル、弁護士のオリヴァー・プラット、殆ど端役と言っていいビリー・ボブ・ソーントンなどが共演し、本人役でビリー・コノリー、シーナ・イーストン、ハービー・ハンコックなども登場する。